ゲーミフィケーションとは?マーケティングをゲームの方法論で強化する

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ゲーミフィケーションは、経営やマーケティングに役立つ方法論の一つです。その名の通りゲームの要素を生かして顧客を引きつけ、利益を生みやすいビジネスの状況を作ることができるゲーミフィケーション。顧客をタイプ別に分類し、満足度の高いマーケティング施策を打ち出すために、トレンドとしても注目されているゲーミフィケーションの定義や実践方法、注意点などを考えてみましょう。

ゲーミフィケーションとは

ゲーミフィケーションとは、ゲームと異なる領域にゲームの要素や構造を取り入れ、目的達成や成果を挙げることを目指す方法論です。ゲームには、テレビゲームやオンラインゲーム、ゲームアプリに象徴されるように、プレーする人を引きつけて夢中にさせる楽しさがあり、継続的にプレーをする工夫がされています。ゲーミフィケーションはゲームの魅力を日常やビジネスに生かすという考え方です。以下のようにゲームの要素や構造をブレイクダウンして考えると、ゲーミフィケーションが示す意味がより理解しやすくなるでしょう。

・目的、課題が明確である・達成感と報酬を得ることができる
・ストーリー性、展開がある
・現状、目標などが数値化または可視化されている
・フィードバックがありやる気や満足感につながる
・社会、コミュニティとのつながりがある

これらの全て、あるいは一部を活用したゲーミフィケーションが考えられます。いわばゲーム以外のものをゲーム化する(gamify)ことで人生を豊かに楽しむ方法と換言できるかもしれません。

現在、ゲーミフィケーションはマーケティングだけでなく、人材育成、クラウドソーシング、教育、政治、ヘルスケア、テクノロジー、デザインなどの分野でも活用されています。たとえば、小学校で勉強の習熟度に応じてノートにシールを貼る、シールが貯まったら表彰されるといったように、実はゲーミフィケーションの手法は広く日常に浸透しています。

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マーケティングにゲーミフィケーションを用いる

ゲーミフィケーションという言葉は2002年、イギリス出身のコンピュータープログラマーであるNick Pellingによって発案されました。マーケティングにおいてゲーミフィケーションのコンセプト自体は100年以上前から存在したと考えられ、商品購入ごとにスタンプを集めて賞品と交換するといった手法はもはや定番です。

さらに、2011年にデジタルが経済に及ぼす影響を発表したアメリカの調査企業ガートナー社の調査報告の中で、ゲーミフィケーションが取り上げられたことが、マーケティングの世界にも大きなインパクトを与えました。ガートナー社は翌2012年、「2014年までに、グローバル企業の70%がゲーミフィケーションを利用したアプリケーションを少なくとも一つ持つようになる」と予測し、ビジネスやマーケティングにおいてゲーミフィケーションが重要なトレンドになるとの見方を示しました。

こうした状況を踏まえ、ゲーミフィケーションは今日までに日本を含めた世界中のビジネスにおいても着実な広がりを見せ、情報も多くシェアされるようになったことから個人や中小企業でも取り組みやすい環境が醸成されています。

参考:「ゲーミフィケーション」の面白さと革新によって人々の参加を促す(2012年3月19日、ガートナー ジャパン株式会社)

パーソナリティー別の最適なゲーミフィケーション

ゲーミフィケーションを実践する際、対象となる人のパーソナリティーを以下の4タイプの分類に当てはめて考えることで、最適なアプローチが導き出されます。

1. アチーバー(Achiever)
その名の通り、何かを達成(achieve)することに喜びを見出すタイプの人です。ゲーム内の難しいクエストに挑戦し、謎や課題を解決した上で得られる報奨に満足感を覚えます。このタイプの対象者には、簡単に得られるリワードよりもコツコツとポイントを貯めたり、入手困難な商品を努力して手に入れたりすることで、その過程も含めて価値あるものを得られたと考える傾向があります。

2. エクスプローラー(Exploler)
探索、探検(explore)により、新たな発見を求めるタイプです。現実世界とは異なる刺激があることを重要視します。抽選で1万人に1,000円の商品券が当たる確率の高さより、1人に1,000万円が当たるほうに夢や魅力を感じるため、「可能性」や「ポテンシャル」をキーワードにした「わくわくさせる」施策が適しています。

3. ソーシャライザー(Socialiser)
プレー中にパーティー(チーム)を組んだり、ゲーム内外で人と情報交換などのコミュニケーションを取るなど、他のプレーヤーとの交流を楽しむタイプです。マーケティングにおいても同じ商品のユーザーとのコミュニケーションの場があることで満足感を得て、商品やブランドの価値に高評価を付けやすくなります。ユーザー同士だけでなく、企業側の「顔」が見えるビジネスを好む傾向もあります。

4. キラー(Killer)
ゲーム内で敵を倒すことは目的達成のための一つの手段ですが、同時にプレーヤーのスキルの見せどころでもあり、キラータイプのプレーヤーはその腕前ゆえに有名ゲーマーになることもあります。つまり、自分の実力が人に認められることに満足感を抱くタイプといえます。マーケティングにおいては、特別な顧客として好待遇を受けることや、希少価値の高い商品を独自ルートで入手することなどに価値を感じやすいでしょう。

商品やサービスの特性によって顧客タイプの傾向も存在するため、自社ユーザーの特性を見極め、もっとも多いタイプの顧客にフォーカスする、あるいはタイプごとに異なるマーケティングを展開することで、よりゲーミフィケーションの効果を発揮しやすくなります。

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ゲーミフィケーションが顧客に与える効果

たとえば有料テニススクールの生徒の中にも、技術の向上を主目的にする人もいれば、友達作りを目的とする人もいるように、レッスンというサービス(商品)に感じる魅力は人それぞれです。ただ、異なる目的を持った人が全く同じサービスの範疇で満足することは難しいケースもあります。そこで「半年でワンランク上を目指すスキルアップ・コース」や「ラリーを中心にテニスを楽しみたい人のためのコース」など、サービス内容やパッケージに変化をつけることでゲーミフィケーションの効果を最大化することも考えられます。

このようにゲーミフィケーションの方法論でマーケティングを展開することで、顧客サイドには以下のような効果が表れます。

・購入、参加、アクセスなど、顧客側がアクションを起こしやすくなる
・購入や参加を継続するモチベーションが生まれる
・顧客同士の交流が生まれ、ビジネスの新たな価値となる

ゲーミフィケーションによるこうした効果は、顧客を引きつけ、ロイヤルカスタマーとなってもらうために重要な要素です。

ゲーミフィケーション成功のポイントと注意点

ゲーミフィケーションを導入する上で、ポイントとなるのは以下の3点です。

達成する目的を明確化
たとえば、ポイントを貯めることで割引が得られるというマーケティング施策であれば、顧客サイドの目的は割引を使って商品を購入することです。同時に、店舗側の目的は割引を理由として商品を購入してもらうことであり、ポイントを貯めるために足繁く店に通ってもらい、ファンになってもらうこと、そしてその後も継続して利用したいと思ってもらうことです。

マーケティング施策の開始からある程度結果が見える段階まで、ポイントカードを持つ顧客の来店頻度や購入額、ポイントが貯まってからの顧客行動など、数値として記録しながら分析する必要があります。

「ゲーム」のストーリー性を重視
マーケティング自体をゲームと仮定し、顧客がたどるゲームのストーリーをしっかり組み立てておきましょう。ポイントが貯まるという到達点までの道のりが長すぎるゲームでは、途中離脱の可能性もあり、その場合は途中でもいくつかの報奨があるとプレーするモチベーションになります。ゲームが人を引きつける最大の特徴は、レベルアップしていく面白さであることを忘れないようにしましょう。

顧客が「今、自分はストーリーのどの地点にいるのか」という現在地がビジュアルでわかる仕組みも、プレー継続のために重要です。

コミュニケーションの場を作る
ゲームをプレーしている人にとっては、他人に情報をシェアしたくなったり、クエストの攻略方法を人から聞いたりといったコミュニケーションの場も必要です。これはマーケティングキャンペーンに参加している人も同様です。現代であればソーシャルメディアを活用し、たとえば店側がハッシュタグ(#)を使ってプレーヤー同士が交流できるよう設定するなどの工夫も考えられます。黙々と一人でプレーするタイプのゲームはマーケティング施策として広がりがないため、人を巻き込むよう仕組み化することがポイントです。

まずは顧客のタイプを見極め、適切なゲーミフィケーション施策で満足度を高めながら、商品やサービスのファンを上手に増やしてきましょう。

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執筆は2019年7月10日時点の情報を参照しています。
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