ダイナミックプライシングとは?メリット・デメリットや導入例を解説

近年ではタクシーの運賃やテーマパークの入園料にも使われている仕組み、「ダイナミックプライシング」。
ダイナミックプライシングは簡単にいうと、商品やサービスの需要に応じて価格を調整する仕組みです。需要の高い時期は価格を上げることで客単価アップに役立て、需要の少ない時期には価格を下げることで購入率アップにつなげられるので、売り上げが全体的に上がることが期待できます。ゴールデンウィークやお盆など、利用客が多い時期は通常よりも人気観光地の宿泊代金がぐんと上がる、などはわかりやすい例かもしれません。

規模の大きなビジネスが用いる印象を受けるかもしれませんが、飲食店をはじめ、人気観光地にある小売店や宿泊施設などでもダイナミックプライシングを導入することができます。この記事ではダイナミックプライシングについて、そのメリットとデメリット、導入する際のポイントを説明します。

📝この記事のポイント

  • ダイナミックプライシングは、需要や供給などに応じて商品・サービスの価格を変える価格戦略
  • 需要が高いときの値上げだけでなく、需要が低い時間帯や時期の値下げにも活用できる
  • 売上拡大、余剰在庫・食品ロス削減、繁忙期と閑散期の需要分散などがメリット
  • AIやデータ分析を活用すると、過去の販売実績や在庫、天候、イベントなどから需要を予測しやすくなる
  • Square POSレジやSquare データ、Square AIを活用すると、曜日・時間帯・商品別の売上傾向を把握し、価格施策を考えるヒントを得られる
目次


ダイナミックプライシングとは

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ダイナミックプライシングとは、需要や供給にもとづいて商品やサービスの価格を調整する価格戦略です。英語の「Dynamic Pricing」をカタカナにしたもので、「Dynamic」は「動的な」あるいは「変動性のある」を意味し、「Pricing」は「価格をつけること」と訳されることから、「動的価格設定」「変動価格制」などと呼ばれることもあります。

ダイナミックプライシングの例

ダイナミックプライシングの例を見てみましょう。日々の生活のなかで目にしたこともあるかもしれません。

  • シーズンによって航空費やホテルの宿泊料金が変わる
  • 集客の見込み具合で、スポーツ観戦のチケット料金が変わる
  • 時間帯によって飲食店でのメニュー料金が変わる
  • 販売状況に応じてコンサートのチケット料金が変わる
  • スーパーマーケットのタイムセール

多くの人が体験したことのあるダイナミックプライシングの例は、最後に挙げたスーパーマーケットのタイムセールでしょう。売れなくなってしまうくらいなら少し値下げしてでも収益につなげたいという供給側の思惑と、安いのであれば購入したいという消費者側の思惑が合致しています。

飲食店でも、ランチやモーニングを通常より割安にする、夕方にハッピーアワーを設ける、深夜帯に料金を上乗せするといった価格設定があります。ホットペッパーグルメ外食総研の2024年調査では、ダイナミックプライシングを実施する飲食店を「知っている」と答えた人は57.0%でした。なかでも「ランチやモーニングでは割安」になるタイプの認知率は40.8%、「夕方早めは割安(ハッピーアワー等)」のタイプの認知度は38.1%と、外食でもダイナミックプライシングが身近な価格設定として認識されていることがわかります1。

AIを活用したダイナミックプライシングの例

一部のビジネスでは最新のテクノロジーを利用して需要と供給を予測し、ダイナミックプライシングを行っています。

特に単価が高い航空券やホテルといった旅行業では、過去のデータから需給を予想し、それに基づく価格づけが行われてきました。現在ではAIを活用し、過去の販売実績に加えて在庫や残席、曜日・時間帯、天候、イベント、競合価格などのデータから需要を予測し、価格判断を支援する取り組みも広がっています。

たとえばAIを活用した需要予測サービスを企業向けに提供しているダイナミックプラスは2025年、AIで食品の需要を予測し、賞味期限や在庫状況などを踏まえて最適な割引率を算出する実証実験を開始しました。食品廃棄を減らしながら、売り上げの最大化を目指す取り組みです2。食品専門商社の日本アクセスも2024年、ID-POSデータとAIを活用し、店舗ごとに価格を提案する「プライシングAI」の提供を開始しています3。

スポーツ分野でも活用が進んでいます。サッカーチームの京都サンガF.C.は、2025シーズンにダイナミックプライシングを試験的に導入し、その後本格運用へ移行しました。試合や席種ごとの需要に合わせて価格を変動させ、各試合・各席種をその時点の適正価格で販売することを目指しています4。

海外でのダイナミックプライシングの例

海外のダイナミックプライシングの事例もみてみましょう。ネット通販大手のAmazonは、販売事業者向けに「Automate Pricing」を提供しており、事業者が設定したルールに基づいて商品価格をほぼリアルタイムで自動調整できます。競合価格に合わせるルールのほか、販売数に応じて価格を変えるルールも設定できます5。

米国発の配車サービスのUberでは、時間帯や目的地までの距離、交通状況や配車時点での需給バランスに基づいて乗車料金が変わるダイナミックプライシングモデルを採用しています。飲み会帰りの人が増える金曜夜の繁華街や、大型コンサート直後の会場付近など配車依頼が増える場面では、乗車運賃が高くなる仕組みです。

このモデルは海外から日本にも持ち込まれ、2021年にUberと配車アプリのGOが実証実験に参加しました。2023年には、配車アプリなどを通じて事前に運賃を確定した場合のタクシー運賃にダイナミックプライシングが採用されています。6

ダイナミックプライシングを行うメリット

次にダイナミックプライシングのメリットを企業側と消費者側とで分けて見てみましょう。

【企業側】売り上げを拡大できる

経営者としては需要が低いときには売れ残りを避け、需要が高まっているときには高値で商品やサービスを販売して収益を増やしたいところです。ダイナミックプライシングを採用することでこれが可能になります。

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【企業側】余剰在庫や食品ロスを削減できる

在庫が何かしらの理由で廃棄されてしまうことは、紛れもない損失です。売れ残らないよう在庫数の最適化を図ることも大切ですが、ダイナミックプライシングを取り入れ、需要の少ない曜日や時間帯などは割引を適用しながら、余剰在庫の削減にも同時に取り組みたいところです。

たとえば「シーズンが変わる前に季節性のあるものは売り切りたい」と考える小売店では、ダイナミックプライシングを取り入れることで購入率と売り上げのアップにつなげられます。食品の小売なら、先述のスーパーマーケットでのタイムセールのように、賞味期限が近い商品を値引きすることで食品ロスの削減にもつなげられるでしょう。

【企業側】リソースを有効活用できる

ダイナミックプライシングの導入に成功すると、ピーク時の需要が分散されて、繁忙期と閑散期の需要をある程度一定にできます。どのシーズンも一定の需要が見込めるようになると、人的・設備のリソースを持て余すことも減るでしょう。またAIなどの活用により作業を自動化できれば、需要の予測や価格調整を手作業で行う必要もなくなり、人件費削減にもつながります。

【消費者側】通常よりお得に商品やサービスが手に入る

通常よりもお得に商品を購入できたりサービスを利用できたりすることは、消費者にとって大きなメリットでしょう。なかには安く商品が手に入る時期を狙うお客さまも出てくるかもしれません。

ダイナミックプライシングのデメリット

メリットが多いように聞こえるダイナミックプライシングですが、デメリットも理解しておきましょう。

【企業側】導入コストがかかる場合がある

ダイナミックプライシングの導入には既存のサービスを使用する方法と、自社開発する方法があります。自社に特化したものだと使いやすさはあるかもしれませんが、初期投資だけでも膨大な金額がかかるでしょう。既存のサービスでも、利用には費用がかかる場合があります。

たとえば、まずはSquareのように無料で利用できる売上分析機能を需要予測に役立ててみると、多額のコストをかけずにダイナミックプライシングを導入できるかもしれません。

【企業側】お客さまからの印象が悪くなる可能性がある

過度なダイナミックプライシングはお客さまに不信感を抱かれる可能性もあります。海外では、ダイナミックプライシングへの評価は分かれています。英国のオンライン市場調査会社、YouGovが2024年4月に実施した消費者調査7では、ライブコンサートでのダイナミックプライシングが「フェア(公平)だ」と答えた人が33%だったのに対し、「不公平だ」とする人は49%と大きく上回りました。ほかにもテーマパークやスポーツイベントなどでのダイナミックプライシングを不公平に感じている人が目立ちました。

サービス 「不公平」の回答割合 グラフ
ホテル宿泊 46% ███████████████████████
鉄道旅行 44% ██████████████████████
映画館 46% ███████████████████████
フードデリバリーアプリ 43% ██████████████████████
航空旅行 47% ████████████████████████
テーマパーク 47% ████████████████████████
スポーツ観戦 45% ███████████████████████
ライブコンサート 49% █████████████████████████

※調査対象は英国、欧州、北米、アジア、中東などの17カ国・地域(日本は含まない)の市場の18歳以上。

日本では、業種や価格の変え方によっては、ダイナミックプライシングが自然な仕組みとして受け入れられているケースもあります。ホットペッパーグルメ外食総研の2024年調査1では、外食店のダイナミックプライシングに「納得できる」と回答した人の割合は54.3%で、「納得できない」の18.3%を上回りました。ランチ・モーニングの割安価格は68.4%、ハッピーアワーは63.1%、深夜料金は58.1%が「納得できる」と回答しており、日本の外食ではダイナミックプライシングが「時間帯によってお得に食事ができるシステム」として、比較的受け入れられています。

価格が変わる理由や適用条件が分かりにくいと、お客さまに不信感を与える可能性があります。価格の変更ルールを明確にし、店頭やウェブサイトなどで分かりやすく伝えることが大切です。

【企業側】繁忙期の購入率が下がる可能性がある

目当ての商品やサービスを「わざわざ繁忙期に買う必要がない」と消費者が判断するようになると、繁忙期の来店率が下がってしまう可能性もあります。このようにダイナミックプライシングは、売り上げの最大化が狙える反面、お客さまの来店頻度が減るリスクも伴います。

【消費者側】需要が高い時期は割高になる

本当に商品やサービスが必要なときに値上げがされていると手が出しにくくなり、気に入って通っていた店などでも足が運びにくくなるかもしれません。

【消費者側】購入機会を逃してしまう可能性がある

繁忙期には購入を我慢し、お得な時期に商品を手に入れるという手もありますが、その頃には目当ての商品が売り切れていることもあるでしょう。

ダイナミックプライシングが注目を集めているとはいえ、商品やサービス、業種によって向き不向きがあること、過度な不公平感や価格差別について気をつけなければならないことはぜひ知っておきたいところです。

ダイナミックプライシングの設定方法

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ダイナミックプライシングの設定には、大きく3つのステップがあります。

(1)データを集める
(2)需要を予測する
(3)価格を決定する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

(1)データを集める

最適な価格を決めるには、できるだけ幅広い情報を参考にします。たとえば以下に目を通していきましょう。

  • 月別・曜日別・商品別の売り上げ
  • 月別・曜日別・時間帯別の来客数
  • 固定費
  • 変動費
  • 天候
  • 競合の価格設定
  • 地域のイベントや繁忙期

(2)需要を予測する

AIが搭載されたシステムなどを使用すると、過去の実績を含めた膨大なデータをもとに需要予測から価格変更までを自動で行うことが可能ですが、事業規模によっては躊躇してしまう金額がかかるかもしれません。ここでは手動で簡単に予測値を出す方法を見ていきましょう。

  • 移動平均法

過去の実績を特定の期間で区切り、その期間の平均値をそのまま予測値とする方法です。たとえば過去の売上実績を3カ月ごとに区切って今後の売り上げを予測するとします。該当する月の予測値を出すには、直近3カ月の平均値を出すだけです。直近のデータをもとに予測値が算出できるので、ビジネスをはじめてまだ間もない場合でも取り入れやすい手法です。

AIを使わずに需要を予測する場合でも、過去の実績と予測の差を見ながら定期的に予測値を見直すことが大切です。

(3)価格を決定する

次に、上記をもとに商品の価格を決定します。ダイナミックプライシング適用後と、適用前を比較してどれほどの違いが生まれるかを見ていきましょう。

以下は、通常1,000円で提供しているランチセットにダイナミックプライシングを適用した仮定上の例です。雨の日は200円安く、土日祝日は200円高く設定しています。

  想定来客数(価格変更前) 販売価格 想定来客数(価格変更後) 売り上げ/日 固定費/日 利益/日
平日(雨の日) 35人/日 800円 55人/日 44,000円 10,000円 34,000円
土日・祝日 65人/日 1,200円 60人/日 72,000円 10,000円 62,000円

需要が通常より低い期間に、価格を下げることで来店客数を増やせると、ダイナミックプライシングは効果を発揮します。一方、需要の高い期間は、価格を上げることで売上拡大が見込みやすいというメリットがあります。

観光地でダイナミックプライシングを適用するには

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観光地でのビジネスには取り入れやすいダイナミックプライシング。宿泊施設はもちろん、小売店や工芸体験教室など、時期によって需要に変動があるような業態なら、前向きに検討してみるといいでしょう。

その理由と、成功のポイントを見ていきましょう。

観光地でダイナミックプライシングが取り入れやすい理由

国内外の観光客から人気のエリアや、スキー場やキャンプ場などは大型連休や人気イベントの実施などによって、需要が大きく左右される場所かもしれません。毎年決まって観光客で混み合う時期があるのなら、需要も読みやすいため、ダイナミックプライシングの適用時期も決めやすいものです。

さらにこういった地域は全体で価格を上げる傾向があるため、値上げがしやすいのも特徴的です。1店舗だけ価格が高いと客足はよりリーズナブルなほうに向いてしまうかもしれませんが、周りと足並みを揃える形であれば、競合にお客さまをとられてしまう心配も少ないでしょう。

観光地でダイナミックプライシングを成功させるポイント

観光地を拠点とするビジネスでダイナミックプライシングの効果を最大限に発揮させるには、以下を実践しましょう。

昨年の実績を参考に需要を予測する

的外れな需要予測をしてしまわないためにも、実績をもとに予測値を出すことが基本です。実績をしっかりと記録しておくにはPOSレジの活用が有効です。月別、曜日別、商品別などの売上データを蓄積しておけば、前年と比べながら需要の変化を確認しやすくなります。

競合の価格動向を参考にする

ダイナミックプライシングは需要に合わせて価格を上げる仕組みですが、ほかと比べて著しく値上げをしてしまえば、逆に客離れを招いてしまうかもしれません。それでも購入してもらえる価値をつけることも大切ですが、競合の価格設定を念頭に置いたうえでバランスよく価格を決めていくことも必要でしょう。

訪日外国人が増える時期を把握する

日本政府観光局によると、2025年の年間訪日外客数は4,268万3,600人で、過去最多となりました8。特に4月は春の桜シーズンで訪日需要が高まり、訪日外客数は3,908,900人(推計値)と当時の単月過去最高を記録しました9。また、各国の学校の夏休み期間と重なる2025年7月は、東アジアや欧米豪・中東を中心に訪日需要が高まり、7月として過去最高の訪日外客数になりました10。

このような季節要因に伴う観光需要の変化を把握しておき、自店の実績と合わせて見ると、価格を変える時期を考える材料になります。

中長期的な戦略を練る

宿泊施設は、基本的に半年前から予約をとれるようにしているところがほとんどです。1年先の予約が可能な施設も少なくありません。そのため宿泊施設を運営している場合は半年ごと、1年ごとなど中長期的に戦略を練ることが賢明でしょう。

飲食店でダイナミックプライシングを適用するには

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飲食店は観光地に限らず、普段から混み合うオフィス街に位置するお店、客足が少ないエリアにあるお店まで、ダイナミックプライシングをぜひ検討してみたい業態です。

飲食店でダイナミックプライシングを取り入れるべき理由

ダイナミックプライシングと聞くと思わず宿泊施設や航空券などを想像するかもしれませんが、飲食店でも従来から取り入れられてきた価格戦略です。その例が「ハッピーアワー」でしょう。客足が少ない時間帯に、集客を増やす方法です。

近年では原材料価格が高騰し、その負担に頭を抱えている飲食店事業主も少なくないでしょう。そんななか、ダイナミックプライシングは売上拡大に生かせる1つの手段にもなるかもしれません。

さらに飲食店では、テーブル数に限りがあります。そのため、たとえピーク時にテーブルが埋まったとしても、空いている時間帯の客数を増やすことができなければ、売り上げの最大化は難しいでしょう。ピークを分散させることができるダイナミックプライシングを取り入れると、空いている時間帯も集客がしやすくなるので、売り上げの最大化も実現しやすくなります。

飲食店でダイナミックプライシングを成功させるポイント

飲食店でダイナミックプライシングの効果を得るには、以下を意識しましょう。

価格の方針を決める

観光地で挙げた点と同様に、まずは実績を確認することが大切でしょう。実績をもとに、どの時間帯、どのメニューに適用するのかなどを決めていきましょう。全メニューの価格を変えることももちろんできますが、まずはよく売れるメニューから価格を変え、効果を測定してみてもいいかもしれません。

POSレジの登録内容を明確に

ダイナミックプライシングを取り入れたときに想定できるトラブルとして、レジの打ち間違いがあります。POSレジに登録しているメニュー名がわかりにくいと、値上げした価格を打つはずが、誤って通常価格でお会計を受け付けてしまうこともあるかもしれません。戸惑うことのないよう、以下のようにわかりやすく登録しておくのがおすすめです。

【ピーク時】トマトクリームパスタ
【通常】トマトクリームパスタ
【オフピーク】トマトクリームパスタ

など

お客さまにもメリットを伝える

ダイナミックプライシングの導入を機にお客さまが離れてしまわないためにも、お客さまと上手にコミュニケーションをとることも大切でしょう。説明が不足していると、「利益を優先しているのだろう」と図らずもマイナスなイメージを抱かれてしまう可能性もあります。

たとえば、空いている時間帯は価格が安くなることを店頭やSNSで分かりやすく伝えたり、価格が変わる時間帯を事前に掲示したりすると、お客さまが利用する時間を選びやすくなります。値上げの説明だけでなく、オフピーク時に利用するメリットまで伝えることがポイントです。

Squareのツールで、まず自店の売上傾向を把握

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ダイナミックプライシングを検討するとき、いきなり高度な価格最適化システムを導入するのはコスト面からも躊躇する人が多いのではないでしょうか。まずは自店で「いつ、何が、どれだけ売れているのか」を把握し、需要が高い曜日や時間帯、季節による変化をつかむことが大切です。

決済代行会社のSquareは、データ収集や分析に活用できる各種ツールを提供しています。多くのツールは、基本機能は無料で利用できます。

Square POSレジで販売データを蓄積する

Square POSレジでは、会計時の販売情報が記録されるため、日々の売り上げを蓄積できます。商品やカテゴリを分けて登録しておけば、どの商品がいつ売れているのかを振り返りやすくなります。価格変更の前後で販売数や売上額を比較する際にも、基礎となるデータがあるとスムーズです。Square POSレジアプリは、お手持ちのタブレットやスマートフォンにインストールするだけで無料で利用できます。

