労働社会保険の手続き業務や、人事労務に関するコンサルティングや指導を行う、社会保険労務士(社労士)。社労士は国家資格であり、厚生労働省によれば登録者数は2017年9月30日の時点で40,907人です。
社労士の中には、社労士事務所や企業の人事総務部に勤めながらも、いつかは独立開業したいと考えている人もいるのではないでしょうか。今回は社労士の独立開業について解説します。
開業のメリット
時間の自由
会社に勤めている場合、会社のルールに合わせた働き方が求められます。独立すると、クライアントの数や業務量を調整しながら、自分で働く時間帯や休日を決められます。そのため、育児や介護、他の業務などと両立することも可能です。
案件選択の自由
独立すると、受ける案件を自由に選べるようになります。会社に勤めていると、自分の得意分野など特定の案件を集中して受けることは難しいでしょう。独立した場合、どんな案件を受けるかは自分で決められます。得意分野の経験を積むために、営業をかけるクライアントを絞ることも可能です。自分の強みを活かすことで、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
収入の変化
独立した場合、売り上げがダイレクトに収入に結びつきます。会社に勤めている場合、成果がストレートに給与アップにつながらない場合もあります。独立早々は収入が不安定な時期を経験するかもしれませんが、成果がそのまま収入につながることで、日々の仕事に向かうモチベーションも変わるのではないでしょうか。
開業に必要なもの
社労士としての登録を済ませ、個人事業主として開業する場合は、通常の開業手続きと同様、税務署に開業届出を提出します。また、確定申告を「青色申告」で行う場合は「青色申告承認書」も併せて提出しましょう。
参考:
[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続(国税庁)
[手続名]所得税の青色申告承認申請手続(国税庁)
詳しくは、税務署の情報を確認しながら手続きを進めましょう。
また、パソコンやデスクを始め各種印鑑や名刺など、開業時に必要な備品の費用、自宅以外で事務所を構える場合には家賃や保証金など、開業初期にはまとまった費用が必要です。
開業後の集客方法
助成金の申請書類の作成、快適な職場環境を作るための就業規則や人事制度の作成や監査業務、賃金計算の受託、労務相談、年金や退職金に関する助言など、社労士としてクライアントに貢献できることは多岐にわたります。
自分が極めている分野があれば、ターゲット層を決めてアプローチをしたり、得意分野をアピールできるようなマーケティングを考えたりしましょう。たとえば、就業規則作成についてのセミナー開催は、見込みのあるクライアントへのアプローチにつながるかもしれません。「効率的に見込客にアプローチ!セミナー集客のすすめ」の記事もぜひ参考にしてみてください。
ウェブサイトやソーシャルメディアで専門分野に関わるコラムを載せ、より多くの人に自分の専門性をアピールすることも効果的です。また、社会保険労務士に関連するサイトなどにも登録しましょう。全国社会保険労務士会連合会の公式ウェブサイトを始め、社会保険労務士事務所情報を集めたウェブサイトにはさまざまな事務所が掲載されており、顧客が社労士を探せるようになっています。
それまで培ってきた人脈を通じてクライアントを紹介してもらう方法もあります。人脈がない場合は、業界団体や商工会議所、同窓会などさまざまな場所や会合に出向いてみてはいかがでしょうか。
仕事は、プロジェクト単位の受注だけではなく、可能ならば顧客との間に信頼関係を築き「顧問契約」を結べるよう注力しましょう。一定期間毎月顧問料が支払われるので、安定した収入につながります。
開業後に利用したいサービス
開業したばかりの頃は、マーケティングや営業活動はもちろんのこと、経理などの事務作業も一人で対応しなければいけません。さまざまなツールを使って、業務効率化を心がけることが大切です。
たとえば、Square 請求書なら、簡単に請求書を作成し、郵送ではなくメールでクライアント宛に請求書を送信できます。また、顧問契約を結んでいる顧客には、継続課金という機能を使って、毎月決まった額を自動で引き落とすこともできます。顧客毎に請求書のテンプレートをカスタマイズできるなど、より高度な機能が使えるSquare 請求書Plusもおすすめです。業務効率化のために、ぜひ導入を検討してみてください。
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執筆は2018年2月20日時点の情報を参照しています。2021年9月24日に一部情報を更新しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。 Photography provided by, Unsplash