3分で学べる!損益計算書(P/L)の役割って?

決算期に必要となる損益計算書。用意してはいるけれど、活用できていないという人も多いのではないでしょうか。この記事ではチョコレート工場・専門店「みんなのチョコレート(仮)」を例に、損益計算書の役割を3分で説明します。

チョコレートを愛してやまないカカ男が妻のチヨ子とオープンしたチョコレート工場「みんなのチョコレート」(※実在しません)。珠玉のカカオ豆を求めて世界各国の農園からカカオ豆を買い付け、帰国後は自身の工場兼店舗でカカオ豆の焙煎からチョコレートの製造・販売に取り掛かる日々です。観光客で賑わう山奥にある実店舗だけでなく、オンラインショップでもチョコレートを販売しています。最近では遠方から訪れるお客さまも増えたり、イベントにも出店しはじめたりと大忙しのふたりです。

そうこうしているうちにオープンから2年が経過。今年は一年目ではあまり見れていなかった会計にもしっかりと時間を割いていくことを目標の一つとして挙げています。

そうして到来した2回目の決算期。税理士に決算業務をお願いしているカカ男は、今年も決算書の一部である「損益計算書」を出力しています。この「損益計算書」こそ、忘れずに提出はしているものの、じっくり目を通せていないものの一つ。

これを機に、カカ男とチヨ子の「みんなのチョコレート」を参考に損益計算書の役割を理解しましょう!

そもそも損益計算書(P/L)って何?

損益計算書(以下、P/L)はそもそもどのような役割を果たしているのでしょうか。カカ男とチヨ子は、一年でいくら稼げたかがわかる計算書だとざっくりと理解していました。

もう少し噛み砕いてみましょう。実店舗を持っていれば、商品の売り上げを日々会計ソフトなどで記録するでしょう。これが、売上高です。

ところが売上高だけを見ても、実際の売り物であるチョコレートだけで生み出せた利益はわかりません。なぜなら、売上高にはチョコレートをつくるのにかかった製造コストや、チョコレートを包むパッケージの費用、世界各国からカカオ豆を仕入れるのにかかった費用など、チョコレートの製造販売に必要となるさまざまなコストが含まれてしまうからです。

P/Lでは、これらのコストを全て差し引き、本業で生み出せた利益と本業以外の利益の合計額(当期純利益)を出します。

P/Lの役割はそれだけに止まらず、P/Lに含まれるさまざまな項目を読み解くことで、以下のような売り上げや経費まわりの疑問も解消できます。

  • 今年は経費削減に力を入れたつもり。利益が多かったのはそのおかげかな。
  • 今年は経費が予想以上にかかったが、利益もそれに負けず出せていたかな。
  • 来年の設備投資にどれくらい使えるんだろう。

これらの疑問を解消するためには、P/Lに含まれる以下のような勘定項目を読み解く必要があります。

  • 売上高
  • 売上原価
  • 売上総利益
  • 販売費および一般管理費
  • 営業利益
  • 営業外収益
  • 営業外費用
  • 経常利益
  • 特別収益
  • 特別損失

一見項目が多くややこしく感じてしまうかもしれません。しかしながら損益計算書とは 「去年の売り上げを上回るためにはどうすればいいだろう」「新たなことに挑戦したいけれどどうやってお金を捻出しよう」 という悩みの解決策が見いだせるビジネスオーナーの武器です。引き続きカカ男とチヨ子と学びを深めていきましょう!


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(3)3分で学べる!損益計算書(P/L)の活用方法