海外向けネットショップ運営に​必要な​海外配送の​基礎知識

ネットショップを​運営している​人の​中には、​商品を​海外の​お客様にも​届けたいと​考える​人も​いる​ことでしょう。​海外の​消費者を​ターゲットに​した​ネットショップを​開設したいと​いう​人も​いるかもしれません。​海外に​商品を​届けるには​海外配送が​不可欠です。​海外配送は、​配送距離が​長いだけでなく、​国境を​越える​ため、​手続きや​規制、​梱包に​注意が​必要です。​本記事では、​ネットショップが​海外に​商品を​配送する​上で​押さえて​おきたい​基礎知識に​ついて​説明します。

目次



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国内配送と​海外配送の​違い

海外配送と​いうと、​配送距離が​長い​ことから​「送料が​高い」​「商品が​壊れないか​不安」と​いう​声が​聞かれます。​確かに​海外配送では、​特に​配送対象の​サイズが​大きくなる​ほど​国内配送と​比べて​送料が​高くなります。​送料に​ついては​安全かつなるべく​安価で​配送できる​方法を​検討したうえで、​必要な​コストと​してお客様に​説明し理解して​もらうようにしましょう。​また、​商品は​丁寧かつ、​税関で​開封される​場合に​開封しやすい形で​梱包する​ことで、​ある​程度破損の​リスクを​抑えられます。

国内配送と​海外配送の​違いは、​送料や​商品の​扱われ方だけでは​ありません。​海外配送には​禁止物品や​規制が​あり、​関税が​かかる​ことも​あります。​これらに​ついてきちんと​知らずに​海外配送を​始めると、​思わぬトラブルが​発生するかもしれません。

海外配送を​したい​商品を​決めたら、​禁止物品に​あたらないか、​規制の​対象とならないかを​入念に​調査しましょう。​日本郵便の​ウェブサイト上に​ある​郵送禁止物品の​リストが​参考に​なります。​国や​地域に​よって​輸出が​禁止されている​物品が​異なるので、​国や​地域の​規制を​調べるのも​重要です。

参考:国際郵便条件表 各国共通の​条件​(日本郵便)

郵送禁止物品の​リストに​含まれていなくても、​規制の​ある​物品が​あります。​たとえば、​植物や​種子が​その​一つです。​植物や​種子の​場合は、​植物防疫所に​問い​合わせ、​検疫など​必要な​手続きを​確認しましょう。

商品が​海外配送可能か、​手続きは​どうしたら​よいのか、​予め税関や​配送業者に​問い​合わせておくと​ネットショップに​とっても​お客様に​とっても​安心です。

参考:植物検疫制度に​ついて​(植物防疫所)

海外配送では、​商品が​国境を​越える​ときに​税関を​通ります。​税関では​インボイスと​呼ばれる​書類を​提出する​必要が​あります。​インボイスは​請求書のような​もので、​送り状と​呼ばれる​ことも​あります。​決まった​形式は​ありませんが、​送り主、​送り先、​梱包されている​商品の​内容などを​正確に​記載する​ことが​大切です。​日本郵便が​インボイスの​フォーマットを​ウェブサイトで​公開しているので​参考に​すると​よいでしょう。

参考:インボイスフォーマットの​ダウンロード​(日本郵便)

高額の​商品や、​発送先の​国や​地域で​課税対象と​なっている​商品の​場合、​関税が​かかる​ことが​あります。​関税は​原則商品を​購入した​お客様に​請求されます。​予想外の​関税が​請求されると、​お客様は​驚く​ことでしょう。​海外配送しようと​している​商品に​関税が​かかる​可能性が​あるのかないのか、​どの​程度の​関税が​かかる​可能性が​あるのかを​事前に​調べ、​関税に​ついて​ネットショップで​お客様に​対して​明示する​ことを​忘れないでください。

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海外配送方法の​種類と​選び方

海外配送方法を​選ぶときに​気になるのが​「送料」​「配送日数」​「安全に​商品が​届くか」の​三点です。​加えて、​大きな​商品で​あれば​配送方法が​限られます。​ここでは​代表的な​海外配送業者と​配送方法を​紹介します。

日本郵便の​海外配送サービス

日本郵便の​サービスを​使った​海外配送は​選択肢が​多く、​かつ近くの​郵便局から​発送でき、​集荷依頼もできるので、​海外配送を​考える​ネットショップに​身近な​選択肢と​いえます。​法人で​あれば​営業訪問を​依頼して、​海外配送に​ついて​相談できます。

参考:営業訪問受付・​お見積もり​(日本郵便株式会社)

最速を​うたう​EMS​(国際スピード郵便)には、​通常配送の​ほか、​冷凍・冷蔵で​配送可能な​クールEMSと​いう​サービスも​あります。​また、​EMSでは​送れない​大きい​サイズの​商品の​配送、​複数個口扱い、​関税の​元払い・着払いと​いった​細かな​ニーズには​ビジネス向けの​UGX​(ゆう​グローバルエクスプレス)が​対応しています。

参考:
クールEMS​(日本郵便株式会社)
UGX​(ゆう​グローバルエクスプレス)​(日本郵便株式会社)

その​ほか、​2キロまでの​小形物品を​書留付きで​EMSよりも​安く​航空便で​送れる​国際eパケット、​国や​地域に​よって​追跡サービスが​つき郵便受けまで​配送される​国際eパケットライトなどさまざまな​選択肢が​用意されています。​EMSと​同じ​航空便でも、​若干日数の​かかる​SAL便​(エコノミー航空便)と​いう​選択肢も​あり、​EMSよりも​配送料を​抑えられます。​航空便の​他には、​船便も​選択肢と​して​あり、​1カ月から​3カ月​時間が​かかる​一方で、​配送料を​安く​抑えられます。

日本郵便の​ウェブサイトで​条件を​指定して​料金と​日数を​調べる​ことができます。

参考:料金・日数を​調べる​ - 日本郵便​(日本郵便株式会社)

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国内宅配便業者の​海外配送サービス

ヤマト運輸や​佐川急便と​いった​国内の​宅配便業者も​海外配送サービスを​提供しています。​ただし、​ヤマト運輸では​一部地域で​送り主、​または​届け先どちらか​一方が​個人の​場合、​取り​扱いが​できません。​佐川急便では​配送先に​制限が​あります。​これらの​サービスの​利用を​希望する​場合、​あらかじめに​ウェブサイトで​最新情報を​確認すると​いいでしょう。

参考:
国際宅急便​(ヤマト運輸)
飛脚国際宅配便​(佐川急便)

海外業者の​海外配送サービス

海外配送には、​アメリカの​FedExや​UPS、​ドイツの​DHLと​いった​世界的な​運送会社を​日本国内から​利用する​こともできます。​いずれも​早い​もので​1営業日、​それ以外でも​数営業日で​海外に​商品を​配送できます。​各社とも​税関での​手続きを​サポートする​通関サービスを​提供しています。​本格的に​海外向けの​ネットショップを​運営する​場合には​利用を​検討しても​よいかもしれません。

参考:
FedEx​(フェデックス)
国際輸送サービス: UPS
DHL 日本

ここまで​日本郵便と​国内、​国外の​配送業者の​サービスを​見てきました。​ネットショップを​運営していて、​これから​海外の​お客様にも​商品を​配送したい、​または、​これから​海外向けの​ネットショップを​運営したいと​いう​場合は、​身近な​日本郵便の​サービスの​利用が​便利かもしれません。​近くの​郵便局に​出向いて​直接発送したり、​海外発送に​ついて​相談したりできるのが​日本郵便の​サービスの​メリットの​一つです。​日本郵便と​合わせて、​緊急の​配送、​特別な​通関手​続きなどが​必要な​場合に​国内外の​業者の​サービスを​検討すると​よいでしょう。

本記事では、​国内配送と​海外配送の​違いから​始め、​国内外の​サービスを​利用した​海外配送の​方法を​説明しました。​商品に​ついて​禁止物品でないか、​規制が​ないか​調べて、​規制が​あれば​規制を​守った上で​配送すると​いうと、​とても​難しく​感じるかもしれません。​たしかに、​簡単な​ことでは​ありませんが、​安全かつ確実な​ビジネスには​欠かせない​ステップです。​最初は​難しく​感じても、​本記事で​紹介した​配送業者や​税関の​サポートを​受けながら海外配送の​経験を​積むうちに、​海外配送にも​慣れてくるでしょう。

世界には​国内を​大きく​上回る​数の​潜在的な​お客様が​います。​取り​扱っている​商品が​海外にも​受け入れられる​可能性が​あるのではと​考えている​人は、​ぜひ本記事を​きっかけに​海外配送に​取り組んで​みてください。


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執筆は​2020年1月12日​時点の​情報を​参照しています。​当ウェブサイトから​リンクした​外部の​ウェブサイトの​内容に​ついては、​Squareは​責任を​負いません。​Photography provided by, Unsplash