「AIに興味はあるけれど、自分のお店には大げさでは?」と感じていませんか。飲食店のAI活用は、予約の問い合わせを整理する、売れ行きから仕込み量を考える、販促の文章のたたき台を作るなど、身近な業務にも使えます。この記事では、小規模な飲食店でも試せるAI活用の基本から、予約・発注・売上分析での使い方、導入時の注意点を紹介します。
📝この記事のポイント
- 飲食店のAI活用は、予約対応や需要予測、文章作成など、特定の業務の支援から始められる
- 予約対応のAIは問い合わせ対応を、発注支援のAIは仕込みや食材の必要量を考える作業を助ける
- 小さなお店では、1つの課題を選び、効果を確かめながら使う方法が現実的
- AIの予測や文章は必ず人が確認し、お客さまの情報の扱いにも注意が必要
- Square POSレジの在庫管理とSquare アナリティクスで売れ行きを把握でき、既存ツール内のSquare AIも活用可能
目次
- 飲食店のAI活用とは
・AIが得意なことと、人が決めること
・ほかの業種や大手飲食チェーンでの活用 - 飲食店でAIを活用できる業務
・予約・問い合わせの対応
・食材の発注・仕込み量の検討
・売れ行きの分析とメニューの見直し
・シフトと集客の計画
・メニューやポスターのデザイン - 小さな飲食店でAI活用を始めるには
・時間がかかる仕事を1つ選ぶ
・すでにあるデータを整理する
・小さく試して結果を比べる - AI導入前に確認したいこと
・予測や文章をそのまま使わない
・個人情報や店舗の情報を守る
・費用と現場の手間を見積もる - AIに迷ったらSquareでデータの見える化から
・Square POSレジで売り上げと商品在庫を把握
・Square アナリティクスで店舗の傾向を確認
・既存のツールに組み込まれたSquare AI - まとめ
- よくある質問(FAQ)
・小規模店でも飲食店のAI活用はできますか?
・AI予約と通常のネット予約はどう違いますか?
・食材の発注をAIにすべて任せられますか?
飲食店のAI活用とは

AI(人工知能)は、過去のデータから傾向を見つけたり、質問に答えたり、文章を作ったりする技術です。飲食店では「来週の金曜に何人くらい来るか」を予測する使い方もあれば、「営業時間に関する問い合わせに答える」使い方もあります。扱う仕事によって必要な道具は異なり、一つのAIですべてを解決するものではありません。
農林水産省の飲食店向けガイドブックでも、まず省力化したい業務を選び、それに合う技術や道具を検討する流れが示されています1。大切なのは「AIを導入すること」を目的にせず、電話を取り逃す、食材が余る、売れ筋が分からないといった課題から考えることです。もちろん、今使っているPOSレジや予約台帳を整えるだけで解消できる問題もあります。
AIが得意なことと、人が決めること
AIが得意なのは、多くの売上記録を短時間で比べる、繰り返し届く質問を整理する、文章の案を作るといった作業です。たとえば曜日別の売れ行きや、雨の日に注文が増える商品の傾向を見つければ、仕込みや人員配置を考える材料になります。お店の紹介文を考えるときも、ゼロから書く負担を減らせます。
ただし、予測は確約ではありません。急なイベントや団体予約があれば、過去の傾向とは違う日になります。アレルギーへの対応、予約の例外処理、最終的な発注数の決定などは、お店の人が責任を持って判断しましょう。
ほかの業種や大手飲食チェーンでの活用
AIによる需要予測は飲食店だけの話ではありません。たとえば、食品スーパーの総菜部門では、気象情報や人の動きなどのデータを使い、弁当や総菜の発注量を検討できます。農林水産省は、中部フーズがAI需要予測を使った自動発注を試し、全店舗へ導入した事例を紹介しています2。販売する商品の量を見積もるという点は、飲食店の仕込みにも共通します。
大手飲食チェーンの例では、トリドールホールディングスと富士通が、丸亀製麺の国内全823店舗でAI需要予測を採用すると2023年に発表しました。POSの販売実績や気象データを使って客数や販売数を予測し、発注、仕込み、人員配置の判断に生かす取り組みです3。個人店が同じ規模の仕組みを用意する必要はありませんが、売れ行きの記録から次の営業を考えるという発想は参考になります。
飲食店でAIを活用できる業務

飲食店のAI活用を考えるときは、接客中に人の手が止まりやすい仕事と、閉店後に時間をかけている仕事を分けてみましょう。予約の電話や食材の発注、日報、SNS投稿など、各店舗が抱える困りごとをAIでどのように解決できるか考えてみましょう。
予約・問い合わせの対応
飲食店の予約対応にAIを活用する場合、電話やチャットで日時・人数・要望を聞き取る仕組みが考えられます。営業時間外の問い合わせを受け、席の空き状況を確認して候補を示したり、よくある質問に答えたりできるサービスもあります。
たとえばリクルートが運営するホットペッパーグルメでは、同サイトの管理機能「レストランボード」と連携できる「電話AI機能」を提供しています6。お客さまが店舗に電話した際に電話AIが自動で対応し、予約登録・変更・キャンセルをレストランボードに自動で反映してくれる機能です。忙しい時間に電話を取れず、予約の機会を逃しているお店には、検討する価値があるでしょう。
ウェブ上で空席を選び、お客さま自身が申し込む通常のネット予約システムを導入している店舗も多いでしょう。こちらはAIを活用するシステムではありませんが、忙しい時間の電話応対の手間が省けるといった点では、AIと同様に業務効率化の効果があります。まずネット予約と予約台帳の連携で足りるかを確かめ、そのうえで電話対応や問い合わせの整理が負担ならAIを検討しましょう。
また、名前の聞き間違い、席の重複、貸し切りやアレルギーに関わる相談には、人による確認が欠かせません。複雑な予約内容の場合、AIでは対応できない場合もあります。AIが受けた内容を、誰が確認するかも決めておきましょう。
食材の発注・仕込み量の検討
飲食店が食材の発注にAIを活用する場合、過去の販売数、曜日、祝日、天気、予約人数などから必要な食材や仕込み量を見積もり、発注の判断に役立てられます。たとえば、平日ランチの定食がどれくらい出るかを確認し、来週の仕入れ量を決める材料にできます。
たとえば一般財団法人日本気象協会とソフトバンクが共同開発したAI需要予測サービス「サキミル」では、飲食・小売業向けのAI自動発注サービスを提供しています。来店客数の予測に気温や商品の価格を加味して、おすすめの発注量を算出してくれるシステムです4。これまで店主や発注担当者の勘や経験値頼りで発注量を決めていた店舗は、AIを活用することでより的確な判断ができるようになります。
ただし、急な団体予約や仕入れ先の休業が発生すれば、欠品や廃棄につながります。AIの提案を店長が確認したうえで数量を調整し、翌週に結果を振り返る運用から始めると安心です。
売れ行きの分析とメニューの見直し
売上データがあれば、よく売れる商品と時間帯、曜日による差などを調べられます。AIに「週末の夕食で注文が増える料理は」「雨の日は何が売れる」と質問できるサービスを活用すれば、数字の見方が分からない場合でも、知りたいことを言葉にして傾向を探れるのが利点です。
材料費や調理にかかる時間、提供価格も合わせて確認して判断しましょう。たとえば注文が多くても手間のかかる料理なら、仕込み方法を見直すほうが、販促を増やすより効果的かもしれません。AIの分析はメニューを削るために活用するというより、メニュー変更のヒントになる「仮説」を立てるうえで有効です。
シフトと集客の計画
来店の多い曜日や時間帯を把握できれば、必要なスタッフの人数を考えやすくなります。AIによる客数予測があれば、シフト作成の参考にできます。AIによる予測にくわえ、スタッフそれぞれの経験値やこなせる仕事量を踏まえて調整するとよいでしょう。
集客では、新メニューの案内やSNS投稿文の下書きに文章生成AIを使えます。「平日のランチに来てほしい近隣の会社員へ、季節のパスタを紹介する」と目的を伝えれば、複数の表現を比べられます。ただし、使っていない食材を挙げたり、存在しない割引を含めたりすることもあります。公開前には、価格や営業時間、提供期間、写真と説明などの情報が正しく記載されているか、スタッフが確認するようにしましょう。
メニューやポスターのデザイン
現在、飲食店におけるAIの活用で最もよく使われているのは、メニューとポスターのデザインだといえるでしょう。デザインや画像生成は、たしかにAIの得意分野です。ただし、AIの画像生成能力にはまだ限界があり、最近は明らかに「AIっぽい画像」を使ったメニュー写真が敬遠される傾向もあります。
AIによる加工は、実際の料理写真の背景の削除や色味の調整程度にとどめるとよいでしょう。メニューやポスターのデザインにもAIを使うことはできますが、全体の色味や配置、使用するフォントのイメージなどを指定すると、自店の個性を出せるようになります。
小さな飲食店でAI活用を始めるには

大手の導入事例を見ると、専門部署や大量のデータが必要に思えるかもしれません。しかし、小規模店でも手軽に始められるサービスも増えています。困っている仕事を1つ選び、今ある売上データなどをもとに試してみましょう。
時間がかかる仕事を1つ選ぶ
1週間の仕事を振り返り、「予約電話に出られなかった回数」「発注を考える時間」「売れ残った食材の量」など、困りごとを具体的に書き出します。予約を取り逃すことが課題なら予約対応、廃棄が課題なら仕込みと発注、SNS投稿が続かないなら文章の下書きが候補です。課題が複数あっても、最初は1つに絞りましょう。
その仕事にAIが本当に必要かも確かめます。予約を紙からネット予約システムに移す、POSレジの売上レポートを見るといった改善で十分なら、まずそれを試す選択もあります。「どんな手間を減らしたいか」を明確にしましょう。
すでにあるデータを整理する
発注やシフトに予測を使うなら、過去の販売数や予約数など、比べる材料が必要です。日付、商品名、売れた数、キャンセルなどが一貫して記録されているか見直しましょう。記録が少ないお店は、まず数週間、売れ行きと廃棄を残すところから始められます。予約の問い合わせも、よく聞かれる内容をまとめておくと便利です。
小さく試して結果を比べる
AIを業務に活用する試用期間を決め、導入前と後で同じものを比べます。予約対応なら取り逃した電話の数、発注なら食材の廃棄量と欠品、文章作成なら投稿にかけた時間が目安です。数日だけでは天気やイベントに左右されるため、同じ曜日どうしを見比べ、急な変化もメモしておきましょう。
効果があっても、確認や修正に時間を取られていれば、負担は減っていないかもしれません。予約内容の転記や発注数の再計算など、新しく増えた作業も含めて判断しましょう。合わなければ設定や手順を見直します。
AI導入前に確認したいこと

便利な機能でも、お客さまに誤った案内をしたり、現場の負担を増やしたりすれば、本来の目的から離れてしまいます。導入する前に、確認を担当する人、扱う情報、費用を決めておくと、使い始めてからの混乱を減らせます。
予測や文章をそのまま使わない
AIの答えには、事実と違う内容や、古い情報が混じることがあります。料理の原材料やアレルギー表示、営業時間、価格、予約の可否は、最新の店内情報と照らし合わせてください。とくに食の安全やお客さまへの約束に関わる内容は、担当者が公開前に確認する手順を設けましょう。
発注の予測が外れたときに誰が数量を見直すか、予約が重なったときに誰が連絡するかも大切です。最初はAIが示した案を人が確認する形にして、どの場面で役に立ち、どの場面で間違いやすいかを把握しましょう。
個人情報や店舗の情報を守る
お客さまの氏名、電話番号、予約時に伝えた要望などを、外部の文章生成AIに安易に入力しないようにしましょう。個人情報保護委員会も、生成AIサービスへの個人情報の入力や、事業者側での情報の取り扱いについて注意を呼びかけています5。利用するサービスの規約や情報の保存・利用方法を確かめ、スタッフにも入力してよい内容を共有します。
費用と現場の手間を見積もる
AIサービスの料金を比べるときは、月額料金だけでなく、初期設定、連携、スタッフへの説明、日々の確認作業も含めたコスト全体で考えましょう。電話受付の件数や店舗数で料金が変わる場合は、実際の使い方で見積もりましょう。導入後は担当者を決め、確認する時間を営業の流れに組み込めるか考えます。費用に見合う改善がなければ、ほかの方法を検討しましょう。
AIに迷ったらSquareでデータの見える化から

「AIはまだ早い」と感じる人には、まずは売上データや商品の動きがわかりやすく可視化できるシステムがおすすめです。決済代行会社のSquareは、クレジットカードや電子マネー、QRコードのキャッシュレス決済だけでなく、決済と一緒に販売情報を記録し、商品在庫や売れ行きを確認するためのツールを提供しているほか、一部ツールでは対話型AIアシスタントを利用して、会話形式で知りたいことを質問することもできます。
Square POSレジで売り上げと商品在庫を把握
Square POSレジは、会計時の販売情報を記録し、売れた商品や数量を確認できるPOSレジです。飲食店ではメニューごとの売れ行きを見て、次の仕込みや提供方法を考える材料になります。Square POSレジ 飲食店向けには、飲食店の注文や会計に合わせた機能も用意されています。いずれも、フリープランなら無料で使用できます。
Squareの在庫管理機能では、登録した商品の在庫数を管理し、在庫が少ない商品を通知する設定ができます。たとえば店頭で販売する瓶入り飲料や持ち帰り用の商品について、残りの数を確認し、少なければ追加発注を決める、といった使い方が可能です。
Square アナリティクスで店舗の傾向を確認

Square アナリティクスでは、商品ごとの売り上げ、よく来店がある時間帯、前週や前月との比較などを確認できます。たとえば「金曜の夕食は何がよく売れるか」「平日の午後に来店が少ないか」を調べ、仕込みやシフトを考える材料にできます。こうした数字を画面で確かめることは、AIを使う前の第一歩にもなります。
既存のツールに組み込まれたSquare AI
Squareは、無料の対話型AIアシスタントSquare AIも提供しています。Squareのプラットフォームに直接組み込まれているため、決済や売上管理を通して蓄積された業務データを即座に分析し、経営判断に活かすことができます。たとえば、自分の事業の売り上げなどについて自然な言葉で質問したり、地域の天気やイベントなどの情報を調べたり、メニューや商品に関わる内容の作成を助けたりする機能も備えています。
事業データについて質問できる機能は現在オープンベータ版で提供しており、今後も機能の拡充が見込まれます。まずは通常の売上レポートで店舗の傾向を確認し、さらに知りたいことがあればSquare AIを試してみてはいかがでしょうか。
SquareのPOSレジは高機能なのに初期費用0円
Square POSレジは業務効率化を実現する、高機能な無料アプリです。売上分析、在庫管理、スタッフ管理など、必要な機能が1つのアプリにまとまっています。業務をなるべくシンプルにしたい、小規模なアパレル店、美容院、理容室、サービス業に適しています。
まとめ
飲食店のAI活用には、予約の問い合わせ対応、食材の発注量の検討、売れ行きの分析、販促文の下書きなど、さまざまな入り口があります。大手チェーンの事例をそのまま取り入れる必要はありません。自分のお店で時間や費用がかかっている仕事を一つ選び、すでにある記録で小さく試すことが出発点です。
予測や文章は人が確かめ、個人情報の扱いにも注意しましょう。AIを使うか迷う場合は、Square POSレジやSquare アナリティクスで、商品在庫や店舗の売れ行きを把握する方法もあります。そのうえで、既存のSquareのツールに組み込まれたAIが役立つ場面を検討すると、無理なく次の一歩を選べます。
よくある質問(FAQ)

飲食店でAIを使い始める際によくある疑問を、予約や発注の例を交えて確認します。
小規模店でも飲食店のAI活用はできますか?
できます。最初から大がかりな仕組みを導入する必要はありません。たとえばSNS投稿の下書き、よくある問い合わせの整理、販売数を見た仕込み量の検討などの仕事でAI活用を試してみるのがおすすめです。
AI予約と通常のネット予約はどう違いますか?
通常のネット予約は、お客さまが空席を見て日時を選ぶ仕組みで、必ずしもAIを使いません。AI予約と呼ばれるサービスには、電話やチャットで希望を聞き取り、質問に答えたり予約内容を整理したりするものがあります。
食材の発注をAIにすべて任せられますか?
専門サービスには発注の提案や発注書の作成に対応するものもありますが、予測が必ず当たるわけではありません。予約の変更、食材の保存期間、仕入れ先の休業などを確認し、最終的な数量はお店で判断しましょう。
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執筆は2026年10月2日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。

