日々の業務に追われる中で、「もっと本業に集中したいのに、事務作業ばかりに時間を取られている…」と感じたことはありませんか? 特に中小企業やフリーランス、個人事業主にとって、限られた時間と人材をどう活用するかは、事業の成長を左右する重要な課題です。
そこで注目されているのが、「事務代行サービス」の活用です。経理や人事、書類作成からカスタマーサポートまで、面倒なバックオフィス業務を外部に委託することで、業務の効率化やコスト削減が実現できます。この記事では、事務代行サービスの概要やメリット、提供されている主なサービス内容、料金相場、契約時の注意点、そして代替手段として活用できるツールについて、わかりやすく紹介します。
目次
- 事務代行とは?
- 事務代行サービスのメリット
・コストが削減できる
・業務効率が上がる
・専門スキルを活用できる
・繁忙期のサポートが期待できる - 事務代行の主なサービス内容
・経理・会計業務
・人事・労務管理
・データ入力・書類作成
・カスタマーサポート
・オンライン秘書業務 - 事務代行の料金相場
・一般的な料金体系と特徴 - 事務代行を契約する際の注意点
・依頼できる業務範囲を確認する
・セキュリティー対策の確認をする
・コミュニケーションの取り方を明確にしておく - 事務代行サービス以外を検討するなら
・Squareの勤怠管理システムは無料で導入できる
・Square 請求書があれば請求書業務の自動化も簡単 - まとめ
事務代行とは?
事務代行とは、企業や個人事業主が日常的に行っているバックオフィス業務(経理処理、請求書の作成、勤怠管理、スケジュール調整、資料作成など)を、外部の専門業者に委託するサービスのことを指します。最近では、リモートワークやクラウドシステムの普及により、物理的な距離を問わず業務を依頼できる環境が整ってきており、スタートアップから中小企業、フリーランスに至るまで、多様なビジネスシーンでの活用が進んでいます。
従来、これらの事務作業は社内の事務員や管理部門が担っていましたが、社内リソースが限られている中で、本来注力すべき業務とのバランスを取るのが難しくなることもあります。事務代行サービスはそうした課題を解決する方法の一つです。
事務代行サービスのメリット
事務代行を導入することで得られるメリットは多岐にわたります。ここでは代表的な四つの利点についてご紹介します。
コストが削減できる
新たに事務スタッフを雇用する場合、給与はもちろん、社会保険料や福利厚生費、採用にかかる広告費に加えて、面接・教育の時間といった目に見えないコストも発生します。一方、事務代行サービスであれば、必要な業務を必要な分だけ依頼できるため、最小限のコストで済みます。
業務効率が上がる
日常業務の中で、ルーチンワークに多くの時間を取られてしまい、本業に集中できないという悩みを抱える経営者やスタッフは少なくありません。事務作業を外部に委託することで、社内のリソースを売上向上や商品開発、顧客対応といった「本当に必要な業務」に集中させることが可能になります。特に少人数で運営しているビジネスにとっては、限られた時間と人材を最大限に活用するための有効な手段です。
専門スキルを活用できる
事務代行業者の多くは、経理や会計、人事、総務といった専門知識を持つスタッフを抱えており、社内ではカバーしきれない領域でも高い精度で対応してくれます。たとえば、仕訳入力や決算サポート、社会保険手続きといった専門性の高い業務も、専門家に任せることでミスを防ぎ、法改正にも柔軟に対応できます。
繁忙期のサポートが期待できる
決算期や繁忙期、イベントシーズンなど、一時的に業務量が増加する時期には、社内の対応が追いつかなくなることもあります。そうしたタイミングでも、事務代行を活用すれば、柔軟にサポートを受けることが可能です。必要な期間だけ依頼することができるため、無理なく業務の山を乗り越える手助けとなります。
事務代行の主なサービス内容
事務代行と一口に言っても、その対応範囲は非常に広く、業種や業態によって依頼内容も異なります。特に中小規模の事業者やフリーランス、自営業者にとっては、「本業以外の雑務」にどれだけ時間と労力を奪われているかが、業績や成長スピードに直結するケースも少なくありません。
ここでは、事務代行でよく利用される主要な業務についてご紹介します。
経理・会計業務
経理業務は、どの事業形態であっても避けて通れない日常業務の一つです。領収書の整理や帳簿付け、取引明細の記録といった作業は、時間がかかるうえに専門的な知識も求められます。
事務代行では、クラウド会計ソフトと連携した記帳代行や、請求書・領収書の発行・送付業務、入金管理など、会計まわりのルーチン作業を幅広くサポートしてくれます。税理士と連携して帳簿を整えるところまで対応してくれる業者なら、確定申告の時期にも心強い味方となります。
人事・労務管理
従業員やパートスタッフを雇用している場合には、給与計算や勤怠管理、社会保険の加入・脱退など、煩雑な手続きが発生します。これらの人事・労務関連の業務も、事務代行サービスで対応可能です。特に給与計算はミスが許されない重要業務のため、専門知識のあるスタッフに委託することで、トラブルや信頼の損失を回避できます。
また、法改正などに伴う労務対応の見直しが必要になる場面でも、外部の知見を生かせるため安心です。業者によっては社会保険労務士との連携があるケースもあり、手続きの代行もスムーズに進められます。
データ入力・書類作成
「日々の業務で大量に発生するデータの入力作業」「顧客リストの整備」「議事録の整理」「アンケート結果の集計」など、地道ながら時間を要する作業も事務代行の得意分野です。
単純な作業に思えますが、こうした細かい業務が積もり積もって、事業者の本業にかける時間を圧迫しているケースは非常に多いです。
事務代行では、スプレッドシートやExcel、各種クラウドツールに対応した入力作業をスピーディに代行してくれるため、業務の効率化に大きく貢献します。また、契約書やマニュアル、営業資料などの文書作成補助を依頼することも可能です。
カスタマーサポート
少人数体制で運営している事業者にとって、問い合わせ対応は思いのほか負担の大きい業務です。メールや電話での問い合わせに即時対応できないと、顧客満足度の低下や機会損失にもつながりかねません。
そこで有効なのが、カスタマーサポートの外注です。事務代行業者によっては、専任スタッフがクライアント企業の一員として電話応対やメール返信、簡単な受注対応や予約管理を代行してくれます。時間帯や曜日を指定して一部の業務だけを依頼することもでき、必要な分だけ利用できる柔軟性の高さも魅力です。
オンライン秘書業務
近年需要が高まっているのが、オンライン秘書サービスです。スケジュール管理や会議の調整、出張手配、資料作成、備品発注など、まさに“右腕”のような役割を担ってくれる存在です。
クラウドカレンダーやチャットツール、ZoomやGoogle Meetなどを活用しながら、離れていてもきめ細かいサポートが可能なのが特徴で、特にフリーランスやひとり社長にとって心強いサービスです。秘書業務に特化した事務代行では、ビジネスマナーやITスキルを備えたスタッフが在籍していることが多く、安心して業務を任せることができます。
事務代行の料金相場
事務代行サービスを検討する際、多くの人が気になるのが「どのくらいの費用がかかるのか?」という点です。サービス内容や業者によって価格はさまざまですが、主に以下の三つの料金体系が一般的です。
一般的な料金体系
【月額制】
一定の業務を継続的に依頼したい場合に向いているのが月額固定制です。たとえば「毎月20時間までサポート」「週2回の定期対応」など、契約内容に応じて料金が決まります。相場としては月額3万円〜10万円前後が中心で、継続的なサポートが必要な場合にはコストを抑えやすいのが特徴です。
【時間単価制】
「スポットで使いたい」「忙しい時だけ頼みたい」という場合には、時間単価制が便利です。作業した時間に応じて費用が発生し、1時間あたり2,000円〜5,000円程度が相場です。専門性の高い業務(経理や人事など)の場合はやや高くなる傾向があります。
【従量課金制】
作業の件数や処理量に応じて料金が決まる形式で、たとえば「請求書1件あたり〇円」「データ入力100件ごとに〇円」といったイメージです。明確に作業量が見えている業務には適しており、無駄なコストを抑えたい人におすすめです。
事務代行を契約する際の注意点
事務代行は、業務の効率化やコスト削減に大きく貢献する便利なサービスですが、外部に業務を任せるからこそ、契約前にしっかりと確認しておきたいポイントがいくつかあります。ここでは、トラブルを避け、スムーズに業務を進めるために押さえておくべき三つの注意点を解説します。
依頼できる業務範囲を確認する
事務代行と一口に言っても、対応できる業務内容は業者やプランによって異なります。たとえば、「経理業務の一部だけ対応可能」「人事関連は対象外」「電話対応は追加料金が必要」など、細かな条件が設定されているケースもあります。
契約前には、自分が依頼したい業務を具体的に洗い出し、そのすべてに対応できるかどうかを確認しましょう。曖昧なまま契約してしまうと、「お願いしたい作業ができなかった」「想定以上の費用がかかった」といったミスマッチにつながる恐れがあります。できれば、業務ごとの対応範囲や料金体系を文書で提示してもらうのが安心です。
セキュリティー対策の確認をする
外部に事務作業を委託する際、顧客情報や売上データ、契約書などの機密情報を扱う場面が多くなるため、セキュリティー面の確認は非常に重要です。
事務代行業者が、情報漏洩防止のためにどのような対策を講じているか(データの暗号化、パスワード管理、アクセス制限、社内教育など)を事前にチェックしましょう。また、個人情報保護法への対応状況や守秘義務契約(NDA)の締結有無も確認すべきポイントです。
小規模な事業者こそ、ひとつのトラブルが信頼や顧客離れに直結する可能性があるため、リスク管理の意識を持つことが大切です。
コミュニケーションの取り方を明確にしておく
業務委託がうまくいくかどうかは、日々のやりとりのスムーズさにかかっているといっても過言ではありません。事務代行はリモートでの対応が多いため、連絡手段(メール・チャット・電話・オンラインミーティングなど)や対応時間、報告・連絡・相談の頻度など、コミュニケーションのルールを事前に取り決めておくことが重要です。
また、「どこまでを判断して任せてよいのか」「どのような場合に報告が必要か」といった業務の進め方のスタンスも共有しておくと、双方にとってストレスなく仕事を進めることができます。トライアル期間を設けてお互いのスタイルを確認するのもおすすめです。
事務代行サービス以外を検討するなら
事務代行サービスは非常に便利ですが、「まずは自社でできる範囲から自動化したい」「コストを抑えて業務改善を図りたい」と考える人も少なくありません。そんなときに役立つのが、Squareが提供する業務効率化ツールです。無料で使える機能も多く、小規模事業者にとっては非常に導入しやすい選択肢です。
Squareの勤怠管理システムは無料で導入できる
従業員の出勤・退勤の記録を手書きで管理していたり、Excelに手入力していたりすると、集計ミスや労力の増加が課題になります。Squareが提供する勤怠管理システムを使えば、スマートフォンやタブレットから出退勤をタップ一つで記録でき、勤務時間の集計も自動で行えます。
このシステムは無料で利用可能で、複雑な初期設定も不要。POSレジと連携して「実際に働いた時間に応じた給与計算の元データ」としても活用できるため、後の給与計算業務もぐっと楽になります。スタッフ数が少ない事業者や、パート・アルバイトを雇っている店舗には特におすすめです。
Square 請求書があれば請求書業務も簡単
取引先への請求業務は、金額の記入ミスや期日の管理など、地味ながら神経を使う作業です。そんなときに活躍するのが、Squareのクラウド請求書機能です。テンプレート化されたフォームに必要事項を入力するだけで、請求書や見積書を作成できます。
繰り返しの請求にも対応しており、たとえば毎月決まった金額を同じ顧客に請求する場合は、自動送信設定もできます。さらに、支払い状況の確認やリマインド送信も管理画面から簡単に行えるため、「請求したのに入金がない」というトラブルの抑止にもなります。こちらも無料で利用を開始でき、手数料は決済時のみ発生するシンプルな仕組みです。
まとめ
事務代行サービスは、単なる「人手不足の穴埋め」ではなく、専門スキルを外部から取り入れ、経営の質を高めるための戦略的な選択肢です。特に人員リソースに限りがある中小企業や個人事業主にとって、時間と手間のかかるバックオフィス業務をプロに任せることは、売り上げや顧客満足度の向上にもつながります。
一方で、「コストをできるだけ抑えたい」「まずは業務の一部だけを効率化したい」という人には、Squareのような無料・低コストの業務支援ツールも非常に有効です。勤怠管理や請求書作成など、今すぐ始められる範囲から取り組んでみることで、自社の課題や必要な支援の種類がより明確になるでしょう。
Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。
執筆は2025年5月22日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash