おもわず動画に撮りたくなる、動画の対象にもってこいという意味の「ムービージェニック」という新語を聞いたことはありますか。今回はムービージェニックについて、また飲食店や宿泊施設、ヘアサロンなどでムービージェニックを活用するヒントを紹介します。
ムービージェニックとは
ムービージェニックと似た言葉で、写真に撮りたくなる、写真映えするという意味の「フォトジェニック」という言葉を耳にしたことがある人も多いでしょう。この数年、スマートフォンとソーシャルメディアの普及を通して、一般の人が撮った写真がインターネット上で共有されるようになりました。情報が溢れる中、文章を読むほど時間をとらず、視覚に訴えられる写真のメリットを活かして、多くのビジネスが商品やサービスのフォトジェニックな見せ方、写真映えする演出を意識するようになっています。
2017年の新語・流行語大賞のひとつとして「インスタ映え」(画像共有サービスのインスタグラムで共有したときに映える、人の目を引く)という言葉が選ばれたのも記憶に新しいでしょう。
スマートフォンで気軽に動画を撮影できるようになり、最近では写真だけでなく動画の投稿も多くなってきました。フォトジェニックにならって動画映えするという意味の「ムービージェニック」という言葉が使われ始めています。フォトジェニックとは異なり、ムービージェニックという言葉は和製英語のようです。
参考:実用日本語辞典
ムービージェニックには具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
ムービージェニックであることのメリット
「ムービージェニック」というキーワードを検索してみると、食に関するウェブサイトが多く検索結果に表示されることに気づくでしょう。ソーシャルメディア上では料理が提供される様子の動画、レシピを分かりやすく表現した動画がムービージェニックというタグとともに共有されています。写真で一瞬を切り取るよりもプロセスを見せたい場合に動画が選ばれているようです。
事業者にとってムービージェニックのメリットは、フォトジェニックのメリット同様、お客様による商品やサービスの宣伝効果を期待できることです。また、動画を活用することで商品やサービスの魅力をより詳しく、臨床感を持って伝えることもできます。
クオリティーの高い動画を作成するためには編集技術が必要な場合もあり、慣れるまで少しハードルが高いと感じるかもしれません。これからムービージェニックな見せ方に取り組みたいという人は、ソーシャルメディアを活用する中で少しずつ動画の投稿を混ぜてみて、フォロワーやお客様の反応もみながら、ムービージェニックについて感覚をつかんでいくことをオススメします。
活用のヒント
提供する商品やサービスによって、ムービージェニックな見せ方はさまざまです。今回は、飲食店と宿泊施設、ヘアサロンを例に活用のヒントを紹介します。
飲食店編
おいしそうな一皿を写した写真はそれだけで見る人の食欲をそそりますが、提供時に特別な演出があるならば動画でその魅力をより詳しく伝えましょう。
たとえば、ステーキがのった熱々の鉄板に特製ソースをかけるジュワッとする音、オムライスのとろっとした半熟卵の様子などは、写真よりも動画のほうが観る人にアピールできます。動画を観て食べてみたいと思ったお客様、さらには自分のスマートフォンでその動画を撮ってみたいと思うお客様の来店も期待できます。
また、季節のレシピや家庭でも作りやすいようにアレンジしたレシピを短い動画で紹介してもよいかもしれません。そのほか、お店での試作の様子や、仕込みや仕入れといった日常の一コマも、注目を集めるユニークなコンテンツになるでしょう。「消費者と企業を結びつけるコンテンツマーケティングとは」の記事もぜひ参考にしてみてください。
宿泊施設編
豊かな自然や他にはない景色をウリにしている宿泊施設もムービージェニックを活用するチャンスです。写真でお客様をひきつけることはできますが、動画では音や動きなどその場所特有の雰囲気も併せて伝えることができます。
たとえば、自転車に小型カメラを装着して撮影したロードトリップの動画、ドローンを使って高い場所から宿の周りの様子を撮影した動画などにトライしてみてはいかがでしょうか。特産物や市場の様子などもお客様に足を運んでみたいと思わせるコンテンツになるでしょう。
ヘアサロン編
全体の軽さや毛先の動きなど、ヘアスタイルを立体的に伝えるには、写真や文章のみではなかなか難しいのではないでしょうか。動いている姿を動画で撮ることで、より具体的な姿を伝えることができます。
また、「スタイリスト直伝の上手なヘアブローの仕方」「自分で簡単にできる、ゆるふわウェービーヘアの作り方」など観る人の役に立つ動画を提供することで、情報が拡散し見込み客であるフォロワーの獲得が期待できます。
気をつけること
動画視聴に関するアンケートによると、「音声あり」を良いとする人が約7割いることがわかりました。同時に、約3割の人が「音声なし」を希望していることを意味します。音なしで観る人のために動画を作成する際には、音声がなくても内容が伝わるコンテンツにすることをオススメします。
参考:「動画をどこで視聴する?」「音あり/音なし」「シェアする/しない」など、動画に関するアンケート結果を公開!(ピーシーフェーズ株式会社)
また、見た人が不快になるようなコンテンツは避けるようにしましょう。「ソーシャルメディアの「炎上」を未然に防ぐには!」の記事もぜひ参考にしてみてください。
動画撮影に挑戦して、集客につなげてみてはいかがでしょうか。
執筆は2018年5月11日時点の情報を参照しています。 当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash