海外からの訪日外国人の増加やマイカーを持たない層の増加など、タクシー業界を取り巻く状況は大きく変化しています。そんな中、配車アプリや音声翻訳機など、テクノロジーの導入も進んでいます。
今回は、タクシービジネスでの売り上げアップにおすすめのアプリをご紹介します。
大きく変化するタクシー業
2002年に施行された改正道路運送法により、タクシー業界への参入・増車規制が緩和され、車両数が大きくのびました。しかし、景気低迷による法人利用の減少の影響もあり、供給過剰状態となり、2018年現在では法人タクシー事業者は6,231社です。個人タクシーを含めた総車両数は237,348台で、ピーク時である2005年に比べて11.2%減少しています。長時間労働などのマイナスイメージもあり、ドライバーの高齢化、乗務員不足も続いています。
参考:
TAXI TODAY in JAPAN 2018(一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会)
タクシー運転手進む高齢化 「若者の車離れ」も課題(2017年10月30日、産経新聞)
一方で、初乗り料金の改定により営業収入や実車率がのびている地域もあります。労働環境についても、労働時間の改善や賃金の向上などの改革が進んでおり、自分のペースで働ける職場として、タクシー業界に新卒で就職する若年層も増えてきました。女性乗務員も活躍しており、全国ハイヤー・タクシー連合会の調べでは2013年以降は女性乗務員の数が増加しています。
参考:「ちょい乗り」でタクシー増収 京都・運転者不足解消が課題(2018年8月27日、京都新聞)
また、さまざまなお客様のニーズに応えるサービスも始まっています。観光ガイドタクシーの認定を受けたドライバーがおすすめのコースを案内する観光タクシーや、事前登録したお客様の陣痛が始まった場合、研修を受けたドライバーがかけつける妊婦応援タクシー、チャイルドシートを備えた育児支援タクシー、子どもだけでも安心して乗車できるキッズタクシーなど、特別な知識や技術を持っていることを認定されたドライバーの数も増加しています。
参考:
「陣痛タクシー」で病院へ 京都で協定、妊婦の不安解消(2018年3月23日、京都新聞)
「キッズタクシー」好評! GPSで位置情報・チャイルドシート・発熱にも対応…共働き世帯、送迎に利用(2016年7月14日、産経新聞)
さらに、2020年の東京大会を前に、より多くの人を運ぶ交通手段としてタクシーを強化する動きもでてきました。法人タクシー会社が加盟する団体では、訪日外国人の利用者に対応するため、外国人のドライバーを雇用したり、外国語に対応できるドライバー養成に取り組んだりしています。
参考:訪日外国人向けタクシーサービス向上アクションプラン(一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会)
タクシービジネスは、他の運送業よりもお客様との距離が近く、「人と人」のコミュニケーションが重視される業界です。多様化するニーズに応えられる人材を雇用、育成する動きがますます進む業界だといえます。
タクシー業でアプリが有効な理由
タクシービジネスで、最も重要なのは安全に乗客を目的地に届けることです。たとえば、タクシーの営業手法の一つである流し営業は、運転しながら乗客を探す方法です。この方法では、地域を知り尽くしたベテランドライバーが有利だといえます。また、カーナビゲーションがあるとはいえ、渋滞状況に応じたルートをどのように選ぶかも、経験値に左右されます。短期間の人材教育だけでは対応できない部分も少なくありません。
加えて、インバウンド需要が増えているとはいえ、外国人のお客様に対応する語学力は一朝一夕で身につくものではなりません。インバウンド対応の重要性を理解しつつも、時間やコストをあまりかけられない個人タクシーや小さなタクシー会社も多いのではないでしょうか。
習得に長い時間がかかるスキルやコストがかかる部分を、アプリがサポートしてくれることで、お客様に満足してもらえるサービス提供につながります。安全運転を心がけた上で、アプリを活用して、お客様のニーズにあったおもてなしの接客を行い、売り上げアップを目指しましょう。
売り上げアップに有効なオススメアプリ
さまざまなアプリの中から、オススメのアプリをご紹介します。
・Square
もし、支払いが現金払いのみなら、早めにクレジットカード決済にも対応しておくことをおすすめします。海外からのお客様の中には、現金よりもカードによる支払いに慣れている人がいると同時に、ポイントなどを貯めるためにあえてカードを使いたいという日本人のお客様も一定数いると考えられます。Squareなら、お持ちのスマートフォンやタブレット端末に無料のSquare POSレジアプリをダウンロードし、SquareのICカードリーダーを組み合わせることで、簡単にクレジットカード決済を受け付けることができます。初期費用も安く、月額利用料金などもないため、ランニングコストが抑えられても安心して始められます。
・たくる
タクシー会社単位ではなく、ドライバー個人で加入できるマッチングアプリです。ドライバー側で、呼び出しが可能なのか、不可なのかを簡単に設定できます。呼び出しに対応すると、お客様にはどのような車両がくるのかが表示され、マッチングが成立すれば、お客様の情報が送られてきます。クレジットカード可やペット可などの条件でも検索でき、特別なサービスを求めるお客様に人気です。
・VoiceTra
海外からのお客様とのコミュニケーションを助けてくれる、翻訳アプリです。ダウンロードや利用は無料、翻訳できる言語が31カ国語と、観光客が多いエリアで営業するタクシー運転手の強い味方といえます。
・Japan Official Travel App
観光局が提供する、訪日外国人向けのアプリです。観光情報に加えて、多言語対応の病院が検索できるなど、乗車した外国人のお客様への情報提供に役立つのではないでしょうか。アプリをダウンロードしたタブレットをお客様用に設置してもよいかもしれません。
日々のビジネスを助けてくれたり、お客様とのスムーズなコミュニケーションをサポートしてくれたりするアプリが日々登場しています。うまく活用して売り上げアップにつなげていきましょう。
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執筆は2018年12月10日時点の情報を参照しています。
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