PostCoffee | Square 導入事例

カルチャーと個性が交差する街・下北沢に2023年に誕生した「PostCoffee® Offline Store」は、同社の旗艦店として多くのファンを集めている。単なるコーヒーショップではなく、スペシャルティコーヒーを通じて日常に彩りを加える存在として支持を広げてきた背景には、もともとサブスクリプションやECショップで培った「コーヒー診断に基づくパーソナライズ提供」という土台がある。

落ち着いた雰囲気の店内には、訪れる人々がゆったりとした時間を過ごせる空間が広がり、オンラインとオフラインをつなぐ拠点として機能している。そして、この下北沢店のオープン時には、決済システムとして即決でSquareを導入し、マネーフォワードとの連携を実現している。数ある決済システムの中で、なぜSquareだったのか。即決の理由は何だったのか。なぜマネーフォワードとの連携を考えたのか。オフラインストアマネージャーの桑原悠太さんに話を伺った。

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業種 飲食
業態 カフェ
使用しているサービス Square スタンドSquare ターミナルSquare リーダーSquare POSレジ
目次


コーヒー豆のサブスクPostCoffeeが実店舗展開へ

2019年、PostCoffeeは日本初となるコーヒー豆のサブスクリプションを開始した。そこには、当時まだ新しい存在だったスペシャルティコーヒーを「もっと身近に届けたい」「生活の中に溶け込む“ラフな”コーヒー体験を提供したい」という代表・下村領さんの強い想いがあった。翌2020年には、Web上で簡単な質問に答えるだけで好みに合った豆を導き出す「コーヒー診断」を導入。膨大な種類があるスペシャルティコーヒーの「選び方がわからない」という心理的な障壁を下げることに成功し、2024年には会員数8万人、売上は2020年比で500%成長を遂げている。

デザイナーでもある下村さんがエスプレッソマシン「Speedster」に魅せられたことが、PostCoffeeの原点だ。2013年からの渋谷でのカフェ運営を経て、サブスク型サービスへと転換した。また、デザインにも強いこだわりを持ち、季節ごとに変わるラベルや手書きメッセージなどで、届く瞬間の高揚感と顧客との距離の近さを生み出している。

下北沢の実店舗「PostCoffee Offline Store」は、もともと自社オフィスとして使われていた場所だった。スケルトン状態の空間にカウンターだけを設置していたところ、そのスタイリッシュな佇まいから近所の人や訪日外国人が「カフェだと思って入ってきてしまう」状況が相次いだ。これをきっかけに、代表の下村さんが「正式に店舗にしてみたら面白いんじゃないか」と考え、自ら手を加えてオフラインストアとしてオープンさせたのである。桑原さんはこう語る。

「オフラインストアは、私たちが提案するライフスタイルをお客様に伝えるための“最短距離”の場所なんです。単なるカフェではなく、年間数万人に体験を提供できる“広告”としての役割も果たしています。店舗でQRコードを読み取ってECサイトへ流れるお客様も多く、オフラインとオンラインをつなぐ重要な拠点になっているんです。また、下北沢という土地柄も相まって、アジアや欧米から観光で訪れた多くの方がPostCoffeeの世界観を体験しに訪れています」

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2023年には大丸東京店に「PostCoffee KIOSK Daimaru Tokyo」をオープン。百貨店という新しい環境で偶発的に立ち寄った人がスペシャルティコーヒーに出会い、生活の中に取り入れてもらえる流れを生み出した。こうしてPostCoffeeは、パーソナライズとデザインを軸に、オンラインとオフラインを融合させながら成長を続けている。

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現場のスピードとPostCoffeeの世界観を両立させるSquareの決済端末

PostCoffeeの下北沢店では、オープンと同時にSquareを導入した。スポーツカーのような造形美をもつエスプレッソマシン“Speedster”がカウンターに置かれたスタイリッシュな空間に、Squareの決済端末が溶け込んでいる。Squre スタンドやSquare ターミナルのデザイン性はスタッフや顧客からも“かっこいい”という声が上がり、店舗の世界観を構成する重要な要素となっているのだ。桑原さんは導入の決め手を次のように語る。

「Square導入の決め手はまず“端末自体のスタイリッシュさ”と操作画面(UI)の“デザイン性”ですね。レジ周りは言わばお客様への“挨拶”のようなものだと思っていますので。そして、何より細かく“カテゴライズ”ができることや、“数字の見やすさ”は非常に重要だと感じていました。導入にあたって他社との比較検討をせずに即決したのは、前職での使用経験からSquareへの信頼が厚かったからです」

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では、その“厚い信頼”はどこから生まれたのか。

「カフェ運営では多い日で1日に200〜300カップを提供するので、レジ操作に数秒のラグがあるだけで1日100秒以上のロスになります。下北沢店ではSquare スタンドを使用していますが、タップ後の反応がとにかく早く、カードリーダーの感度も高いので、このロスを最小限に抑えられるんです。これは、店外イベントで使用しているSquare ターミナルやSquare リーダーについても同様です。決済完了までの待機やカードリーダーとの連携待ちがほぼない点は、スピードを重視する現場にとって本当に大きなメリットだと感じています」(桑原さん)

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現在、下北沢のPostCoffee Offline Storeでは用途に応じて端末を使い分け、店外イベントではSquare ターミナルとSquare リーダーを使用しているが、その運用を支えているのがSquareの柔軟なラインナップだ。

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▲ Biople FES TOKYO 2025に出店した際のブース。ドリップコーヒーとカスカラティーを提供

「Squareの大きな特色は、決済端末のラインナップが豊富なことですね。持ち運びが大変なシーンでも、同じデータでリアルタイムに連動できる端末でありながら、用途に合わせてサイズ感が違うバリエーションが揃っているというのは、非常に助かるポイントです。特に“Square ターミナル”については、あのコンパクトなサイズでありながら、一台でレシートまで出せますし、対応している決済の種類も非常に豊富です。あれだけの機能が一つにまとまっているものはなかなかないので、屋外イベントやケータリングの現場でも、すごく重宝しているんですよ」(桑原さん)

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▲ コンパクトながらレシート印刷が可能なSquare ターミナルの利用イメージ

また、PostCoffeeに多い海外からのインバウンドのお客様への対応について、Squreはどのように役だっているのだろうか?

「インバウンドのお客様にとって、Squareは海外で普及している決済ブランドへの対応が幅広く、海外のお客様をお待たせすることなく、常にスマートな対応ができる点が、PostCoffeeが目指す“ラフでスタイリッシュな体験”に直結しています」(桑原さん)。

さらに、端末の種類だけでなく、日々のオペレーションを支える“使いやすさ”もSquareを選ぶ大きな理由になっている。

「Squareは操作が非常にシンプルで、スタッフへのレクチャーも30分程度で済むんです。iPadの画面には、自分たちで設定した商品名やカテゴリーの大きなキー(ボタン)がタイル状に並んでいて、それをタップするだけで注文を入力できます。短期アルバイトでもすぐに使いこなせるほど直感的で、決済方法が異なっても注文後に表示される“決済方法の選択ボタン”から希望のアイコンを一つ選ぶだけという統一されたフローが迷いをなくしてくれます。レシートや領収書をメールで送れる機能も便利で、現場の負担を減らしてくれています」(桑原さん)

SKUが膨大でも“迷わず探せる”Squareのカテゴリー管理

PostCoffeeでは、自社焙煎の豆に加え、20社以上のパートナーロースターの豆、ドリンク、グッズなど、非常に多くのSKU(商品)を取り扱っている。さらに、同じ豆でも150gと40gといったサイズ違いが存在し、多彩なブランドのコーヒーを一堂に集めたセレクトショップと言えるだろう。こうした複雑な商品構成を現場でスムーズに扱うために、Square POSレジの「カテゴリー管理機能」が大きな力を発揮している。

「Squareの商品登録では自分たちの運用に合わせて細かくカテゴリーを作れるので、膨大なSKUでも管理しやすいんです。例えばロースター別やサイズ別に分類しておくことで、お客様の会計時にレジで商品を特定する時間が圧倒的に減ります。商品が多すぎてどこにあるか迷うとか、レジ画面を何ページもめくるときのシステム的なラグが少ないのです。1回の会計で5秒のロスが出ると、1日で15分以上のオペレーションロスになることもあるので、こうした細かい工夫が現場では本当に効いてくるんですよ」(桑原さん)

一般的なPOSレジでは、商品数が多いと複数ページにまたがって登録されることが多く、ページを切り替えるたびに1秒程度のラグが発生するケースもある。Squareでは、こうした「ページ遷移の待機時間」や「目的の商品を探す手間」を最小限に抑えるため、キー配置を自由にカスタマイズできる設計になっている。

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在庫の“今”が一目でわかるSquareの在庫管理

現在、下北沢店では在庫管理をSquare内で完結させている。PostCoffeeの豊富なSKUの在庫管理にSquareはどのように役立っているのか。

「Squareの強みは、何よりも“在庫の感度が高い”ことだと思っています。在庫状況がレジ上で即座に反映されるため、スタッフがバックヤードへ確認しに行く必要がありません。決済のたびに在庫がすぐ反映されるので、“今どれがどれくらい残っているか”が一目でわかるんです」(桑原さん

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▲ SCAJ2025の過去最大規模出展時、Squareスタンドで在庫状況をリアルタイムに確認する様子

さらに、在庫移動や発注の最適化にも、Square POSレジの売上データは活用されている。週次でカテゴリー別の売上を確認し、昨対比や季節性を踏まえて「どの月にどの商品が動くか」を予測。必要な在庫を事前に別の場所にある倉庫から店舗へ移動させるなど、無駄のない運用を実現している。

「Squareのデータを見ながら、毎週カテゴリーごとの売上をチェックしています。過去の傾向から“この月はこのカテゴリーが売れる”と予測して、事前に在庫を移動させるんです。豆の販売からドリンク提供までをトータルで管理できるので、基本的にロスが出ない運用ができています」(桑原さん)

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▲ 本画像はSquare POSレジにおける売上レポートの利用イメージ

また、Squareのデータからは、オンラインでは売れにくいとされていた高単価帯の商品が、店舗では安定して動くという傾向も明らかになった。これにより、店舗の実績をもとにECのラインナップを拡充するなど、データに基づく戦略判断が可能になっている。

Square×マネーフォワードで売上データの自動反映、バックオフィスの負担を最小化

PostCoffeeは、オフライン店舗を展開する以前からマネーフォワードを導入していた。そのため、Squareを採用したタイミングで、自然な流れでマネーフォワードとの自動連携を開始している。

PostCoffeeがマネーフォワードを選んだ背景には、バックオフィス業務を“成長に耐えうる仕組み”へと進化させたいという明確な意図があった。導入検討時には他社との比較も行われたが、将来的な事業拡大を見据え、より細かなカテゴリー管理が可能で、対応できる税理士の数も多いマネーフォワードを選択した。バックオフィス基盤としてマネーフォワードを整えたうえで、実店舗展開に合わせてSquareと自動連携させた形だ。この連携にはどのようなメリットがあるのだろうか。

「Squareとマネーフォワードの連携はとてもスムーズに進められました。この連携で手入力の工数やコストを減らせたのはとても大きいですね。本来、売上データをExcelに転記したり、CSVを整えたり、決済手数料を計算したりという細かい作業が山ほどあります。でも、こうした作業を自動化できたことで、ヒューマンエラーも防げていますし、経理担当者や税理士との数字確認のやり取りもほぼありません。結果として、バックオフィスにかかる時間もコストも削減できていると思います」(桑原さん)

自動化の恩恵は経理担当者だけでなく、税理士や経営層にも広がっている。税理士は「人が入力した数字をチェックする」という非効率な作業から解放され、上がってきたデータの確認に集中できるようになった。

「経営層にとっても、正確な数字がリアルタイムで集約される安心感は大きいですね。数字を待つ必要がなくなるので、経理担当者とのやり取りも最小限で済みますし、判断のスピードが格段に上がりました」(桑原さん)

Squareとマネーフォワードの連携によって、売上状況がリアルタイムで可視化されるようになった。これにより、日次の管理はもちろん、月次の締め作業も大幅にスピードアップ。数字の遅延がなくなったことで、経営判断の質とスピードが飛躍的に向上している。

Squareが後押しするPostCoffeeの多店舗展開

PostCoffeeは、スペシャルティコーヒーをもっと日常に溶け込ませ、ライフスタイルそのものを進化させていくという大きなビジョンを掲げている。その実現に向けて、今後はどのような未来を描いているのだろうか。

「PostCoffeeにはコーヒーをもっと日常に溶け込ませて、誰もが気軽に楽しめる文化にしていきたいというビジョンがありますので、スペシャルティコーヒーを“特別なもの”ではなく、生活の一部として広げていくために、PostCoffeeのスペシャルティコーヒーを実際に体験してもらえる場を増やしていきたいと思っています。そのため、今、多店舗展開を考えていて、数年以内には数十店舗規模での展開を目指しています」(桑原さん)

そのビジョンに対し、Squareはどのように役立っていくのだろうか。

「例えば、在庫管理では店舗が増えれば増えるほど、Squareの“在庫と売上のリアルタイム性”が生きてくると思っています。どのカテゴリーの在庫を、いつ倉庫や他店舗から移動させるべきかの判断にも役立ちますよね。そして、在庫管理だけでなくSquareのデータにしてもマネーフォワードと自動連携されたデータしても、そのリアルタイム性と一元管理により、全体像がシームレスに見えることが多店舗展開の力になってくれると思っています。

さらに、Squareは多店舗になっても店舗運営の質を維持できる点も魅力です。操作が非常にシンプルで、スタッフは30分ほどのレクチャーですぐに使いこなせますし、決済手段を問わない統一フローやページ遷移の速さによって、忙しい現場でもお客様を待たせずに対応できます。iPad一体型のSquare スタンドは店舗の世界観にも馴染みますし、イベントではターミナルやリーダーを使い分けられる柔軟さも心強いです。今後もSquareを使い続けたいですね」

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「Squareの決済端末はタップ後の反応がとにかく早く、カードリーダーの感度も高いので、この(レジ操作に数秒の)ロスを最小限に抑えられるんです。決済完了までの待機やカードリーダーとの連携待ちがほぼない点は、スピードを重視する現場にとって本当に大きなメリットだと感じています」ーポストコーヒー株式会社 オフラインストアマネージャー 桑原悠太さま

Squareで実現できたこと

決済スピードの向上でピークタイムのストレスを解消

Square導入によって最も大きく変わったのが、決済スピードです。1日に200〜300杯を提供する下北沢店では、レジ操作のわずかなラグが積み重なるだけで大きなロスにつながります。Squareの決済端末はタップ後の反応が早く、カードリーダーの感度も高いため、決済待ちのストレスがほとんどありません。ピークタイムでもスムーズなオペレーションを維持でき、現場の負担が大幅に軽減されました。さらに、対応決済が豊富なため、インバウンド客の多様な支払いにも迷わずスピーディーに対応できています。

膨大なSKUでも迷わないカテゴリー管理で会計がスムーズに

Squareの柔軟なカテゴリー管理機能は、膨大なSKUを扱うPostCoffeeにとって欠かせない存在です。ロースター別・サイズ別など、自社の運用に合わせて細かく分類できるため、レジで商品を探す時間が劇的に短縮されました。一般的なPOSレジのようにページを切り替えるたびにラグが発生することもなく、1回の会計で数秒のロスが出るような状況を防いでいます。

在庫の“今”がわかるリアルタイム在庫管理

在庫管理においてもSquareは大きな力を発揮している。決済のたびに在庫が即時反映されるため、スタッフがバックヤードへ確認しに行く必要がなく、常に“今どれがどれだけ残っているか”を把握できます。さらに、Squareの売上データをもとに週次でカテゴリー別の動きを分析し、季節性や昨対比を踏まえて発注量や在庫移動を最適化。無駄のない在庫運用が可能になり、ロスの削減にもつながっています。

マネーフォワード連携による経理業務の自動化と経営判断の迅速化

Squareとマネーフォワードを連携させたことで、店舗での売上データが自動的に会計ソフトへ反映される仕組みを構築しました,。これにより、従来必要だったExcelへのデータ入力や、決済手数料の複雑な計算といった手作業が一切不要になり、ヒューマンエラーの排除と大幅な工数削減を実現しています。日次の売上管理はもちろん、月次の締め作業も非常にスピーディーになり、税理士とのやり取りも「データを確認するだけ」という簡潔なフローに変わりました。何より、経営層が会社全体の数字をリアルタイムかつシームレスに俯瞰できるようになったことで、多店舗展開における戦略立案や意思決定の質とスピードが飛躍的に向上しています。