起業の前に知っておきたい!会社の違い

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起業には、株式会社を設立する、個人事業主として開業するなどさまざまな方法があります。これから起業を考えているなら、その前に法人の形態にはどんなものがあるのかを知っておきましょう。法人の形態について知識を深めておけば、より条件にマッチした起業スタイルが見つかりやすくなります。

今回は法人の中でも、「株式会社」「合同会社」「NPO法人」について詳しく解説していきます。

株式会社

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企業の形態として最も一般的な「株式会社」。平成27年の調査によると、日本の法人企業のうち94.2%が株式会社です。

参考:平成27年度会社標本調査結果 第11表 法人数の内訳(国税庁)

株式会社は活動資金を株式によって調達します。事業による利益が上がれば、出資者(株主)は配当金や株主優待を受け取ることができます。出資者は会社に対して、所持している株式の引受価額(1株あたりの金額)以上の責任を負いません。

設立にかかる主な費用と手続きを紹介します。

設立条件
取締役:1名以上
資本金:1円以上

業種によっては国や都道府県からの許認可が必要な場合があります。たとえば、タクシー事業は地方運輸局で認可を受けなければいけません。これから創業予定の事業に許認可が必要かどうかは事前に確認しておきましょう。

必要な費用
定款用の収入印紙代: 40,000円 ※電子定款の場合は不要
公証人手数料: 50,000円
定款の謄本手数料: 謄本1ページにつき250円
登記手続き時の登録免許税: 資本金の1,000分の7 ※150,000円に満たないときは、申請件数1件につき150,000円

設立時にかかった費用は後に経費に算入できます。

必要な手続き
・商号、事業目的などの基本事項を決める
・発起人(会社設立を計画した人)、役員の印鑑証明書を取得する
・会社の印鑑(実印、銀行印、社印、ゴム印など)を作成する
・定款を作成し、公証役場で認証を受ける
 公証人役場は法務局内にあります。
 会社を登記する予定地の公証人役場に連絡し、手続きの日取りを決定しましょう。
・資本金の払込
 発起人の銀行口座に資本金を入金します。
 払込証明書を作成し、通帳のコピーとともに提出します。
・登記書類の作成、提出
 登記書類を作成し、法務局で登記を行います。登記に必要な主な書類は以下のとおりです。
1. 登記申請書
2. 定款
3. 発起人の同意書
4. 取締役、代表取締役、監査役の就任承諾書
5. 役員の印鑑証明書
6. 資本金の払込証明書

開業の届け出
登記後には開業の届け出をする必要があります。主な届け出先は以下のとおりです。

税務署:法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書など

都道府県、市町村:法人設立届出

従業員を雇う場合
労働基準監督署:労災保険の届け出
ハローワーク:雇用保険の届け出
年金事務所:社会保険加入の手続き

従業員を雇う場合には手続きが多くなるため、社労士や税理士など専門家に相談しながら進めることをおすすめします。

メリット

株式会社にするメリットのひとつは、社会的信用です。株式会社の設立は、個人事業主の開業よりも手続きが多く、費用もかかることから、第三者からは事業に責任をもって真剣に取り組んでいると見なされることが多いようです。個人では任されにくい仕事を受注できるなど、仕事のチャンスも広がるのではないでしょうか。

次に、節税効果が高いことがメリットとして挙げられます。これには、給与所得控除が受けられることや、経費として認められる範囲が個人事業主よりも広いこと、赤字の繰越期間が長いことなどがあります。

その他には、万が一のときに有限責任である、銀行からの融資が比較的受けやすい、株を発行することでより多くの資金を調達できるなどのメリットがあります。

デメリット

株式会社の設立には費用がかかり、必要な手続きが多くあります。また、赤字だとしても法人住民税は納める必要があります。他にも、株式会社は解散、清算する際にも費用がかかるため、業務は行っていなくても休業状態にしておく会社もあります。

合同会社

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近年増えているといわれる合同会社(LLC)。株式会社と比較して設立にかかる費用、維持費が安く抑えられることから合同会社での起業を考えている人も多いのではないでしょうか。株式会社では事業を行う経営者と出資者(株主)が分かれていますが、合同会社では同一となります。また、後々株式会社に変更することも可能です。

設立にかかる主な費用と手続きを紹介します。

設立条件
社員 : (出資者)1名以上
資本金:社員(出資者)×1円以上

必要な費用
定款用の収入印紙代:40,000万円 ※電子定款の場合は不要
登記手続きの際の登録免許税: 資本金の1,000分の7 ※60,000円に満たないときは、申請件数1件につき60,000円

株式会社と同様に、設立時にかかった費用は後に経費に算入できます。

手続き
・商号、事業目的などの基本事項を決める
・会社の印鑑を作成する
 実印、銀行印、社印、ゴム印など
・定款を作成する
 株式会社と異なり、定款は認証を受ける必要がありません。
・資本金の払込
 代表者の口座に資本金を入金します。払込者の名前が確認できるように注意しましょう。
・登記書類の作成、提出
 登記書類を作成し、法務局で登記を行います。
 登記に必要な書類は以下のとおりです。
1.登記申請書
2.定款
3.代表社員の就任承諾書
4.資本金の払込証明書

開業の届け出
株式会社と同様、税務署や都道府県などに開業を届け出る必要があります。

メリット

合同会社は株式会社より設立の費用が安く抑えられます。また、定款を作成する必要がありますが、認証手続きが不要なため、迅速に設立できるという点が大きなメリットといえるでしょう。

利益は出資額の比率に関係なく、自由に決定することができます。経費削減の面では、株式会社と同じ税制であることもメリットです。

他にも決算の公告義務がないこと、役員の任期が無制限などがあります。

デメリット

合同会社は2006年の会社法施行によって新しくできたこと法人形態であり、株式会社と比べて認知度が低く、社会的な信用が株式会社よりも低くなりがちです。業種によってはこれらの点が大きなデメリットとなる場合があります。

また、利益の分配を社員の間で自由に決定できるのことはメリットのひとつですが、揉め事の原因になる場合もあります。

有限会社

有限会社は2006年の会社法施行に伴って有限会社法が廃止されたことで、新規で有限会社を立ち上げることができなくなりました。社名の変更は義務ではないため、現在でも特例有限会社として有限会社を名乗っている企業は多くあります。

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NPO法人

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NPOとは、「Non Profit Organization」の頭文字をとった名称で、日本語では特定非営利活動法人と訳されています。社会的使命の達成を目指した活動を行い、構成員(株式会社でいう株主)に対する利益分配を目的としない組織です。しかし、活動で得た利益は団体の活動資金として使うことができます。

設立条件
社員(構成員):10名以上
理事:3名以上
監事:1名以上

定義と要件
・特定非営利活動促進法で定められた20分野に当てはまる活動である
・不特定多数かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とする活動である
・営利を目的としないこと
・宗教、政治活動を主目的としないこと
・特定の公職の候補者若しくは公職にある者又は政党を推薦、支持、反対することを目的としないこと
・特定の個人又は法人その他の団体の利益を目的として、事業を行わないこと
・特定の政党のために利用しないこと
・特定非営利活動に係る事業に支障が生じるほどその他の事業を行わないこと
・暴力団、暴力団又は暴力団の構成員若しくはその構成員でなくなった日から5年を経過しない者の統制下にある団体でないこと
・社員の資格の得喪について、不当な条件をつけないこと
・10人以上の社員を有すること
・報酬を受ける役員数が、役員総数の1/3以下であること
・役員として、理事3人以上、監事1人以上を置くこと
・役員は、成年被後見人又は被保佐人など、法第20条に規定する欠格事由に該当しないこと
・各役員について、その配偶者若しくは三親等以内の親族が2人以上いないこと。また、当該役員並びにその配偶者及び三親等以内の親族が、役員総数の1/3を超えて含まれていないこと
・理事又は監事は、それぞれの定数の2/3以上いること。設立当初の理事又は監事は、それぞれの定数を満たしていること
・会計は、次に掲げる会計の原則に従って行うこと。
会計簿は、正規の簿記の原則に従って正しく記帳すること。
計算書類(活動計算書及び貸借対照表をいう。)及び財産目録は、会計簿に基づいて活動に係る事業の実績及び財政状態に関する真実な内容を明瞭に表示したものとすること。
採用する会計処理の基準及び手続については、毎事業年度継続して適用し、みだりにこれを変更しないこと。

参考:東京都NPO法人ポータルサイト

必要な資金
NPO法人の設立は資本金や定款認定料などはかかりません。登記申請時に必要な法人印鑑の作成費や書類の発行費用のみとなるため、合計1万円以下で設立することができます。

手続き
NPO法人の設立は、法人設立総会を開催し、以下の書類を作成し、所轄庁の窓口に申請します。

・設立認証申請書
・定款
・役員および報酬を受ける者の名簿
・役員就任承諾書及び宣誓書(謄本)
・役員の住所又は居所を証明する書面(住民票の写しなど)
・社員のうち10人以上の者の名簿
・確認書
・設立趣旨書
・設立についての意思の決定を証する議事録
・設立当初の事業年度および翌事業年度の事業計画書
・設立当初の事業年度および翌事業年度の収支予算書

申請後は最短3ヵ月程度で認証もしくは不認証が書面で届きます。認証された場合は、そこから2週間以内に法務局で登記を行います。登記が完了したら設立登記完了届書、登記事項証明書、財産目録などを申請した所轄庁の窓口に提出します。

メリット

NPO法人は認知度が高く、社会的な信頼を得やすいというメリットがあります。加えて、団体名義での賃貸契約や銀行口座の開設手続きができるなど、法人格を得ていない団体よりも安定した環境のもとで活動を行えます。また、多くの自治体では収益事業を行っていない場合は法人住民税が免除されるようでます。

デメリット

NPO法人は申請から認証、不認証の結果がわかるまでに少なくとも3~4か月かかります。株式会社や合同会社と比較して期間が長く、また、設立条件が複雑なこともデメリットです。

組織の形態の違いを知っておくことで、起業の目的に最適なスタイルをとることができます。今後、起業をお考えの方はぜひ参考にしてみてください。

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執筆は2018年1月31日時点の情報を参照しています。
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