ChatGPTは商用利用OK?注意点やメリット、活用例を紹介

どんな質問にも自然な文章で受け答えをしてくれるチャットボット「ChatGPT(チャットGPT)」。聞いたことがあるという人も増えているかもしれません。日本語でも質問できることから、商用利用は可能なのかと気になっている人もいることでしょう。端的にいうと、ChatGPTの利用規約に沿ったコンテンツであれば、商用利用は可能です。

この記事では主に個人事業主や中小企業のビジネスオーナーに向けて、ChatGPTの活用場面を掘り下げていきます。そのうえで商用利用する際の留意点、また商用利用するメリット・デメリットを見ていきましょう。

📝この記事のポイント

  • ChatGPTはOpenAIが開発したAIチャットボットで、2022年11月に公開後、史上最速でユーザー数を拡大
  • 2025年8月には週次ユーザー7億人を突破し、Fortune 500企業の92%がOpenAI製品を導入、利用はインドが最多
  • 日本の就業者の業務利用率は3〜4割で、米国の7〜9割に比べ低水準
  • ChatGPTは翻訳やコピー作成、ネットショップ対応など、インバウンド需要や業務効率化に大きな利点をもたらす
  • 一方で、誤情報生成や倫理的懸念もあり、利用時は事実確認とポリシー遵守が不可欠
目次


ChatGPTとは

ChatGPTとはあらゆる分野の質問に対して、まるで人間かのように自然な文章で回答してくれるチャットボットです。米サンフランシスコを拠点とするAI研究機関「OpenAI(オープンAI)」が開発したAIモデルですが、日本語でも受け答えができることから国内でも注目が集まっています。

ChatGPTは2022年11月に公開され、わずか5日で100万人ユーザーを突破1。その後2カ月で1億人の利用者を獲得し史上最速の成長を記録しました2。さらに2024年8月には2億人(週次アクティブユーザー)3、2025年8月には7億人超4に到達しており、利用規模は急速に拡大しています。

また、Fortune 500企業の92%がOpenAIの製品を導入し3、特にインドがグローバル利用者の13.5%を占め、米国(8.9%)を上回り世界最大のユーザー国となっています5

日本に関していえば、日米の就業者に業務への生成AIの導入状況を聞いた調査12では、日本が3〜4割だった一方で、アメリカは7〜9割と大きな差があることがわかっています。

ChatGPTに「ChatGPTとは何ですか」と問いかけてみました。

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ChatGPTは大量のデータを学習していることから、あらゆる分野の質問に答えることができるようです。また、文章の構成や意味なども学習していることから、単純にどこかのサイトから情報を引用するのではなく、集めた情報をまるで自分の言葉を操るかのように要約して返事ができるそうです。ChatGPTを利用するには、アカウントを作成する必要があります。無料プランに加えて、有料プランでは幅広い機能が利用可能です。

ChatGPTをビジネスに活用するには

ChatGPTには「最近の接客のトレンドを教えて」とビジネスにまつわる素朴な疑問を投げかけて答えを得ることもできますが、英語のメール文を貼り付けて「翻訳して」と要望を出すこともできます。

つまり、検索エンジンのような感覚で使うこともできれば、以下のようなタスクを手伝ってもらうこともできます。

  • SNSに投稿する内容の翻訳
  • メニューの多言語翻訳
  • 外国語でのメール文の作成
  • 商品説明の校閲
  • メールマガジンの作成
  • 広告のコピー案の提案
  • ブログの作成
  • 市場分析
    など

翻訳については質が気になるところかもしれませんが、その精度の高さから翻訳デバイスの開発にChatGPTを活用する企業も出てきているようです6。ほかの翻訳ツールなども使いながら正確性を確認し、簡単な翻訳に関しては頼りにしてみてもいいかもしれません。

翻訳が特に役に立つのは、インバウンド対策に取り組むときでしょう。ChatGPTは以下のようなざっくりとした要望でも、いくつもの例を提案してくれます。

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もちろんすでにある商品説明を訳してもらうこともできます。そのほかにも商品の特徴を並べて「コピー案を提案して」とお願いすることもできれば、既存の商品説明を貼り付けて「もう少し短くして」と頼むこともできます。

以下はChatGPTが書いたみかんジャムの商品説明で、それをさらに短くしてもらうよう指示した結果です。

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要点は押さえているように見えます。場合によっては、一語一句そのまま使いたくなることもあるでしょう。ただ、「いくらなんでもChatGPTが生成した文章をそっくりそのまま使うのはまずいのでは」と思うかもしれません。詳しくは次章を読み進めましょう。

ChatGPTで生成した文章の商用利用は可能?

ChatGPTが公開しているよくある質問事項によると、「生成されたコンテンツは、出力を依頼した人の所有物になる」と記載があり、商用利用も可能です。ただし、商用利用できるコンテンツは「コンテンツの方針」や「利用規約」に遵守したものに限ります。

たとえばChatGPTでは、以下のようなコンテンツの作成は禁止されています。

  • 特定の人物、団体に対する嫌がらせ
  • 差別的なもの
  • 暴力につながるもの
  • 自傷・自殺行為などを助長するもの
  • 薬物など法で禁じられていること
  • 特定の政治キャンペーンや特定の立場を推進する内容
  • 陰謀論などを助長するもの
    など

詳しくはOpenAIが公開している「利用規約」や「コンテンツの方針」のページに記載されているので、利用しはじめる前に必ず目を通しておきましょう。

ChatGPTで生成した文章を使用するメリット

ChatGPTをビジネスに活用するには」の章では、ビジネスにおける活用方法をいくつか提案しました。このような活用には、以下のメリットがあります。

インバウンド対策に取り組みやすくなる

感染症の影響で落ち込んでいたインバウンドの需要は、2022年10月の水際対策緩和後は順調に回復しています。実際、2025年上半期には訪日外国人客数が過去最多の2,151万8,100人に到達(前年同期比+21%)7。とりわけ春〜初夏の4〜6月は毎月単月として過去最高を更新しており8、4月には39万人を突破する勢いでした9。2024年の年間訪日客数は3,686万人に及び、2019年の実績を超える記録となっています10

こうしたなか、ますます重要になるのがインバウンド対策です。必要な場面を以下にいくつかまとめます。

  • メニューや商品説明の翻訳
  • ネットショップの記載内容の翻訳
  • SNS投稿文の翻訳
  • 外国語でのメールの対応
    など

「何が書かれているのかわからない」と訪日客を困らせてしまうことは機会損失にもなりかねないため、顧客の目に留まる文章はできる限り英語と日本語の両方で記載しておきたいところです。

特に翻訳を添えておきたいのはネットショップをはじめ、従業員がその場で対応できないようなところです。たとえば実店舗を訪れた訪日客が商品を気に入って「海外からでも購入できるの?」と尋ねてくることがあるかもしれません。このときにネットショップが日本語にしか対応していないと案内がしにくいでしょう。

このような場面で英語に対応したネットショップを紹介できるよう、商品説明の翻訳などをChatGPTにお願いするという手があります。たとえば以下の要望には数秒で応えてくれました。

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ただネットショップの購入画面によくある「氏名」「住所」「支払う」などの最初から設定されている表示は、システム上、編集できないこともあります。Squareのネットショップなら、英語やフランス語、スペイン語など、表示言語の設定を豊富な選択肢の中から選ぶことができます。さらに、翻訳機能との連携も可能なので、ネットショップ全体を外国語に翻訳することができます。「肝心なところが日本語で理解できない」という事態も簡単に防げるでしょう。

文字数制限はないので、文字数にとらわれることなく商品を説明できます。Squareのネットショップは無料で開設・運営(※)できるので、まずは使い心地を試してみてはいかがでしょうか。

※購入ごとに決済手数料が発生しますが、月額利用料金は無料からはじめられます。

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新たな発想を得られる可能性がある

前述の活用例にもあったとおり、ChatGPTは翻訳に限らず、商品のコピーや、販売アイテムをより魅力的に伝えるための文章の提案もできます。社内にコピーライターがいない、あるいは文章が得意な人がいないという場合には、ChatGPTから新たな発想を得ることができるかもしれません。

コスト・時間を削減しながらビジネスを改善できる

翻訳やコピーライティングなどを専門家などに依頼するとある程度の費用がかかりますが、ChatGPTを活用すれば無料、かつすぐにほしい内容が手に入ります。

内容によっては少し手直しする必要もあるかもしれませんが、ゼロから考えることと比べると、作業時間もずいぶんと削減できるでしょう。

ChatGPTで生成した文章を使用するデメリット

ChatGPTをビジネスに取り入れることは便利にも聞こえますが、誕生してまだ間もないため、いくつかの弱点もあると理解しておきましょう。

ほかで類似した文章が使用されることも

ChatGPTは大量のデータを学習していることからさまざまな問いかけに応じることができますが、答えのバリエーションは現時点では少ないようです。

この点が問題になるのは、ChatGPTを活用してブログ記事などを作成したい場合でしょう。たとえば自社サイトのブログで、ビジネスの軸である「金継ぎ」の記事を書いてもらうよう指示したとします。仮に他のユーザーが同じような指示をした場合に、似たような文章を他のユーザーに提供している可能性もなきにしもあらずです。

他社のサイトとまるっきり同じ内容が記載されていることをお客さまが目にしたら、あまりよくは思わないかもしれません。現時点ではChatGPTがブログ記事などに多用されることは少ないため大きな心配はないかもしれませんが、このような可能性をはらんでいることは留意しておくといいでしょう。

情報に誤りがある可能性も

学習が十分できていない分野に関しては、誤った情報を提供する可能性もまだあります。

例として、「銀座にあるおでん屋さんを教えてください」という質問に対するChatGPTの回答を見てみましょう。

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どれも一見、本当にありそうな店舗の説明に聞こえますが、調べてみると存在しない店、あるいはおでんを提供していない店でした。

読んだときに違和感のない文章を簡単な指示ですぐに提案してくれるため、あまり手間をかけずにブログ記事を量産できると思うかもしれません。しかし事実確認を怠ると、誤った情報だらけのブログになりかねません。

キャッチコピーのアイデアくらいなら事実確認はいらないかもしれませんが、ChatGPTに記事作成や翻訳をお願いする場合は、内容に誤りがないかは欠かさずに確認しましょう。

補足までに、ChatGPTにおけるよくある質問をまとめたページでは以下のように説明しています。

AIの答えは本当に信頼できますか?
ChatGPTはリアルタイムでインターネット検索をしているわけではないため、誤った回答をすることがあります。2021年以降の世界や出来事についての知識は限定的であり、ときには有害な指示や偏った内容を生成してしまうこともあります。

ある調査11では、IT従事者の97%が生成AIツール(主にChatGPT)を利用している一方で、課題として「不正確な出力(64.2%)」「規制遵守の問題(58.2%)」「倫理的懸念(52.2%)」が挙げられていました。

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商用利用もできることから需要がますます高まることが予想されるChatGPT。必要な情報を翻訳してもらうことでインバウンド対策に取り組みやすくなったりと、ビジネスの可能性を広げていくうえでは積極的に活用していきたいツールといえるかもしれません。


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執筆は2023年4月17日時点の情報を参照しています。2025年9月1日に​記事の​一部情報を​更新しました。​当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash