東京・元麻布の一角にたたずむ「天よこた」。8席だけのカウンターで、油の音が心地よく響くこの店は、江戸前天ぷらの伝統を受け継ぎながら、店主・横田省吾さんの感性によって“新しい江戸前”へと深化を続けている。
修行をしていた先代のお父さまのお店では現金会計のみだったが、自身の店を構えるにあたり、横田さんは思い切ってキャッシュレス決済の導入を決意した。自ら「デジタルに不慣れ」と語るなかで、選んだのはSquareだった。8席の空間で、お客さまの余韻を壊さない“静かで途切れないおもてなし”は、どのように生まれているのか。さらに、営業を続けるなかで活用した「Square 資金調達」など、Squareがどのようにキャッシュフローの安心感につながっているのか。
店主の横田さん、そして日々カウンターで決済を担当するスタッフの本澤直人さんに、その舞台裏を伺った。
| 業種 | 飲食業 |
| 業態 | 天ぷら専門店 |
| 使用しているSquareのサービス | Square ターミナル、Square リーダー、Square POSレジ、Square 資金調達 |
目次
- 父から受け継ぐ伝統と、独自に深化させる「新しい江戸前天ぷら」
- デジタル導入の第一歩を後押しした Squareのシンプルさ
- 最後の一瞬まで上質な空間体験を。高級店の所作を支える決済スピード
- 初めてでも迷わない操作性で、多様な決済やイレギュラー対応もスムーズに
- 内税計算も手書きも不要になった、スマートな領収書発行
- スマートフォンとiPadだけで売上を管理できるように
- キャッシュフローを支えるSquareの仕組み
- 天ぷら業界の未来、若手育成と“文化”を広げる挑戦
- Squareで実現できたこと
父から受け継ぐ伝統と、独自に深化させる「新しい江戸前天ぷら」
「天よこた」の根底にあるのは、松尾芭蕉の理念として知られる「不易流行(ふえきりゅうこう)」という言葉だ。これは、変わらない本質を守りながら、時代の変化に合わせて新しいものを取り入れていく姿勢を意味している。では、その考え方は天よこたでどのように息づいているのだろうか。
「不易は江戸前の伝統や技術ですね。しかし、時代とともに取れる素材も形も変わっていきます。父の代からの油や衣の作り方は変えていますが、根底にある職人としての姿勢は変わりません」
また、横田さんの料理観は、驚くほどまっすぐだ。素材が本来持つ美味しさをどう天ぷらとして引き出すかに心を砕いている。
「牛肉の上にウニを乗せるような写真映えを意識した料理は嫌なんです。ウニは生が一番美味しい。私はあくまで、天ぷらにして本当に美味しい素材を追求したいのです」
その言葉どおり、山形県産のマッシュルームは、現地で味わった際の強い旨味に心を動かされ、すぐに採用を決めた素材だ。また、ホタテを海苔で巻き、寿司のように手渡しで供する一品には、「揚げたての熱いうちに食べてほしい」という職人としての願いが込められている。



▲調理をする店主の横田省吾さんとお料理(写真提供:天よこた)
店内のしつらえにも、横田さんの美意識が静かに息づく。ナラ材の一枚板カウンター、銅板張りの天井、揚げ場の壁一面に広がる織部色の陶板。モダンさと伝統が自然に溶け合い、料理の味わいを深める空間が広がる。
「数寄屋造りのような“ガチガチな江戸前”ではなく、自分の若さも反映させた少しモダンな空気感を意識しました。天井の銅板は父の店を踏襲していますが、壁をコンクリート打ちっぱなしにするなど、新しい試みも入れています」
伝統と新しさ、職人としての誇りと柔らかな感性。その両方が、天よこたの“新しい江戸前天ぷら”を形づくっている。

▲伝統とモダンが融合した店内(写真提供:天よこた)
デジタル導入の第一歩を後押ししたSquareのシンプルさ
横田さんがキャッシュレス決済の導入を決めた背景のひとつには、父の店での経験と時代の変化がある。
「父の店は現金中心の時代から営業していたこともあり、お客さまが外のATMまで現金をおろしに行くこともありました。自分の店のオープン時は、時代も令和でしたし、最初からクレジットカード決済を導入しようと決めていたんです」。
そうはいっても、職人である横田さんが日頃デジタルに触れる機会は多くなく、決済システムの知識もほとんどないなかで、導入の決め手となったのは何だったのか。
「色々調べましたが、Squareなら“すぐ簡単に使える”のではと思ったんです。私のようにデジタルに詳しくない人間でも、これならできそうだという直感でした。それに、Square リーダーなら手持ちのiPadを使って最小限の資金で導入できます。その手軽さが決め手でした」
横田さんにとって迷わず使える手順の少なさが、 決済システム導入という初めの一歩となった。


▲本画像はSquare リーダー使用時のイメージです
最後の一瞬まで上質な空間体験を。高級店の所作を支える決済スピード
天よこたでは現在、会計の決済端末をSquare リーダーからSquare ターミナルに変更し、決済の約9割をキャッシュレス決済が占めている。そして、この小さな端末が、横田さんの掲げる「味は3割、空間は7割」という考えと驚くほど自然に馴染んでいる。横田さんは、料理の美味しさは大前提としながらも、居心地・接客・所作・会計のスムーズさといった“空間体験”こそが、お客さまの満足度を決めると考えているからだ。
「天ぷらの味は大前提ですけど、味だけで来られるお客さまはおそらく少ないと思うんです。トータルでいうと味は3割で、残りの7割は接客や居心地、空間。そこが大きいと思います。接客での理想は、お客さまに『すみません』といわせず、飲み物や薬味がなくなる前にこちらから気づいて動くことですね」

この“先回りの美学”は、決済のスマートさにも通じるものがある。
「お支払いは最後の締めくくり。そこで手間取ってしまったらよくありません。たとえば接待やデートなどで、お連れさまが席を立たれたわずかな時間に、決済を完結できる。この決済にかかる時間の短さ・スピードが、Squareの魅力ですね」
さらに、Square ターミナルによる決済のスムーズな動線は、天よこたの空間に自然に溶け込んでいる。
「Square ターミナル は、カウンターの端にお座りのお客さまにもその場にSquare ターミナルをお持ちできるので、レジまで行ったり来たりしなくてすみます。その場でお会計して、座ったまま完結できる。この持ち運びができる手軽さは、すごく使い勝手がいいなと感じています」(本澤さん)

初めてでも迷わない操作性で、多様な決済やイレギュラー対応もスムーズに
決済を担当する本澤さんに、初めてSquare ターミナルを手にしたときの印象を聞いてみた。
「第一印象は、とにかくコンパクトだなということでした。以前の職場では大きな据え置きレジを使っていましたが、Square ターミナルはこの端末だけで、お会計から領収書の発行まで完結します。これ一台で全部できるんだ、という手軽さが一番印象に残っています」
そして、“初めてでも迷わない操作性”も実感したという。
「複雑な手順がまったくないので、決済方法を教わったその日にはもう実践で使っていました。金額を入力して、クレジットカードをタッチするか差し込んでいただくだけ。手順がとてもシンプルなので、すぐに覚えることができました」
このシンプルな操作性は、イレギュラーな場面やインバウンド対応でも力を発揮する。
「稀なケースですが、8名さまの貸し切りで全員が個別会計を希望されたことがありました。ひとりずつ順番に決済しても、Square ターミナルの処理がスムーズなので、混乱することなく対応できました。また、中国の方がよく使われる“Alipay+”にも対応していますし、端末の言語を英語に切り替えられるので、外国からのお客さまへの対応も問題ありません。多様な決済方法にも対応できますし、不満な点は特にないですね」

内税計算も手書きも不要になった、スマートな領収書発行
「天よこた」では、領収書発行の業務も大きく効率化された。実は、当初導入したSquare リーダーを変更した理由も、Square ターミナルなら内蔵プリンターによる領収書の発行が可能な点が大きかった。
「以前、領収書は手書きで対応していましたが、内税の計算をするのが正直ちょっとしんどいなと感じていました。せっかくお会計までスムーズに進んできたのに、そこでひと手間入ってしまうのが嫌だったんです。でも、Square ターミナルなら、金額を打ち込むだけで消費税の計算から印字まで自動で行ってくれます。これ一台で完結できるので、本当にSquare ターミナルに変えてよかったなと思っています」
横田さんは、Square が現場の声を汲み取り、細かな改善を続けている点もポイントとして挙げている。
「領収書に収入印紙を貼るスペースをつくるなど、アップデートされていますよね。以前は貼る場所がなくて困っていたのですが、そういう現場の声を取り入れて改善してくださっているのは、すごくありがたいなと思います」

カードも電子マネーも、決済はこれ1台で
Square ターミナルは、クレジットカードや電子マネーに対応したオールインワンの決済端末です。スタイリッシュなデザインに、レシートプリンター内蔵で持ち運びも可能。カフェや美容サロン、アパレル店など、決済に柔軟性とスピードを求める店舗にぴったりです。ビックカメラやヨドバシカメラなど、家電量販店でもお求めいただけます。また、初期費用をかけずに始めたい方には、お手持ちのスマホを使った「スマホでタッチ決済」もおすすめです。
スマートフォンとiPadだけで売上を管理できるように
横田さんは、バックヤードでパソコンを使っていない。それでも、Squareの機能を使用することで、店の運営をデジタル化できている。
「スマートフォンやiPadに日々届く“売上報告メール”で日々の状況を確認できますし、Square データを見れば、去年と比べてどれだけ伸びているかが一目でわかります。そのため、余計な事務作業に時間を取られず、料理と接客に集中できる環境がつくられています」
さらに横田さんが強く評価しているのが、紙の管理がない点だ。
「実は以前、他社の決済システムを検討したことがありましたが、カード明細の控えを取っておかなければならない点に煩わしさを感じました。Squareはその必要がないので、本当にいい出会いでした」

キャッシュフローを支えるSquareの仕組み
天よこたのように、毎日の仕入れを現金で行う店にとって、キャッシュフローの安定は経営に大きく影響する。天よこたではSquare の入金は「週1回」(※1)だが、Squareの“即時入金サービス”の存在を知ったことが、安心感につながっているという。
「仕入れは毎日(現金)のところ、入金が週1回なので、やっぱり現金が必要という点では少なからずの不安はありました。でも後から、必要なときに手数料を払えばその都度現金化できる“即時入金サービス”(※2)の存在を知ったんです。それができるとわかっているだけで、キャッシュフローの面での安心感は大きいですね。実際にはまだ使用していませんが、“急を要するときにすぐ現金化できる”という選択肢があるだけで、気持ちが全然違います」
キャッシュフローの面で、横田さんが実際に活用したのが“Square 資金調達”だ。これは、Squareにおける将来の売り上げの一部をSquareにあらかじめ譲渡することで、資金を前払いで受け取れる仕組み。すでにSquareを導入している加盟店を対象としたサービスで、案内を受けた加盟店のみが利用できるものだ。
「ある時、Square 資金調達を申し込んだところ、すぐに入金がありました。銀行融資みたいに色々な書類を書いて……という手間がなくて、本当に楽でした。忙しい職人にとって、このスピード感と手軽さは本当にありがたいですね」(※3)
※1 入金サイクルについて:Squareではご登録銀行口座が三井住友銀行・みずほ銀行の場合は最短翌日、三井住友銀行・みずほ銀行以外の場合は、毎週水曜日に締め、同じ週の金曜日に合算で振り込まれます。
※2 入金額の1.5%の手数料で、即時入金サービスがご利用いただけます。このサービスは銀行のメンテナンス等により、利用できない、または送金処理に時間がかかる時間帯がございます。
※3 すでにSquareを導入している加盟店を対象としたサービスで、案内を受けた加盟店のみが利用できます。


天ぷら業界の未来、若手育成と“文化”を広げる挑戦
横田さんの視線は、自店舗の成功だけにとどまらず、天ぷら業界全体の未来へと向けられている。2026年9月には、現在よりも少し価格を抑えた2号店のオープンを予定している。
「お寿司屋さんに比べると、カウンターの天ぷら店の数は1/100ほどという感覚があります。カウンターで揚げたてを食べたことがある人って、まだ一握りだと思うんですよ。だから、もう少し価格を抑えた店もつくって、揚げたての天ぷらを味わったことがある方を増やしたい。揚げたてを楽しめる機会をもっと増やしたいんです」
同時に、若手職人の育成にも力を注いでいる。
「天ぷらを揚げる技術は必死にやれば身に着くんです。だけど、それ以上に気遣いがやっぱり大事だと思っています。ですから、私がいうのはおこがましいかもしれませんが、事務作業の手間をなくして、職人が料理と接客に集中できる環境をつくることが、天ぷら業界を盛り上げることにつながればいいなと思っています」


「お支払いは最後の締めくくり。そこで手間取ってしまったらよくありません。たとえば接待やデートなどで、お連れさまが席を立たれたわずかな時間に、決済を完結できる。この決済にかかる時間の短さ・スピードが、Squareの魅力ですね」ー天よこた 店主 横田省吾さん
Squareで実現できたこと
静かなおもてなしを止めない、スマートなテーブル会計
「味は3割、空間は7割」という店主の哲学に基づき、お客さまの食事の余韻を壊さないスマートな会計を実現しています。持ち運び可能な Square ターミナルを導入したことで、レジまでの行き来の手間や時間をかけることなく、お席に座ったままその場でお会計を完結できるようになりました。特に接待やデートなど、お連れさまが席を外されたわずかな時間で決済を終えられるスピード感は、高級店としての立ち振る舞いを支える大きな魅力となっています。
Square ターミナルの導入による領収書の即時発行と内税計算の自動化
これまで手書きで行っていた領収書発行業務が、 Square ターミナルの導入によって効率化されました。金額を入力するだけで消費税の計算から印字までが自動で行われるため、忙しい営業中でも職人の手を煩わせることがありません。また、現場の声を反映したアップデートにより、収入印紙の貼付スペースが確保されるなど、細やかな機能改善が日々のオペレーションを支えています。
パソコン不要の経営管理とスピーディーな資金調達
デジタルに触れる機会が多くない職人の現場でも、パソコンを使わずにスマートフォンやiPadだけで日々の売上管理が完結しています。毎日届く売上報告メールや、昨年比が一目でわかるSquare データにより、事務作業に時間を取られることなく料理と接客に集中できる環境が整いました。さらに、スピーディーなSquare 資金調達を活用することで、キャッシュフローへの不安が軽減しました。
記事に掲載されている店舗情報 (商品内容、価格、営業時間など) は2026年3月時点のものです。

