※本記事の内容は一般的な情報提供のみを目的にして作成されています。法務、税務、会計などに関する専門的な助言が必要な場合には、必ず適切な専門家にご相談ください。
消費減税に備える店舗では、レジの税率設定だけでなく、値札や店内POPなどの価格表示も見直す必要があります。「値札は一斉に貼り替えるのか」「古い税込価格が残るときは、どう案内すればよいのか」と迷う人もいるでしょう。
国税庁が公表している改正案には、条件を満たす場合に新旧の税率による税込価格の表示を認める特例があります。この記事では、食料品の総額表示特例の条件と期間、値札・掲示の具体例、切替前の確認事項を解説します。
※この記事は国税庁資料に基づき、法案が可決・成立した場合の内容を説明しています。実施前には、確定した法令と最新の公表資料をご確認ください1。
📝この記事のポイント
- 消費減税でも総額表示が基本で、値札と実際の支払額を確認する必要がある
- 食料品の総額表示特例は、対応が困難な事情と誤認防止措置が条件になる
- 特例で表示できる税込価格と、会計に適用する税率は分けて考える
- 新旧の値札が混在する売場では、色や印で区別し、見やすい場所に掲示する
- Square POSレジなら商品に適用する税率を設定し、会計時の金額を確認できる
目次
- 消費減税で価格表示はどう変わる?
・基本は引き続き総額表示
・税制改正に伴う「総額表示特例」とは? - 食料品の総額表示特例の期間はいつまで?
- 総額表示の特例を使える条件とは?
・値札の貼り替えが間に合わない事情があること
・実際の支払額を誤認させない掲示をすること
・「税抜価格」「+税」だけの表示はNG - 消費減税に対応する値札・店内掲示の表示例
・新しい税込価格に貼り替える場合
・旧税率の値札が棚全体に残る場合
・新旧の値札が混在する場合 - 価格表示を切り替える前の確認リスト
- Square POSレジで表示価格と会計設定を確認しよう
- まとめ
- よくある質問
・値札はすべて一斉に貼り替える必要がありますか?
・総額表示の特例はどの店でも使えますか?
・税抜価格や「+税」の表示だけでもよいですか?
・値札の金額と会計時の金額が違う場合、どう案内しますか?
消費減税で価格表示はどう変わる?

政府が公表している改正案では、2027年4月1日から2029年3月31日まで、対象の飲食料品の消費税率を8%から1%に引き下げる予定が示されています1。食品を販売する店舗では、値札や商品ラベルなどに表示する税込価格と、会計時の金額を確認する必要があります。
基本は引き続き総額表示
総額表示とは、消費税を含む支払い総額を表示することです。課税事業者が不特定多数の消費者に向けて商品の価格をあらかじめ表示するときは、原則として税込価格を示す必要があります。店舗の値札だけでなく、チラシや広告なども対象です2。
総額表示の基本や業種別の対応は、こちらの記事でも解説しています。
税制改正に伴う「総額表示特例」とは?
税率が変わる日までに、すべての値札を貼り替えることが難しい店舗もあるでしょう。今回の改正案では、このような表示作業の負担に配慮し、条件を満たすことで一定期間は変更前・変更後の税率による税込価格を表示できる特例が設けられる予定です2。
ただし、この特例はあくまでも値札などに表示する価格の表記に関するものです。実際のお支払い時に適用する税率は、変更後は必ず新しい税率を適用しなければなりません。「表示価格と支払い金額が違う」といったお客さまの混乱を避けるためにも、税率が変わったらなるべく早く表示も変えられるよう、あらかじめ準備しておくと安心です。
食料品の総額表示特例の期間はいつまで?

今回の税率変更の対象となる飲食料品を、通常の店頭販売で扱う場合の総額表示特例の期間について、以下の表にまとめました2。
| 期間 | 会計に適用する税率 | 税込価格の表示 | 特例(※) |
|---|---|---|---|
| 2027年1月31日まで | 8% | 8%で計算した価格 | なし |
| 2027年2月1日〜3月31日 | 8% | 8%で計算した価格 | 変更後(1%)の価格の先行表示も可 |
| 2027年4月1日〜5月31日 | 1% | 1%で計算した価格 | 変更前(8%)の価格の継続表示も可 |
| 2027年6月1日以降 | 1% | 1%で計算した価格 | なし |
※特例の適用には、次章で解説する条件を満たす必要があります。税率変更をまたぐ一部の契約など、取引自体に旧税率が適用される経過的な取扱いは含めていません。
つまり条件を満たせば、2027年2月1日から税率8%と1%両方での総額表示が可能になるため、税率変更に先駆けて新しい価格を併記しておくことができます。新税率適用後も、5月31日までは、旧税率が値札に残っていても問題ありません。
このように、特例では同じ売場で新旧税率の値札が混在することが認められていますが、消費者が区別でき、支払額を誤認しない案内が必要です。また、税率引き下げが終了する前後の2029年2月1日〜5月31日にも、今回と同様の特例が設けられる予定です3。
総額表示の特例を使える条件とは?

食料品を販売していれば、どの店舗でも自動的に特例を使えるわけではありません。特例の利用にあたっては、次の条件に当てはまるかを確認しましょう。
値札の貼り替えが間に合わない事情があること
特例は、新しい税率による総額表示にすぐ対応することが困難な事情がある場合のために設けられるものです。国税庁は、夜間に値札を交換する作業が難しい場合や、カタログ・商品パッケージに価格が印刷されており、すぐに変更するのが難しい場合などを例として挙げています2。
一方、変更できない具体的な事情がなく、値札を随時貼り替えているのに旧税率の価格を印刷し続けるような場合や、紙の代わりに電子ペーパーや液晶ディスプレイを使った「電子棚札」を採用しており、すぐに価格表示を変えられる場合などは、税率変更に合わせた速やかな表示切り替えが求められます。
実際の支払額を誤認させない掲示をすること
もう1つの条件が、消費者の誤認を防ぐ措置です。値札がどの税率に基づく価格なのか、会計でどう精算するのかを、商品を選ぶときに分かるように表示・伝達することが求められます2。該当する棚の近くなど、買い物中のお客さまが気づきやすい場所に、わかりやすい掲示を置くことが大切です。
「税抜価格」「+税」だけの表示はNG
特例を使っても、税込価格を省いてよいわけではありません。「本体価格500円」「500円+税」だけを表記するといった、税込価格が分からない表示は引き続き認められません3。
今回認められるのは、条件付きで新旧税率による税込価格を表示することです。税抜表示へ戻せる制度と取り違えないようにしましょう。
消費減税に対応する値札・店内掲示の表示例

ここでは、本体価格500円の食品を例に、2027年4月1日以降の値札と掲示例を解説します。
新しい税込価格に貼り替える場合
本体価格が500円のまま変わらない場合、消費税率8%では税込540円、1%では税込505円になります。
| 税率 | 本体価格 | 消費税額 | 税込価格 |
|---|---|---|---|
| 8% | 500円 | 40円 | 540円 |
| 1% | 500円 | 5円 | 505円 |
税率変更後の新しい値札は「505円(税込)」と表記できます。
旧税率の値札が棚全体に残る場合
特例の条件を満たしている事業者で、棚の食品すべてに旧税率の8%で計算した値札が残る場合について考えてみましょう。この場合、対象となる食品が陳列されている棚の近くに、対象と会計時の扱いを、以下のようにわかりやすく表示します2。
この棚にある食品の値札は、消費税8%で計算した税込価格です。お会計では消費税1%で計算した金額を頂戴します。
先ほどの例なら、値札は「540円(税込)」のままでも、会計時は505円になります。酒類や日用品なども同じ棚で扱う場合は、掲示が対象外の商品まで含むように読めないか確認しましょう。
新旧の値札が混在する場合
貼り替えが一部だけ終わった売場では、新税率の値札に色・印・シールなどの違いを付け、新旧を区別できるようにしておきましょう3。たとえば、対象の食品について1%による表示を赤い値札に統一した場合は、次のように案内できます。
赤い値札がついている食品は、消費税1%で計算した税込価格です。白の値札には8%で計算した旧価格が残っている場合がありますが、お会計では消費税1%で計算した金額を頂戴します。
このように、対象や金額の違いをはっきりわかりやすく伝え、スタッフも貼り替えが終わった棚がどれかを説明できるように情報を共有しておきましょう。
なお、店内飲食と持ち帰りが混在する店については、こちらの記事で詳しい対応を解説しています。
価格表示を切り替える前の確認リスト
値札と掲示の準備作業で混乱しないよう、変更する場所と担当者をそれぞれ決めて進め、スタッフ間で進捗状況を共有できるようにしておきましょう。
| 確認項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 表示場所 | 棚札、商品ラベル、店内POP、チラシ、カタログを洗い出したか |
| 特例の条件 | すぐに対応できない事情と、適用期間を確認したか |
| 切替と掲示 | 担当者・切替日を決め、売場で掲示が見えるか確かめたか |
| 会計との照合 | 対象商品の表示とレジで計算される金額を照合したか |
| 特例終了後 | 値札の切替を終え、不要になった暫定掲示を外す予定を決めたか |
ネットショップや注文サイトを使っている場合は、オンラインの商品ページや広告などの価格表記もあわせて確認しましょう。
Square POSレジで表示価格と会計設定を確認しよう

消費減税に向けては、値札や店内掲示の準備に加え、実際の支払額を計算するPOSレジでも新しい税率を設定する必要があります。
そこでおすすめなのが、税率変更に簡単に対応できるSquare POSレジです。Square POSレジでは店舗スタッフによる簡単な操作で消費税の名称や税区分を作成・設定し、税率を適用する商品を選択できます。現在の8%・10%に加え、新しく1%の税率も簡単に登録でき、税込・税別の計算方法も設定できます。
税率ごとに分かりやすい名称を付けて管理すれば、どの商品にどの税率を適用しているかを確認しやすくなります。税率が変わる商品と変わらない商品を分けて点検し、対象外の商品まで変更していないか、設定が漏れている商品はないかを確かめておきましょう。
具体的な操作方法は、消費税設定の作成と管理をご確認ください。
Square POSレジで店舗の効率をアップ
Square POSレジは、中小企業や個人事業主の業務効率化に役立つ無料アプリです。会計業務に加え、売上分析や在庫管理、スタッフ・顧客の情報管理など、高度な業務も1つのアプリ内で行えます。
まとめ
この記事では、主に価格表示の変更について解説しました。今回の税率改正では、特例として、条件を満たせば売り場内に新旧税率の表示が混在するケースが一定期間、認められる予定です。総額表示の特例を使う場合は、対応が困難な事情があるかどうかを確認し、この記事で紹介した例文などを参考に、誤認を防ぐためのわかりやすい表記を掲示しましょう。
特例が使える店舗でも、お客さまの混乱を防ぐには、なるべく速やかに価格表示を切り替えるのがおすすめです。レジの設定変更や改修、補助金について詳しく知りたい場合は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
よくある質問

消費減税に伴う価格表示について、よくある質問を紹介します。
値札はすべて一斉に貼り替える必要がありますか?
条件を満たす場合は、一定期間、新旧税率による税込価格の表示が認められます。貼り替えが困難な事情を確認し、対象商品と会計時の扱いが分かる掲示を準備しましょう。
総額表示の特例はどの店でも使えますか?
自動的にすべての店に適用されるものではありません。対象の飲食料品について、新しい総額表示への対応が困難な事情があり、実際の支払額を誤認させない措置を講じていることなどが条件になります。
税抜価格や「+税」の表示だけでもよいですか?
いいえ。総額表示義務の対象となる場合、特例期間でも税込価格を省略することはできません。
値札の金額と会計時の金額が違う場合、どう案内しますか?
特例を使う場合は、値札がどの税率に基づく価格なのか、会計でどう精算するのかを示します。新旧表示が混在するときは、色や印で区別し、商品を選ぶ際に目に入る場所へ案内を掲示しましょう。
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執筆は2026年10月26日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。