Square データで売上傾向を確認する

Square データでは、Square POSレジに蓄積されたデータから売上サマリーや売上トレンド、商品・カテゴリ別のレポートなどを確認できます。「週末はどの商品がよく売れるか」「平日のどの時間帯に客足が落ちるか」といった傾向を見ながら、価格を変える時間帯や商品の仮説を立てられます。

コーヒー専門店のPostCoffeeでは、Squareの売上データを週次で確認し、昨年の実績や季節性を踏まえて「どの月にどの商品が動くか」を予測。在庫を事前に店舗へ移動するなど、ロスを抑えた運用に活用しています。

「Squareのデータを見ながら、毎週カテゴリーごとの売上をチェックしています。」
— PostCoffee オフラインストアマネージャー 桑原悠太さま

【PostCoffeeについて詳しく読む】

SquareのPOSレジは高機能なのに初期費用0円

Square POSレジは業務効率化を実現する、高機能な無料アプリです。売上分析、在庫管理、スタッフ管理など、必要な機能が1つのアプリにまとまっています。業務をなるべくシンプルにしたい、小規模なアパレル店、美容院、理容室、サービス業に適しています。

Square AIでデータを深掘りする

Squareは、無料の対話型AIアシスタントSquare AIも提供しています。Squareのプラットフォームに直接組み込まれているため、決済や売上管理を通して蓄積された業務データを即座に分析し、経営判断に生かすことができます。たとえば、自分の事業の売り上げなどについて自然な言葉で質問したり、地域の天気やイベントなどの情報を調べたり、メニューや商品に関わる内容の作成を助けたりする機能も備えています。

事業データについて質問できる機能は現在オープンベータ版で提供しており、今後も機能の拡充が見込まれます。ダイナミックプライシングを導入すべきか迷うときは、まずは通常の売上レポートで店舗の傾向を確認し、さらに知りたいことがあればSquare AIを試してみてはいかがでしょうか。

まとめ

ダイナミックプライシングとは、需要や供給などに応じて価格を調整する仕組みです。需要が高い時期の値上げだけでなく、需要が低い時間帯の値下げにも活用でき、売上拡大、在庫や食品ロスの削減、需要の分散などが期待できます。

高度なAIを導入するか迷っている段階でも、POSレジなどで自店の売上データを蓄積し、曜日・時間帯・商品別の傾向を把握することで、仕入れ量や販売価格の最適化を進められます。Squareの便利なツールも、ぜひ活用してみてください。

よくある質問

ダイナミックプライシングについてよくある質問を紹介します。

ダイナミックプライシングとは簡単にいうと何ですか?

需要や供給などに応じて、商品やサービスの価格を変える価格戦略です。航空券やホテル、スポーツ観戦のチケット、飲食店のハッピーアワー、スーパーの値引きなどが身近な例です。

ダイナミックプライシングは値上げする仕組みですか?

いいえ。需要が高いときに価格を上げるだけでなく、需要が低い時間帯や時期に価格を下げて購入や来店を促すことも含まれます。繁忙期と閑散期の需要を分散する目的でも使われます。

AIを使わないとダイナミックプライシングはできませんか?

いいえ。過去の売上実績や曜日・時間帯別の来客数などをもとに、人が価格を設定する方法もあります。AIを使うと、より多くのデータを分析して需要予測や価格判断を支援できます。

小規模な店舗でも導入できますか?

できます。まずは特定の商品や時間帯だけ価格を変えてみて、効果を確認することから始められます。導入前にPOSレジなどで売上傾向を把握し、対象とする商品・時間帯、最低価格・最高価格、変更ルールを決めておくとよいでしょう。


Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。

執筆は2019年5月5日時点の情報を参照しています。2026年10月13日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。