インバウンドは、飲食店や小売店、宿泊施設の経営者にとって収益アップのチャンスです。日本人だけではなく、外国人観光客が多く訪れるようになれば、ビジネスの幅も大きく広がっていくことでしょう。
しかし、インバウンド対策といっても、何から始めるべきか分からず困っている経営者もいるかもしれません。大規模な投資や外国語ができるスタッフの雇用には、コストがかかりますが、実はスマートフォンやタブレットのアプリを活用することで、コストを抑えながらインバウンド対策を行うことができます。
今回は、インバウンド対策におすすめのアプリを厳選して紹介します。
盛り上がりが期待されるインバウンド市場
日本を訪れる外国人観光客の数は、右肩上がりで増え続けています。2018年は累計3,000万人以上が訪日しており、2017年の2,800万人から伸びています。
政府観は「世界が訪れたくなる日本へ」を目指し、外国人観光客の数を2020年には4,000万人に、2030年には6,000万人にするとしています。
他にも、
・地方部での外国人延べ宿泊者数を、2020年には7,000万人、2030年には1億3,000万人
・外国人リピーター数を、2020年には2,400万人、2030年までに3,600万人
などの目標を掲げています。
今後、インバウンドの市場はさらに盛り上がっていくと考えられます。しかしながら、小規模の企業や個人事業主では、お金や人員をかけた対策を取れないところも多いでしょう。そんな時に、スマートフォンやタブレットのアプリが役立ちます。
インバウンド対策におすすめのアプリ5選
インバウンド対策に役立つおすすめのアプリを五つ、ピックアップして紹介します。
言語の壁を超える!旅の指さし会話帳アプリYUBISASHI
インバウンド対策と聞いて真っ先に思い浮かぶのが、「多言語化」ではないでしょうか。
「旅の指さし会話帳」のアプリ「YUBISASHI」は、英語や中国語を含めて、22カ国以上の言語に対応しています。無料版は「旅の指さし会話帳」の中から16ページ、有料のプレミアム版なら全ページ収録されています。一度ダウンロードすればオフラインでも使えるので、タブレットなどにダウンロードしておけば必要なときに利用できます。
伝えたいメッセージのイラストをタップすればネイティブによる音声を聞けるので、コミュニケーションが取りやすいのもポイントです。
音声入力でリアルタイム翻訳も可能!Google翻訳
翻訳アプリとして有名なのが、Google翻訳です。テキスト入力すれば、 103言語をその場で翻訳してくれます。
また、インターネットに接続しなくても、59言語を翻訳してくれますので、オフラインでも使えるのが嬉しいポイントです。
カメラ機能を使えば、画像内の文字も翻訳できるので、本や地図などで何かを尋ねられたときにも、対応できると考えられます。お店に掲示する案内文や、ウェブサイトの文章を作るときにも活用できます。
キャッシュレス対応には!Square
海外では現金決済よりもカード決済のほうが普及している国もあり、外国人観光客の中には、キャッシュレス決済に慣れている人も多いと考えられます。
Squareなら、スマートフォンやタブレットにアプリをインストールし、専用のICカードリーダーと組み合わせることで、クレジットカード・QRコード・電子マネーの決済に対応できます。アプリは直感的に操作できるようになっているため、デジタル機器に慣れていない人でも使いやすいのが特徴です。
Squareはアメリカ、カナダ、ヨーロッパ、オーストラリアでもサービスを提供しているため、外国人観光客の中にはすでにSquareを知っている人もいると考えられます。馴染みのある方法で支払いができるとわかれば、お客様も安心して支払いができるかもしれません。
観光情報を紹介!Japan Official Travel App
Japan Official Travel Appは日本政府観光局(JNTO)が提供している、外国人観光客向けのアプリです。観光スポットや名税店、Wi-Fiスポットなどの情報がまとまっているほか、災害情報や病院など、緊急時に役立つ情報も配信されています。
定期的に英語、韓国語、中国語(繁体字・簡体字)で情報が更新されるため、常に新しい情報が手に入るのがポイントです。経営者としては、「どのように各スポットが紹介されているのか」「海外のお客様はどんなことに興味があるのか」という目線で、参考にチェックしてみるといいでしょう。
また、どこを観光しようか迷っている外国人観光客に、アプリを使っておすすめスポットを紹介するという使い方もできます。
乗り換えの説明用に!NAVITIME for Japan
NAVITIME for Japanは、外国人観光客向けのナビゲーションサービスです。乗り換え情報のほか、路線図や、両替所やATMなどのスポットを表示する機能が搭載されています。
時間通りに運行する鉄道やバスなど、日本の交通網は使いこなせれば便利ですが、慣れないと複雑で迷うこともあります。外国人観光客の中には、目的地までどうやって行けばいいのかわからずに困っている人もいるかもしれません。乗り換えアプリや前述した翻訳アプリなどを使って説明できれば、喜んでもらえると考えられます。インストールして実際に使い、操作感を覚えておけば、いざお客様に道や乗り換え方法を尋ねられたときにも対応できます。
インバウンド市場は今後も盛り上がることが予想されます。今回紹介したアプリをうまく活用して、ぜひ外国人観光客に選ばれるお店・施設を目指してみてはいかがでしょうか。
執筆は2019年2月1日時点の情報を参照しています。2022年9月15日に記事の一部情報を更新しました。
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