車屋は独立して儲かるのか?収益性と成功のポイントを解説

「クルマが好き」「いつかは自分の車屋を持ちたい」という夢を持つ人も多いのではないでしょうか。しかしその一方で、「本当に儲かるの?」「失敗しないためには何が必要?」という不安もつきものです。

この記事では、中古車販売で独立を目指す人に向けて、収益の仕組みから必要な準備、運営のコツ、そして業務効率化のツールまで、実際に役立つ情報をまとめました。

【この記事のポイント】
-中古車販売は工夫次第で安定した収益が見込めるビジネス
-成功のカギは仕入れルートと集客戦略の確保
-年収は300万〜1,000万円超まで幅があり、戦略で大きく変動
-小規模開業には最低300万円程度の資金が必要
-Square 請求書を使えば請求業務を簡単・効率化できる

目次


車屋は独立して儲かるのか?

「いつかは車屋を開業したい」と考えている人にとって、一番気になるのは「本当に儲かるのか?」という点ではないでしょうか。中古車販売は十分に利益を上げられるビジネスモデルですが、業界特有の仕入れや集客の難しさもあり、ただ車を並べれば売れるという時代ではありません。

仕入れや集客がカギを握る

中古車販売で成功するかどうかを大きく左右するのが「仕入れ」と「集客」です。仕入れは、オークションや業者間の取引などを通じて車両を安く手に入れる作業です。特に初心者の場合、相場観がないと割高な車を仕入れてしまい、利益が出にくくなることもあります。また、車両の状態や整備履歴も重要なチェックポイントです。

一方、集客はオンラインとオフラインの両輪で考える必要があります。今やSNSや中古車ポータルサイトでの情報発信は必須の時代です。口コミやレビューも売り上げに直結するため、誠実な対応と顧客満足度の積み上げが後々の利益につながっていきます。

車屋の平均年収と収益の仕組み

独立して中古車販売を始める前に気になるのが、「実際、どのくらい稼げるのか?」というリアルなお金の話ではないでしょうか。ここでは、中古車販売業の年収事情と収益構造について見ていきましょう。

車屋の平均年収はどのくらい?

個人で中古車販売業を営む場合、年収は幅がありますが、おおよそ300万円〜800万円程度が一つの目安といわれています。特に開業直後は利益が安定しづらく、年収300万円前後になることもあります。しかし、仕入れの工夫や販売戦略を強化することで、年収1,000万円以上を目指すことも可能です。

成功している経営者の年収は1,000万円~2,000万円以上に達することもあります。その差を生むのは以下のようなポイントです。

  • 販売台数
  • 利益率の高い車種の扱い
  • 経費管理の徹底
  • 多角的な収益源の確保

収益の仕組み

中古車販売の収益は、大きく分けて以下の四つの柱で構成されます。

1. 車両販売の粗利:仕入れた車に適切な整備・清掃を施し、適正価格で販売することで得られる利益
2. ローン・保険の手数料:自動車ローンや自動車保険の契約時に得られる紹介手数料
3. アフターサービス・整備収入:車検、オイル交換、タイヤ交換などの整備サービスでの売り上げ
4. 下取り・買取差益:顧客からの下取り車を再販することで得られる利益

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車屋が儲かる仕組みとは?

中古車販売は「薄利多売」や「高リスク」といったイメージを持たれがちですが、戦略次第でしっかりと利益を出せるビジネスです。ここでは、車屋が利益を上げるために押さえておくべき三つのポイントをご紹介します。

仕入れルートの確保

まず最も重要なのが「仕入れ」です。中古車販売の利益は、仕入れの段階でほぼ決まるといっても過言ではありません。

  • オークション:業者向けの中古車オークションでは、全国の車両がリアルタイムで売買されています。相場を理解し、良質な車を見極めるスキルが必要ですが、仕入れ価格を抑えやすいのがメリットです。

