無人店舗は日本でも普及するのか?小売(リテール)業界の革命は近い?!

昨今の人材不足に悩むリテール業界。その問題解決の一環として、コンビニエンスストアや飲食店を中心に、無人店舗化に取り組む企業が続々と現れています。世界的に見るとアメリカや中国が先行しているこの無人店舗ですが、今後、日本で普及する見込みはあるのでしょうか。今回は無人店舗について、経営者として知っておきたい基本的な情報や、現在の国内での取り組み事例などを紹介します。

無人店舗とは?

無人店舗の現状

無人店舗についての明確な定義は特にありませんが、日本経済新聞によると「人工知能(AI)やキャッシュレス決済のノウハウを使い、レジを担う従業員を無くした店舗などを指す」と説明されています。似たようなものに、会計を行うレジを置かない、いわゆる「レジレス店舗」というものもあり、併せて無人店舗として扱われることが一般的です。

参考:無人店舗とは AI・キャッシュレスで効率化 きょうのことば(日本経済新聞)

無人店舗の歴史はまだ浅く、2016年に1号店を開店した中国の「Bingo  Box」が始まりといわれています。また、アメリカでも2018年1月にシアトルでアマゾン・ドット・コムが開店した「Amazon Go」の1号店が皮切りとなり、無人店舗は特に中国とアメリカで普及し始めています。日本において本格的に営業を行っている無人店舗はまだ多くありませんが、実証実験はコンビニエンスストア業界をはじめとして、数多く進められています。

無人店舗のメリット

無人店舗のメリットとしてまず挙げられるのは、省人化して店舗運営ができるという点です。コンビニエンスストアを例にとると、現在のところ、商品の補充や陳列には人員を要しますが、会計を行うレジスタッフは不要となるため、人手不足解消の大きな一助になるといえるでしょう。

また、スタッフを減らして店舗運営ができるので、人件費を削減することもできます。さらに、対応しているシステムであれば、入店時の認証システムを利用することによって、顧客を特定し、店内でどのような行動をとって、何を購入したかなどのデータを正確に把握できるので、補充する商品発注のタイミングや、来店した顧客に合わせた店内のデジタルサイネージの表示内容の最適化など、より効果的な店舗運営を行っていくことが可能です。

無人店舗の課題

無人店舗は基本的にコンピューターを介したシステムを使って制御しているため、停電や機器の誤作動、システムのダウンなどによってトラブルが発生する可能性があります。

また、比較的強固なセキュリティシステムを備えてはいるものの、人の目による監視がないため、窃盗などの犯罪への抑止力が劣る懸念もあります。アメリカでは、無人店舗においてシステムの穴を突いて万引きを成功させた動画がインターネットの動画サイト上に投稿された例もあります。

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日本における無人店舗例

日本でも無人店舗の経営を検討から実行に移す企業が増え始めています。そのおもだったものをいくつか紹介します。

ローソン氷取沢町店

横浜市磯子区に立地する「ローソン氷取沢町店」では、2019年8月下旬から12月末まで省人化対応の営業実験として午前0時から午前5時までの深夜時間帯に限って、売り場を無人にして営業していました。

参考:【News】スマート店舗(深夜省人化)実験を横浜で開始!(ローソン研究所)

無人店舗となった時間帯には、スマートフォンのアプリや近隣の住民に配られたお得意様入店カードによるQRコード確認か顔撮影での入店管理がなされます。防犯対策のため、店舗入り口にある端末にQRコードなどを読み取らせることによって自動ドアのロックが解除されるという仕組みです。

商品購入時の決済はスマートフォンのアプリを使った「スマホレジ」か、セルフレジによって行われます。電子マネーやクレジットカードなどのキャッシュレス決済だけでなく、現金での支払いにも対応しています。

日中は通常の店舗として営業しているので、基本的な商品構成に変わりはありませんが、お酒やたばこ、カウンターフーズ、切手類、チケット発券などの人の対応が必要なものについては、購入したりサービスを受けたりすることができません。

モノタロウAI ストアpowered by OPTiM

2018年4月、国立佐賀大学本庄キャンパス内にMonotaROとOPTiMが共同運営実証実験としてオープンした、工具や作業用品、研究資材などを販売する無人店舗です。

参考:佐賀大学内に初の無人店舗がオープン! (通販モノタロウ)

既存のECシステムを最大限に流用することにより、「Amazon Go」などの店舗と比べて格段に費用が抑えられたことに加え、短期間で立ち上げられた現実味のある事例として注目されています。

店舗の利用前には、まずスマートフォンのアプリをインストールし、会員登録を済ませる必要があります。そのアプリに表示されるQRコードを入退店ゲートの読み取り部分にかざすことにより入店手続きができます。その際、オフィスで遠隔管理している管理者へ通知が届き、店内のカメラを通じて店内の様子が確認できる仕組みです。

商品を選択したら、アプリを使って商品についているバーコードを読み取り、数量を入力、決済へと進みます。決済はアプリから基本的にクレジットカードによって行われます。決済後、QRコードを入店時と同様にゲートの読み取り部分にかざすことによって退店できるようになっています。

トライアル Quick 大野城店

福岡県大野城市にある24時間営業の大型スーパーで、午後10時から午前5時までの夜間は無人店舗として営業しています。

入店管理はトライアル専用のスマートフォンアプリのQRコードやトライアルプリペイドカードを利用して行われます。

会計はセルフレジやスマートフォンのアプリ経由でできるほか、決済機能付きのタブレットと一体となったショッピングカート「レジカート」を利用することも可能。レジ待ちをすることなく商品を購入することができます。

また、冷凍冷蔵ショーケースにはカメラが内蔵されており、商品の在庫状態や商品に対する顧客の行動や属性を自動的に認識。POSデータだけでは得られなかった「非購買データ」なども取得できる作りとなっています。これらのショーケースから得られたデータを活用することで、AIによって適切な商品補充や発注の判断が行われるほか、顧客属性に応じた品揃えの最適化やデジタルサイネージの表示内容の最適化など、効率的な店舗運営ができる点も同店の特色といえます。

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無人店舗を経営するために必要なこと

無人店舗を運営するにあたって必要となるのは、店舗や什器、商品といった設備のほか、スマートフォンやタブレットで利用できるアプリの開発や決済システムの選択、導入などがあります。

更に一から店舗を建てたり、ゼロからアプリの開発を依頼することも一つの手ではありますが、居抜きの物件を借りたり、既存のECシステムを流用したりすることによって、費用や手間を省いて無人店舗を立ち上げるのも現実的な選択として有用なものです。

今回紹介した実例をみてもわかるとおり、無人店舗への取り組みかたにはさまざまなスタイルがあります。完全に無人化を図っている店舗はまだ少なく、深夜帯など時間を区切って無人化するなど、多くの企業がまだ模索している段階にあるといえるでしょう。

用意できる開店費用と併せて、自身が開店しようとしている店舗が目指す姿や顧客が何を最優先として利用するかなどを見極めたうえで、最適な設備やシステムをよく吟味してスタートが切れるようにしてください。


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執筆は2020年2月25日時点の情報を参照しています。
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