B²(ビースクエアード)は、2020年にカフェ激戦区といわれる東京・清澄白河に誕生したパンとコーヒーのお店だ。オープンから5年経ったいまもなお行列は絶えず、存在感を強めている。1店舗目のオープンからたった2年のあいだに、店舗数は4店舗(※)に増えた。
※清澄白河の本店に続き、2021年には東陽町店と南麻布店、2022年には吉祥寺店をオープンしている。
開業にあたって選んだ決済サービスは、Square。その後オープンしたすべての店舗でも使用している。ここでは吉祥寺店の統括マネージャーを務める下口あみるさんに、B²のことや、Squareの使い勝手から特に役に立っている機能を聞いた。
業種 | 飲食・小売 |
業態 | パン屋兼コーヒー店 |
使用しているSquareのサービス | Square POSレジ、Square リーダー、Square リンク決済、Tap to Pay |
目次
- 天然酵母のパンと手作りの材料が自慢
- 細かく商品登録がしたかった
- 売上傾向をSquareで正確に把握
- 混み合う時間帯に頼れる、Squareのオーダーシート印刷機能
- 店舗外での決済もSquareで完結
- 各店舗の売上状況はスマホからリアルタイムでチェック
- Squareで実現できたこと
天然酵母のパンや手作りの調味料が自慢
ベーカリー工場と焙煎工場が一体となったつくりが特徴的なB²。日本だとパンとコーヒーの両方を提供するカフェは少なくないものの、パン作りからコーヒー豆の焙煎までしているお店となると、数はいっきに減るのだとか。B²がインスピレーションとして掲げているのは、近年、焙煎所とベーカリーが合体したカフェが次々と誕生しているニュージーランドやオーストラリア。現地に足を運んだ際に、どちらも妥協しないスタイルに魅力を感じ、B²でも取り入れることにした。
▲ロゴをはじめ、ブランドコンセプトを手がけたのは、マオリの血を引き継ぐニュージーランドのデザイナー、タイアロン・オハイアさん。
小麦本来のおいしさが引き立つようにと、パンは100%フルーツの天然酵母。パンに使用するマヨネーズやソースなどの調味料からあんこまで手作りなのも自慢のポイントだと話す。
「先日、あずきの農家さんにもお邪魔させていただきました。実はそうやってつながりをちゃんと持って、こだわりを持って作っていたりするんです。話し始めると、そういう話がいっぱいあって、奥が深いんです」と下口さん。
▲吉祥寺店の統括マネージャー、下口あみるさん
毎日並ぶパンの種類は、30から50ほど。なかには材料にこだわるあまり、原価率が一般的な目安の2倍ほど……というものも。だからこそ売れ行きを細かく追いながら、毎日の売上目標に到達できるよう生産量をせっせと調整しているという。「大変です」と言いながらも、おいしさを譲らないお店であることに、下口さんはどこか誇らしげであるようにも見える。
細かく商品登録がしたかった
さまざまある決済サービスの選択肢のなかから使おうと決めたのは、Square POSレジとSquare リーダー。
選んだ理由についてはこう話す。
「月額費用が無料だったことがまずあります。UIがよくてカスタマイズ性もすごく高くて、お客さまの単価が見れたり、パンを買っているのか、ドリンクだけのほうが多いのかなどの分析ができたりするところも大きかったです」
カスタマイズ性とは具体的にどういうことだろう。
「ベーカリー部門だと、たとえば惣菜系、甘い系とカテゴリを分けられたり、コーヒーだったら、ホットコーヒーとアイスコーヒー、お子さま用のドリンクに紅茶……とカテゴリに分けて登録できるところですね。そうすると、レジを打つだけで自動で売上レポートができるので、『あの店舗だとコーヒーが出てるね』『ラテが出てるね』って話もできるようになるねという話になりました」
売上傾向をSquareで正確に把握
実際に導入してから最も活用しているのは、売上レポートだ。Square POSレジで受け付けた決済データをもとに自動で作成される商品別・カテゴリ別・時間別・期間別売上レポートを細部まで確認し、経営判断に生かしているという。
「天然酵母のパンは1日かけて発酵するので、その日に追加で焼くことができないんです。なので、それぞれのパンがどれくらい売れるか予測を立てて、このパンは売れてないから減らす、などをすべてあらかじめ決めておかなきゃいけなくて。
うちでは1カ月の生産量をある程度決めて、日々の売れ行きを見ながら微調整しています。生産量を決めるときにはSquareの去年のデータを見て、『3月は、2月と比べて売り上げが100万円ぐらいアップしてるから生産量上げないとね』という会話をしています」
さらにはSquareの売上レポートをもとに、パンの焼き上がり時間なども調整してきた。
「時間帯別の売り上げも出てくるので、それを見ながら 『何時台がすごく忙しい』とか、『ここの時間にこの商品を増やそう』といった形で活用してきました。たとえば東陽町の店舗だとオフィスの休憩で来られる方が多いので、12時半くらいから並ぶんです。その時間帯に揚げたてが出たら、お客さまも喜ぶじゃないですか。なのでそこを目掛けて、焼き上げるよう調整しました」
混み合う時間帯に頼れる、Squareのオーダーシート印刷機能
B²のレジは、基本的にふたり体制。注文を受けるのはもちろん、パンを温めるのもドリンクをつくるのもレジ係の役目だ。ピーク時になると「レジが1分に1回はまわる」といい、どの順番でどの注文が入ったかは覚えきれなくなる。そんなとき頼りになるのが、Square POSレジのオーダーシート(以下、注文伝票)印刷機能だ。レジで注文を受けると、レシートプリンターから注文伝票が印刷されるため、印刷された伝票順にどんどんドリンクやフードを用意していける。
「1件や2件だったら注文を覚えていられますが、注文が立て続けに入ると、もうわけがわからなくなるので、オーダーシートに頼るしかなくて。ドリンク側は、ドリンクだけの注文が印刷されるようにしているので見やすいです」
▲オーダーシート印刷時のイメージ
このようにSquareでは「このプリンターからはドリンクの注文伝票だけを印刷する」「こっちのプリンターではフードの注文伝票だけを印刷する」などとカスタマイズして利用できる(※)。
※オーダーシート機能は無料で使える機能です。「ドリンクのみ印刷」「フードのみ印刷」「ドリンクとフードを印刷」など、印刷する内容は登録されているカテゴリから選択できます。詳細はこちらからご確認ください。
さらに注文伝票には、お客さまに渡すレシートと同じ番号が振られているため、ドリンクやフードができたら番号を読み上げることで、お渡しミスなども防げる。
▲フードの注文伝票は、パンを温めるトースターの上に貼り、順に対応する
店舗外での決済もSquareで完結
オープンから5年が経つというのに、いまだに行列が絶えないB²。人気店であるのは間違いないが、客足が遠のく時期もある。
「暑い時期だと売り上げがいっきに下がるんです」と下口さん。
そんなときでも売り上げをできるだけ一定に保てるよう、B²では店舗外での販売にも積極的だ。たとえば店舗近隣のマンションの敷地でポップアップをしたり、会社の打ち合わせ用などにパンを卸売りしたりもする。こういった普段とは異なる決済場面でも、Squareを活用している。
マンション敷地内でのポップアップには、Tap to Payを使用。スマートフォンからクレジットカード決済を受け付けられる機能(※)だ。
※受付可能な決済方法は、タッチ決済対応のクレジットカード、またはApple Payやその他モバイルウォレットに登録されたクレジットカードのみです。
▲Tap to Payの利用イメージ
「決済端末を持っていっても、Wi-Fiの設定をしないといけなかったりするので。スマートフォンだけで決済を受けられるのはすごくありがたいです」
一方、会社の打ち合わせなどでの卸売りには、Square リンク決済を活用している。販売する商品ごとにオンラインの購入ページがつくれる機能だ。
「クレジットカードで決済がしたいと言われたときには、パンを届けた後にオンラインで決済リンクを送り、カードで払ってもらうスタイルにしています。楽です」
▲Square リンク決済の利用イメージ
ECサイト不要でオンライン販売が可能に
Square リンク決済なら会計リンクを作成しSNSやメールで共有するだけ。ECサイトがなくても誰でも簡単ににオンライン販売が可能です。
各店舗の売上状況はスマホからリアルタイムでチェック
B²には統括マネージャーが下口さん含めてふたりいる。勤務場所を聞くと、それぞれ基本的に決まった店舗に常駐しているとのこと。日常的に立ち寄れない店舗もあるからこそ各店舗の売上状況がリアルタイムで、かつ一つの管理画面で確認できるのはうれしい点だという。
「携帯でもパソコンでも、店舗ごとの売り上げがその場ですぐに見れるんですね。吉祥寺の取引がどうだとか、東陽町の取引がどうだとか。あとはダッシュボード(Squareの管理画面)も最近よく使うんですけど、去年の昨対比や先月の昨対比とかで、その次の月の生産計画を予測できるので、その辺りが1カ所にまとまってるってのはすごいありがたいです」
Squareなら一つのアカウントに複数店舗を紐づけられる(※)ため、一つの管理画面内で、全店舗の売り上げをまとめて見ることができる。もちろん気になる店舗の売り上げをそれぞれ確認することもできる。店舗ごとにアカウントを切り替える必要もなく、知りたい情報を1カ所から効率よく把握できるのはうれしいところだそうだ。
※同業種に限ります。
B²は現在4店舗運営しており、今後さらに店舗数を増やしていきたい思いもあるという。店舗数が増えたときに、効率よく売上状況が把握できるかどうかで作業負担も変わってくる。そんな複数店舗を運営するビジネスにも、Squareは適しているようだ。
「(Squareの売上レポートは)携帯でもパソコンでも、店舗ごとの売り上げがその場ですぐに見れるんですね。(中略)去年の昨対比や先月の昨対比とかで、その次の月の生産計画を予測できるので、その辺りが1カ所にまとまってるってのはすごいありがたいです」ーB² 統括マネージャー 下口あみるさま
Squareで実現できたこと
自動作成される売上レポートを経営判断に生かせた
B²ではSquare POSレジに商品登録をし、カテゴリ別に分類しているため、Squareで決済を受け付けるだけで商品別・カテゴリ別の売上レポートが自動で作成されます。1カ月前に決めるパンの生産量は、売上レポートからわかる売れ筋や昨対比などをもとに判断できているといいます。さらには時間帯別売上レポート(※)を参考に、お客さまが集中する時間帯を把握し、そこを目掛けてパンの焼き上げ時間を調整しています。
※商品別・カテゴリ別の売上レポートと同様に、時間帯別売上レポートもSquareでの決済データをもとに自動で作成されます。
続々と入る注文に、正確に対応できるように
B²のレジは、基本的にふたり体制。注文を受けるのと平行してドリンクの作成やパンの温めなども行うため、ピーク時にはどの注文がどの順番で入ったかがあやふやになりかねません。そんなときに活躍するのが、Square POSレジのオーダーシート印刷機能。注文を受けた順に注文伝票が印刷される機能です。レシートプリンターは2台用意し、1台にはフード、もう1台にはドリンクの伝票だけが印刷されるよう設定。伝票をパッと見るだけですぐに準備に移れているといいます。さらにお客さまにお渡しするレシートに記載されている番号が注文伝票にも印字されるため、準備ができたら番号を読み上げることで、お渡しミスも防げています。
店舗外での決済にも対応できた
B²は、店舗外での販売にも注力しています。その際には決済端末の代わりにスマートフォンからクレジットカード決済を受け付けられる「Tap to Pay」を活用したり、オンラインでクレジットカード決済を受け付けられる「Square リンク決済」などを利用したりし、店舗外で発生するお会計にもSquareで対応しています。いずれも無料で利用できる機能です。
複数店舗の売上状況も簡単に把握できる
B²では計4店舗運営しています(2025年時点)。下口さん含め2人の統括マネージャーで全店舗を見ており、日常的に足を運べない店舗もあるといいます。Squareならスマートフォンのアプリからでもパソコンからでもリアルタイムで売上状況を確認できるため、足を運べない店舗の売上状況をいつでも遠隔から把握できます。
記事に掲載されている店舗情報 (商品内容、価格、営業時間など) は2025年3月時点のものです。