ovgo BAKER | Square ターミナル導入事例

「ヴィーガンスイーツ」という言葉を耳にする機会が増えた。牛乳や卵、バターなど動物由来の材料を一切使わない、植物性材料のみのお菓子のことだ。ヴィーガンの人はもちろん、乳製品にアレルギーがある人や、宗教上の理由で食事に制約がある人でも食べることできる。ただ、植物性と聞くと、健康を意識した味で満足できないボリュームなのでは、と思うかもしれない。

溝渕由樹さんがはじめたベイクショップ「ovgo Baker(以下、オブゴベイカー)」では、アメリカで見かけるような大胆なサイズのクッキーを種類豊富に提供している。味も食べごたえもアメリカ仕込みで、卵もバターも使われていないことに驚く。2021年に1号店をオープンし、たった2年で7店舗にまで拡大した。さらに、80店舗以上に卸売りもしている。

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ヴィーガンの焼き菓子店は国内ではまだ珍しいが、オブゴベイカーにはもう一つ先をいく特徴がある。支払方法がオールキャッシュレスなのだ。決済端末に選んだのは、たった1台でキャッシュレス決済も、POSレジの操作も、レシートの印刷もできるSquare ターミナル。

なぜクッキーを販売しようと思い、なぜそれをヴィーガンにすると決めたのか、Squareにしてよかったことなどを代表の溝渕さんに聞いた。

業種 飲食業、食品小売業
業態 菓子の製造、飲食
利用しているサービス Square ターミナルSquare リーダーSquare POSレジSquare データ
導入を検討した理由 ・材料を早いペースで調達できるよう、入金サイクルの早い決済サービスを探していた
・実店舗でもポップアップのイベントでも使える決済端末がほしかった
・複数機器の用意を面倒に感じ、1台でレジが完結する決済端末を探していた
Squareが役に立っている点 ・実店舗でもポップアップでも簡単にキャッシュレス決済を受け付けられる
・オールキャッシュレスが叶い、レジ締めをする必要がなくなった
・売上情報が一つのアカウントに集約され、税理士とのやりとりに手間がかからない
・無料の売上分析機能を活用し、製造数を簡単に判断できている
・現金と同じような感覚で売り上げが入金される

自分の「好き」と世の中の「必要」を掛け合わせた

溝渕さんが大きくて甘そうなアメリカンクッキーに憧れを抱いたのは小さい頃、インターネットを通してだった。日本ではなかなか手に入らず、食べてみたいという思いを胸に画面越しにただ眺めていた。そうしたなか、中学受験に合格したご褒美として家族でニューヨークに行くことになり、夢見たクッキーを口にすることに。食べた瞬間、アメリカンクッキーへの愛情が倍増した。

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社会人になると、食べるだけでなく実際に作るようにもなった。それもたまに作る程度ではない。納得がいく味になるまで夜な夜な作り続けたという。運よく職場にアメリカ人の同僚がいたため、本場の味に近いかどうかフィードバックをもらう、というほどだった。当時は海外のレシピを参考にしながら卵もバターも使っていたそうだが、何をきっかけに植物由来の材料に切り替えたのだろう。

「もともと子どもの人権や食糧問題に興味を持っていました。あるときプラントベース(※)の食生活を送ることで環境負荷が下がることを知ったんです。環境問題は貧困や治安とは切っても切り離せない問題です。そこで完全植物性に興味を持ちました」

※プラントベース……植物由来の食べ物を中心とする食事法

20代半ば、好きなことと世の中に必要なことを組み合わせた仕事ができたらいいと思いはじめたとき、関心があった食糧問題や環境問題を解決する手段として、ヴィーガンクッキーを販売したらどうかというアイデアに至った。

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まずはファーマーズマーケットで販売をはじめた

試食してもらっていた友人たちの後押しを受け、まずはファーマーズマーケットなどに出店してみることにした。当時はDEAN&DELUCAに勤めていたこともあり、兼業の範囲内でクッキーを販売できたらと思っていた。同じようにサステナビリティなどに関心があった小学校の同級生2人の協力も得てのチャレンジだった。渋谷区・青山で開催されるファーマーズマーケットに初出店したのは、2020年1月のこと。

入金の速さを決め手にSquareを導入

ファーマーズマーケットでキャッシュレス決済を中心にお会計ができれば、現金管理の煩雑さから少しは解放されると思い、Square リーダーを入手。売り上げが翌営業日(※)に振り込まれるのが、最大の決め手となった。

キャッシュレス決済の手数料を懸念するビジネスも少なくないが、溝渕さんは導入するメリットのほうが大きいと感じていることから、手数料はそこまで気にならないそうだ。

「クレジットカードで支払ってもらったほうが購入単価が高かったりするので、チャンスロスや手間と比較して考えるとキャッシュレス決済のほうが現金よりいいんじゃないかと思いますね。それにマニュアルで売り上げを記録するのって面倒じゃないですか。そこにかける時間を考えると、デジタルで記録が残ったほうがいいし、手数料分くらいは全然惜しくないと思います。小さいビジネスこそ入金が早いことも大事だし、そういう意味でSquareはいいんじゃないかと思います」

ほぼ毎週出店するとなると、入金サイクルによっては材料の調達が間に合わないと思ったが、Squareではそのような心配は無用だった。ファーマーズマーケット出店時には、毎回数百枚ものクッキーを焼いていたという。

兼業から半年で本業に

ファーマーズマーケットでは、クッキーは毎回完売。その勢いで、カフェなどにもクッキーを卸ろすようになり、少しずつビジネスが広がっていくのを感じていたころに新型コロナウイルス感染症が発生した。動きが止まるかと思いきや、今度は開設したばかりのオンラインショップに注文が舞い込むようになった。当時は幸い在宅勤務をしていたものの、本業と両立できる仕事量ではなくなっていた。卸売りとファーマーズマーケットなどへの出店で自分だけはどうにか養うことができるだろうと思い、2020年7月にオブゴベイカー1本に絞った。

友人のためにもビジネスの拡大に全力で取り組んだ

こうしてオブゴベイカーが本業となった溝渕さんだが、協力してくれている友人たちはまだ兼業のままだった。2人ともゆくゆくはオブゴベイカーを本業にしたいと口にしていたこともあり、できるだけ早く2人を正社員として雇用できるよう、ポップアップを開催し、卸売先を増やしていく日々がしばらく続いた。

大きくことが動いたのは、ラフォーレ原宿での2週間におよぶイベントで出店したときだ。半月弱にも渡るイベントだったこと、たくさんの人が訪れる場所だったことがうまく作用し、ファン層はぐっと広まり、「店舗をはじめられるのでは」という手応えを感じたそうだ。

評判の高まりに応えるようにして東京・小伝馬町に実店舗をオープンしたのは、2021年6月のこと。友人らは、晴れて社員になった。さらにはポップアップへの来店をきっかけに店舗の主要メンバーになった人もいるという。

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オールキャッシュレス店舗にSquare ターミナルを導入

ポップアップのときは現金も扱っていたが、実店舗ではオールキャッシュレスにすると決めていた。前職ではレジ締めが最もきらいな作業で、お店をやるならレジ締めをはじめ、現金管理の手間を極力減らしたいと考えていたそうだ。さらにレシートプリンターにPOSレジ、決済端末……と複数の機器を揃えるのは面倒に感じていた。そこで見つけたのが、一台でレジが完結するSquare ターミナルだ。

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現金を扱わないので、店舗でのレジ締めはなし。Squareの管理画面にログインするだけで全店舗の売り上げが確認できるため、1日の終わりにそれぞれの店舗の売上レポートのスクリーンショットを撮り、スタッフに共有するだけだという。実店舗・ポップアップの売り上げが1カ所にまとまっているので、税理士とのやりとりにも時間がかからない。決算書などを作成する際にしていることは、アカウントのログイン情報の共有だけだという。

Squareの管理画面からは売り上げを商品別で見ることもできる。ロスをできるだけ抑えるためにも、製造数の判断には必ず参考にしているそうだ。ちなみに断トツで人気を集めているのは、インポッシブルチョコレートチップ。次に人気なのはバナナブレッドだという。

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店舗には常時30種類ほどの焼き菓子があり、加えて店舗ごとの限定メニュー、季節限定メニューがあったりと種類が豊富で、どれにしようかと迷っているお客様の姿も目立つ。期間限定のクッキーは商品別売上のページを見て、売れ行きがよければ常時メニューに切り替えることもあるという。

POSレジのメニュー登録はどのように行っているかと聞くと、これまでは店舗ごとに登録していたと教えてくれた溝渕さん。ところが商品名にばらつきがあると正確にデータ分析ができないことがわかり、最近になって商品名を統一し、全店舗に反映したそうだ。Squareなら一つのアカウントから複数店舗の在庫を管理できるので、エクセルファイルなどで商品名を修正し、在庫管理のページにアップロードすれば同じ内容が全店舗に即時に反映される。

カードも電子マネーも、マルチ決済端末はこれ1台

全画面タッチディスプレイ、レシート印刷機能、ワイヤレスで持ち運び可能、スタイリッシュなオールインワン決済端末「Square ターミナル」でキャッシュレス決済を始めよう。

ニーズに応えていくうちに2年で7店舗まで拡大

たったの2年で7店舗にまで拡大したオブゴベイカー。東京に4店舗、長野、京都、福岡にそれぞれ1店舗ずつある。1号店開業時にはここまで店舗数を増やそうとは特に考えていなかったそうだが、うれしいお声掛けや「もっといろんなところで買えたら」というお客様の要望を受け、「興味を持ってもらえるんだったらやります!の繰り返しで店舗数も増えていきました」と溝渕さんは話す。

プラントベースの食べ物が気軽に楽しめる機会をもっと作りたいという思いがあるため、店舗にとどまらず、各地でのポップアップも継続して開催している。このときは当初と変わらず、Square リーダーを使用しているそうだ。実店舗だけでなくポップアップでも簡単にキャッシュレス決済が受け付けられるのは、溝渕さんが特に気に入っている点だ。

「端末さえあればどこでも使えるので、イベントに出店したい人には本当にいいと思います」

使い心地については、「従業員に決済端末だけ持たせて、携帯にSquareのPOSレジアプリを入れてもらえたらそれだけでレジができるので、やりやすいです」とのこと。従業員のほとんどが20代前半でスマートフォンに慣れていることもあり、一度使い方を見ればすぐに操作できるという。月額利用費もかからないので、出店していない月にコストがかかることもない。また、溝渕さん自身が現地に行けない日でも、Squareの管理画面にログインすればその日の売り上げがすぐにわかる。

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プラントベースの食をもっと広めていきたい

ポップアップにはオブゴベイカーのコンセプトに共感する層が足を運んでくれる一方で、実店舗にはヴィーガンとは知らずに会社員や年配の方がふらりと立ち寄ることも多い。ポップアップと実店舗の両方の場があることで、さらなる客層の広がりを感じているという溝渕さん。今後もポップアップ開催やカフェへの卸売りなどを店舗と並行して続け、気軽にプラントベースの食べ物が手に入る機会を増やしていきたいという。2023年3月に東京・日本橋にオープンした「ovgo Baker Edo St. EAST」では、イートインスペースも設け、軽食にも力を入れていく予定だという。おいしさを追求すると同時に、環境や人を思いやるオブゴベイカーのさらなる広がりが楽しみだ。

「端末さえあればどこでも使えるので、イベントに出店したい人には本当にいいと思います」ー株式会社 ovgo 代表取締役 溝渕由樹さま

Squareが実現したこと

レジ締めをなくすことができた

オブゴベイカーではSquare ターミナルを導入し、店舗での決済をオールキャッシュレスにしています。現金を扱わないことでレジ締めを行う必要がなく、各店舗の1日の売り上げはSquareのアカウントにログインするだけで、確認することができます。

どこでもキャッシュレス決済を受け付けられる

プラントベースの食文化を広めていくためにも、オブゴベイカーでは実店舗の運営は合わせて、全国各地でのポップアップ開催に力を入れています。スマートフォンさえあれば、どこでも簡単にキャッシュレス決済を受け付けられるSquare リーダーを活用することで、現金管理を極力減らしたいという希望を叶えることができています。また、操作が簡単なため、従業員は特別なトレーニングを受けなくてもすぐに使いこなせるそうです。

多店舗管理ができる

Squareでは一つのアカウントに最大300店舗まで紐づけることができるので、オブゴベイカーではポップアップを含め、全店舗の売り上げや在庫を一つのアカウントから管理・確認することができています。

適切な製造数を判断することができる

Squareにはアカウントにログインするだけで商品別売上を確認できる無料の機能があります。溝渕さんは製造数を判断する際にこの機能を活用し、それぞれの商品の売れ行きを確認し、ロス削減につなげているそうです。

売り上げが迅速に入金される

今では全国に7店舗あるオブゴベイカーですが、当初はほぼ毎週ファーマーズマーケットに出店してクッキーを販売していました。当時は手元資金が少なく、出店時の売り上げがすぐに入金されないと次回の出店までに材料を調達できないと予測していました。Squareからは翌営業日に(※)売り上げが振り込まれたため、数百枚分のクッキーの材料費も難なく調達することができました。

※Squareアカウントに三井住友銀行またはみずほ銀行の口座を登録している場合は、0:00 から23:59 までの決済分が、決済日の翌営業日に振り込まれます。三井住友銀行とみずほ銀行以外の金融機関口座をご登録の場合、毎週水曜日で締め、同じ週の金曜日に合算で振り込まれます(毎週木曜日 0:00 から翌週水曜日 23:59 までのカード決済額が、翌週金曜日に振り込まれます)。詳細はこちら

この事例に登場したSquareのサービスは:

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