お客様向けに情報を発信する手段の一つに、メールマガジン(メルマガ)配信があります。ウェブサイトやソーシャルメディア(facebookやTwitterなど)のように、インターネット上に情報や宣伝を掲載し不特定多数のネットユーザーの目に触れる可能性がある媒体とは異なり、メルマガは、配信先であるお客様の連絡先(メールアドレス)を知っていることが前提であり、一人ひとりのメールボックスに直接配信されます。
メールアドレスは、お客様一人ひとりに紐づく貴重な個人情報の一つです。メールアドレスを提供するということは、配信されるコンテンツ(メルマガの内容)に多かれ少なかれ興味を持っている証といえます。メルマガを通して受注が発生したり、読者が実店舗へ来店したりする可能性もあるので、メルマガ読者が将来の顧客になる可能性は大いに見込めるのではないでしょうか。
また、ダイレクトメールの送付や紙のチラシ配布などとは異なり、メールは一度に複数の宛先に送ることができ、しかも情報がリアルタイムな上、ほとんどの場合が無料というメリットがあります。したがって、効率面においても費用面においても優れた宣伝媒体の一つといえます。
しかし、メルマガを配信しただけでは売り上げは増えません。各メルマガには、配信の目的があります。例えば、期間限定のセールのお知らせを配信した場合、そのメルマガは受信者によって開封され内容を魅力的と感じてもらい来店する、という行動をとってもらわなければ意味がありません。メルマガは配信することが目的ではなく、注文や来店など売り上げに繋がる行動に読者を導くことが目的なのを忘れてはいけません。
そのため、魅力的なコンテンツを準備して「読まれるメルマガ」を配信する必要があります。しかし、前述の通り、メルマガの配信先であるお客様の連絡先がなければ、せっかくメルマガを配信してもお客様の目に触れることが無いので、メルマガによる売り上げアップや顧客の確保への効果が期待できません。したがって積極的にメルマガ登録を促し、読者を増やすことが重要です。
今回は、見込み客となるメルマガ読者を増やすための6つの方法を紹介します。
参考:読まれないメルマガにさようなら。メールマーケティングを始めるべき理由まとめ
1. メンバーシップ(会員制度)を作る
お店の会員カードを作りましょう。会員になることで受けられる特典を説明し、登録時にお客様の基本情報を記入してもらいます。この時に、記入してもらったメールアドレスにお店からメルマガを配信しても良いか承諾を得るようにしましょう。
美容院やエステなど、同じお店やメニューを定期的に利用することが多い業種では、初回来店時にカルテなどの作成を目的として、ヘアスタイルの好みや肌への悩みなどをアンケートで答えてもらうついでにメールアドレスの記入もお願いしましょう。
お店の会員になってもらうということは、メルマガ配信の宛先を入手できるだけでなく、会員情報を利用したCRMを促すことにもなります。会員限定の特典を利用するために再来店するお客様も大いに期待できます。
CRMについて詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
2. ウェブサイトやソーシャルメディアで告知する
お店のウェブサイトやブログにメルマガ登録フォームを設けましょう。
メルマガに登録することでどんな有益な情報を得られるのかをアピールしましょう。また、興味を持ったユーザーがすぐにメルマガ登録できるような仕組みを整えておく必要があります。インターネット上では店頭と異なり、ページを訪れているユーザーに直接案内することができません。したがって、メールアドレスを入力するだけでメルマガに登録できるなど、登録フローはなるべくシンプルにしましょう。
FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアに「メルマガ配信しています」と一言添えて登録フォームへのリンクを貼るだけでも効果は異なります。発信できるあらゆる手段を使って情報を目にするユーザーをメルマガ登録フォームに導きましょう。
もちろん、ウェブサイトやブログなど、そのページ自体へのアクセスが無ければ意味がありませんから、日頃からお店が情報発信に利用している媒体を認知してもらうために、例えば、店内にウェブサイトや公式アカウント情報などを掲示して積極的に宣伝してみてください。
3. 人が集まるイベントはチャンス
通常の営業とは少し異なる特別なイベントなどを企画・開催してみましょう。適切に告知すれば、日頃から来店しているお客様に加えて、地域住民など新規のお客様も多く集まる可能性があります。企画内容によっては、ターゲットにしたい客層を狙って集客することもできるかもしれません。
イベントのように人が集まる催し物は、多くの見込み客を囲い込むチャンスです。例えば、ろくろ体験やフラワーアレンジメントなどのワークショップを開催して、最後にアンケートに答えてもらいましょう。イベントやお店に興味を持った人が今後もお店からの情報を受信できるように、アンケートでメルマガ登録を促しましょう。
4. 有益な情報と引き換えにメルマガ登録を促す
インターネット上で特定の情報を探しているユーザーに対してコンテンツを提供する代わりにメールアドレスを登録してもらいましょう。
例えば、「美味しいコーヒーの入れ方とアレンジレシピ集」や「必殺!プロが教える収納術」など、得意分野を活かして魅力的な資料を準備します。必ずしも読み物のダウンロードである必要はなく、写真などの素材や動画の視聴、店舗で使えるクーポンなどでもいいでしょう。ユーザーにとって有益な情報であると感じられれば、ダウンロードや視聴を許可する代わりにメルマガ登録を促しましょう。
しかし、資料などの入手だけを目的に、普段はあまり使っていないメールアドレスや、ダウンロードするために作った使い捨てアドレスを登録するユーザーにはあまり効果が期待できない方法かもしれません。メルマガに登録することで、ためになるコンテンツやお得な情報を受信できるということを強調する必要があります。
5. メルマガ発行者同士で相互に紹介する
他社や他店のメルマガを自分のメルマガで紹介する代わりに、先方のメルマガでも自分のメルマガを紹介してもらいましょう。お互いの情報が平等に拡散するように、両者が持っている配信リストのボリュームが同じくらいであることを確認しておきましょう。また、先方のメルマガの読者が、ターゲットとしている見込み客と合致していなければ、紹介してもらう効果が期待できません。
どのようなメルマガが発行されていて、どのような読者に読まれているのかをしっかり調査して発行者に相互紹介の相談を持ちかけてみましょう。
6. メルマガ広告を利用する
購読者を多く集めているような有名なメルマガは、メルマガ広告を受け付けている場合がほとんどです。自分のビジネスの見込み客となる読者に多く読まれている人気のメルマガを調査してみましょう。
広告の文字数や、宣伝の掲載方法(広告専用のメルマガを配信するのか、通常のメルマガの本文中に宣伝を含めるのか、フッターに掲載するのか)などによって料金は変わりますが、前項の相互紹介と異なり、きちんとお金を払って依頼することになるので、読者に向けて確実な方法で宣伝を配信してくれるという安心はあるかもしれません。
予算と期待できる効果とをよく吟味して選びましょう。
効果を最大限に引き出す
メルマガ登録者を増やすことは、メルマガをきっかけにビジネスチャンスを増やすことになるのはたしかです。しかし、いくら多くの読者を集めても、「メールを読む」という行動の次にくる「注文をする」「問い合わせをする」「来店する」などといった、売り上げに繋がる具体的なアクションに導かなければメルマガ配信の真の効果は得られません。
例え無料で配信しているメルマガでも、読者が得するような有益な情報を織り交ぜるなどし、魅力的なメルマガを配信し続けて読者を顧客化することを常に心がけましょう。
お客様一人ひとりの大切な情報は、Square データからいつでもどこからでも確認できる顧客リストで管理しましょう。
執筆は2017年5月9日時点の情報を参照しています。