アルバイト、パート、正社員などさまざまな勤務形態で働くスタッフを抱える職場では、スタッフのスケジュール管理業務は多岐にわたります。一昔前までは、紙でシフト表を管理し、タイムカードで勤怠時間を記録するのが一般的でしたが、最近では専用のシステムやアプリを利用して、スタッフのスケジュール管理を行うことが可能になりました。
この記事では、スタッフのスケジュール管理にシステム・アプリを活用するメリットと、低価格で導入できるスケジュール管理システムを紹介します。
目次
- スタッフのスケジュール管理システムとは
- スタッフの管理をシステムで行うメリット
・シフト作成と管理が一元化できる
・ミスの発生を防止できる
・休暇申請やシフト調整がしやすい
・いつでもシフト情報が確認できる
・勤務時間が可視化できる
・給与計算ができる - スタッフのスケジュール管理機能でできること
・スタッフ情報の登録と管理
・出退勤打刻
・シフト作成
・スタッフ間でのシフト交換
・休暇の申請
・スタッフ別の売上成績
・各スタッフの操作履歴の確認
・アクセス権限のカスタマイズ - スタッフのスケジュール管理ができるサービス
・Square シフト
・らくしふ
・Sync Up
・KING OF TIME
・勤怠Reco
・Airシフト
スタッフのスケジュール管理システムとは
スタッフのスケジュール管理システムとは、専用のアプリやシステム上でシフト作成やスタッフの労務管理ができるものです。シフト作成に特化しているものもあれば、POSレジや予約システムと合わせて使えるもの、給与計算システムと連動できるものなど、さまざまなシステムがあります。
スタッフの管理をシステムで行うメリット
シフト作成やスタッフ管理ができるシステムはさまざまな業種で採用されています。システムの導入には、どのようなメリットがあるのでしょうか。
シフト作成と管理が一元化できる
飲食店や小売店、美容室、クリニックなど、シフト制を採用している現場で欠かせないのがシフトの作成です。各スタッフから希望を聞き、シフト表を作成し、全スタッフにその内容を伝えて、シフト通りに出退勤が行われているかどうか管理をするという一連の作業は、店長などのシフト管理者にとっては負担の大きい業務ではないでしょうか。特に紙や表計算ソフトなど、情報共有や複数人での作業に向かないツールで管理している場合は、より負担が増え、業務内容も煩雑になるでしょう。
システムやアプリの中には、スタッフの希望を反映させつつ、売上高に対する適正人数や人件費の予算に応じてシフトを自動作成できるものもあるので、シフト作成を効率化できます。また、各スタッフにも専用アプリやメールを通じて最新のシフト表を共有できるので、スタッフは手軽に自分のシフトを確認できます。
ミスの発生を防止できる
紙や表計算ソフトでシフト管理を行う場合、間違って記入してしまったり、「伝えたつもり」でシフト変更が共有されていなかったりというような、ミスやトラブルが起こることが考えられます。スタッフの希望が自動で反映され、かつ情報共有まで自動で行えるシステムやアプリを活用することで、シフト管理で起きがちなミスやトラブルの防止につながります。また、スタッフのシフト提出忘れを防ぐため、リマインダーを送ってくれるシステムもあります。
休暇申請やシフト調整がしやすい
シフトの変更希望や交代、休暇の申請などの連絡をスタッフがその都度口頭やメールなどで管理者に伝え、管理者が1件ずつ対応している場合、シフト調整に時間がかかり、なかなかシフトが分からないことに不満を感じるスタッフも出てくるでしょう。システムやアプリの中には、シフトの交代や休暇の申請・承認を数クリックで簡単にできるものもあるので、スピーディーにシフト調整ができ、スタッフの不満解消にもつながります。
いつでもシフト情報が確認できる
シフトの提出や確認のために、店舗に行く必要があったり、店舗に電話をかけたりする必要がある場合、時間も労力もかかります。システムやアプリであれば、スマートフォンなどからいつでも確認することが可能です。システムによっては人手が不足している時間帯を表示できるものもあるので、スタッフは人手が少ない時間帯にシフトに入ることもできます。
勤務時間が可視化できる
システムやアプリの中には、スタッフの出勤、退勤、休憩時間をワンクリックで記録できるだけでなく、残業時間も自動で記録できるものもあります。また、予定より早めに出勤したり、通常とは違うシフトに入ったりするなど、変則的な勤務も記録することができます。紙や表計算ソフトを使った管理ではなかなか難しい勤務時間の可視化ができるようになります。
給与計算ができる
給与計算ができたり、給与管理システムと連携できるシステムを利用すれば、給与計算担当者の負担を軽減することができます。また、歩合給に対応しているシステムもあるので、歩合制を取り入れている美容院や小売店ではこの機能があるかどうかも検討するとよいかもしれません。
スタッフのスケジュール管理機能でできること
スタッフのスケジュール管理ができるシステムやアプリでは、先述の内容以外にどのようなことができるのでしょうか。主な機能を紹介します。
スタッフ情報の登録と管理
スタッフの氏名、職種、メールアドレスや電話番号、賃金情報などを入力することができます。スタッフごとに売り上げを記録できるシステムもあるので、販売成績が伸びているスタッフ、フォローが必要なスタッフなどの把握ができます。
出退勤打刻
アプリやシステム上で出退勤時間や休憩時間、休暇を記録できます。タイムカードをタイムレコーダーに差し込んで打刻をする代わりに、ワンクリックで記録できるので、イベント会場や出張先からもリモートで出退勤の記録が可能です。また、専用アプリからシフトやタイムカード、見込み給与額を確認できるものもあります。
シフト作成
システムの中には、スタッフがシフト希望を提出すると、その内容がシフト表に自動で反映されるサービスもあります。また、「キッチン」や「ホール」など役割ごとにシフト作成が可能なものや、特定のシフトが埋まらない場合、すでにシフトに入っているスタッフ以外にお知らせを送ることができるものもあります。スタッフは隙間時間を活用して柔軟に働くことが可能になります。
スタッフ間でのシフト交換
スタッフ自身によるシフト交換に対応しているシステムもあります。「予定が入って勤務できなくなった」「別のシフトの時間帯の方が都合がよい」というような場合、スタッフ同士でシフトの交換を行い、管理者は問題がなければ承認をクリックするだけで簡単にシフトの調整が可能です。
休暇の申請
書面やメールで申請する代わりに、システムやアプリから休暇を申請できます。
スタッフ別の売上成績
スタッフごとの売上成績がひと目で分かるなど、スタッフの能力を評価する際に役立つ情報が手に入るシステムもあります。
各スタッフの操作履歴の確認
払い戻しや割引など、決済に関する操作を誰が・いつ行ったのかを、取引履歴から確認できるシステムもあります。飲食店や小売店など、複数のスタッフがPOSレジを操作するような職場で役立つ機能です。
アクセス権限のカスタマイズ
各スタッフ毎にPOSレジや予約管理画面、シフト管理画面へのアクセス権限をカスタマイズできるシステムなら、「マネージャー」や「レジ係」など役職や職域に合わせてアクセスできる範囲を細かく設定することが可能です。
スタッフのスケジュール管理ができるサービス
スタッフのスケジュール管理ができるサービスには、以下のようなものが挙げられます。サービスごとに利用できる機能もさまざまなので、自社のビジネスに合ったものを検討しましょう。
スタッフ情報の登録と管理 | 勤怠管理 | シフト作成 | スタッフ間でのシフト交換 | 休暇の申請 | スタッフ別売上成績 | 各スタッフの操作履歴の確認 | アクセス権限のカスタマイズ | |
Square シフト | ○ | ○ | ○ | ○※ | ○※ | ○※ | ○ | ○※ |
らくしふ | ○ | 要問合せ | ○ | 要問合せ | 要問合せ | × | × | × |
Sync Up | ○ | △ 外部連携が必要 |
○ | 要問合せ | × | × | × | × |
KING OF TIME | ○ | ○ | 要問合せ | ○ | × | × | ○ | × |
勤怠Reco | ○ | ○ | ○ | 要問合せ | 要問合せ | × | × | × |
Airシフト | ○ | ○ | ○ | 要問合せ | ○ | × | × | × |
※がついているものは、有料プランで利用できる機能です。
Square シフト
Square シフトは、POSレジや予約システムなどSquareが提供する他の機能と連携できるところが特徴です。無料プランでは、スタッフ情報の登録・管理、勤怠管理、シフト作成などの機能が利用できます。有料プランでは、シフト交換や休暇申請ができたり、スタッフ別に売上レポートが確認できたりなど、より高度な機能が用意されています
らくしふ
LINEとLINE WORKSで提出されたシフトが自動で管理画面に反映されるので、担当者は調整を行うだけで、シフトが完成します。勤怠データとつなげてのシフトの予実管理、人件費や人件費率に加えて総労働時間を用いた人時売上高を見ながらのシフト作成が可能です。外国人留学生の労務管理にも対応しています。シフトの提出忘れがあった場合のリマインドも可能です。
Sync Up
シンプルな操作性と、データの集約・分析ができるシフト管理システムです。スタッフはアプリを通じてシフトの希望を提出し、担当者はその内容に沿ってシフトを作成することができます。概算人件費の計算、労務チェックなども行うことが可能です。また、スタッフ向けのプッシュ通知によるリマインドで、シフトの提出漏れを防ぐことができます。
KING OF TIME
導入企業数31,000社以上のクラウド勤怠管理システムです。シフト制、固定制など、さまざまな勤務形態に応じて、柔軟にスケジュールを登録することができます。職種やスタッフごとに、時給、日給、月給、交通費など細かく設定することができます。人事労務freeeやMFクラウド給与など外部の給与計算ソフトとの連携も可能です。スタッフ1名あたり月額300円で初期契約費用がかからないのも特徴です。
勤怠Reco
シンプルな機能とデザインで、パソコン操作が苦手な人にも使いやすい勤怠管理システムです。従業員情報と勤務形態、休日情報を登録すればすぐに利用可能です。日勤や夜勤、そのほかさまざまな勤務形態をスタッフごとに柔軟に取り込めるシフト管理機能もあります。初期費用は無料で、1個のIDにつき月額100円(利用は10個のID、1,000円から可能)と低価格で導入することが可能です。
Airシフト
シフトの収集から作成までを自動で行うサービスです。シフト提出時期になると、スタッフに自動でシフト提出の依頼を行います。スタッフがスタッフ用アプリ「シフトボード」から希望シフトを提出すると、Airシフトに自動反映されます。スタッフ毎や日ごとの合計概算人件費も計算できます。また、チャット機能もあるので、出勤依頼やスタッフからの欠勤申請などをリアルタイムで受けることができます。スタッフ1人あたり月額110円で利用できます。
システムやアプリなどを利用してシフト作成や勤怠管理を簡略化させることができれば、管理者や店舗運営者はその時間をほかの業務に充てることができるようになります。時間を有効活用して、サービス品質やお客様満足度、さらにはスタッフの満足度を高めてはいかがでしょうか。
予約管理はSquare 予約で
Squareの予約管理は無料から導入でき、事前決済はもちろん、有料プランの場合はキャンセル料も取れるので、ノーショウ対策もできます。専用アプリでも、お使いのブラウザでも、場所を問わず、どこでも予約の状況を確認、調整できます。
Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。
執筆は2022年4月19日時点の情報を参照しています。2024年6月14日に一部情報を更新しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash