キャッシュレス決済導入のメリット・デメリット、種類を解説

中小規模の事業者の中には、お客さまの利便性向上や業務効率化のために、キャッシュレス決済の導入を検討している人もいるでしょう。キャッシュレス決済というとクレジットカード決済を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、現在はQRコード決済、電子マネー、タッチ決済など、さまざまな決済手段が利用されています。

キャッシュレス決済は年々広がっており、国の取り組みに加え、自治体による地域限定のキャッシュレス決済や、決済サービス事業者と地方自治体が連携したキャンペーンも増えています。本記事では、キャッシュレス決済と日本の現状、主な種類と仕組み、精算方法、事業者にとってのメリット・デメリットを解説します。

📝この記事のポイント

  • キャッシュレス決済とは、現金を使わずクレジットカードなどで支払う方法
  • 日本のキャッシュレス決済比率は2025年に58.0%、今後も拡大が見込まれる
  • クレジットカード、電子マネー、QRコード決済など、さまざまな種類がある
  • 導入することでお客さまの利便性向上に加え、会計作業の効率化や現金管理の負担軽減が期待できる
  • Squareなら対面・オンラインのキャッシュレス決済をまとめて導入できる
目次


キャッシュレス決済とは?

キャッシュレス決済とは、文字通り現金を使わずに支払いを行う方法です。クレジットカードQRコード決済電子マネー、といった支払い方法を日常的に使っている人も多いでしょう。電車などの改札で交通系ICカードをかざして乗車するのもキャッシュレス決済の一種です。

キャッシュレス決済普及に向けた取り組み

日本では、2018年に経済産業省が「キャッシュレス・ビジョン」を策定し、2025年までにキャッシュレス決済比率を40%程度、将来的には世界最高水準の80%まで引き上げることを目標に掲げました。その後、2019年10月から2020年6月まで実施された「キャッシュレス・消費者還元事業」によって、中小・小規模事業者でキャッシュレス決済を使った消費者にポイント還元が行われ、店舗側の導入も後押しされました1

さらに、2020年以降は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、不特定多数の人が触れる現金を避け、キャッシュレス決済を利用する動きが広がりました。こうした国の施策や生活様式の変化を背景に、日本のキャッシュレス決済比率は上昇を続けています。

最近では、地域限定のポイント還元やデジタル地域通貨を使い、キャッシュレス決済を地域経済の活性化に活用する取り組みも広がっています。たとえば東京都渋谷区は、区内加盟店で使えるデジタル地域通貨「ハチペイ」を展開し、区内産業や地域コミュニティーの活性化を目指しています2。また、PayPayは地方自治体と連携した「あなたのまちを応援プロジェクト」を実施しており、2025年9月時点で全国479自治体でキャンペーン実施が決定したそうです3

キャッシュレス決済の普及状況

PD05554 - paypay
経済産業省によると、2025年のキャッシュレス決済額は162.7兆円、キャッシュレス決済比率は58.0%(国内指標)でした4。キャッシュレス・ビジョンで掲げられていた40%目標を超えたことを受け、経済産業省は現在、2030年までに65%に引き上げるという中間目標を掲げています。

2025年のキャッシュレス決済額の内訳4

決済手段 決済額 構成比
クレジットカード 134.6兆円 82.7%
デビットカード 5.5兆円 3.4%
電子マネー 6.0兆円 3.7%
コード決済 16.6兆円 10.2%

キャッシュレス決済額の内訳を見ると、クレジットカードを中心にコード決済や電子マネーも日常の支払い手段として定着しつつあることがわかります。

このように、キャッシュレス決済は一時的な施策ではなく、日常的な支払い手段として定着しつつあります。事業者にとっても、キャッシュレス決済への対応は、お客さまの利便性向上や販売機会の拡大につながる重要な取り組みです。

キャッシュレス決済の種類としくみ

キャッシュレス決済と一口にいっても、仕組みはさまざまです。ここでは店舗でよく使われる「接触型IC決済」「非接触型IC決済」「QRコード決済」を中心に説明します。

種類 主な決済手段 しくみ
接触型IC決済 ICチップ付きクレジットカード、デビットカードなど カードを決済端末に挿入し、暗証番号入力などで本人確認を行う
非接触型IC決済 交通系ICカード、電子マネー、タッチ決済対応カード、スマートフォン決済など カードやスマートフォンを決済端末にかざして支払う
QRコード決済 PayPay、d払い、楽天ペイなど 店舗またはお客さまがQRコードを読み取り、アプリ上で支払う

接触型IC決済

PD07653 - CAEN handheld tableside order 3
接触型IC決済では、カードリーダーにICチップ付きのカードを挿入して情報を読み取り、決済処理を行います。店舗で買い物をしたときに、決済端末にクレジットカードを差し込み、暗証番号を入力して支払う方法が代表例です。

磁気ストライプを読み取る決済に比べ、ICチップを使った決済は偽造や不正利用のリスクを抑えやすいため、クレジットカード会社もICチップへの移行を進めています。現在のクレジットカード決済では、接触型IC決済と、この後説明する非接触型IC決済(タッチ決済)の両方に対応するカードや端末が増えています。

非接触型IC決済

jp-blog-creditcard-reader-comparison
非接触型IC決済は、コンタクトレス決済、タッチ決済などと呼ばれることもあります。電磁誘導の仕組みを利用して、ICカードやICチップを搭載したスマートフォンを決済端末にかざすだけで決済が完了するため、スピーディーに会計できる点が特徴です。

たとえば交通機関では、交通系ICカードを改札にかざすタイミングで非接触型IC決済が行われています。最近では、交通系のICカードだけでなく店舗での支払いでも、交通系ICカードや流通系電子マネー、スマートフォンのウォレット機能、タッチ決済対応のクレジットカードなど、さまざまな非接触型IC決済が利用されています。

QRコード決済

PD03769 - JP Paypay Terminal iPhoneX Retail Carousel
QRコード決済は、スマートフォンの決済アプリを使って支払う方法です。店舗側が提示したQRコードをお客さまが読み取る方式と、お客さまのスマートフォンに表示されたQRコードやバーコードを店舗側が読み取る方式があります。

QRコード決済は、スマートフォンだけで利用できるため、利用者にとって始めやすい決済方法の1つです。自治体によるポイント還元キャンペーンや地域限定のキャッシュレス決済でも活用されることが多く、日常の買い物や飲食店での支払いにも広がっています。

キャッシュレス決済の精算方法

キャッシュレス決済は、消費者がお金を支払うタイミングによって「前払い」「即時払い」「後払い」の3種類に分けられます。

精算方法 代表的な決済手段 特徴
前払い 交通系ICカード、流通系電子マネー、プリペイドカードなど あらかじめチャージした残高の範囲内で支払う
即時払い デビットカードなど 支払いと同時に銀行口座から代金が引き落とされる
後払い クレジットカード、ポストペイ型電子マネーなど 利用額が後日まとめて請求される

前払い

前払いは、プリペイド式とも呼ばれます。お客さまはあらかじめカードやアプリに一定金額をチャージし、その残高の範囲内で支払います。交通系ICカードに駅やアプリでチャージして使う方法が代表例です。クレジットカードのような審査を受けなくても利用しやすく、残高の範囲内で支払うため、使いすぎを防ぎやすい点が特徴です。

即時払い

即時払いの代表的な決済方法はデビットカード決済です。消費者が買い物をしたタイミングで、登録している金融機関の口座から代金が引き落とされます。即時払いは、口座残高の範囲内で利用できるため、支出を管理しやすい決済方法です。クレジットカードを持たない人でも、銀行口座があれば利用しやすい点も特徴です。

後払い

後払いの代表的な決済方法はクレジットカード決済です。消費者がクレジットカードで買い物をすると、クレジットカード会社が代金を立て替え、後日、締め日までの利用額がまとめて消費者に請求されます。

高額な買い物にも利用しやすい一方、利用額が後から請求されるため、使いすぎには注意が必要です。また、クレジットカードを作るには審査を受ける必要があります。ちなみに、QUICPay(クイックペイ)やiD(アイディ)などのポストペイ型電子マネーも、クレジットカードなどと連携して後日請求される仕組みです。

事業者にとってのキャッシュレス決済のメリット

jp-blog-cashless-02
キャッシュレス決済には、事業者にとっても多くのメリットがあります。ここでは、店舗運営に関わる代表的なメリットを見ていきましょう。

現金を扱う量が減る

キャッシュレス決済を導入すると、現金を扱う量を減らせます。釣り銭の準備や現金の受け渡し、レジ締め、売上金の保管、金融機関への入金といった作業を減らしやすくなるため、日々の店舗運営の負担軽減につながるほか、お釣りの渡し間違いといったミスも防げます。

現金の取り扱いが減ることは、防犯対策にもつながります。店内に保管する現金の量が少なくなれば、現金の盗難や紛失のリスクを抑えやすくなります。また、決済履歴がデジタルで残るため、ミスが起きた時にスムーズに対処でき、原因究明もしやすくなります。

業務の効率化につながる

キャッシュレス決済とPOSレジを組み合わせると、決済時の販売情報を自動で記録できます。売上管理、在庫管理、帳簿処理などに必要な情報をデータとして残せるため、手入力や集計作業の負担を減らせます。

現金を数えたり、釣り銭を用意したり、レジの過不足を確認したりする作業も減らすことができ、会計業務が効率化できます。接客や商品開発、販促など、本当に時間をかけたい業務に人手を割きやすくなるでしょう。

お客さま満足度が上がり売り上げアップにつながる

さまざまな決済手段を用意しておくと、現金を持ち合わせていないお客さまや、普段からキャッシュレス決済を利用しているお客さまにも対応しやすくなります。特に数万円以上の高額な商品やサービスでは、クレジットカード決済に対応していることで購入につながるケースもあります。

また、会計がスムーズに終われば、お客さまの満足度アップにもつながります。決済は買い物の最後に行われる短いステップですが、待ち時間や手間が少ないほど、買い物体験全体の印象が良くなり、再来店につながるかもしれません。キャッシュレス決済を導入してお客様満足度を上げ、売り上げアップを目指しましょう。

事業者にとってのキャッシュレス決済のデメリット

キャッシュレス決済には多くのメリットがありますが、一方で導入前に確認しておきたいデメリットもあります。ここでは、事業者にとっての主な注意点と解決方法を具体的に見ていきましょう。

システム導入の初期費用がかかる

キャッシュレス決済を受け付けるには、少なからず費用がかかります。決済端末(スマートフォンやタブレットで代用できることも)やインターネット環境などが必要なケースが多く、導入するサービスによっては、月額利用料や初期設定費用がかかることもあります。

ただし、近年は初期費用を抑えて導入できるサービスも増えています。たとえばSquareの「Tap to Pay on Android」や「iPhoneのタッチ決済」の機能を使えば、お手持ちのスマートフォンを使って、クレジットカードなどのタッチ決済を受け付けることもできます(電子マネーは非対応)。さらに対応できる決済手段を広げたい場合は、Square リーダーのような小型の決済端末を導入すれば、クレジットカードや電子マネー、QRコードに対応できます。

また、支援制度や補助金の活用を検討するのも一つの方法です。多くの場合、POSレジシステムや関連ハードウェアが補助対象になっているため、POSレジシステムを搭載した決済端末も選択肢に入れるのがおすすめです。

手数料がかかる

キャッシュレス決済を利用すると、決済ごとに決済手数料がかかります。売り上げの一部が手数料として差し引かれるため、導入前には売上高にしめるキャッシュレス決済の割合を想定し、手数料費用の概算を出しておくと良いでしょう。

ただし、キャッシュレス決済には現金管理の負担軽減や会計時間の短縮、販売機会の拡大といったメリットもあるため、コストパフォーマンスを考えるうえではこれらの利点も考慮して、総合的に比較するのがおすすめです。

社内教育が多少必要

キャッシュレス決済システムを導入したら、従業員が決済の受け付け方、キャンセルや返金の処理、レシート発行、トラブル時の対応方法などを理解する必要があります。新しいシステムに慣れるまでは、操作ミスや確認漏れが起こる可能性があることも念頭に置いておきましょう。

ただし、最近のキャッシュレス決済サービスは、決済端末もアプリも初心者に優しく、使いやすいデザインになっており、トレーニングにもさほど時間はかかりません。不安な人は、サポート体制が整っているサービスを選んでおくと安心です。

実際にお金が支払われるまでに時間差がある

現金払いの場合、お客さまから現金を受け取ると、その場で売り上げが手元に入ります。一方で、キャッシュレス決済では、売上金がすぐに手元に入るわけではありません。一定期間の売り上げが集計され、決済サービスの入金サイクルに沿って金融機関口座へ振り込まれます。

入金サイクルを把握していないと、売り上げは発生しているのに、仕入れや家賃、人件費の支払いに使える資金が手元にないという状況になりかねません。導入前には、入金日、振込手数料、入金頻度を確認し、自店舗の資金繰りに合うサービスを選びましょう。

Squareなら低コストで簡単にキャッシュレス決済を導入できる

これまで見てきたように、キャッシュレス決済を導入する際は、導入コストや決済手数料、操作の簡単さや入金までのタイムラグなどを確認しておく必要があります。

低コストで簡単にキャッシュレス決済を導入したい人におすすめなのが、Squareの決済代行サービスです。Squareのキャッシュレス決済に、初期費用や月額固定費はかかりません。かかる費用は、キャッシュレス決済を受け付けたときにかかる決済手数料(※)と決済端末の費用のみで、主要クレジットカードブランドから電子マネー、QRコード決済まで幅広い決済手段に対応できます。

Squareで利用できる決済方法は以下のとおりです。

jp-blog-payment-methods-logs-unionpaysmall

※年間キャッシュレス決済額が3,000万円未満の新規かつ中小企業の加盟店の場合、Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club、Discoverの決済手数料を2.5%でご利用いただけます。年間キャッシュレス決済額が3,000万円を超える場合、すべての決済手段においてカスタム決済手数料を適用できる可能性がありますので、営業チームまでお問い合わせください。

また、Square POSレジアプリと組み合わせて使うことで、商品登録や会計、在庫管理や売上データの確認までまとめて行えます。POSレジの導入でレジ締め作業などを省力化できるほか、売上レポートを使うことで仕入れ時期の見極めや発注などの業務も効率化できます。

決済から入金までの時間が短い点もSquareのメリットです。三井住友銀行とみずほ銀行の口座なら、売上金は最短翌営業日に自動入金され、それ以外の金融機関口座でも毎週水曜日で締め、同じ週の金曜日に合算で自動振込されます。さらに即時入金サービスを利用すれば、タップひとつで売り上げをすぐに登録口座へ入金することができます。入金額の1.5%の手数料がかかり、手数料を差し引いた金額が入金されます。

素早い審査で他社からの乗り換えもスムーズ

Squareなら、ほかの決済代行サービスからの乗り換えも素早く行えます。​アカウントを​作成して、​事業情報、​代表者情報、​銀行口座情報などを​入力すれば、審査結果は早ければ申し込んだ当日もしくは数日以内に届きます。利用開始の案内を確認できれば、クレジットカード決済の受け付けを始められます。

対面決済で使える決済端末も、Square リーダーなら4980円とお手頃な価格です。決済端末の到着を待たずに、すぐにキャッシュレス決済を始めたい場合は、iPhoneやAndroidのスマートフォンを決済端末として使い、クレジットカードやモバイルウォレットに登録されたカードでのタッチ決済も受け付けられるため、急いで新しい決済サービスに切り替えたい事業者にとっても便利です。

まとめ

本記事では、キャッシュレス決済と日本の現状から始め、キャッシュレス決済の種類や仕組み、キャッシュレス決済のメリットとデメリットを説明しました。キャッシュレス決済の導入には費用や運用上の注意点もありますが、会計業務の効率化、現金管理の負担軽減、お客さまの利便性向上など、多くのメリットがあります。

日本ではキャッシュレス決済比率が上昇し、国や自治体による取り組みも広がっています。今後もキャッシュレス決済を希望するお客さまは増えていくと考えられるため、自店舗の客層や業務内容に合った決済手段を整えておきましょう。

Squareなら今すぐキャッシュレス決済導入できる

Squareはアパレル店やカフェからサービス業まで、あらゆる業種に対応するキャッシュレス決済サービスです。クレジットカード決済、電子マネー決済、QRコード決済が簡単に始められます。アカウント作成は無料、月額利用料も0円。売上は最短即時入金、スマホを使ったタッチ決済なら端末購入も不要と、キャッシュレス化をはやさでサポートします。


Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。

執筆は2021年7月21日時点の情報を参照しています。2026年7月20日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。