子会社・関連会社・グループ会社の違いとは?

※本記事の内容は一般的な情報提供のみを目的にして作成されています。法務、税務、会計等に関する専門的な助言が必要な場合には、必ず適切な専門家にご相談ください。

企業が成長し、事業規模が拡大していくと、「子会社」「関連会社」「グループ会社」といった言葉を目にする機会が増えていきます。決算書やニュース、取引先の会社概要などで見聞きしたことがある人も多いのではないでしょうか。

これらは似たような文脈で使われがちですが、意味や位置づけはそれぞれ異なり、会計や税務、経営管理の面で重要な違いがあります。

この記事では、子会社・連結子会社・関連会社・グループ会社といった用語の違いを、制度や実務の考え方に沿って整理します。

📝この記事のポイント

  • 子会社とは、親会社が議決権の過半数を持つなど、経営を実質的に支配している会社を指す
  • 連結子会社は、会計上の「支配関係」に基づき、連結決算の対象となる子会社である
  • 関連会社は、支配までは及ばないものの、議決権の保有や人的・取引関係などにより、経営に重要な影響力を与えている会社を指す
  • グループ会社は、子会社や関連会社を含めた企業群を表す総称であり、法律上の明確な定義はない
  • 子会社化や分社化は事業戦略の一環として行われ、形態や出資比率によって会計・税務上の取り扱い(グループ通算制度など)が異なる
目次


子会社とは

子会社があるということは、当然ながらその会社を支配する「親会社」が存在します。ここでは、親会社と子会社の関係性から、子会社の定義を整理します。

親会社とは、他の会社に対して出資などを行い、経営を実質的に支配している会社を指します。そして、その支配を受ける側の会社が子会社です。

一般的には、親会社が議決権の50%超を保有している会社が子会社に該当します。議決権の過半数を持つことで、株主総会における意思決定を通じ、経営方針に強い影響力を及ぼせるためです。ただし、子会社の判断は出資比率だけで決まるものではありません。たとえ議決権の保有割合が50%以下であっても、

  • 役員の過半数を派遣している
  • 重要な経営判断を実質的にコントロールしている
  • 資金調達や取引関係において支配的な立場にある

といった場合には、実質的に支配している会社として子会社と判断されることがあります。現在の会計実務では、このような「形式より実質」を重視した考え方が取られています。

なお、子会社にはいくつかの呼び方があります。

  • 完全子会社:親会社が発行済株式の100%を保有している会社
  • 孫会社:子会社が議決権の過半数を保有している会社(親会社から見ると「子会社の子会社」)
  • 連結子会社:会計上、親会社の連結決算に含められる子会社
  • 兄弟会社:同一の親会社を持つ子会社同士を指す一般的な呼称
  • 特例子会社:障がい者雇用促進を目的として設立され、一定の要件を満たした子会社

このように、「子会社」という言葉は単に出資比率だけでなく、経営支配の実態や制度上の位置づけを踏まえて使い分けられています。

連結子会社と特例子会社

連結子会社とは

連結子会社とは、子会社のうち、親会社が実質的に支配しており、連結決算の対象となる会社を指します。

連結決算とは、親会社単体ではなく、親会社とその支配下にある会社(子会社など)を1つの企業グループとして捉え、財務状況や経営成績をまとめて把握するための決算方法です。これにより、グループ全体の実態をより正確に把握することができます。

連結決算の対象となるかどうかは、単に出資比率だけで判断されるわけではありません。一般的には、

  • 議決権の過半数を保有している
  • 役員の派遣などにより経営を実質的に支配している

といった「支配関係の有無」が基準となります。そのため、形式上は子会社であっても、支配が及んでいない場合には連結の対象外となることもあります。

連結決算を行う際には、連結財務諸表(連結貸借対照表、連結損益計算書など)を作成し、グループ内取引の相殺などを行ったうえで、企業グループ全体の数値を算出します。

なお、税務面では、2022年度から従来の「連結納税制度」に代わり、グループ通算制度1が導入されています。会計上の連結と税務上の通算は目的や仕組みが異なるため、連結子会社=必ず税務上も通算対象、というわけではない点には注意が必要です。

特例子会社とは

特例子会社とは、障がい者の雇用促進を目的として設立され、一定の要件を満たした子会社のことです。

特例子会社として認定されると、その子会社で雇用している障がい者を、親会社が雇用しているものとみなして障がい者雇用率を算定できるという特例が適用されます2。そのため、企業グループ全体で障がい者雇用を進めやすくなる仕組みです。

特例子会社には、次のような特徴があります。

  • 障がい者の特性に配慮した業務内容や職場環境を整えやすい
  • 親会社とは異なる労働条件や人事制度を設けることができる
  • 雇用の安定や定着を図りやすい

特例子会社の設立・運用には、厚生労働省が定める認定基準を満たす必要があり、単に子会社であれば自動的に認められるわけではありません。

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関連会社とは

関連会社とは、親会社が出資しており、経営に対して「重要な影響力」を有している会社を指します。子会社のように経営を支配しているわけではないものの、経営判断に一定の影響を及ぼせる関係にある点が特徴です。

一般的には、親会社が議決権の20%以上を保有している場合、重要な影響力があると推定され、関連会社に該当することが多いとされています。一方で、議決権の保有割合が50%未満であっても、経営を支配している場合は子会社に該当するため、単純に「20%以上50%未満=関連会社」と決まるわけではありません。

子会社と関連会社を親会社との関係性で比較すると、

  • 子会社:親会社が経営を支配している会社
  • 関連会社:親会社が経営に重要な影響を与えている会社

と整理することができます。

では、「重要な影響力」とは具体的にどのような状態を指すのか、もう少し詳しく見ていきましょう。

議決権を20%以上保有している場合

関連会社を判断する際の代表的な基準の1つが、議決権の20%以上を保有しているかどうかです。議決権とは、株主総会において経営方針や重要事項の決定に参加できる権利を指します。

会計上は、議決権を20%以上保有している場合、経営に対して重要な影響力を持つと推定されるため、関連会社として扱われるケースが一般的です。

ただし、これはあくまで「推定基準」であり、議決権が20%未満であっても、他の要素によって重要な影響力が認められれば、関連会社に該当することがあります。

人的関係・取引関係などによる影響力

議決権の割合以外にも、次のような関係がある場合には、親会社が経営に重要な影響力を持っていると判断されることがあります。

  • 親会社の役員や従業員が、代表取締役や取締役などの重要なポストに就いている
  • 重要な融資を受けている、または資金面で強く依存している
  • 技術提供や業務提携など、事業運営の中核となる取引関係がある

これらの要素が複合的に認められる場合、たとえ出資比率が低くても、会計上は関連会社として扱われます。

関連会社と関係会社の違い

関連会社と似た言葉に「関係会社」がありますが、これは法律や会計基準で厳密に定義された用語ではありません。一般的には、親会社から見た子会社および関連会社をまとめて指す総称として使われることが多い言葉です。

そのため、「関係会社」という表現を見かけた場合は、子会社と関連会社の両方を含んだ広い意味で使われていると理解するとよいでしょう。

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グループ会社とは

グループ会社とは、一般に親会社を中心として、子会社や関連会社などで構成される企業の集合体を指す言葉です。子会社や関連会社のように、法律や会計基準で明確に定義された用語ではなく、実務上・慣習的に使われる総称である点が特徴です。

そのため、グループ会社という言葉は、

  • 親会社
  • 子会社
  • 関連会社

を含めた企業グループ全体を指して使われることが多くなっています。大手企業の公式ウェブサイトなどでも、「グループ会社一覧」として、国内外の子会社や関連会社がまとめて紹介されているケースをよく見かけます。

なお、どの会社をグループ会社に含めるかは、企業ごとの考え方や開示方針によって異なります。形式上は子会社であっても、その子会社自体が大企業や上場企業であるケースもあり、企業規模と親子関係は必ずしも一致しません。

グループ会社とホールディングスの違い

ホールディングス(持株会社)とは、他社の株式を保有することで、その会社を支配・管理することを主な目的とした会社のことです。

グループ会社が「企業群」を指す言葉であるのに対し、ホールディングスは企業グループの中核となる1つの会社形態を指します。

持株会社には、主に次の2種類があります。

  • 純粋持株会社:自らは事業を行わず、子会社の株式を保有し、グループ全体の経営管理や戦略立案を行う会社。収益の中心は、子会社からの配当などです。
  • 事業持株会社:持株会社としての機能を持ちながら、自社でも事業を行う会社。

このように、グループ会社は「まとまり」、ホールディングスは「仕組み・会社形態」という点が、両者の大きな違いといえます。

子会社化と分社化について

「子会社化」と「分社化」は似た言葉ですが、意味や目的は異なります。

子会社化とは、親会社が出資を行い、新たに会社を設立したり、既存の会社を支配下に置いたりすることを指します。新規事業の立ち上げや、リスクの切り分け、事業ごとの管理強化などを目的として行われることが一般的です。

一方、分社化とは、親会社が行っている事業や資産の一部を切り出し、別会社として独立させることをいいます。分社化には、

  • 親会社が100%出資するケース
  • 一部を外部資本とするケース

など、さまざまな形態があります。

分社化の結果、親会社が新会社の株式を100%保有する場合、その会社は親会社の完全子会社となります。このような場合、一定の要件を満たせば、税務上はグループ通算制度(旧・連結納税制度)を適用できる可能性があります。

ただし、分社化=自動的にグループ通算制度が適用されるわけではなく、制度の選択や要件の確認が必要である点には注意が必要です。

まとめ

子会社・関連会社・グループ会社の違いを正しく理解しておくことで、企業の組織構造や財務情報を読み解きやすくなります。将来的な事業展開や企業統合を見据えるうえでも、これらの基本概念を押さえておくことは重要といえるでしょう。

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執筆は2019年6月3日時点の情報を参照しています。2026年1月30日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。