人気ショップや上質な飲食店が点在する、表参道。メインとなる通りから一本入った閑静な住宅街で、閉店間際まで列が途切れない店がある。それがキッチンカーを拠点に和牛テキサスBBQを提供する、「SLICE of LIFE」だ。キッチンカーと隣のガレージスペースを活用した提供スタイルは、限られた場所と時間のなかで、どれだけスピーディーに注文・決済を完了できるかがとても重要になる。そんななか、SLICE of LIFEは他社の決済端末からSquareに切り替えた。今回はSLICE of LIFEを経営するスターパス合同会社代表の萩原理之さんに、Square導入の理由や現場での運用方法についてお話を伺った。
| 業種 | 飲食業 |
| 業態 | キッチンカー |
| 使用しているSquareのサービス | Square リーダー、Square ターミナル、Square POSレジ |
目次
- 表参道のキッチンカーで楽しめる、和牛テキサスBBQ
- キッチンカーの前に2時間待ちの列…求められる提供スピード
- 16時間かけて仕込み、長野から発送。在庫の把握と補充が課題に
- 多拠点・季節差のある運営を支える、Square活用スタイル
- テキサスBBQを通じて、和牛を伝える。キッチンカーを続ける理由
- Squareで実現できたこと

▲表参道の住宅街で営業する、SLICE of LIFEのフードトラック
表参道のキッチンカーで楽しめる、和牛テキサスBBQ
2022年5月にオープンしたSLICE of LIFEは、キッチンカーとガレージを活用した16席ほどの小さなお店だ。和牛を使用した本格的なテキサスBBQを都心でカジュアルに楽しめることから、特に海外観光客の来店が多い。インフルエンサーによるSNS投稿をきっかけに認知が広がり、今やSNSのフォロワー数は6.5万人。行列をつくる人気店となっているが、SLICE of LIFEを経営するスターパス合同会社の萩原さんは、飲食業界未経験からのスタートだった。
「もう8年くらい前の話になるんですが、たまたまSNSで流れてきた動画に衝撃を受けたんです。それが、テキサスBBQの有名店のシェフが作り方をレクチャーする動画でした。そこに出てきた、“ブリスケット”っていうお肉に感激して。BBQ自体は日本でもお馴染みだと思うんですけど、テキサススタイルのBBQはまったく違うものでした。そこに興味が湧いて、これやってみたい、食べてみたい、と思ったのがきっかけです」
ブリスケットとは牛の肩バラ肉のことで、塊肉を低温で長時間スモークして仕上げるのがテキサスBBQの定番だ。

▲黒毛和牛を使用した「A5 WAGYU BRISKET PLATE」
「今僕は長野に住んでいるんですが、このブリスケットを食べられるところはなかなかなかったんです。じゃあ自分で作ってみようかなっていうのが始まりですね。趣味からのスタートでした」
そこから研究や試作を重ね、納得のいくブリスケットを作れるようになると、そのお肉を真空パックにして通販するようになった。そしていつか、自身が暮らす軽井沢に店舗を出したいと考えるようになった。
「でも僕は飲食業界の経験がまったくなかったので。まずはテスト的な感じでトラックで始めたのが、このSLICE of LIFEです」
テキサスBBQを直球で宣伝しても、日本ではなかなか馴染みがなく響かないだろうと考えた萩原さんは、まずはインバウンド向けに英語で発信。「遠回りかもしれませんが、まず海外のお客さまから話題になれば、日本のお客さまもついてきてくれるだろうと考えていました」と語るその言葉通り、その後萩原さんはテキサスBBQのレストラン「Smokemanship」を軽井沢に2店舗、ニセコに1店舗展開し、拠点を増やしている。

▲お話を伺った、スターパス合同会社代表の萩原理之さん
キッチンカーの前に2時間待ちの列…求められる提供スピード
長いときは2時間待ちになるほどの列をなすキッチンカーの現場では、スピードが非常に重要だ。限られたスペースで火入れと盛り付けを進めながら、注文を取り、会計を終え、次のお客さまを迎える。注文から提供までにかける時間は5分以内が目標だ。
ところが、以前使用していた他社の決済端末では接続が不安定で手間取る場面があった。営業中に決済が止まると提供スピードが落ちてしまい、並んでいるお客さまをより待たせることになってしまう。だからこそ萩原さんが求めたのは、屋外の現場でもスムーズに使用でき、コンパクトに完結する決済の形だった。
「以前の決済端末が壊れやすかったこともあり、軽井沢のSmokemanshipオープン時にこちらもSquareに切り替えました。普段はiPadとSquare リーダーを使って注文・会計をしているのですが、以前より接続状態が良くなり、決済のスピードも上がりました。操作方法を教えなくても、10名ほどいるスタッフみんながスムーズに使えています」


また、イベント出店の際はSquare ターミナルを活用している。
「年に1〜2回、米軍基地でのイベントに出店することがあるんですが、その際はお肉のみの提供で、30秒に1回くらいのペースで決済が必要になります。そういったイベント時は、1台で注文と会計、必要であればレシート発行までできるターミナルを持参しています」
そしてSLICE of LIFEでもSmokemanshipでも共通しているのが、Square POSレジにすべてのメニューを登録している点だ。
「誰が見ても分かりやすく、注文を取りやすい形にするため、すべての店舗でメニュー登録をしています。イベント出店時も、その日専用のメニューページを作成することで、スピーディーな注文・会計に役立っています」

SquareのPOSレジは高機能なのに初期費用0円
Square POSレジは業務効率化を実現する、高機能な無料アプリです。売上分析、在庫管理、スタッフ管理など、必要な機能が1つのアプリにまとまっています。業務をなるべくシンプルにしたい、小規模なアパレル店、美容院、理容室、サービス業に適しています。
16時間かけて仕込み、長野から発送。在庫の把握と補充が課題に
もうひとつ運営に役立てているのが、商品の売れ行きや在庫の管理ができる、Square データだ。SLICE of LIFEで扱う肉の在庫は、長野で萩原さんたちが仕込んだもの。日々の売れ行きや在庫状況を確認しながら、都内に送る必要がある。
「肉の仕込みには想像以上の時間がかかります。アメリカの牛だと7〜8キロが普通なんですが、和牛のブリスケットだと15〜20キロくらいあるんです。その塊肉の脂を落として綺麗に成形し、オフセットスモーカーという大きなグリルを使って長時間スモークします。大きな塊肉を直火には一切当てず低温でスモークするので、全部で16時間くらいかかるんですよ」

▲スモーク後のブリスケット(写真提供:スターパス合同会社)
そのため、1日に仕込める肉の量にも制限がある。都内までの輸送時間も考慮し、在庫の管理や供給は計画的に行わなければならない。
「肉を長時間かけてスモークするので、肉の中にいる細菌がすべて死滅するんです。なので、真空パックにしたものは冷凍で1年、冷蔵でも6カ月ほど保存できるのですが、やっぱり時間が経つと風味は落ちてしまうので、できるだけ長期保存したものは提供したくありません。そこで、Squareで商品の売れ行きや在庫状況を確認し、ほぼ毎日都内に送って補充するようにしています」
仕込みに時間がかかる分、補充の判断が遅れると品切れにもつながる。Square データで日々の売れ行きを見ながら補充を組み立てることで、無駄なく効率的な計画が立てられるのだ。

多拠点・季節差のある運営を支える、Square活用スタイル
萩原さんが経営するテキサスBBQのお店は、SLICE of LIFEのほかに軽井沢に2店舗(そのうち1店舗はT-SITE内)、ニセコに1店舗ある。軽井沢とニセコでもSquareを活用し、店舗ごとに最適な端末を導入。いずれの店舗でもSquare POSレジ(飲食店向けモード)を活用し、メニューを登録して現場の運用を支えている。
「SLICE of LIFEはキッチンカーということもあり、気候的に厳しい夏と冬は閑散期になります。一方で、軽井沢は夏のレジャーシーズンに繁忙期を迎えますし、ニセコは冬季のみの営業。忙しい時期が少しずつずれることで、バランスが取れています」

▲Smokemanship KARUIZAWAの店内(写真提供:スターパス合同会社)
萩原さんは長野にいながら各店舗の売上や在庫の状況をまとめて確認し、仕込みや補充の判断に活かしている。
「日々の売れ行きを確認して仕込みに反映するのですが、大体1カ月単位で仕込みのスケジュールを組むので、そんなにコロコロ変えることはないです。ただ、各店舗の状況を見ながら“ここはやっぱり変えよう”と急な判断に至ることもあるので、そういう面でもSquareは役立っています」
店舗が増えても一貫した運用管理が行えるのは、スムーズに会計を行える現場の動線と、どこにいてもパソコンやスマホで売上・在庫の管理ができる環境を整えたからだ。その積み重ねが、現在の的確な判断につながっている。

テキサスBBQを通じて、和牛を伝える。キッチンカーを続ける理由
テキサスBBQの魅力は、塊肉を低温で長時間スモークすることで生まれる香りと食感にある。ボリューミーな肉を口に入れるとほろりとほどけ、その旨みが広がっていく瞬間、思わず顔も綻んでいく。
「うちは和牛(信州のプレミアム和牛)を使うことにこだわっていて、どうやったら和牛でおいしいテキサスBBQが作れるかを研究した結果、今の作り方になっています。牛の生産農家さんとコミュニケーションをとることも多く、テキサスBBQというスタイルを通して和牛のおいしさを知ってもらいたいという想いもあるんです」
オープン当初はテスト的な役割で出店したキッチンカーだが、現在もそのスタイルを貫くのには理由がある。
「このあたりは観光客の方も多いですし、“知ってもらう”“きっかけをつくる”という点で、キッチンカーのカジュアルなスタイルは適していると思います。ただ、やっぱり気候的に厳しい時期が長いのと、列ができると近隣の迷惑になってしまうこともあって、いつまでこのスタイルを続けられるかは正直分かりません」
都心の屋外で味わえる特別感は、やはり変え難いものがある。しかし店舗がどんな形になったとしても、和牛でテキサスBBQを作り続けるという軸は変わらない。今後も時代の流れを汲み取りながら、その時に最適なSLICE of LIFEを形づくっていく。

「以前の決済端末が壊れやすかったこともあり、軽井沢のSmokemanshipオープン時にこちらもSquareに切り替えました。普段はiPadとSquare リーダーを使って注文・会計をしているのですが、以前より接続状態が良くなり、決済のスピードも上がりました。操作方法を教えなくても、10名ほどいるスタッフみんながスムーズに使えています」 ー スターパス合同会社 代表 萩原理之さん
Squareで実現できたこと
行列時でも滞りにくい会計オペレーション”
Pad+Square リーダーで注文・会計を行い、接続が不安定だった他社端末から切り替えることで、決済のスピードと安定性を改善。さらに全メニューをSquare POSレジに登録し、10名ほどのスタッフでも説明なしで使える状態を整え、混雑時の提供スピードを支えている。
イレギュラーなイベント時も“1台完結”で決済
米軍基地イベントなど「30秒に1回」ペースで決済が必要な場面では、注文・会計・必要に応じたレシート発行まで1台で完結できるSquare ターミナルを持参。店舗とは別の環境で、よりスピードが求められる状況でも、スムーズに決済を完結できるようにしている。
Square データを活用した無駄のない仕込みと補充
16時間かかる仕込みと長野→都内発送の体制のなかで、Square データで日々の売れ行き・在庫状況を確認し、ほぼ毎日補充。品切れリスクを抑えつつ、長期保存に頼りすぎない提供を目指し、仕込みと発送の段取りを立てやすくしている。
記事に掲載されている店舗情報 (商品内容、価格、営業時間など) は2026年5月時点のものです。

