エステ(正式にはエステティック)の歴史は長く、日本では女性を中心とした美の追求は明治時代から行われてきたといいます。肌に潤いや張りを与える栄養剤や角質を除去するピーリングなどのフェイシャルケアから、痩身を目的としたマッサージ、音楽やアロマを用いたリラクゼーションまで、さまざまな効果をもたらす美容と癒しの場としてエステサロンは現在も広く普及しています。
エステの特徴は、一度きりの利用よりも長期的にサロンに通うことで徐々に効果が得られるところです。利用者の多くは、フェイシャルケアや脱毛などの施術を定期的に受けることで、自分自身の美容と健康への確かな手応えを感じていくものです。
したがって、利用者にとって「安心して施術を受けられる、通いやすいエステサロン」を選ぶことはとても重要です。信頼のおけるエステティシャンやお気に入りの施術を見つけることができれば、同じサロンに長く通いたいと思ってもらえるのではないでしょうか。
今回は、地域密着型のエステサロンにとって最も効果的な集客方法の一つであるチラシについてお伝えします。
エステ集客にチラシが効果的な理由
チラシを用いた宣伝方法が地域密着型ビジネスに向いているということは以前にもご紹介しました。
お客様が同じサロンに長期的に通うためには、サロンの立地や営業時間が大きく関係します。地域住民が集まる商店街や、通学・通勤者が多く通る駅前などでチラシを配布することで、「あなたの町で通えるエステがありますよ」や「ここから歩いてすぐのところにこんなエステサロンがあります」といったメッセージを込めて宣伝することができるからです。
チラシを手にして内容に興味を持った人は、すぐにサロンの場所を確認したり、利用の予約を入れることができます。また、普段の生活圏に受けたい施術内容を提供しているサロンがあると分かれば、初回のみの利用に限らず、継続的な利用を検討するお客様も出てくることは想像に難くありません。
また、サロンの店員が店頭や街頭に立ってチラシを配るということは、インターネットや折込チラシなどで不特定多数に向けて宣伝するのと異なり、ターゲットにするお客様を予め絞って直接チラシを渡すことができます。どのような年代や性別に、どのような施術が人気なのかなど前もって調査しておくといいでしょう。テレビや雑誌、SNSやインターネット上の口コミなどを参考にして、チラシを配るターゲットを定めておきましょう。チラシを配るターゲットを絞ることで、チラシ作成にかかるコストの削減にも繋がります。
さらに、チラシ配りは地域住民や通行人と直接コミュニケーションをとるチャンスでもあります。チラシを受け取る人は、チラシそのものだけでなく、チラシを配る店員の振る舞いからもサロンに対する印象を決める傾向にあるので、お店のこだわりや強みなどを店員の言葉で伝えたり、立ち止まってくれた人のエステに対する質問などには積極的に答えましょう。
視覚的な情報が大事
エステのチラシにとって重要な要素の一つに、視覚的な情報が挙げられます。多くの利用者がエステサロンに求めるものは、日頃の生活から離れた落ち着いた場所で疲れを癒したり美容と健康を思う存分に追求できる異空間です。サロンの雰囲気が好みに合わなければ、施術内容に興味を持つ前に来店する気が失せてしまうかもしれません。
サロンの内観が分かるような写真や、施術中の様子が分かるような写真をできるだけ多く載せましょう。チラシの背景に使う色もサロンに対する印象を大きく左右します。店内の雰囲気が木を基調とした落ち着いたものであれば、温かみのある茶色を使うなど、実際のサロンが想像しやすいよう工夫しましょう。
チラシを受け取ってもらえたところで、チラシの内容を全て読み込んでもらえるとは限りません。一目見たときの印象で、チラシの集客効果が決まると言っても過言ではないでしょう。写真や文字、配色を意識して、「良さそうなサロンだな」「こんなエステを受けてみたい」と感じてもらえるような魅力的なチラシを作りましょう。
初めてのお客様を意識する
前述の通り、エステサロンは同一店の長期的な利用が見込める業種です。「これまでエステを利用したことは無いけれど試してみたい」と思っているお客様を確保し、サービスに満足してもらえれば、リピーター客になってもらう可能性は大いに見込めます。したがって、チラシ作りも、地域に根ざしたエステサロンであることをアピールするだけでなく、これからエステを始めたいと思っている人を意識して行う必要があります。
エステサロンの雰囲気がチラシから感じ取れるように写真などを使って工夫するだけでなく、提供している施術内容の概要もこれからエステを利用しようと思っているお客様にとって大切な情報です。例えば、基本コースをいくつか盛り込んでみましょう。施術の流れをわかりやすく説明したり(写真を用いるとより良いでしょう)、人気メニューの紹介や利用者の声などを含めると、サービス内容と効果が具体的に想像できます。特に初めてのお客様には、各メニューの価格帯は気になるところです。文字が小さかったり、色がチラシの背景色に埋もれてしまったりして価格の表記が分かりにくいと、利用の検討を諦められてしまうかもしれません。自信を持って見やすく表記し、どのようにお得なのかなどかんたんに説明を加えることが好ましいです。
サロンへのアクセスも大切です。雰囲気やメニューに興味を持っても、サロンがどこにあるのかが分からなければ、実際の来店に繋がりません。分かりやすい地図を記載したり、問い合わせができるように連絡先を盛り込むことを忘れないようにしましょう。この際、「○○駅南口徒歩2分!」など、お店までの距離が感覚的に伝わるような宣伝文句を含めるのも一つのアイデアです。お店の情報は、競合店との差別化を図るためにも、店名を含め、なるべく大きく分かりやすく書くことをおすすめします。
特典はあったほうがいい
チラシによる集客効果を測るためにも、チラシに特典クーポンを盛り込んでみましょう。
これからエステを利用しようと思っている見込み客にとって、特に複数のエステサロンが同じような宣伝をしている場合、本当に自分に合ったエステを選ぶことはかんたんではありません。そこで、初回利用のお客様向けに魅力的な特典を用意しましょう。
例えば、「初回来店限定!全てのメニューから10%引き」という内容で、チラシを持参して来店することを促します。仮に一度きりの来店になってしまった場合、通常の価格より安くサービスを提供するので利益は小さくなってしまいますが、なるべく多くのお客様にエステを試してもらうことで、リピーター客確保の確率を上げることができます。
他にも、「チラシをお持ちの方にはアメニティをプレゼントします」として、スキンケアセットや石鹸など、エステサロンならではのちょっとしたプレゼントを準備するのもいいでしょう。チラシ配りの際に、特典内容を紹介しながら渡すことができるとより効果的です。
チラシでは語りきれないこと
チラシでエステサロンの全てを宣伝することは現実的ではありません。サロンの雰囲気やメニューの概要や所在地をアピールするのがチラシの役目ですから、全メニューの詳細や載せきれなかった写真などは、別手段で伝える必要があります。
サロンのウェブサイトやソーシャルメディアアカウントがある場合、URLやアカウント名、QRコードをチラシに必ず記載しましょう。チラシを通してサロンに興味を持ってくれたお客様は、より詳しい情報を求めるものです。ウェブサイトに問い合わせフォームを設けたり、ソーシャルメディアを通じてコメントを投稿できるように準備しておけば、チラシをきっかけとしてお客様と継続的なコミュニケーションの場の確保ができ、集客の確度も高くなります。
リピーター客獲得の先は
チラシによる集客に注力する一方、リピーター客になってくれた既存客へのおもてなしも忘れてはいけません。お気に入りのメニューを見つけたお客様は、毎週または毎月など定期的に決まった施術を受けに来店を繰り返してくれるかもしれません。
メンバーズカードなどを作って、お客様の情報を管理し、一人ひとりの好みや悩みに合わせた施術を実現しましょう。Squareのアカウントをお持ちであれば、お客様の属性や利用履歴が管理できる顧客リスト機能がお使いいただけます。
毎回、決まった施術内容で支払いをしているお客様には、本人の同意を得た上でカード情報を保存して、定めた周期で自動的に引き落としができる継続課金を利用することもできます。スムーズな会計で、お客様に最後までリラックスしたひと時を味わってもらいましょう。
継続課金についてこちらの記事も参考にしてください。
継続課金のその他の利用例についてはこちらの記事を参考にしてください。
執筆は2017年5月12日時点の情報を参照しています。