TikTok広告をビジネスに活用するメリットとは?広告の種類、出稿方法、注意点を解説

動画特化型のソーシャルメディア「TikTok」は今、広告媒体としても注目を集めています。TikTok広告は、店舗やオンラインストアの集客方法として有効な手段の一つです。そこで、TikTokとは何か、TikTok広告の特徴と出し方、そしてTikTok広告を利用する際の注意点について解説します。

目次


TikTokとは

TikTok(ティックトック)は、15秒から10分の長さのショートムービーを共有できる投稿型のソーシャルメディアです。ユーザーは投稿や閲覧、他の投稿者とのコミュニケーションを楽しむことができます。有名人の動画、エンターテインメント性のある動画、教育や宣伝の要素のある動画などさまざまなコンテンツが投稿され、人気動画が世界的に話題になることもある強い影響力を持つプラットフォームです。

2016年のサービス提供開始から現在までに急速に人気を獲得し、ユーザー数は世界で約10億人にのぼります。TikTokユーザーの中心は10〜20代の若者世代ですが、最近は30代以上のユーザーも増加中です。

TikTokコンテンツのスタイルは全画面・縦型のショートムービーで、スマートフォンアプリで簡単に動画作成と投稿が可能です。

参考:10億人の皆様に、ありがとうございます!!!(2021年9月27日、TikTok)

TikTok広告の特徴とメリット

TikTokのフィード内や連携アプリに配信する広告はTikTok広告と呼ばれ、動画または静止画の広告コンテンツを出稿できます。

特に、通常の投稿と同じ縦型動画の広告はフルスクリーンで表示され、インパクトが大きいのが特徴です。また、TikTokはユーザーが音声をオンにして利用することも多く、TikTok広告でも視覚と聴覚の両方に訴えかけるアプローチが可能です。

若年層に訴求しやすいマーケティング手段であるため、若者をメインターゲットとする店舗やオンラインストアにとって、TikTok広告は利用価値が高いといえるでしょう。

さらにTikTokの利用方法の特徴として、ユーザーが目的を持ってコンテンツを検索するのではなく、無目的にプラットフォーム内を「回遊」することで未知のコンテンツと出合うという側面が挙げられます。そのため、新しいコンテンツとの出合いに能動的なユーザーが多く、魅力のあるコンテンツであれば広告も視聴されやすく、訴求しやすいことがTikTok広告のポイントです。

参考:TikTokユーザー⽩書第3弾 回答から回遊へ 興味で突破する時代の再来。(2020年11月、TikTok For Business)

TikTok広告の種類

TikTok広告にはいろいろな種類がありますが、今回は主な4種類を紹介します。表示される場所やタイミング、広告費用などが異なります。利用目的に合うTikTok広告を選択しましょう。

ハッシュタグチャレンジ広告

「#」の記号を使ってキーワードやトピックを示すハッシュタグは、ソーシャルメディアの投稿で頻繁に使われ、検索やアルゴリズムの一つの軸にもなっています。TikTok広告の「ハッシュタグチャレンジ」は、ハッシュタグのテーマに沿った動画投稿を促すプロモーション方法です

たとえば、企業が起用したインフルエンサーや有名人がコミカルなダンス動画をハッシュタグと共に投稿します。それを見たユーザーは、同じダンスに挑戦して動画を撮影し、同じハッシュタグを付けて投稿します。真似したくなる要素のある動画であることが必須ですが、ユーザー参加型のキャンペーンで商材やブランドを強く印象付け、認知拡大を可能にします。期間契約型で数千万円単位のコストがかかりますが、広告というイメージが付きにくくポジティブな印象を残せることがメリットです。

起動画面広告

起動画面広告とは、TikTokアプリを起動する際に表示されるTikTok広告です。縦型のフルスクリーンに無音動画もしくは静止画が、3秒から5秒表示されます。

起動画面広告の配信は1日1社限定で、競争率が高く、コストも500万円以上かかるようです。ただし、ユーザー全員に対して必ず表示されるため、短期間で多くの人の目に触れ、拡散力が高いことがメリットです。オンラインストアなどのリンクを貼ることもできます。

Brand Premium

Brand Premium(インフィード広告)は、投稿動画が並ぶフィード画面に表示されるTikTok広告です。投稿動画の間に「おすすめ投稿」の一つとして表示されるため、ユーザーは一般の投稿動画と同じ感覚で視聴でき、コメントやシェア、「いいね」などのアクションもできます。

しかし、ユーザーがインフィード広告に興味を持たなければ他の投稿同様にスキップされてしまう可能性もあり、工夫した広告コンテンツで興味を引くことが重要です。

配信ターゲットの細かい設定や、リンクから外部サイトへの誘導など、多くのメリットがあり、期間契約型で費用は1日50万円程度からと、上述の2種類のTikTok広告より低コストといえます。

運用型広告

TikTok広告の中で最も低コストで出稿できるのが、運用型広告です。配信設定を自社で行う手間はかかるものの、スケジュールや予算に合わせて柔軟に運用できる広告といえます。

運用型広告の配信先はTikTokのフィード内や関連アプリ内から選ぶことができ、配信先に合わせたスタイルの広告を出稿可能です。

数万円の予算から出稿できるため、試験的な広告配信やTikTok広告のスモールスタートにも適しています。詳細なターゲット設定も可能で、商品購入や会員登録など一定のコンバージョンを求める場合にも有効です。

参考:【2022年版】TikTokオンライン運用型広告の全てが分かる!TikTok For Businessの始め方・設定方法・クリエイティブの事例・料金を解説(2022年2月8日、TikTok For Business)

TikTok広告ターゲティングの種類

マーケティングや宣伝で効果を出すには、「誰に向けて広告を配信するか」が要となります。TikTok広告ではオーディエンス、ユーザー属性、興味行動、デバイスの4項目にわたり詳細なターゲティング設定が可能です。

1. オーディエンス

どのような行動を取るTikTokユーザーをターゲットにするかを決めるのが「オーディエンス」の項目です。自社の顧客属性と一致するユーザー、アプリのダウンロード・購入を行ったユーザー、広告コンテンツを閲覧・クリックしたユーザーなどのオーディエンスの種類から、TikTok広告のターゲットとして選択または除外ができます。

2. ユーザー属性

TikTok広告のターゲットとするユーザーのプロフィールは「ユーザー属性」と呼ばれ、以下の4カテゴリーがあります。

性別……男性、女性
年齢……13〜17、18〜24、25〜34、35〜44、45〜54、55歳以上
地域……日本、アメリカ、韓国、タイなど(地域も設定可)
言語……日本語、英語、中国語など

3. 興味と行動

TikTokのユーザーが興味・感心を示したもの、取った行動を広告ターゲティングで設定可能です。たとえば「メイクに興味を持つ人」「ペット動画にいいねした人」などを設定できます。

  • 興味……ファッション、デジタル家電、ゲーム、旅行など
  • 行動……特定商品の検索・購入、特定カテゴリの動画視聴・コメント、特定のハッシュタグへのリアクションなど

4. デバイス

ユーザーがTikTokを利用しているデジタル環境も、広告ターゲティングの対象です。以下の項目を指定できます。

  • 通信環境……Wi-Fi、2G、3G、4G
  • OS……iOS、Android
  • OSのバージョン……システムのバージョン(例:iOS 11.0以上、Android 4.0以上など)
  • デバイス……スマートフォンの機種、型番など
  • デバイス価格……スマートフォンなどの価格(例:10万円以上など)
  • モバイルキャリア……ドコモ、au、ソフトバンクなど

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TikTok広告出稿のプロセス

TikTok広告を出すには、「広告アカウントの登録」と「広告設定」の2通りの手続きを行います。

広告アカウントの登録

「TikTok for Business」のページにアクセスし、広告アカウントを作成します。全て日本語で手続き可能で、必要な情報は主に以下の通りです。

  • メールアドレス(電話番号でも可)
  • アカウント名
  • 住所
  • 業種
  • 会社名
  • ウェブサイトのURL
  • アカウントのタイムゾーン
  • 電話番号
  • 支払情報

情報を入力し、規約に同意した後、審査を経てアカウント開設となります。完了したら支払い方法を設定しましょう。

参考:TikTok For Business 広告アカウントの開設方法(2021年6月22日、TikTok For Business)

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広告設定

ここからは実際にTikTok広告を出すための手続きです。広告アカウントの「広告」メニューから以下の内容を入力していきます。

広告マネージャーモード
簡潔に設定してビジネスの運営に集中できる「簡易モード」か、自分で細かな設定を行い独自のカスタマイズができる「カスタムモード」のいずれかを選びます。後から変更も可能です。

キャンペーンの目的
TikTok広告出稿における目的の設定です。ブランド認知向上、購買意欲増進、コンバージョンのアップなどの中から、自社の目的に近いものを選びます。目的設定後にキャンペーン名も決めておきましょう。

キャンペーン予算
予算は、無制限、日予算、通算予算のいずれかを選んで設定します。「キャンペーン予算の最適化」を選択しておくとシステムが自動で対応してくれるので安心です。

プレースメント
TikTok広告を配信したい場所を、TikTok、Pangle(連携アプリに広告を配信する広告プラットフォーム)、キュレーションアプリの中から選択します。

クリエイティブタイプ
素材を用意して広告クリエイティブを自動作成する「ダイナミック広告」機能を使用する場合は選択しておきます。

配信対象
広告を表示させるユーザーの設定です。カスタムまたは自動を選択可能です。

予算とスケジュール
1日単位の広告予算は、「キャンペーン予算」の項目で入力していれば再入力は不要です。配信スケジュールは、任意の開始日時と終了日時、掲載曜日や時間帯を設定します。

広告名
広告名を決め、広告フォーマットを動画(または複数の画像)、1枚の画像、Collection adsから選択します。

広告クリエイティブ
既にクリエイティブが完成している場合は、そのままアップロードします。「クリエイティブツールで作成」の機能を使うと、テンプレートやBGMなどを使って誰でも手軽に広告クリエイティブを作ることができます。

誘導先ページ
TikTok広告からユーザーを誘導したいURLを設定します。

広告出稿の準備は以上で完了です。広告審査を経て、配信がスタートします。

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TikTok広告出稿におけるポイントと注意点

TikTok広告を出稿する際は、目的、予算、ターゲットの3点を事前に明確に決定しておくことで、効果的な施策が可能になります。

また、TikTok広告のクリエイティブを自社で作成するかどうかもポイントです。内製する場合、ノウハウがなくクリエイティブの品質が低ければ配信しても広告効果が出ない可能性もあります。外注するとコストはかさみますが、プロの手による高品質のクリエイティブで広告効果が出やすいことがメリットです。TikTok広告を得意とする業者を選定するといいでしょう。

効果的な配信スケジュールなどを決めて実施していく広告運用についても自社で行うか外注か決めておきましょう。TikTok広告は、審査が済むと基本的に配信のキャンセルができません。目的やターゲットなど詳細に間違いがないかしっかり確認してから手続きするのがおすすめです。出稿後、広告クリエイティブの内容も修正ができないので、テキストやURLに間違いがないかチェックし、確実な集客につなげましょう。

集客のためのリソース確保の工夫とは?

店舗やオンラインストアが安定した売り上げを維持するために、コンスタントな集客が必須です。常に新規顧客を引きつけ、商品をアピールしていく上で、TikTokなどの新たなチャネルからの集客は極めて重要といえます。

広告出稿に必要なクリエイティブ制作や広告配信にかかるコストと人手を確保するには、その他の業務で不要なコストや作業を見直し、集客に掛けられるリソースを増やす工夫が求められます。

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執筆は2023年2月7日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。
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