  • 直接買取:個人から車を買い取るスタイルです。買取価格の設定次第で、高い利益率を出せる可能性があります。信頼関係の構築や査定の正確さがカギとなります。

  • 委託販売:在庫リスクを抑えながら販売できる方法です。オーナーから車を預かり、販売成立時に手数料を得る形のため、初期費用を抑えたい人におすすめです。

いずれのルートも、一度きりではなく「継続的に仕入れられる関係性」を築くことが安定収益につながります。

利益率を高める工夫

中古車販売で儲けを出すには、「どれだけ高く売るか」ではなく「いかに効率よく売り続けられるか」がポイントになります。

  • 高回転率を意識する:1台の利益が少なくても、回転数を上げることで月間の利益総額が増えます。相場より少し安く売ってでも、在庫を抱えずに次へつなげる方が結果的に得をすることも。
  • ニッチ市場を狙う:軽バン専門、外車専門、旧車専門など、特定のジャンルに特化することでファンやリピーターがつきやすく、値崩れしにくいのもメリットです。
  • 付加価値サービスを取り入れる:コーティングやナビ取付、ドライブレコーダー装着など、オプションでの利益確保も有効です。とくに納車時の仕上がりが良いと、口コミにもつながります。

コストを抑える運営方法

収益を最大化するためには、「いかにコストを抑えられるか」も同じくらい重要です。

  • 自宅ガレージや小スペースを活用:最初から大きな展示場や整備工場を構える必要はありません。自宅の敷地や月極ガレージを使えば、賃料を大幅に節約できます。
  • オンライン販売の活用:SNSや中古車ポータルサイトを活用すれば、物理的な展示スペースがなくても集客が可能です。問合せから商談、納車までをオンラインで完結させる店舗も増えています。
  • 少人数・兼業スタイルでのスタート:副業として週末だけ販売、整備士としての本業のかたわらで運営、というスタイルも一つの方法です。人件費や固定費を抑えながら、まずは小さくはじめることでリスクを抑えられます。

車屋として独立する方法と必要な準備

ここでは、独立に必要な基本ステップを見ていきましょう。

必要な資格・許可

中古車を販売するには、いくつかの法律的な手続きが必要になります。特に以下の3点は開業前に必ず押さえておきたいポイントです。

  • 古物商許可:中古品を扱う事業に必須の許可で、都道府県の公安委員会に申請します。取得までには約1~2カ月かかることもあるため、早めの手続きが肝心です。
  • 開業届(個人事業主)/法人設立:個人ではじめるなら税務署への開業届提出が必要です。法人として立ち上げる場合は、会社設立の登記や法人税関連の手続きも加わります。
  • 自動車関連の資格(任意):必須ではありませんが、中古車販売士や中古自動車査定士、自動車整備士などの資格があると、顧客からの信頼を得やすくなります。特に仕入れや整備の目利き力を高めたい人にはおすすめです。

開業資金の目安

中古車販売は、業種の中では比較的「小さく始められる」ビジネスです。とはいえ、開業にあたってはある程度の資金が必要です。

  • 小規模開業の場合(300万円〜500万円)
    自宅敷地や小型ガレージで始めるスタイルです。車両2〜3台分の仕入れ費用、名義変更・整備費用、広告・備品などで、300万円前後が目安です。
  • 本格開業の場合(1,000万円〜)
    展示場や整備工場、複数人のスタッフを持つ規模感の場合です。在庫台数や場所によっては、初期費用が1,000万円以上になるケースもあります。

ポイントは、最初から無理をしないことです。スモールスタートで実績と資金を積み上げてから、徐々に規模を拡大する選択肢も十分に現実的です。

成功するための事業計画

事前に「誰に・何を・どうやって売るか」を明確に描き、しっかりとした事業計画の作成が欠かせません。

  • ターゲットの明確化
    「若年層向けの格安車」「子育て世代向けのミニバン」「旧車マニア向けのレア車」など、どんなお客さまに喜んでもらいたいかを絞り込むことで、仕入れや販売戦略がブレなくなります。
  • 販路の設計
    オンラインとオフライン(店舗・展示会・知人紹介)をどう組み合わせるかも重要です。特に地方では、地域密着の口コミが強い武器になります。
  • 資金繰りと収支管理
    車は単価が高く、1台仕入れるだけでも数十万円単位の出費があります。月々のキャッシュフローを把握し、必要なら日本政策金融公庫などの融資制度を活用するのも検討しましょう。

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失敗しないためのポイント

長く安定して事業を続けていくためには、始める前からリスク回避の視点を持つことが大切です。ここでは、開業前・運営中の両面から押さえておきたい失敗しないためのポイントをご紹介します。

仕入れミスを防ぐ

仕入れで利益が決まるといわれる反面、初心者が最も失敗しやすいのもこの仕入れの段階です。

  • 市場ニーズの把握
    まずは地域やターゲット層にどんな車が求められているか、リサーチしましょう。ファミリーカーが売れやすいエリア、軽自動車が主流の地方都市など、地域ごとの特徴も要チェックです。
  • 相場の理解
    中古車のオークションやポータルサイトで、車種ごとの相場を日々チェックします。仕入れ価格と販売価格のギャップを見極める「目利き力」を身につけることが肝心です。

在庫リスクを最小限にする

中古車は仕入れてから売れるまでの期間が長くなればなるほど、保管コストや資金繰りのリスクが増します。こうした在庫リスクを減らす工夫も重要です。

  • 予約販売(オーダー販売)
    お客さまの希望車種や予算に応じて、必要な車を仕入れるスタイルです。在庫を持たずに済むので資金効率が高く、初心者にもおすすめです。
  • 委託販売
    オーナーから車を預かり、売れたら手数料をもらう仕組みです。仕入れリスクを負わずに販売できるので、利益は少なめでも安全にスタートできます。

集客戦略を強化する

どんなに良い車を揃えても、見てもらえなければ売れません。近年では、ネット集客の重要性が急速に高まっています。

  • SNS(Instagram、X、TikTok)
    在庫車両の紹介や整備風景、納車シーンなどを日々発信します。フォロワーとの関係構築が、問い合わせや紹介につながります。
  • YouTube
    車両紹介や整備解説などの動画を発信します。顔出しができる場合は、特に信頼感アップにつながりやすく、集客にも効果的です。
  • Google マップ対策(MEO)
    地元で検索されたときに表示されるよう、Google ビジネスプロフィールを整備します。口コミにも丁寧に返信しましょう。
  • 公式ウェブサイト
    在庫車情報、会社概要、アクセス方法などをまとめた簡単なサイトでも構いません。信頼性の向上に役立ちます。

信頼を得る接客とアフターサービス

中古車販売でリピーターや紹介が増えるかどうかは、「売った後」の対応がカギです。価格競争だけではなく、信頼を積み上げていくことが、長期的な利益につながります。

  • 丁寧なヒアリングと説明
    お客さまのニーズに合わせて提案し、車両の状態・履歴も包み隠さず説明します。信頼される販売員を目指しましょう。
  • 納車後のフォロー
    無料点検の案内、メンテナンス割引など、購入後も関係を続けることで、「またお願いしたい」「友人を紹介したい」と思ってもらえます。
  • 口コミの依頼も積極的に
    満足してもらえたお客さまには、Google マップやSNSへのレビュー投稿をお願いしてみましょう。口コミは、新規顧客への安心感にもつながります。

Square 請求書で請求業務を効率化

中古車販売や整備業務では、販売した車両の代金回収や整備費用の請求など、日々の請求業務が発生します。紙の請求書やエクセルでの管理だと、どうしても手間やミスが発生しがちです。

そこでおすすめしたいのが、クラウド請求書を活用した請求業務のデジタル化です。Square 請求書なら、スマートフォンやパソコンからいつでもどこでも請求書の作成・送信が可能。車両の販売価格、整備内容、パーツ代などもテンプレートに沿って入力するだけです。Square 請求書にはクレジットカード決済機能が付いているため、受け取った顧客はそのままカードで支払いができます。

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まとめ

中古車販売は、「好き」を仕事にできるうえに、工夫次第で収益化できるビジネスです。ただし成功するためには、仕入れ・集客・資金管理といった地道な工夫と、信頼を築く接客力が求められます。開業時はなるべく小さくスタートし、実績とノウハウを積み重ねていくのが失敗しないための基本。請求業務のような事務作業は、Square 請求書のようなクラウドツールを活用して効率化することで、より本業に集中できる環境が整います。


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執筆は2025年6月27日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash