動画ECを導入してネットショップの売り上げアップを狙おう!

インターネットの浸透やデジタルデバイスの普及により、オンラインで商品を販売するEC(電子商取引)が進んでいます。政府も後押しするキャッシュレス化や、感染症の流行拡大で外出などが制限されたことは、ECの流れに拍車をかけました。

ECは、消費者側にとって時間や場所の制限がなく、また購入のための移動コストもかからず、大変便利な仕組みです。そしてECの世界は今、動画コンテンツを活用した訴求へとシフトしています。

この記事では、動画ECについて、概要と活用例、導入のメリット・デメリットと運用の際の注意点を解説します。



動画ECはなぜ必要?

初めに、動画ECとは何か、どんなものがあるかの概要と、なぜ動画が必要なのかの背景についてみていきましょう。

動画ECとは

ECやEコマースは、インターネット上で商品やサービスの売買を行う「電子商取引」を指します。動画ECは、ウェブサイト上の商品やサービスを販売する際にテキストや画像だけでなく動画を活用しているECをいいます。

動画の活用方法には、ECサイトのページに動画が埋め込まれたもの、動画を視聴しながらそのまま購入手続きまで行えるもの、リアルタイムで視聴できるものなどがあります。

動画ECの種類

動画ECは全般的な「動画によるEC」という意味合いもありますが、導線の違いにより、「動画EC」「動画コマース」「ライブコマース」と区別して呼ばれることもあります。

狭義の「動画EC」は、ECサイトに動画が埋め込まれた状態を指します。動画は視聴のためにサイトに掲載されていますが、視聴する動作と購入の手続きは切り離されています。

「動画コマース」は、視聴中にそのまま購入手続きもできるシステムが組み込まれた動画です。動画を観ていて欲しいと思ったらそのまま購入できるため、動画を閉じたり商品購入用の別ページに移動したりする動作を減らせます。

「ライブコマース」は、生放送のECです。その場で実際に商品を使って紹介したり、視聴者の質問を受けて交流したりしながら販売を行います。

動画ECが注目されている理由

動画ECの具体例を見る前に、なぜ今動画がネット販売にとって重要視されるのか、ECの動向について把握しておきましょう。

総務省の通信利用動向調査によると、2020年時点で、スマートフォンの世帯普及率は86.8%と、携帯電話やPHSを圧倒しています。またスマートフォンの普及は、パソコンの世帯普及率70.1%を大きく上回り、年を追うごとにパソコンを引き離して上昇傾向にあります。

端末の形態が変わると使い方も変わります。インターネットの利用目的は、メール、情報検索に続いてSNSの利用が3位にきています。さらに、ホームページの閲覧にほぼ並ぶ形で商品・サービスの購入、動画投稿・共有サイトの利用が続きます。

通信利用動向調査で特に注目したいのは、SNSの利用の高さです。SNSは、20代で9割を超え、13歳から19歳、30代、40代で8割以上の普及率です。50代以上でも利用は増加の傾向にあり、70代、80歳以上でも半数に迫る勢いになってきました。伸び率も高くなっています。

さらにSNSの利用目的をみると、仲間とのコミュニケーションにとどまらず、知りたいことに関する情報を探すために使っていると回答した割合が6割を超えています。

これらの回答結果から、SNSで自分の好みにフィットする情報をサーチして、閲覧したサイトや動画をシェアしあい、気に入ったものをネット上で購入するのが自然な形で連動しあっている姿が見て取れます。

参考:令和2年通信利用動向調査の結果(総務省)

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動画ECが活躍するシーンの例

それでは、動画ECは具体的にどのような使い方をしていくとよいのでしょうか。

商品・サービスの特長を印象づける

最も一般的な動画の活用方法は、商品やサービスの紹介でしょう。動画コンテンツは一度に視覚・聴覚の情報を提供できるため、商品やサービスの詳細な情報をひと目で伝えることができます。

テキストではイメージしづらい質感や大きさ・重さなども、手に持ったり操作したりする動作でわかりやすくなります。動きの滑らかさや光の当たり具合、音の状態なども伝わり、記憶に残りやすい情報を提供できます。

その他、お客様からのコメントを動画にすることにより、表情や使い方の雰囲気から満足度を伝えることも可能です。

実際の手順・使いこなし方を説明する

商品やサービスを実際に使っている様子を動画にすることによって、操作方法をわかりやすく解説することができます。たとえば、簡単なことが特長の場合、実際にどの程度簡単なのかが操作によってひと目でわかり、訴求力が高まります。

また、より便利な使い方やおすすめの機能、手入れ方法、保存方法などを解説する「ハウツー動画」を掲載しておくと、有益な情報が多くなり、消費者からの信頼度も上がります。

商品・サービスが誕生したストーリーをみせる

動画は視覚・聴覚を通して視聴者に訴えることができます。製作者の思いや苦労話、誕生秘話、工夫や配慮などをストーリーにした動画により、事業者のビジョンや世界観を伝えるブランド戦略に活用できます。

動画ECが利用者に与えるメリット

ここからは、動画ECを活用するメリットを、利用者側の視点からみていきましょう。

情報量が多く、遠隔で購入するのも安心

商品紹介やノウハウの解説などを動画で視聴すると、実際に手にとった様子が動きや音とともに伝わってきます。商品の大きさ、重さ、明るさ、音の高さどの仕様が動画を通して確認できるようなイメージです。

ECサイトでの購入は、手元に届いて実際に自分が使ってみるまで不安が大きいものです。動画によって理解度が高まり、本当に自分が求めているものと合っているか、購入を後悔しないだろうかという懸念が払拭され、自分も使ってみたいという期待に変わっていきます。

利用シーンを想像し、「自分ごと」にしやすい

実際に利用しているようすを動画で確認すると、自分に置き換えたイメージを持ちやすくなります。たとえば、性別や年代、体格の似ている人が着用していれば、質感だけでなくフィット感や色の映え方なども、自分が着用したときに置き換えて想像しやすくなります。

自分の状況とよく似た動画を視聴することにより、擬似的に試着・試用した気持ちになれば、自分ごととして体験した感覚が生まれ、より商品やサービスへの関心が高まることが考えられます。

YouTubeなどの動画コンテンツとしてシェア・拡散できる

動画コンテンツは、YouTubeやTikTokなどの動画配信プラットフォームで配信することができます。こうした動画配信サービスはTwitterやInstagramなどのSNSと相性が良く、共感するとユーザーが自ら拡散していきます。

たとえば、理念や制作秘話、世界観などを良質なストーリーにすれば、SNSに乗って広告費をかけることなく拡散されていく可能性もあります。

また、動画コンテンツのデータはその他のメディアへの流用もしやすくなります。SNS以外にも、実店舗のディスプレイに流して呼び込みの代わりにするなど、連動したブランドイメージで利用者の目に触れる機会が増えます。接触の機会が多いほどに商品理解が進み、愛着がわきやすくなるという効果も期待できます。

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動画ECが事業者側に与えるメリット

ここからは、動画を配信する事業者側から動画ECのメリットをみていきましょう。

低コストでブランディング・差別化できる

動画を使ったプロモーションは高額になりがちです。従来のテレビコマーシャルは制作にも放映にも膨大な費用が必要です。一方、動画ECの場合、広告費がかからず、簡単なコンテンツであればスマートフォンでも撮影可能です。動画加工のアプリも豊富に出ているため、自力でコンテンツを作成して費用を抑えつつ、こまめに反応をみながらタイミングよく投入することができます。

動画コマースのような視聴しながら購入もできるシステムを構築すると高額になる可能性がありますが、従来のテキストと静止画像ベースのサイトに動画を埋め込む程度の動画ECであれば、それほどコスト高にもならず、費用対効果が高いといえます。

顧客情報のデータ化・ターゲットを絞り込んだ訴求ができる

すでに商品やサービスを利用しているお客様の利用履歴を集計し、年代や性別、季節ごとの志向など、ターゲット層を絞り込んだ効果的な動画を作成することができます。

また、動画の視聴時間や離脱のポイント、エンゲージメントの状況などをデータ化して活用することができます。ターゲットごとに適した動画を作成し、きめこまかなフィードバックを重ねていくことで、訴求力の高いコンテンツとなっていきます。

動画ECを運用する際のデメリットと対策

導入すれば効果の高い動画ECですが、運用には注意も必要です。ここからは動画ECの導入にあたって懸念点とその対策を見ていきましょう。

動画制作に負担がかかる

動画ECはテレビコマーシャルに比べると低コストとはいうものの、それでも手間や費用がかかります。

動画の制作には、企画、絵コンテ、シナリオ、出演者調整、スタジオ・ロケ地調整、出演者調整、撮影・ナレーションスケジュール調整、撮影・レコーディング、編集、試写、修正と、さまざまなプロセスがあり、かなりの手間がかかります。動画制作に慣れた人材がいない場合はプロに頼むことになり、それなりの予算が必要です。

また、動画コマースの場合、動画の撮影・編集だけでなく、視聴中にそのまま買い物かごへ入れるようなシステムを組み込む必要があるため、コストは大きくなります。ライブコマースも同様です。生放送の分より難易度が高く、実績のあるインフルエンサーや制作プロに依頼する必要が生じて割高になります。さらに、生放送の時間帯に参加できる視聴者を集客する必要があるため、事前の告知や呼び込みの手間も大きくなります。

動画EC運用のノウハウが必要

動画は表示されればよいというわけではなく、動画がどこまで視聴されたかという再生(視聴)完了率でのチェックも必要です。YouTubeであれば総再生時間が重要視されます。再生率が低い動画や視聴時間が短い動画は離脱の原因を探り、動画を作り直すなどの対策が必要です。

このように、ECサイトに埋め込む動画といっても決して作りっぱなしにはできず、動画の活用方針をしっかりと頭に入れ、より品質の高いコンテンツでサイトの評価を上げていくノウハウが必要です。

動画EC運用の注意点

最後に、動画ECを運用する際に注意しておきたいことを3点挙げておきましょう。いずれも、動画ならではの特別なものではなく、テキストと画像を組み合わせたサイトでも重要とされるマーケティングの基本要素です。動画ECを導入する際に改めてサイトを見直す心得として参考にしましょう。

視聴時間に注意してファーストビューを改善

ECサイトはまず目に触れて興味を持ってもらう必要があるため、ファーストビューは重要です。そして、それ以上に重要となるのが閲覧の状態です。再生回数、総再生時間、平均視聴時間、平均再生率、視聴者維持率、最終的なエンゲージメントを分析し、「最後まで飽きずに観ているか、購買につながっているか」を確認しましょう。

ファーストビューで関心を惹きつけるには、サムネイルを含めた動画のデザインが、ターゲット層のニーズにあったトーン&マナーになっているかが重要です。他のECサイトなどを分析しつつ差別化できるポイントを探します。そして、消費者の関心を常に維持し、最後まで視聴したくなる構成を練っていきましょう。

目的に合わせた企画構成・表現

動画だからといって他のメディアと大きく異なるものではありません。ECサイトの基本的なSEOと同様、ユーザーにとって有用な内容となるよう、テーマやペルソナ、キーワードを設定しましょう。

動画の掲載にあたっては、タイトル、タグ、ディスクリプション、ハッシュタグを適切に付け、関心の高いユーザーに届きやすくします。小さな画面でもよく特徴が伝わるサムネイルを作成し、端的に視聴内容がわかるようにします。

撮影の際はさまざまな角度やシーンを設定し、質感や雰囲気がつかめるものにしましょう。編集で適宜ナレーションやテロップ、BGMを配し、魅力がうまく引き出されるよう演出します。

ただ、ECではあくまでも購入へのコンバージョンが重要です。商品やサービスの魅力を伝えたら最短の導線で購入へといざなう設計を忘れないようにしてください。

SNSや他のメディアと連動したブランディング

動画ECと相性の良いSNSは、ストーリーに共感すれば大きな拡散力が期待できます。関心の高い層へとつながって広がる可能性が高く、うまくマッチすれば商品・サービスの宣伝効果が期待できるでしょう。

SNSによって中心となるユーザー層が異なります。ターゲットにあわせた運用で動画配信を効果的に活用しましょう。YouTubeチャンネルを動画配信のプラットフォームとして活用し、ブランディング力を高めることも有効です。

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執筆は2021年10月28日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash