BCPとは?中小企業こそ定めておくべき理由と注意点

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BCP(事業継続計画)という言葉を耳にしたことのある経営者は多いのではないでしょうか。BCPは簡単にいうと、「緊急事態に備えて、中核となる事業を継続・早期復旧させるための方法や手段を取り決めておく計画」のことです。

上場企業などの大企業や、多くの従業員を雇用する企業が作成するものであって、中小企業にはあまり関係のないものかもしれないと思うかもしれません。しかし、実は中小企業においても、リスクマネジメントの観点から、BCPを定めておくメリットは非常に大きいものです。

今回は、BCPの基本的な考え方や、策定すべきメリット、実際に内容を考える際の注意点などを解説します。

BCPとは

まずは、BCPについて基本的な考え方を解説します。

BCPとは、企業が緊急事態に遭遇した場合に備えて、事業資産の損害を最小限にとどめながら、事業の継続・早期復旧を可能にするために、普段の行動や緊急時の対応などを取り決めておく計画のことを指します。想定される緊急事態には、自然災害や大火災、テロ攻撃などが該当します。また、直接的に災害などに直面しなくても、取引先の倒産や自粛のあおりなど、間接的な要因によって損害が発生する可能性もあります。

いざというときに倒産や事業収縮をせずに済むためには、BCPの策定し、常にその内容を更新し続けておくことが大切です。

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BCPを策定すべきメリット

BCPは大企業だけでなく、中小企業はもちろん、企業規模を問わず策定しておくべき計画ともいえます。BCPを策定しておくべきメリットを具体的に挙げていきます。

緊急事態の発生時に、倒産や事業縮小のリスクを減らせる
「事業継続計画」という名前の通り、緊急事態に対する備えができるというのが最大のメリットです。いざというときにすぐに動き出すことができるので、事業への被害を最小限に留めることができます。

たとえば、東日本大震災の際には、多くの企業が倒産や事業縮小をせざるを得ない状況となりました。被災地から離れている企業であっても、関連会社や取引先の影響で倒産する企業も相次ぎました。東京商工リサーチが2019年に発表している資料によると、東日本大震災の関連倒産は8年間で累計1,903件にのぼっていることが判明しています。同発表によれば、取引先・仕入先の被災などが影響した「間接被害型」が全体の9割を占めるようです。ただ、震災関連で倒産した企業は、もともと経営体制に弱みがあり、震災による業績不振が追い打ちをかけたと分析されています。倒産した企業の中には、BCPを策定していれば生き残れた企業も含まれていると考えられます。

緊急事態は、いつ起こるか予期できないものだからこそ、事前の備えが必要です。

参考:“震災から8年”「東日本大震災」関連倒産状況(2月28日現在)(東京商工リサーチ)

対外的な信用度が高まる
BCPを策定すると、危機管理にしっかり取り組んでいる企業という評価がなされ、対外的な信用度が高まります。取引先や株主などのステークホルダーからの信頼が高まるということは、それだけ企業競争力も強まります。

すでにBCPを策定して運用している企業にとって、取引先である企業の事業継続能力に不安がある(BCPを未策定である)ということは、それだけ自社のBCPの実効性が弱まるということでもあります。そのため、BCP対策をしっかりしている企業ほど、取引先の選定基準としてBCP対策をしているかどうかを重視する可能性もあるのです。緊急事態においては、関連倒産が多いということを考えても、BCPを策定することは自社だけでなく、取引先の事業中断リスクを減らすことにもつながり、ひいては社会的な責任を果たすことにもつながります。

事業内容を客観的に評価できる
BCPを策定していく中では、「有事の際に、どの業務を優先して復旧させるか」という点に向き合う必要があります。改めて自社の事業内容を客観的に評価する機会となり、経営戦略を見直すきっかけにもなります。

また、重要な業務が可視化されることで、日常業務においてもリスクヘッジに向けた動きにつなげることができます。

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BCPを策定するデメリット

もちろん、BCP策定にはデメリットも伴います。一番大きいものは、「策定にかかるコスト」です。策定にかかる時間は、直接的には利益を生まない業務です。少ない人数で業務にあたっている中小企業にとっては、大きな負担と感じるかもしれません。

また、リスク分散の対策内容によっては、さらにコストがかかる可能性があります。たとえば、IT関連の保守のために、データセンターを分散する場合を考えてみると、依頼先によって費用も大きく変わってくる可能性があります。

このように、主なデメリットとしてあげられるのはコスト面です。ただ、策定していない場合に被る損失を考えると、策定するメリットも大きいのではないでしょうか。

BCPに盛り込むべき内容

中小企業庁の「中小企業BCP策定運用指針」によると、BCPには以下の特徴があるとされています。

1,優先して継続・復旧すべき中核事業(会社の存続に関わる最も重要な事業)を特定する
2,緊急時における中核事業の目標復旧時間を定めておく
3,緊急時に提供できるサービスのレベルについて顧客と予め協議しておく
4,事業拠点や生産設備、仕入品調達等の代替策を用意しておく
5,全ての従業員と事業継続についてコニュニケーションを図っておく

これらを盛り込みながら基本方針を立案し、日常的にブラッシュアップを続けていくことが大切です。適切なBCPが設定できていれば、緊急時でも中核事業の維持や早期復旧ができ、生き延びることができます。さらには、市場の信頼を高めて事業拡大する可能性も秘めています。

参考:中小企業BCP策定運用指針(中小企業庁)

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BCPを考えるときに注意すべきこと

最後に、BCPを策定する時に注意すべきことを紹介します。

まずは、「最初から完璧な計画を目指さないこと」です。いつ、どのように起こるかわからない緊急事態に備えての計画なので、最初からすべてを網羅できる完璧な計画を作ることは難しいです。策定している途中で無理が出て完成させることができない、完成したとしても実現可能性が低いものになってしまう可能性が高いです。せっかく策定しようとしても、完成しない・使えない計画であれば意味はありません。自社にとって必要なものは何かをしっかり見極め、できる範囲から策定を進めていきましょう。

また、一度BCPを策定したからといって、完了するわけではありません。事業の状況も、会社の状況も、社会の状況も常に変わります。また、策定したBCPを従業員に理解してもらい、通常時から常に意識できるような企業文化を醸成しなくてはなりません。いざというときに、従業員が自らBCPに沿って判断し、行動することが求められるからです。定期的に防災備蓄品の点検や避難訓練をするように、BCPについても定期的に点検してブラッシュアップをし、従業員に対しても教育する体制を作りましょう。

上記2点に留意してBCP作成を進め、いざというときにも迅速に行動できる環境が整えましょう。

自社の状況に合わせた、適切なBCPを策定しよう

BCPは、いざというときに企業を守る要になる計画です。リスクヘッジの観点からも、企業競争力を高める観点からも、企業規模にかかわらず策定すべきものだといえます。いつどのような緊急事態が発生するかわかりません。あらゆるリスクに対応できるよう、積極的にBCP策定に取り組むことをおすすめします。

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執筆は2019年7月4日時点の情報を参照しています。
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