ホテルや旅館、ゲストハウスなどの宿泊施設や、レストランや居酒屋などの飲食店、電話やインターネットを通して予約を受け付けている業種はたくさんあります。これらの業種の経営者が頭を悩ませる、ノーショウ。ノーショウとは、予約したにも関わらず、連絡なし(no)で姿を見せない(show)お客様のことを指します。
お客様が来なければ、せっかく用意した部屋や料理がムダになってしまいます。物理的なダメージだけでなく、お客様を出迎えるために準備していた従業員も働くモチベーションが下がってしまうかもしれません。
今回はノーショウを減らすためにできることを紹介します。
わがままなお店になる
たとえば、「一見さんお断り」のお店。常連客、もしくは常連客が紹介したお客様しか入れないお店です。常連客が連絡なしにキャンセルすることはあまり考えられませんし、常連客の紹介で予約したお客様は常連客の顔を立てるためにもキャンセルをする可能性は低いです。
ただ「一見さんお断り」は、常連客とその紹介客のみで経営が成り立つような人気店だけができる方法です。
他にも予約自体を受け付けないお店もありますが、これも当日訪れたお客様だけで経営が成立するお店に限定した方法です。
メールと電話の両方で確認を取る
ノーショウを減らすためにどんな業種でもできる方法が、予約の確認です。
まず、予約の電話を受けたら口頭で予約内容を復唱し、間違いがないかどうかを確認しましょう。そこで、お客様のメールアドレスも聞いておきます。
手間は増えますが、メールで予約内容を送付しておけば、電話口でメモを取っていなかったお客様もメールの文面で予約内容を確認できます。加えて、お客様のメールアドレスを把握しておくことで、来店や宿泊のお礼メールを後日送ることもできます。
また、メールで予約をしたお客様には電話をするようにしましょう。予約を確かに受け付けた旨を伝え、加えて苦手な食べ物などがないかどうか電話口で尋ねてみてはいかがでしょうか。
電話予約のお客様にはメールで確認を、メール予約のお客様には電話で確認をすることで、手間は一つ増えますが、確認を重ねることはノーショウやドタキャンを減らすことにつながります。
直前にも確認を
旅館やホテルなどの宿泊施設は、数カ月前から予約が入ることも多いかもしれません。その間にお客様の都合が悪くなったり、予約を忘れてしまったりする可能性もあります。宿泊日の数日前にはメールや電話で確認をするようにしましょう。
その際、何度も念を押されると不快感を抱くお客様もいるので、話し方には気をつける必要があります。また、忙しいお客様の中には電話に時間を割くことを嫌がる方もいるでしょう。
たとえば、「山の天気は変わりやすいのでお越しになる際は傘をお持ちください」「お子さま連れと伺いましたので、朝食は少し甘い卵焼きをご用意しました」など、確認の電話の際にはお客様にとって有益な情報も伝えてみてはいかがでしょうか。
予約時に支払いを済ませる
ノーショウの中でもダメージが大きいのは、大口のお客様ではないでしょうか。飲食店なら10人を超えるグループでコースを予約したお客様、宿泊施設ならグループで連泊を予約したお客様が姿を見せないとなると、売り上げに大幅に影響することが考えられます。
これらの大口のお客様の場合、事前のお支払いを依頼することもノーショウ対策として有効です。
まず、ウェブサイトには、「10名以上のコースのご予約には事前にお支払いをお願いしております」「2名以上で2泊以上をご予約のお客様には事前にお支払いをお願いしております」などの記載を忘れずにしておきましょう。
加えて、予約をキャンセルした場合、事前に支払ったお金をどうやって返金するかも記載しておきましょう。直前にキャンセルしたお客様にキャンセル料金を請求する場合も同様にキャンセルポリシーに分かりやすく明記することも大切です。
お金のやり取りは受け取る側も支払う側もセンシティブになる部分です。予約確認のメールにもキャンセルポリシーを載せ、お客様に内容を確認してもらった上で事前の支払いを依頼するようにしましょう。
予約システムのSquare 予約なら、事前決済に対応した予約専用サイトを作ることができます。お客様は予約と同時に、利用料金をクレジットカードで支払います。また、有料にはなりますが、予約時にクレジットカード情報を入力してもらい、無断キャンセルやドタキャンをしたお客様に対して、キャンセルポリシーに沿ってキャンセル料金を課金できる機能もあります。
法人のお客様、海外のお客様には、英語でも送信できるSquare 請求書がおすすめです。お客様のメールアドレス宛に請求書を送り、お客様はメールを開いたその場でクレジットカードを使った支払いが可能です。キャンセルポリシーや請求金額の内訳をPDFや画像ファイルとして、請求書に添付することもできます。
ノーショウが起きたらどうするか
万全な対策をしても、ノーショウは起きてしまいます。突然空いた部屋や座席、余ってしまった食材をそのままにすれば、売り上げにはマイナスの方向に影響するだけです。マイナスを挽回するためにどんなことができるでしょうか。
飲食店の場合、他のお客様に空席を案内することができます。日頃からLINEやソーシャルメディア上でお客様とコミュニケーションを頻繁に取っているお店ならば、空席の情報を発信するとすぐに反応があるかもしれません。
宿泊施設の場合、その日に泊まりに来てくれるお客様を見つけるのは難しいかもしれません。そんなピンチを助けてくれるのが、同業他社の存在ではないでしょうか。日頃はライバル同士でも、「オーバーブッキングが起きて泊まれないお客様がいらっしゃる」「ノーショウが出て、1部屋空きが出てしまった」などの情報を交換し、困ったときに助け合えるようなネットワークを近隣の同業他社と築くことがノーショウ対策にもなるかもしれません。
感情をマネージメントする
ノーショウが起きた時、怒りや失望のあまりにその感情をストレートに従業員にぶつけたり、ソーシャルメディアで発信したりするのはなるべく避けましょう。従業員のモチベーションも下がってしまいますし、ソーシャルメディアを見たお客様も気持ちが離れてしまうかもしれません。
経営者だからこそ、ノーショウなどのトラブルが発生したときは感情をマネージメントして、すばやく気持ちを切り替える力が必要といえるのではないでしょうか。
執筆は2017年11月24日時点の情報を参照しています。2022年5月10日に一部情報を更新しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash