Threadsビジネス活用のメリットや企業活用例、登録手順などを紹介

米Meta社が2023年7月に提供を開始したテキスト投稿アプリ、Threads(スレッズ、以下Threads)。画像や動画で視覚的に情報を伝えるInstagramとは一変、テキストを読ませるつくりの新たなソーシャルメディアです。ユーザー数が開始からたったの2時間で200万人を突破し、5日間で1億人に膨れ上がるなど、話題を集めています。一見X(旧Twitter)と似ているようにも見えますが、具体的にどのような機能を備えているのでしょうか。

参考:
Metaの新SNS「Threads」、登録者数200万を突破 開始2時間で(2023年7月6日、ITmedia NEWS)
「Threads」ユーザー1億人突破 サービス開始から5日(2023年7月10日、ITmedia NEWS)

この記事ではThreadsの活用を検討している店舗運営者やネットショップ運営者に向けて、特徴やメリット・デメリット、使い方、活用事例を紹介します。

目次


Threadsとは

Threads(スレッズ)とは2023年7月5日(米国時間)に誕生した、テキスト共有アプリです。同時に100カ国以上で展開された本アプリは米企業Meta社のInstagramチームが開発したもので、iOS、Androidのどちらでも無料で利用することができます。特徴的なのは、リアルタイムで500文字以内のテキストをフォロワーに共有できるところです。

利用解禁のニュースは瞬く間に広まり、5日間という驚異的なスピードで1億人のユーザー数を全世界で獲得しました。2022年に大きな話題となったChatGPTでも100万ユーザーを突破するのに6日間かかっており、ユーザー数の獲得スピードは異例といえるかもしれません。

参考:
テキストでつながる新しいアプリ、「Threads(スレッズ)」をローンチ(2023年7月6日、Meta)
ChatGPT、公開6日目で100万ユーザー突破(2022年12月6日、ITmedia)

Threadsの主な機能

ThreadsはX(旧Twitter)のようにテキストの全文が投稿の上部にしっかりと表示され、投稿文を読んでもらえるようつくられたソーシャルメディアです。

ビジネスに活用する際には、画像(最大10枚)や動画(最長5分)などで商品を視覚的にアピールできるのはもちろん、簡単な説明文やネットショップに誘導するリンクを一つの投稿にぎゅっとまとめられるのが大きな魅力です。

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2023年8月時点での主な機能は以下の通りです。

  • 1投稿につき最大500文字までのテキストが投稿できる
  • 投稿にはネットショップなどのリンク、動画、画像が追加できる
  • 最大5分までの動画を投稿できる
  • 最大10枚までの画像を1投稿に追加できる
  • プロフィールにはリンクを一つ掲載できる
  • 他ユーザーをメンション(タグ付け)できる
  • Instagramストーリーズに投稿内容をシェアできる

現段階で以下のことはできません。

  • 広告配信
  • ハッシュタグの活用
  • ダイレクトメッセージの送受信
  • アカウントの切り替え(※)
  • 分析
  • 投稿したテキストの編集

※切り替えのたびにログアウトする必要があります

Instagramと連携できる

Threadsのアプリを開くと、まずInstagramのアカウント情報をもとにログインするよう誘導されることに気づくでしょう。2023年8月時点だとThreads単体のアカウントを開設する方法はなく、Instagramのアカウント情報を用いてログインすることが必須となります。このような条件もあることから、Instagramのアカウントとは自動的に連携します。

X(旧Twitter)との違いは?

X(旧Twitter)を連想させるThreadsですが、細かく見ていくと微妙な違いがあることがわかります。以下の表から特徴を見比べていきましょう。

  X(旧Twitter) Threads
文字数/投稿 140文字(半角の場合は280文字) 500文字
写真数/投稿 4枚 10枚
動画の最大分数/投稿 2分20秒 5分
Instagramとの連携 ×
引用機能
リツイート(再投稿)機能
メンション機能
ハッシュタグ機能 ×
DM機能 ×
ブックマーク機能 ×

上記の表からもわかるようにハッシュタグやDM機能など、X(旧Twitter)にあってThreadsにない機能もあります。ただ、長尺の動画が投稿できたり、画像を多く投稿できたりと、Threads特有の利点もあります。

ビジネスにThreadsを活用するメリット

誕生してまだ間もないThreads。ビジネス利用のメリットはどういったところにあるのでしょうか。

ネットショップに誘導しやすい

Instagramを主な情報発信源にしている店舗経営者にとって、投稿文にリンクを追加できない点は不便に感じていた部分かもしれません。Threadsだと投稿にリンクを追加できるので、商品を紹介したキャッチーな文章に商品購入ページへのリンクを添えるなどして、お客さまをスムーズにネットショップに誘導できます。

文章と画像の両方で商品の魅力を訴求できる

一見ほかのソーシャルメディアとそこまで大きく変わらないように感じるかもしれませんが、よくよく見るとThreadsにはほかのソーシャルメディアにない魅力があるとわかります。

たとえばInstagramには画像は見られても文章が読まれにくい、X(旧Twitter)だと文章は読まれてもあまり多くの画像が投稿できない、といった弱点があったかもしれません。そのため、情報の伝え方にはある程度の工夫が必要でした。

Threadsはこういった弱点をカバーできる特徴を備えています。

テキストが最初に視界に飛び込むつくりなので、まず情報を読んでもらいやすいというメリットがあります。X(旧Twitter)では、文字数制限があることから泣く泣く削っていた内容もあったかもしれません。Threadsなら最大500文字まで投稿できるので、もう少しゆとりを持って情報を伝えることができます。画像もX(旧Twitter)の2倍以上の枚数を投稿できるので、そこまで絞り込まなくてもよくなります。

このように文章も画像も以前ほど惜しまずに活用できることで、商品の魅力が伝えやすくなることが考えられます。

Instagramと連携できる

新しいソーシャルメディアを開設するときに最も苦労するのは、フォロワーを増やすことかもしれません。ThreadsはInstagramと連携しているので、ユーザーはInstagramでフォローしているアカウントをそのままフォローし続けることを選択できます。そのため、Instagram上のフォロワーをそのままThreadsに引き継げる可能性が高いといえます。

注意点として、Instagramのフォロワーを引き継ぐには、

  • Instagramアカウントにすでにフォロワーがいること
  • フォロワーがThreadsのアカウントを開設した時点で、すでにThreadsのアカウントがあること

などが前提になります。早々にThreadsのアカウントを開設しているフォロワーもいると推測すると全フォロワーを引き継ぐことは難しいかもしれませんが、ある程度のフォロワーは今からでも引き継げるでしょう。

新規ユーザーをキャッチしやすくなる

現段階では利用できる機能が限られていますが、機能が充実していくにつれて日常的に利用するユーザーも増えてくることが予想されます。早い段階からアカウントを持ち、コンテンツを発信しておくことで、今後着々と増えていくユーザーをキャッチしやすくなるでしょう。

ビジネスにThreadsを活用するデメリット

デメリットも見ていきましょう。

SNS運用ツールと連携されていない

予約投稿や細かな分析をするために、外部のSNSツールを活用しているビジネスも少なくないでしょう。2023年8月時点だと、こういったツールではまだThreadsの利用はできないようです。しばらくはThreadsのアプリからマニュアルで投稿していくことになるかもしれません。またブラウザ版では閲覧しかできないため、スマートフォンから投稿する形になります。

機能が限られている

広告機能や分析機能、ダイレクトメッセージ機能、ハッシュタグ機能など、まだ解禁されていない機能も少なくないため、別のソーシャルメディアのほうが使い勝手がいいと感じてしまうこともあるかもしれません。時間とともに機能が充実していくことが期待されていますが、機能が一式揃うまでにはもう少し時間がかかるでしょう。

仕様や規約が変更される可能性も

できて間もないソーシャルメディアである分、今後どのように仕様が変わるかは読めない部分があります。特にThreadsを削除するにはInstagramのアカウントを削除する必要があるため、先行きが見えないことが不安ならThreads用のInstagramアカウントを作成するといいでしょう。最新情報をキャッチするにはMeta社のニュースルームなどを定期的にチェックしておくのがおすすめです。

Threadsの登録手順と注意点

Threadsへの登録は簡単です。以下のステップに従うとアカウントを開設できます。

(1)Threadsのアプリをダウンロードする
▶︎お手持ちのタブレットやスマートフォンなどにThreadsのアプリをダウンロードしましょう。iOSを利用している場合はApp Storeから、Androidの場合はGoogle Play Storeからダウンロードすることができます。

(2)アプリを開き、Instagramアカウントを利用してログインする
▶︎ログインをするにはInstagramのアカウントが必要です。
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(3)プロフィールをカスタマイズする
▶︎プロフィール内容(自己紹介文、登録しているリンクなど)を編集できる画面が表示されます。Instagramのアカウントに公開している情報をそのままインポートすることもできれば、書き換えることもできるので必要に応じて対応しましょう。プロフィール内容はいつでも修正できますが、ユーザー名はThreads上では変更できません。Instagramのアカウントに設定しているものが反映されます。
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(4)プライバシー設定を選択する
▶︎プライバシー設定の画面が表示されるので、プロフィールを公開するか非公開にするかを設定しましょう。プライバシー設定はいつでも変更可能です。
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(5)フォローするアカウントを選ぶ
▶︎「Instagramと同じアカウントをフォローしますか?」という質問とともに、フォローしているアカウントの一覧が表示されます。すでにフォローしているアカウントを一括でフォローすることもできれば(※)、フォローし続けたいアカウントを一つずつ選んでいくこともできます。

※Threadsをすでに開設しているアカウントに限る
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(6)Threadsのしくみを確認する
▶︎Threadsのしくみが表示されるので、熟読したうえで「Threadsに参加する」をタップします。なお、Threadsのアカウントを削除する場合、紐づいているInstagramのアカウントも削除されてしまう仕組みなので注意しましょう。必要であれば、新しいInstagramアカウントを開設することを検討するといいかもしれません。
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Threadsをビジネスに活用する具体的な方法

初期バージョンが発表されたばかりのThreadsですが、時が経つにつれてほかのソーシャルメディアのようにビジネスに欠かせないツールとして成長していくかもしれません。どのようにビジネスに活用するといいかは、今のうちに把握しておくことが賢明でしょう。

ブランド認知度を向上させる

ほかのソーシャルメディアを通した発信と同じく、Threadsでも商品の魅力やビジネスのストーリーなどを発信していきましょう。テキスト重視になる分、画像だけでは伝えきれていなかった部分を効率よく発信できるようになるかもしれません。

ネットショップなどに誘導する

Threadsにはeコマースの機能がありません。よって商品が購入できる場所へとユーザを導くには、Threadsの投稿に適切なリンクなどを貼り付けることが最善策でしょう。

実店舗がある場合は店舗への地図ページに誘導したり、アクセスマップを画像として共有したりしてもいいかもしれませんが、実店舗に足を運べない人に向けて、オンライン上で商品を購入できる選択肢も設けておきたいところです。

オンライン販売にはまだ手を出していなくて……という場合は、決済サービスSquareのオンライン販売機能がおすすめです。無料で使える(※)ので、導入費用や月額利用料金の心配はなし。販売までの手順もとても簡単です。Squareにはオンライン販売に適した機能が大きく二つあります。

※決済ごとの手数料を除く。決済手数料はこちらからご確認ください。

一つは、ネットショップが開設できる機能です。サイトのプレビュー画面を見ながら、テキストを変更したり、画像を加えたりすることでサイトを完成させていきます。準備ができ次第公開ボタンを押せば、誰でもアクセスできるネットショップのできあがりです。
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もう一つは、ネットショップよりも短時間でオンライン販売をはじめられる決済リンク機能です。複数のページが作れるネットショップとは一変、一つの商品に対して、一つの購入ページを作成する機能です。

手順は商品名と価格を入力するだけ。画像も登録できますが、任意です。これらを入力すれば瞬時に購入ページができあがります。あわせて発行されるリンクをコピーして、Threadsの投稿に貼り付ければ、お客さまがアクセスできるオンラインの購入先の完成です。
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▲購入ページのイメージ

このようにネットショップや購入ページを用意したうえで、商品の魅力を発信していきましょう。

Threadsの企業アカウント例4選

ここではThreadsを開設している企業のアカウントを四つ紹介していきます。

(1)ユニクロ

ファストファッションの代表格である「ユニクロ」の公式アカウントでは、新しいコレクションや着こなし術、セールの紹介などにThreadsを活用しています。基本的には短めのテキストで発信をしているようですが、新商品の説明をする際には長めの文章でしっかりと説明することもあるようです。画像は2枚以上になるとカルーセル表示になり矢印ボタンを押さないと見ることができないため、各投稿2枚までにおさえていることが多いようです。ただ、投稿内容によっては、画像をふんだんに使っています。

▶︎ユニクロの公式Threadsアカウント

(2)ブルーシールアイスクリーム

沖縄生まれのアイスクリームブランド、「ブルーシールアイスクリーム」の公式アカウントでは、思わずスクロールを止めて眺めてしまうキャッチーな1文と画像をあわせた投稿がフィードの多くを占めているようです。

▶︎ブルーシールアイスクリームの公式Threadsアカウント

(3)北欧、暮らしの道具店

オウンドメディアの運営をはじめ、さまざまなアプローチで顧客とのつながりを生み出し、熱烈なファンを多く獲得してきた北欧雑貨のECサイト「北欧、暮らしの道具店」。Threadsでは主に新しく公開した記事やYouTube動画、新商品などを紹介しているようです。短い説明文に、必ず詳細がわかるリンクを添えているのが特徴的です。

▶︎北欧、暮らしの道具店の公式Threadsアカウント

(4)山崎実業

60年以上続くインテリア雑貨の専門メーカー「山崎実業」の公式アカウントでは、商品紹介がフィードのほとんどを占めています。投稿にはわかりやすい短文に購入先のリンク、そして自宅に置いたときの見た目がイメージしやすい、商品をきれいにスタイリングした画像や動画を入れています。

▶︎山崎実業の公式Threadsアカウント

ネットショップを無料で開始するならSquare

EC作成から、オンライン決済、店舗連動の在庫管理まで、便利な機能が無料で簡単に始められます。

突如現れ、大きな話題を呼んだ新しいソーシャルメディア、Threads。ここでは利用するメリットやデメリット、ビジネスに活用する方法などを紹介してきました。今後機能が充実していくにつれて利用者もどんどん増えていくかもしれません。立派な販路として役立たせるには、できるだけ早いうちに参入し、利用が当たり前になる日に向けて備えておくことが賢明です。


Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。

執筆は2023年9月21日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash