これまでチラシを使った集客、FacebookやInstagramなどのソーシャルメディアを活用した集客など、さまざまな方法を紹介してきました。
しかし、上記のような方法を駆使してもアプローチすることが難しい顧客層があります。今回は、斬新なアイデアでお客様の興味を引きつけ、新規開拓にもつながる企業間コラボレーションについて紹介します。
企業間コラボレーションとは
コラボレーション(Collaboration)とは、異なるスキルや経験を持つ人たちが協力して制作したもの、もしくは制作することを言います。企業がコラボレーションを行う場合、相手は企業だけでなく自治体や大学などの教育機関の場合もあります。企業間コラボレーションとは、複数の異業種企業や自治体、教育機関が互いに自らの強みやスキルを持ち寄って協力することです。
たとえば、訪日外国人旅行者の利用が多い宿泊施設Aとお香を販売するお店Bなら、ロビーでAのお香を焚いたり、Aに宿泊したお客様ならBでのお香の体験を特別価格で受けられるなどのコラボレーションが考えられます。宿泊施設Aにとっては競合との差別化や話題性の獲得、お店Bにとっては販売促進機会の拡大というメリットがあります。
挽きたて豆のコーヒーが自慢のカフェCと鮮やかな色使いや斬新なデザインの小物を扱う雑貨店Dの場合、カフェCでコーヒーを提供する時には雑貨店Dのコーヒーカップを使うと、お客様は一度に2社の商品やサービスを楽しむことができます。
上記のような比較的手軽に始められるコラボレーションもあれば、独自の製品の研究開発や、新店舗の出店といったコストと時間がかかるコラボレーションもあります。
メリット
企業間コラボレーションには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
新しいアイデア
企業間コラボレーションでそれぞれの強みやスキルを組み合わせることによって、社内だけでは実現が難しいアイデアを生み出せる可能性があります。一見すると関係のない商品やサービスを組み合わせた結果、新しい化学反応が起こるかもしれません。同業種内や社内とは異なるものの捉え方は、双方にとって刺激になると考えられます。既存の枠にとらわれない可能性を秘めていることがコラボレーションの魅力であり、お客様への新しい価値の提供につながります。
新たなお客様
異業種企業とコラボレーションすることによって、パートナー企業の既存顧客に自社の商品やサービスを売り込む機会を得ることができます。自社の商品やサービスだけではアプローチすることが難しかった顧客層にも訴求が可能になるためです。また、今までにない商品やサービスに興味を持ってくれる新たなお客様もいらっしゃるかもしれません。認知や集客の機会を新たに得ることで、自社のお客様になってもらうことも可能です。
コスト削減
他の企業や教育機関とコラボレーションを行うと、制作や広告にかかるコストを抑えることが可能な場合があります。お互いに資金を出して活動などを行うので一社あたりの負担が減り、自社だけでは予算の関係上実現が難しいようなプロジェクトを行うこともできるかもしれません。
企業間コラボレーションには、上記のような企業にとってのメリットがあるだけでなく、複数の企業の商品やサービスを同時に楽しむことができたり、今までにない発見をできたりとお客様にとってもメリットがあると言えます。
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メリットがたくさんの企業間コラボレーションですが、コラボレーションをしてくれるパートナー探しが簡単には進まない場合も考えられます。知っている経営者に声をかけてみたり、異業種交流会などに参加してコラボレーションのパートナーを探したりしてみてはいかがでしょうか。フリーランスで働く人は、コワーキングスペースを利用し、他の利用者とコミュニケーションを取ることによって、コラボレーションのきっかけが生まれる可能性もあります。
他にもTwitterなどのソーシャルメディア上で他社アカウントに話しかけたり、つぶやきをリツイートしたりすることで交流を深め、コラボレーションにつなげるなどの方法もあります。まずはコラボレーションのパートナーとして興味のある企業のアカウントをチェックしてみてはどうでしょうか。
コラボレーションを進めるにあたり、パートナー決めは重要なステップです。異業種だから良いアイデアを生み出せるわけではなく、お互いの企業理念を尊重していることがコミュニケーションの前提となります。「環境に優しい」「年代や性別、国籍に関係なく多くの人が楽しめる」など、お互いの理念や方向性などに共通点があるかを確認した上でコラボレーションを進めることが大切です。
パートナーを選ぶ基準として、考慮する点を次の通り挙げてみます。
・お互いの理念や方向性が類似している、もしくは受け入れることができる
・コラボレーションによって希少性や意外性のある商品を生み出すことができる
・お互いのお客様にとって価値があるコラボレーションである
・お互いにコラボレーションを成功させる情熱を維持できる
異なる企業や自治体、教育機関には、それぞれの文化や考え方があります。社内以上に、多様性を意識しましょう。情報共有や進捗報告など密にコミュニケーションを取ることを心がけることが大切です。
新規顧客獲得の新しい試みとして効果的な方法の一つである企業間コラボレーション。コラボレーションにより新たなチャンスを生み出す可能性は無限にあります。また、伝達手段の多様化によってこれまでは知り合う可能性が低かったような人たちと出会い、協力することも可能です。ぜひビジネスの発展の参考にしてはいかがでしょうか。
執筆は2017年10月26日時点の情報を参照しています。
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