東京・代官山の静かな一角で、その扉を開けた瞬間、スタイリッシュでありながら深い海や森に包まれるような世界が広がる。ここ「abysse(アビス)」は、国内外の美食家が注目する名店として知られている。世界でも稀有な“魚介”に特化したレストランとして、フレンチの技法を基盤にしながらもジャンルに縛られず、日本の海と森が育む豊かな循環を、一皿の料理と空間全体で表現し続けている。
2024年、同店はオープン以来10年間使い続けてきた決済システムを刷新し、Squareを導入した。なぜ使いなれた決済システムからSquareへの変更にいたったのか、Squareを使うことでどのようにサービスが向上したのか――オーナーシェフの目黒浩太郎さんに話を伺った。

| 業種 | 飲食業 |
| 業態 | レストラン |
| 使用しているSquareのサービス | Square ターミナル、Square POSレジ |
目次
- “海と森”が息づくabysseの料理と、世界へ開く視点
- 10年使った決済端末を見直し、誠実な対応が決め手となりSquareへ
- 月2回から“週1回”に。心にゆとりをもたらした入金サイクル
- 持ち運べるSquare ターミナルで、空間に溶け込むスマートな決済を
- 忙しい現場でも、売上をすぐに把握
- 節目を越えて見据える、abysseの次なる挑戦
- Squareで実現できたこと
“海と森”が息づくabysseの料理と、世界へ開く視点
目黒さんが魚介特化のスタイルを選んだのは、フランス南部の港町・マルセイユで修業した三つ星店での経験が原点となっている。
「日本の魚介類のすばらしさは、世界に誇れる強みです。豊かな海の恵みとブイヤベースで名高いマルセイユの料理人たちからも『やっぱり日本の魚介は別格だよね』『日本人は魚の扱いが本当に上手い』とよくいわれていました。そうした声を耳にしてきたこともあって、“日本の魚介を世界に発信していきたい”という想いがより確かなものになったんです」
その想いを形にしたのが、独立して2015年に南青山で始めた、魚介をメインにしたレストランだった。
「渡仏前の修業時代にお世話になった『フロリレージュ』の川手シェフがお店を移転されるとのことで、旧店舗を居抜きで譲り受けました。そこから、自分のスタイルを築き上げていきました」
そして、2019年には、自分の考えていることや理想の空間を一から創り上げるため、代官山へと拠点を移した。
「代官山への移転を機に、コンセプトを『碧い森(あおいもり)』へと深化させました。もともと店名の abysseには『深海』や『奥深きもの』という意味がありますが、そこからさらに考えを広げ、豊かな海を育む源流である『森』の要素を取り入れたんです。豊かな海は豊かな森から流れ込む水によって育まれる。──その自然の循環をひとつのテーマに据え、料理では魚介に山の幸や野草を組み合わせています。内装もデザイナーさんと『深海と深い森の静かな空気感は通じるものがある』と話し合いながら、空間全体でその世界観を表現するようにしています」
また、目黒さんの生み出す料理は、フレンチの技法をベースにしつつも、特定のジャンルに縛られてはいない。
「フレンチや日本料理といった枠は全然考えていません。フレンチの技法をベースにしつつも、特定のジャンルに縛られることなく、日本の海と森の恵みを一皿に表現する“唯一無二の料理”を目指しています」

▲鰹 レンズ豆 タマゴ茸 フェンネル(写真提供:abysse)
▲シマエビ じゅんさい フルーツトマト ミニオクラ(写真提供:abysse)
経営面においても、目黒さんは独自の先見性を発揮してきた。インバウンド需要が今ほど主流ではなかった南青山でのオープン当初から、海外のお客さまを意識した英語での情報発信を続けてきた。
「海外のランキングなども意識し、ウェブサイトも英語が先に来るようにつくるなど、オープン当初から世界に向けた発信を続けてきました。その積み重ねから今では本当に海外からのゲストが多く、半分近くを占めるまでになっています」
10年使った決済端末を見直し、誠実な対応が決め手となりSquareへ
こうした世界に開かれた店づくりを目指す姿勢は、料理や空間づくりだけではなく、最後を彩る会計の場面にも反映されている。そのひとつが、オープン10周年という節目を迎えたabysseが決断した、長年使い続けてきた決済の仕組みの見直しだ。
「以前の決済システムは10年も使い続けている実績があるのに、なかなか手数料が下がらないことに納得がいかない点がありました。それで、複数のサービスを比較検討し、最終的にSquareに決めました」
しかし、単なるコスト面だけでは決断しなかったと目黒さんは振り返る。決済システムは営業を支える基盤そのものといえる。だからこそ、トラブル時にすぐ連絡が取れるサポート体制への信頼を重視した。比較検討の際、Squareの担当者が非常に熱心に、かつ迅速に対応してくれたことが、最終的な決断を後押ししたのだ。
「決済トラブルはお客さまに多大な迷惑をかけてしまいます。担当者の方がこちらの懸念に対して非常に誠実に対応してくれたことで、『この人なら、何かあってもすぐに任せられる』という確信が持てました」

▲オーナーシェフの目黒さん
月2回から“週1回”に。心にゆとりをもたらした入金サイクル
導入後にもっとも大きな変化を感じたのは、入金サイクルの短縮によるキャッシュフローの改善と、そこから生まれる心のゆとりだった。以前の「月2回入金」からSquareの導入によって「週1回」へと大幅に早まったからだ(※)。
「実際に入金サイクルが改善されたことで、キャッシュが常に回っているという実感が持てます。以前は入金まで時間がかかることが経営上のストレスになっていましたが、今はその不安がありません。手数料も以前より抑えられていて、実際に計算すると大きな差ではないかもしれませんが、体感として売上が伸びているように感じさせてくれます。これは経営者にとって大きな心のゆとりになりますし、その分、料理と向き合う時間やお店の将来について考える時間を、これまで以上に確保できるようになりました」
こうした変化は、料理と経営の両方に向き合う目黒さんにとって、日々の負担を軽くし、創作に向き合う余白を生み出してくれた。
「料理のことを考えて、同時にお金のことも考えて……となると、どうしても100%料理に集中しきれない部分が出てきてしまいます。Squareを導入し、入金サイクルが改善したことから、そうしたバックヤードの懸念が整理され、頭のなかが非常にクリアになりました。料理のクオリティの追求はもちろん、次に挑戦したい新しいビジネス構想にワクワクしながら時間を費やせるようになったことが、何よりの変化かもしれません」
※入金サイクルについて:Squareではご登録銀行口座が三井住友銀行・みずほ銀行の場合は最短翌日、三井住友銀行・みずほ銀行以外の場合は、毎週水曜日に締め、同じ週の金曜日に合算で振り込まれます。

持ち運べるSquare ターミナルで、空間に溶け込むスマートな決済を
abysseの店内は、キッチンと客席の段差をなくした“フラットな設計”が特徴だ。料理人がゲストのもとへまっすぐ料理を届けられるように──そんな想いが込められている。まず、空間づくりの観点で目黒さんが評価しているのが、Square ターミナルのデザイン性だ。
「Square ターミナルはすごくスタイリッシュですよね。お店内の雰囲気を壊さないデザイン性が、abysseの空間に自然と溶け込んでいます」


▲オープンキッチンがフラットに続く空間
この“空間に溶け込む”という点は、決済動線にもつながっている。決済の流れとしては、ゲストに会計伝票を提示し、クレジットカードを預かるか、あるいはSquare ターミナルを席まで持ち運んで決済を行う。高額な決済時には端末にカードを差し込み、ゲストに暗証番号を入力してもらう。
「Square ターミナルはコンパクトなので、フラットな設計の空間で料理人が直接サービスを行う当店のスタイルとも相性がよいですね。決済端末を自由に持ち運べるのは大きなメリットで、接客の流れを途切れさせることもないですし、海外ゲストの方が求める多様な決済方法にもスマートに対応できています」


さらに、目黒さんが強調するのが決済スピードだ。
「驚いたのは、決済の反応が非常に早い点です。立ち上がりが早いので、お客さまをお待たせすることもありません。私自身が普段の買い物で体験する決済システムと比べても圧倒的に早く、このスピード感は現場で本当に助かっています」
忙しい現場でも、売上をすぐに把握
Square導入後、日々の売上をすぐに確認できるようになったことが、目黒さんにとって大きな変化だった。Squareから毎日自動で届く売上レポートメールのおかげで、忙しい営業の合間でも店舗の状況をすぐに把握できるからだ。
「毎日売上のメールが届き、そこからクラウドで今月の数字や、先週との比較などがすぐに見られるのは本当に便利ですね。スマートフォンでパッと確認できるので、忙しい日々のなかで非常に助かっています」
また、Square ターミナルの“使いやすさ”も、現場にとって大きなメリットになっている。
「端末の操作性がすごくいいんです。新しいスタッフが入っても、特別に教える時間を設けなくてもすぐに不自由なく使いこなせています。パパッと教えるだけで済むので、教育に時間を取られるストレスがなくなったことも大きな変化ですね」

カードも電子マネーも、決済はこれ1台で
Square ターミナルは、クレジットカードや電子マネーに対応したオールインワンの決済端末です。スタイリッシュなデザインに、レシートプリンター内蔵で持ち運びも可能。カフェや美容サロン、アパレル店など、決済に柔軟性とスピードを求める店舗にぴったりです。ビックカメラやヨドバシカメラなど、家電量販店でもお求めいただけます。また、初期費用をかけずに始めたい方には、お手持ちのスマホを使った「スマホでタッチ決済」もおすすめです。
節目を越えて見据える、abysseの次なる挑戦
abysseの進化は止まらない。 時代の変化やゲストのニーズを敏感に捉え、レストランとしての体験を常に更新し続けている。
「健康志向の高まりもあり、お酒を飲まない方が増えている実感がありました。2年ほど前からはオリジナルのノンアルコールカクテルも組み合わせ、より料理を引き立てる『ノンアルコールペアリング』として本格的に導入しています。20代の若い方から海外のゲスト、常連の方まで幅広く好評をいただいています」
そして、2024年にはオープン10周年を迎え、目黒さん自身も40歳という大きな節目を迎えた。これまでは外部からの評価ランキングなどを意識していたが、現在は「自分の料理をさらに深めること」や「より多くのお客さまに喜んでいただくこと」へと興味が移っているという。
「今の状況に慣れてしまうことなく、常に変化し続けることが進化につながると考えています。そこで、ジェラートショップなどの新規ビジネスを構想しているところです。レストランという枠組みのなかでは、私が関われる人たちはどうしても限られてしまいますが、ジェラートショップであればより幅広い層の方々に喜んでいただけます。そうした新しい挑戦の際にも、これまで通りSquareを活用していきたいと考えています」

「料理のことを考えて、同時にお金のことも考えて……となると、どうしても100%料理に集中しきれない部分が出てきてしまいます。Squareを導入し、入金サイクルが改善したことから、そうしたバックヤードの懸念が整理され、頭のなかが非常にクリアになりました。クオリティの追求はもちろん、次に挑戦したい新しいビジネス構想にワクワクしながら時間を費やせるようになったことが、何よりの変化かもしれません」ーabysse オーナーシェフ 目黒浩太郎さん
Squareで実現できたこと
決済コストの最適化と入金サイクルの短縮で日々の運営をよりスムーズに
10年間使い続けてきた以前のシステムを刷新したことで、決済手数料に「納得感」を得ることができました。さらに入金サイクルが以前の月2回から「毎週」へと大幅に短縮され、キャッシュフローが改善されました。
持ち運べるSquare ターミナルで、所作を乱さないスムーズな決済を実現
ワイヤレスで持ち運び可能なSquare ターミナルにより、テーブルでの会計をスムーズに行えるようになりました。どこへでも自由に持ち運べる機動力の高さが大きな利点となっています。決済の反応も非常に早く、接客の流れを途切れさせることなく、所作をスマートに完結できます。
また、海外のゲストが半数近くを占めるabysseでは、多様な決済方法へ対応が求められます。Square ターミナルはそうしたニーズにもスムーズに対応でき、abysseの落ち着いた空間に馴染むスタイリッシュなデザインも評価されています。
毎日の売上レポートで、忙しい現場でも数字をすぐ把握
Squareでは、毎日届く売上レポートメールによって、その日の数字をすぐに確認できます。多忙なシェフでもスマートフォンからパッと経営状況を把握でき、日々の判断がスムーズになりました。クラウド上で月次や週次の比較も簡単に確認できるため、バックヤード業務の負担が軽減され、料理や新しい構想に時間を割きやすくなっています。
記事に掲載されている店舗情報 (商品内容、価格、営業時間など) は2026年3月時点のものです。

