※本記事は2018年3月に執筆され、2022年6月に加筆・修正をしています。
請求書の発行といえば、これまではエクセルなどで作成し、郵便で送付していた人が多かったのではないでしょうか。ところがこの方法だと作成から送付までになかなか時間がかかるうえ、紙での管理は紛失が起きたり、一元管理がむずかしく経理側でミスが発生したりなどのトラブルが起きがちです。
請求業務の効率化を図り、管理を一段と楽にする方法として注目を浴びているのが、クラウド請求書の活用です。近年利用者が増えているクラウド請求書のメリットやおすすめのサービスを紹介します。
目次
- クラウド請求書とは
- クラウド請求書を導入するメリット
・進捗の確認、管理が一箇所で行える
・未払いの請求書を瞬時に把握できる
・定期の請求書を自動で作成・送信できる
・管理に必要な手間とスペースが削減できる - おすすめ!クラウド請求書ソフト5選
・Square(スクエア) 請求書
・Misoca(ミソカ)
・MFクラウド請求書
・freee(フリー)
・Makeleaps(メイクリープス)
クラウド請求書とは
クラウド請求書サービスとは、請求書や見積書の発行・送付・管理をクラウド環境(※)で行えるサービスです。
※クラウド環境とはサーバーやソフトウェアなどを必要とせず、インターネットなどのネットワークを介してサービスを提供する形態を指します。
パソコンはもちろんのことスマートフォンなど、インターネットにつながるデバイスから利用できるので、外出中にスマートフォンから請求書を送付することも可能です。
基本的にはクラウド請求書サービスのアカウントを作成すると、ログインした管理画面内から請求書の発行・送付・管理が全てワンストップで行えるようになります。どの顧客に、いつ、いくらの請求書を発行したかという履歴が自動で残るので、発送一覧リストを作っておく必要もありません。
また、どうしても請求書を郵送で送らなければいけないお客様にも対応できるよう、中にはプリントアウトした請求書を利用者に代わって郵送してくれるサービスもあります。
クラウド請求書を導入するメリット
クラウド請求書サービスを利用する大きなメリットは、従来の方法と比べて業務効率を高められる点です。具体的にどのような点で効率化を図れるのか、利用するメリットを見ていきましょう。
進捗の確認、管理が一箇所で行える
複数の担当者がそれぞれ請求書を発行し各自保存先が異なる場合、進捗の確認が共有しにくく、管理方法にムラが出ることが考えられます。クラウド請求書サービスを利用すれば、一つのアカウントを担当者間で共有できるようになるので、発行された全ての請求書の進捗や内容を誰でも、いつでも確認できるようになります。
未払いの請求書を瞬時に把握できる
多くのクラウド請求書サービスは支払状況を入力する、あるいは自動的に支払状況を更新する機能を備えています。アカウント内からすぐに未払いの請求書を見分けることができるので、状況把握に時間がかからないうえ、請求漏れを見逃すことも減ります。
定期の請求書を自動で作成・送信できる
月に一回、隔週で、など定期的に請求書を送信するお客様もいるかもしれません。多くのクラウド請求書サービスでは指定した頻度で自動で請求書が送信されるよう設定することができます。毎回請求書を作成する手間が省けるので、他のタスクにより多くの時間を割けるようになります。
管理に必要な手間とスペースが削減できる
クラウド請求書を利用すればクラウド環境に請求書が保存されるので、修正などの際に適切なファイルを探して、紙の請求書の山から必要なものを探す……などの手間が省けます。管理がしやすくなるのはもちろんのこと、紙の保管と比べて紛失などの心配も少なく済みます。
おすすめ!クラウド請求書ソフト5選
代表的なクラウド請求書ソフトを表にまとめました。各ソフトの特徴についても紹介しています。
Square 請求書 | Misoca(ミソカ) | マネーフォワードクラウド請求書(パーソナルプラン) | freee(スタンダードプラン) | Makeleaps(メイクリープス) | |
無料プラン | ○ | ○ | お試し期間のみ | お試し期間のみ | ○ |
請求書の作成数 | 無制限 | 5通(無料プラン) | 要問合せ | 要問合せ | 無制限 |
予約送信・定期送信 | ○ | ○ | × | × | × |
