年々増える訪日外国人観光客。実際、海外のお客様が増えたと感じているタクシーの運転手や経営者も多いのではないでしょうか。また、2020年東京大会に向けて、外国人のお客様に対応する必要性を実感しているかもしれません。
今回はタクシーがインバウンド需要を取り込むためのヒントを紹介します。
訪日外国人観光客数の現状
訪日外国人観光客数の増加
近年、訪日外国人観光客の数は毎年増加しています。2018年3月の訪日外国人観光客数は、260万8千人。前年同月と比較して18.2%増え、3月としては過去最高を記録しました。
参考:訪日外客数(2018年3月推計値) (日本政府観光局)
政府は、2020年に向けて訪日外国人観光客数4,000万人を目標に掲げるなど、今後もますます増加することが見込まれます。
特にアジア方面からの訪日外国人数が多い
訪日外国人観光客の中で、特に多いのが中国、韓国、台湾といったアジアからの観光客です。2017年の訪日外国人数のトップ3は中国が約735.6万人、韓国が約714.0万人、台湾が約456.4万人となっています。
参考:訪日外客数(2017年12 月および年間推計値) (日本政府観光局)
タクシーがインバウンドに力を入れるべき理由
タクシーの需要
電車やバスなど他の交通機関と比較して、ドアトゥドアで目的地まで連れて行ってくれるタクシーは外国人観光客にとって便利な交通手段です。電車やバスの乗り継ぎは、土地勘がなかったり、言語がわからなかったりすると不安や難しさを感じる人もいます。その点、タクシーは乗車して行き先を告げるだけで、目的地に着きます。また、ショッピングバックやスーツケースなど重い荷物を抱えている観光客にとっても、タクシーは魅力的ではないでしょうか。
加えて、訪日中国人観光客の旅行形態が、それまでの団体旅行から個人・家族旅行に変わってきています。それに伴い、日本国内での移動も大型観光バスからタクシーなどのワンボックスカーに変わりつつあるようです。
参考:訪日外国人向けタクシーサービス向上アクションプラン概要(全国ハイヤー・タクシー連合会)
訪日外国人観光客数が増えるにつれて、タクシーのインバウンド需要もますます増えると考えられます。
国内需要は頭打ちの傾向
ハイヤーとタクシーの輸送人員数は年々減少傾向にあります。インバウンド需要を取り込むことによって、新たな顧客開拓になると期待できます。
インバウンド対策
インバウンド需要を取り込むためにはいくつかポイントがあります。主なポイントを紹介します。
多言語表示
日本語が分からない訪日外国人観光客にとって、コミュニケーションは悩みの種でしょう。特にタクシーの場合は間違った場所を告げてしまったり、運転手が勘違いしてしまったりするとトラブルが起きかねません。多言語対応は、トラブル防止と顧客満足度の向上が期待できます。具体的には下記のような方法が考えられます。
・タクシーの運転手に外国語研修を行う
・多言語音声翻訳システムを導入する
特に前述の通り中国、韓国、台湾などのアジアからの観光客が多いため、これらの言語を中心に対応すると、より効果的にインバウンド需要を取り込める可能性が高いでしょう。
「シーン別で覚える英語接客術〜タクシー編〜」の記事もぜひ参考にしてみてください。
クレジットカード決済
クレジットカード決済を導入することも、訪日外国人観光客の集客につながります。2015年時点でキャッシュレス決済の比率は日本が18%であるのに対して、中国は55%、韓国は54%、アメリカは41%と日本を大きく上回っています。
そのため、日本よりもキャッシュレス化が進んでいる国から来た観光客にとっては、クレジットカード決済の可否もタクシーを選ぶ判断材料のひとつになるのではないでしょうか。
実際にクレジットカード決済を導入しようしても、コストや手続きの煩雑さが気になる経営者もいるかもしれません。Squareなら、無料アプリと専用のICカードリーダーの購入で、普段お使いのスマートフォンやタブレット端末でクレジットカード決済を受け付けられます。月額費用は不要で、カード決済手数料のみで利用できるため、ランニングコストを抑えることが可能です。ぜひ導入を検討してみてください。
「Credit Card OK」などクレジットカード決済ができることを示すステッカーを目につきやすいところに貼れば、より外国人のお客様にアピールできるでしょう。
スマホやタブレットでカード決済を受け付ける
Squareでカード決済観光タクシーの導入
タクシーの運転手が観光地を案内する観光タクシーも集客方法のひとつです。東京では「TSTiE(タスティー)ドライバー認定制度」、大阪では「インターナショナルビジターズタクシー」という英語による観光案内が可能な運転手を認定する制度があります。
参考:
・TSTiE(タスティー)ドライバー認定制度(東京ハイヤー・タクシー協会)
・インターナショナルビジターズタクシー認定運転者制度(公益財団法人大阪タクシーセンター)
東京や大阪に拠点がある人はこのような資格の取得を検討してみても良いかもしれません。また、独自に訪日外国人観光客が好みそうな地元名所や飲食店などをリサーチし、観光ルートを開発してみるのもインバウンド対策の取り組みとして効果が期待できます。
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執筆は2018年5月7日時点の情報を参照しています。
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