債権回収会社から通知が届いた?!対応できない場合に何が起こるか。

ある日突然聞いたことのない会社から債権回収について通知が届いた、という経験はありませんか。

事業を経営している人にとって、いつも資金繰りが順調とは限りません。
売り上げの低迷や取引先の経営不振などを受けて、自社の資金繰りも苦戦してしまうのは珍しいことではありません。

資金繰りの悪化を受けて、銀行などから借りたお金の返済を滞らせると、債権回収会社から書面が届くことがあります。これを放っておくと法的な措置をとられてしまい、強制執行を受けるリスクもあるため、きちんとした対応を取らなければなりません。

この記事では、債権回収業者から通知が届いたときの基本的な対応方法について詳しく解説していきます。

目次



債権回収とは?

そもそも債権回収とは、債務者(お金を借りている人)の借入金などを、債権者(お金を貸している人)が取り立てすることを指します。

債権回収は通常、金融機関などの債権者が直接債務者に働きかけて行うものです。借入金の返済が滞ったとき、銀行の担当者から早く入金するよう要請されたという人もいるかもしれません。

一方、滞納があまりに長くなり借金が不良債権化していると、債権者自ら回収するのには多くの時間や人件費が必要で非効率です。さらに、借金の返済義務には法律で決められた時効があり、法定期間をすぎると回収が難しくなるため、貸す側はできるだけ早く回収したいと考えるものです。

そのため債権回収を専門とする債券回収会社に対して回収を委託したり、債権自体を譲渡(売却)したりします。回収業者は、本来の債権者に代わってさまざまな方法で働きかけをします。

債権回収会社は違法ではない?

債務者から見ると、ある日知らない事業者から督促が来るため、何か違法な請求ではないかと不安に感じてしまうかもしれません。しかし、債権回収業者は違法なものでなく、正当な事業者です。

債権回収業者は、弁護士法72条但し書きと債権管理回収業に関する特別措置法により合法化されています。さらに債権回収業を営む場合には、法務大臣の許可を得る必要もあり、法のもとに運営されているサービスです。

参考:債権管理回収業に関する特別措置法の概要(法務省)

債権回収業者から届く主な郵便物

督促は、一般的にハガキや封書などの郵便物で行われます。内容は業者によって異なりますが、以下のようなタイトルが多いです。

  • 「債権譲渡譲受通知書」:元の債権者から債権を譲り受けたことを知らせる通知。

  • 「督促状」「催告書」「ご返済のお願い」:返済を促す通知。この中に書かれた期日までに払わないと、法的手続きに進むこともある。

  • 「訴訟手続き開始予告」「法的措置予告通知」「最終通告書」:訴訟や強制執行など、法的に強制力のある回収を行うことを予告・通知する。度重なる督促にもかかわらず、返済を行わなかった場合の最終通告。

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債権回収に対応しない場合の影響

債権回収業者が連絡してくるような状態では、返済が非常に困難な状態になっているはずです。返済を求められても、すぐには支払えないことが多いでしょう。

しかし、通知が届いたら無視するのはいけません。長い期間返済を滞納している以上、これ以上遅れると法的措置を取られるおそれがあり、より深刻な事態を招きかねません。法的措置とは裁判所を通じた回収手段のことで、具体的には支払督促や通常訴訟、強制執行があります。

支払督促とは通常の督促と異なり、裁判所から送られてくる法的措置の一つです。この場合、14日以内に対応しないと法的に内容が確定してしまい、差し押さえなどの強制執行に進みます。

通常訴訟とは、一般的な裁判による手続きです。貸したお金の返済を求めて争います。敗訴すれば、通常は強制執行に移行します。

強制執行(差押)とは、価値のある財産、預貯金などが強制的に回収される措置です。現在自分の手元にある財産に限らず、今後受け取るはずの給与の権利も対象です。

このように、通知に対応しないと、取り返しのつかない事態になってしまうリスクがあります。

債権回収に対してできること

通知があったら、まずはその内容に身に覚えがあるか確認しましょう。最近は架空請求などの事件も多発しています。全く身に覚えのなければ、存在しない請求でお金をだまし取ろうとする詐欺の可能性が高いので、消費生活センターなどに相談してください。

間違いなく自分の借入金であると確認できたら、まずは、督促状に書かれた先に連絡し、支払いについて相談してください。きちんと連絡を返せば問答無用で法的手続きに進むことは稀なので、誠実な態度で対応しましょう。

特に、督促状に「法的措置を取る」旨の記載がある場合には、すでに話し合いできる段階は過ぎており、いつ法的措置を進められても不思議ではありません。急いで和解を申し出る必要があるため、すぐに連絡してください。

一括での返済が難しければ、分割払いにできないか交渉してみることをおすすめします。業者側も一括回収は難しいと理解を示してくれることがあり、場合によっては分割での支払いに応じてくれるかもしれません。受け入れてくれたら、無理のない分割方法について業者と交渉し、合意した通り返済を進めてください。手元に返済する現金がない場合、所有する手形を割り引いたり、ファクタリングで債権を現金化したりして資金調達するなどの対処も考えられます。

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法的措置が始まってしまった場合

裁判所から支払督促が届いた場合、受け取ってから14日以内なら「異議申し立て」ができます。この場合、督促状に同封されている書類に記入し、返送する必要があります。異議申立で反論しないと、支払督促状に記載されている請求金額が全面的に認められ、その後強制執行の手続きに進んでしまいます。異議申立をすることで通常の裁判手続きに切り替えれば、訴訟で争うことになるので、当面は最悪の事態は避けることができます。

通常訴訟の場合、裁判所名で訴状が届きます。この場合、債務者の主張も取り入れて裁判をするため「答弁書」を提出するように指示があるので、分割払いの希望を答弁書に書いて提出したり、呼び出された期日に裁判所に出頭して口頭で希望を伝えたり、必ず対応してください。いずれにしても、法的措置に関する文言がある書面が郵送されたら、その指示に従って誠実かつ迅速な対応が必要です。一括での支払いが難しくても、分割の希望をきちんと表明してください。

いきなり見知らぬ名前で督促状が届くと、何が起こっているか分からず慌ててしまうこともあるでしょう。まずは書面に書かれている先に連絡し、自らの希望を伝え、現実的な返済する方法について交渉することが必要です。少しずつでも返済を継続できるなら、強制的な回収は回避できる場合もありますので、諦めないようにしましょう。


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執筆は2020年3月4日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash

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