クレジットカード決済 | ○ | ○ ※有料プラン |
○ | × | ○ |
英語の請求書作成 | ○ | × | ○ | × | ○ |
請求書のテンプレート | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
ユーザー数 | 無制限 ※有料プラン |
1名(無料プラン) | 4名(4名以上は従量課金 | 4名 | 1名 |
見積書の作成 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
外のソフトとの連携 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
Square(スクエア) 請求書
Square 請求書の主なサービス | 料金 |
---|---|
・請求書の作成・メール送信、リンク共有 ・請求書の送信予約、定期送信 ・自動継続課金機能 ・見積書から請求書への変換(自動変換は有料プラン) ・英語の請求書の作成 ・請求書のテンプレートのカスタマイズ(有料プラン) ・進捗請求機能(有料プラン) ・複数パターンの見積もりを含む見積書の作成(有料プラン) ・クラウド会計ソフト「freee」との連携 |
■無料プラン(Square 請求書) ・請求書・見積書の作成や送信は何通でも無料 ・ユーザー数の制限はなし ・利用できない機能あり ■有料プラン(Square 請求書Plus) ・月額3,000円 ・ユーザー数の制限はなし |
キャッシュレス決済サービスを提供しているSquareによる、クラウド請求書サービスです。使い方は簡単で、Squareのアカウントを作成したら、パソコンのブラウザ上から、またはSquare 請求書アプリをインストールしたお手持ちのスマートフォンやタブレット端末から請求書を作成し、お客様にメールで送信します。
パソコンからであれば、Squareのアカウント内から作成・送信できます。請求書を受け取ったお客様は、メール内にある「カードで支払う」のボタンを押すだけでクレジットカード決済画面に遷移でき、支払いを済ませることができます。お客様にとってもわざわざ振り込みに行く手間が省けます。
作成・送信が簡単なのはもちろんのこと、決済手数料を除いた売上額が最短で翌営業日に振り込まれるうえ、決済手数料以外の利用コストがかからないのも、Square 請求書の大きな特徴です(※)。
※有料プランのSquare 請求書Plusをご利用の際には月々3,000円の月額利用料がかかります。
Misoca(ミソカ)
Misocaの主なサービス | 料金 |
---|---|
・請求書・見積書・納品書の作成 ・作成した書類のメール送付、PDF発行、リンク共有 ・請求書の郵送代行は1通160円(税別抜) ・見積書から注文書や請求書・納品書へ変換 |
■無料プラン ・月間請求書作成数が5通まで ・利用できない機能あり(請求書の郵送、決済サービスなど) ・ユーザー数1名まで ■有料プラン ・月額800円(プラン15)/3,000円(プラン100)/10,000円(プラン1000)の3プラン ・月間請求書作成数は、15通/100通/1,000通まで(上限を超えた場合70円/枚) ・ユーザー数はそれぞれ、2名/5名/30名まで |
株式会社Misocaが提供するサービスです。請求書作成のほか、見積書から注文書や請求書への変換、請求書から領収書や検収書を作れるので転記ミスや記入漏れを防げます。
Misocaの特徴は、請求書の印刷から封入、郵送までを行う請求書の郵送代行サービスです。印刷代、封筒代、郵送代を含めて1通160円(税別)なので、社内で郵送する際のコストと比較して利用を検討してみてはいかがでしょうか。出張先からでも請求書の郵送代行を依頼できるので、時間の節約にもなります。
MFクラウド請求書
MFクラウド請求書 | 料金 |
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・請求書・見積書・納品書などの作成 ・定期的に発行する請求書の自動作成 ・MFクラウド会計との連携 |
■無料プラン ・取引登録社数は3社まで ・利用できない機能あり(請求書の郵送、自動作成機能など) ■有料プラン ・個人事業主向けと法人向けで異なる料金プラン 個人事業主向けは月額980円(パーソナルミニ)/1,280円(パーソナル)/2,980円(パーソナルプラス)の3プラン 法人向けは月額3,980円(スモールビジネス)と5,980円(ビジネス)の2プラン ・ユーザー追加数はスモールビジネスプランは3名まで、他プランは無制限 ・郵送サービスは1通につき190円(パーソナルミニ)180円(スモールビジネス)、または170円(その他のプラン) |
国内でも利用者数の多いクラウド請求書で、家計簿アプリなどを提供している株式会社マネーフォワードによるサービスです。
MFクラウド請求書の強みは、同社のサービス「MFクラウド会計」と連携できるところです。連携して使えば、入金と同時に消込が行なわれ、毎回入金確認する手間を省けます。会計業務全体のスリム化をはかりたい事業主にとっては、大きなメリットでしょう。紙の請求書を郵送してくれる郵送代行機能も使えます。
freee(フリー)
freeeの主なサービス | 料金 |
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・請求書・見積書・納品書の作成 ・複数の請求書の合算請求 ・確定申告計算、給与計算、決算書の作成も可能 ・請求書の郵送代行は1通150円(税別) |
■無料プラン なし。30日間の無料お試し期間あり。 ■有料プラン ・個人事業主向けと法人向けで異なる料金プラン 個人事業主向けは月額1,180円(スターター)/2,380円(スタンダード)、年間39,800円(プレミアム)の3プラン 法人向けは月額2,380円(ミニマム)/4,780円(ベーシック)/47,760円(プロフェッショナル)の3プラン |
クラウド会計ソフトのfreee。会計業務を効率化するさまざまな機能の中に、請求書の作成・発行をする機能もあります。請求書の作成は、あてはまる項目を入力していくだけで、初心者でも直感的に操作がしやすい仕様になっています。freeeで作成した複数の見積書を合算して請求できる合算機能、定期請求を自動で行う機能などもあります。また、郵送代行サービスが1通150円(税別)と、他のサービスと比較すると安価です。
無料プランはありませんが、30日間無料で試せるので、機能が自社に合っているかどうか、操作がしやすいかどうか、有料プランを使う前に確認してみることができます。
Makeleaps(メイクリープス)
Makeleapsの主なサービス | 料金 |
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・請求書や見積書、納品書のほか、発注書や注文書なども作成可能 ・外貨や英語にも対応 ・請求書の自動作成 ・銀行口座との連携 |
■無料プラン ・請求書と見積書のみ作成可能 ・ユーザー数は1名まで ・登録できる取引社数は3社まで ■有料プラン ・個人プランと法人プランで料金が異なる 個人プランは、月額500円×ユーザー数(3名まで) 法人プランは、月額800円×ユーザー数(無制限)に加え、取引社数やオプション機能の利用に応じた料金 |
メイクリープス株式会社が提供する、国内で多くの企業が利用しているクラウド請求書。見積書や発注書、注文請書、納品書、請求書、領収書など業務にまつわるさまざまな書類が発行できます。
書類の発行のほかにも、入金情報を自動で取り込める銀行口座との連携機能やバーチャル口座機能などがあり、顧客管理ソフト「セールスフォース」版の用意もあります。国外の顧客との取引に便利な英語のテンプレートも用意されています。
「メールポイント」を購入することで郵送代行サービスが利用できます。5ページ以下は1通1メールポイント(税別148円)で、6ページ以上の場合は追加料金が発生します。
無料で使えるサービスも多いクラウド請求書サービスですが、Square 請求書なら充実した機能がすべて無料で使えます。まずはお試しとして無料で使ってみて、請求書業務の効率化をはかってみてはいかがでしょうか。
Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。
執筆は2018年3月8日時点の情報を参照しています。2022年6月8日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash