Threadsをマーケティングに活用するためのアイデア5選。X(旧Twitter)との違いは?

2023年7月に突如現れたThreads(スレッズ、以下Threads)。たった5日間で全世界のユーザー数は1億に上り、登場と同時に各国で大きな話題を呼んだ新たなソーシャルメディアです。最大の特徴は、テキストで情報を発信するところでしょう。一見、X(旧Twitter)とつくりが似ていますが、よくよく見ると、違いがいくつか見られます。

この記事ではThreadsをマーケティングに活用する際のアイデアを紹介しながら、X(旧Twitter)との違いを比較していきます。利用するうえでの注意点も合わせて見ていきましょう。

目次


Threadsとは

Threadsとは米Meta社が開発し、2023年7月に誕生した新たなソーシャルメディアです。同社はFacebookやInstagramを運営しており、ThreadsはInstagramチームが開発したアプリです。

画像の投稿がメインとなるInstagramとは一変してテキストを中心に情報を発信するため、X(旧Twitter)の対抗馬だと見聞きした人も少なくないでしょう。投稿にはX(旧Twitter)と同じくテキストに限らず、画像や動画、リンクなどを含めることができます。

Meta社の傘下であるInstagramチームが開発していることもあり、機能としてしっかり備わっているのがInstagramとの連携です。すでにInstagramのアカウントを運営している場合には、ストーリーズ機能などを活用してThreadsの投稿をシェアできるので、既存のフォロワーにアカウントの存在を簡単に知らせることができます。一方、InstagramのアカウントがないとThreadsのアカウントは作れないので注意しましょう。

Threadsはマーケティングの活用に適しているのか

Threadsの投稿は、上部に文章の全文が、下部に画像や動画が表示されるようなつくりになっています。
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▲Square(米国)のThreads(ブラウザ版)

文章が目に入りやすいつくりのため、画像だけでは伝えきれない商品の魅力を言葉でも伝えられるのが大きな特徴だといえるでしょう。

なかでも特に役立つのは、投稿にリンクを含められるところです。

たとえばInstagramやYouTubeなどでは、画像や動画で商品を魅力的に見せることはできても、投稿そのものからワンクリックで商品購入ページにアクセスできるようにするには、設定がややこしかったり、そもそも設定ができなかったりします。せっかく商品を丁寧に紹介しているのに、購入率がなかなか上がらない……という悩みも生じていたかもしれません。

Threadsの投稿には商品を美しく撮った画像や動画を加えられるのはもちろん、簡単な説明文にリンクを添えられるので、ユーザーに提供したい情報をぎゅっと一つの投稿にまとめることができます。ユーザーにとっても簡単明瞭です。

マーケティングでは、商品を魅力たっぷりと見せることももちろん大切ですが、お客さまが簡単に購入できるよう、適切なページにしっかりと誘導していくことも欠かせません。Threadsはこの両方を簡単に実践できる、マーケティングに適したツールだといえるでしょう。

Threadsをマーケティングに活用するためのアイデア5選

Threadsをマーケティングに活用するにはどんな取り組みを実践するといいのでしょうか。ここでは五つのアイデアを紹介します。

(1)ネットショップへの導線を引く

Threadsをビジネスで使ううえで重宝したいのは、投稿にリンクを追加できるところです。特定の商品を紹介する際には、説明文とあわせて商品の購入ページのリンクを忘れずに入れておきましょう。そうすれば、商品紹介の投稿を見て「ほしい」と思ったユーザーが、すぐにリンクから商品を手に入れられるようになります。

このようにThreadsはオンライン上での購入を促しやすいため、オンライン販売をまだ始めていないビジネスにはぜひ検討してみることをおすすめします。Squareにはオンライン販売に便利な機能が二つあります。

一つは、無料でネットショップをはじめられる「Square オンラインビジネス」です。サイトに掲載したいテキストを入力したり、画像を追加したりするだけで、ネットショップが完成していく機能で、コーディングなどの専門知識は一切いりません。以下はSquareで作れるネットショップの例です。
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もう一つは、商品ごとに購入ページが作れる「Square リンク決済」という無料の機能です。商品・価格を入力するだけで購入ページは完成し、リンクも自動で発行されるというサービスです。簡単、かつ手間がかからないので、ネットショップを作る暇がないという人におすすめです。

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どちらも多くの手間やコストをかけずにはじめられるので、多忙な事業主にはぴったりです。まずは使い心地だけでも試してみてはいかがでしょうか。

▶︎Squareの無料アカウントを作成して、機能を試してみる

(2)画像や動画で商品の魅力を視覚的に見せる

Threadsはテキストを中心としたプラットフォームではありますが、画像や動画もあわせて投稿できるので、商品やサービスのよさを視覚的に伝えていくといいでしょう。

現時点では横長、縦長、四角(1:1)などさまざまなサイズの画像が投稿できるようになっていますが、対応の画像サイズが今後変更される可能性もなきにしもあらずです。どのサイズの画像なら投稿できるのか気になった際には、都度調べてみることをおすすめします。

(3)Threads限定クーポンを発信してみる

どのソーシャルメディアにおいても、フォロワーを増やすのに効果を発揮しやすいのはクーポンの配信です。Threadsでも「フォロー画面の表示でお買い上げ額から●%オフ!」などフォローキャンペーンを行ってみましょう。特典を記載した投稿をInstagramのストーリーに投稿すると、そこから直接アクセスしてフォローしてくれる人もいるかもしれません。

(4)Threads限定のコンテンツを発信してみる

集めたフォロワーがThreadsのアカウントを定期的にチェックしてくれるよう、Threadsならではのコンテンツも考えておきたいところです。たとえば既存のソーシャルメディアでは発信していない情報をThreads限定で投稿して、差別化を図ってみてもいいかもしれません。

(5)拡散したくなるコンテンツを投稿してみる

前述のとおり、2023年8月時点だとThreadsにはハッシュタグ機能が存在しません。そのためアカウントをひとりでも多くの人に知ってもらうには、リポスト(再投稿)したくなるような投稿を考えるのがおすすめです。たとえば「今秋、手に入れたいファッションアイテムを教えてください!」などお客さまのニーズを探るような質問を投げ、ユーザーにクオート投稿(※)してもらうのも一つの案です。投稿をリポスト(再投稿)してもらえるうえに、気になるユーザーのニーズについても知ることができるので、一石二鳥です。

※コメントを付けて再投稿できる機能

Threadsのマーケティング活用に押さえておきたい特徴

ここまでの説明だとX(旧Twitter)とほとんど同じのような印象を受けた人もいたかもしれません。Threadsの特徴をよりよく理解するためにも、ここではX(旧Twitter)との違いも見ていきましょう。

X(旧Twitter)にはない、Threadsではできること

まず最初に、Threadsでしかできないことを見ていきましょう。

  X(旧Twitter) Threads
500文字までの投稿 ×
140文字(半角の場合は280文字)まで
10枚までの画像の投稿 ×
4枚まで
5分までの動画の投稿 ×
2分20秒まで
Instagramとの連携 ×

どちらもテキスト・画像・動画を投稿できるところは変わりませんが、Threadsのほうが投稿できる文字数も画像の数も多く、動画に関してはより長い尺のものを投稿することができます。

文字数について、X(旧Twitter)の無料版で投稿できるのは当初と変わらず、140文字までです。スッキリと完結に物事を伝えることができたかもしれませんが、それでは足りず結局スレッド投稿(※)などをしていたビジネスには、500文字まで投稿できるThreadsがちょうどいいと感じるかもしれません。全体として、余裕を持って情報を伝えることができるのはThreadsの強みでしょう。

※一つのツイートに複数のツイートを連ねること

参考:Twitter Blue、1ツイートあたりの文字数を2万5000字に拡大(2023年6月28日、Gadget Gate)

Threadsにはない、X(旧Twitter)ではできること

一方で、X(旧Twitter)ではできるものの、Threadsではできないことがいくつかあります。

  X(旧Twitter) Threads
ハッシュタグ機能 ×
投稿やユーザーの分析 ×
DM機能 ×
ブックマーク機能 ×
広告配信 ×
ブラウザ版 ×(閲覧のみ)

今後実装される可能性はあるものの、2023年8月時点だとThreadsでは上記の機能がありません。

痛手と感じるところはいくつかあるかもしれませんが、ほかのソーシャルメディアや、Threadsの他機能で補いながらバランスよく使いこなしていくことはできるでしょう。

たとえばハッシュタグ機能はフォロワーでない人にも情報を届けるうえで有益ですが、Threadsにはこの機能がまだありません。ただ、ユーザーからのリポストに頼ることで投稿の拡散に働きかけることはできるでしょう。広告配信機能もありませんが、今のところはほかのソーシャルメディアで配信していく形でも大きな問題はないかもしれません。

ただし分析に力を入れていたビジネスは、分析機能がついていないところを大きな弱点と感じてしまうかもしれません。現時点ではいいねやリポストの数などを見ながら、最適な投稿時間や内容などを推測していくことになるでしょう。

ThreadsとX(旧Twitter)の両方でできること

以下の機能は、どちらのプラットフォームでも同じように活用することができます。

  X(旧Twitter) Threads
投稿へのリンクの追加
引用機能
リポスト(再投稿)機能
メンション機能
投稿にリンクを追加

Threadsをマーケティングに活用する際の注意点

最後に注意するべき点も見ておきましょう。

スマートフォンやタブレットなどでの運用になる

複数のSNSをまとめて運用できるSNS管理ツールを使用しているビジネスも多いかもしれませんが、Threadsではまだこういった外部ツールは使えないようです。また、SNS関連の業務にパソコンを使用している場合、Threadsのブラウザ版では閲覧しかできないため、運用はスマートフォンやタブレットなどが中心になります。

利用が定着していない

冒頭でも紹介したようにアプリの登録者数はあっという間に1億にのぼりましたが、実際にアプリを開き、定期的に活用している「アクティブユーザー」の数はまだ少ないといわれています。そのため、投稿を実際に見る人は少数ということもありえるかもしれません。

さまざまなガイドラインに同意することになる

Threadsのアカウントの開設時に表示される「Threadsのしくみ」というページでは、個人情報の扱い方や利用規約の簡略版が表示されます。そこでは「Threads利用規約」に同意することが求められます。

ここで覚えておきたいのは、「Threads利用規約」への同意は「Instagram利用規約」、「Instagramコミュニティガイドライン」、「Metaプライバシーポリシー」、「Threadsのプライバシーポリシー補足条項」などのさまざまなガイドラインを確認し、同意したことを意味する、ということです。

読み飛ばしがちな箇所かもしれませんが、どのような内容に同意することになるかは、ある程度把握しておけるといいでしょう。内容は以下から確認できます。

▶️Threads利用規約

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X(旧Twitter)は米起業家のイーロン・マスク氏による買収以降、仕様変更が何度も行われたりと先行きが読めないなかで利用者離れが加速しているようです。その代わりにもなりうると期待が高まりつつあるのがThreadsだといえます。早いうちから参入し、使い方をある程度把握しておくと、いざ利用が当たり前になったときに必要以上に戸惑わずに済むでしょう。


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執筆は2023年9月25日時点の情報を参照しています。2024年7月31日に記事を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash