「キャッシュレス決済にはメリットが多い」と耳にしたことがある宿泊施設の経営者もいるかもしれません。
日本は現金で支払う人が多いといわれていますが、訪日外国人観光客の増加や政府の後押しなどで、キャッシュレス決済は徐々に普及しています。海外と比較すれば、確かにまだまだ決済比率は低いですが、今後さらに広まっていく可能性は高いでしょう。
キャッシュレス決済は難しそうなイメージがあって、導入に踏み切れない経営者もいるかもしれません。
今回は、宿泊施設の経営者にとってキャッシュレス決済のメリットを紹介しながら、導入についても説明します。
目次
キャッシュレス決済とは
キャッシュレス決済とは、現金(キャッシュ)以外の方法で支払うことを指します。具体的な例として、クレジットカードやデビットカード、電子マネーなどが挙げられます。
現在、日本でも政府がキャッシュレス化を推進しており、経済産業省は「2025年までにキャッシュレス決済比率40%を目指す」という目標を掲げています。キャッシュレス決済が当たり前の世の中になるのも、そう遠い話ではないかもしれません。
「『2025年までにキャッシュレス決済率40%』キャッシュレス・ビジョンとは」の記事もぜひ参考にしてみてください。
宿泊施設でキャッシュレス決済を導入するメリット
売上アップにつながる
キャッシュレス決済なら、集客力向上や客単価アップが見込めるため、売上拡大も期待できます。
まず集客面ですが、今はインターネット上で宿泊施設を予約する人が多いようです。
参考:オンライン旅行取引サービスに関するアンケート結果(消費者庁)
宿泊施設の情報を集めたポータルサイトで、各宿のプランや空室状況を確認したり、宿泊施設同士を比較したりして、条件に合った宿泊施設が見つかれば、すぐに予約をしたいと考えるお客様もいるでしょう。
お客様の中には、クレジットカードや電子マネーで宿泊料金を支払いたい人もいます。ポータルサイトの検索条件には、「カード決済が可能か」「電子マネーが使えるか」などの項目が含まれている場合があります。もし用意している決済方法が現金のみだった場合、検索の時点で、そのお客様の選択肢から外れてしまう可能性があります。さまざまな支払い方法を導入していれば、それだけ多くの人々の目に触れることができ、選ばれるチャンスが増えると考えられます。
次に、客単価についてです。キャッシュレス決済を導入した一部の企業では、実際に客単価が増加する効果を得られているようです。
参考:キャッシュレス化推進に向けた国内外の現状認識(株式会社野村総合研究所)
手元に現金が無くても買い物ができることから、飲食店や小売店では追加注文をしやすくなり、高額な商品の購入をあきらめずにすむなどの効果があると考えられます。
宿泊施設でも、飲食物やお土産などを扱っている場合、クレジットカードや電子マネーを利用できるようにすることで、同様の効果を得られる可能性があります。
お客様にとっても、いちいちATMに出向いて現金を下ろす手間や、多額の現金を持ち歩くわずらわしさを解消することができます。お客様の利便性向上という面でも、キャッシュレス決済はメリットがあります。
フロントの業務効率化につながる
キャッシュレス決済なら、フロントで行う会計処理やレジ締め処理がスムーズになります。
まず、会計処理ですが、現金会計に比べて大幅に手数が少なくなります。現金の場合、お客様から金銭を受領し、金額を確かめた上でレジに入力、釣り銭の金額を確認し、それをお客様にお渡しする、という流れになります。手作業の部分も多く、金額の数え間違いやレジへの入力ミスが発生するおそれがあります。現金を取り出すのに手間取ったり、小銭を落としてしまったりすれば、さらに会計処理が滞ってしまうことでしょう。
一方、クレジットカードなどのキャッシュレス決済であれば、必要な作業はほぼ機械が担うので人為的ミスが大幅に少なくなり、スムーズな会計処理ができます。
次にレジ締め作業ですが、現金の場合はその金額を数えて売り上げと照らし合わせ、きちんと数が合うまで、時間や人員をかけて確かめなければなりません。しかし、キャッシュレス化されていれば、数えるべき現金がそもそも少なくなるので、作業時間を短縮できます。現金が手元に無くなるため、盗難や強盗に遭うリスクも減らせることが期待できます。
業務を効率化できれば、少ない人数でも業務を回すことができるようになるため、コスト削減にもつながります。
外国人観光客に選ばれる
キャッシュレス決済の導入は、インバウンド対策にもつながります。
訪日外国人観光客の数は年々増えており、政府も観光者数のさらなる増加を目指しています。具体的には、訪日外国人観光客数を2020年までに4,000万人に、さらに、2030年には6,000万人にするという目標を掲げています。
海外では、キャッシュレス決済が広く普及している国もあることから、外国人観光客が増えれば、その分キャッシュレス決済に慣れた観光客も増えていくと予想されます。こうした状況においては、現金払いしかできない宿泊施設よりも、クレジットカードなどのキャッシュレス決済もできる宿泊施設のほうが、外国人観光客に選ばれやすくなるでしょう。
特に宿泊施設については、2020年に東京大会、2025年には大阪・関西万博などの大規模なイベントなどが開催されることもあり、今後よりいっそうの需要が見込まれます。キャッシュレス決済を取り入れることは、インバウンド対策として有効な手段だといえるでしょう。
「クレジットカード決済を導入したい」と思っていても、「導入コストが高いのでは」「手続きが複雑で面倒なのでは」「機械操作が難しそう」などといったハードルを感じてしまう人も多いかもしれません。
たとえばSquareなら、月額費用は不要。かかるのはSquare リーダーの購入費用(7,980円税込)と、クレジットカードやQRコード、電子マネーを含むキャッシュレス決済時に発生する決済手数料のみなので、ランニングコストを抑えることができます。必要なものは、普段お使いのスマートフォンやタブレット端末、専用のIC カードリーダー(Square リーダー)、無料アプリです。使い慣れているモバイル端末を使うので、「機械は苦手で……」という人でも簡単に使えます。
経営者にとっても、お客様にとっても、数多くのメリットがあるキャッシュレス決済。この機会にぜひ導入を検討し、「選ばれる宿」を目指してみてはいかがでしょうか。
執筆は2018年6月28日時点の情報を参照しています。2019年4月9日、2022年9月15日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。 Photography provided by,Unsplash