2017年に全米1,164社を対象に行った調査(米・Mercury Analytics社実施)では、42%の事業者がオンライン上でクレジットカード決済を受け付けていると回答しています。また、76%が店舗でカード決済を受け付けています。オンライン上の売り上げと実店舗の売り上げがどちらも重要度を増している中で、今後のビジネス展開について悩んでいる事業者もいるのではないでしょうか。ECサイトを実店舗に展開したい、もしくはその逆を考えているかもしれません。また、他にどのような選択肢があるのかを検討している最中という事業者もいるでしょう。
あらゆる販売経路と流通経路をシームレスにつなげるオムニチャネル。今回はWooCommerceとSquareを使ったオムニチャネル化について紹介します。
目次
消費行動の変化
消費者の購買行動は時代とともに変化し、また期待値も上がっています。2018年現在、多くの消費者は居場所に関係なく、簡単で便利に買い物をしたいと望んでいます。Deloitte Consultingが行った最近の調査によると、消費者の3人に2人以上はオムニチャネルを利用しています。つまり、欲しいものを探す、買う、場合によっては返品をする、という一連の買い物体験において、消費者は複数のチャネルを利用するようになっているのです。
いくつものチャネルを駆使して買い物をする消費者が今後も増加し続けることからも、オムニチャネル化を優先的に推し進めることが、小売業にとって欠かせない経営戦略であり、重要な投資先です。
JDAが経営者を対象に実施した調査では、半数以上の経営者が「新しい顧客体験を創造すること」を経営戦略のトップに位置づけており、オンライン上での事業展開に注力できるように実店舗の改善や出店数の削減を考えている経営者も同様に半数を占めています。消費者心理の変化に柔軟に対応することは、ビジネスには欠かせないことです。
事業者を取り巻く環境
さまざまな事業者が消費者の購買行動に合わせた対応を行っている一方、依然として変化を求められている重要な部分があります。2017年のMercury Analytics社による調査では、回答者の56%が実店舗を持ち、21%が期間限定ショップやイベントに出店し、34%が自社のECサイト上で、25%がFacebookを通して販売をしています(ソーシャルメディアを販売に使っている事業者は40%)。また、16%がアマゾンを利用しています。
もう少し詳しく調査結果をみてみると、決済に関する質問では、76%を占める大多数の事業者が対面でクレジットカード決済を受け付けていると答えています。しかしながら、オンライン上でクレジットカード決済を受け付けているのは、たった42%でした。
販売チャネルを増やすメリットは
オムニチャネルを利用する消費者は、商品やブランドに対して愛着心のある、ロイヤルカスタマーであることがわかっています。ハーバード・ビジネス・レビューが行った調査では、1つのチャネルだけを利用している顧客の消費額と、複数のチャネルを利用している顧客の消費額を比較しています。
複数のチャネルを利用する人のほうが、店舗での買い物で毎回4%多く消費しており、ECサイトでは10%も多く消費しています。加えて、 オムニチャネルを利用する消費者の方がリピーターになりやすく、また家族や友人など周囲の人に勧める傾向があるようです。販売チャネルを増やし、オンラインにもビジネスを広げることは、売り上げの伸びにもつながるようです。
ECサイトを始める前に考慮すべき点
販売チャネルを増やすことは、簡単なことではありません。以下では、ECサイトを成功させるのに欠かせないポイントについて説明します。
1. 競合他社を知る
ECサイトを始める前に、業界全体と同業他社について、綿密な調査を行うことは欠かせません。ECサイトと実店舗の両方があることが強みになるかもしれませんが、それ以外にも他社とは明確な違いがあるはずです。ビジネスを差別化し、独自の戦略を立てましょう。
2. ターゲット層を決める
優先すべきターゲットを明確にしましょう。ターゲットを事前に絞っておくことが、その後の広告宣伝やECサイト作りでも大いに役に立つはずです。
3. オンラインで販売する商品を決める
すでに実店舗でで販売をしているのなら、同じものをECサイトで販売するのか、ECサイトに合わせた商品やサービスを販売するのかを決めましょう。
4. Eコマースに必要な機能を洗い出す
ECサイトには、2つの重要な側面があります。ひとつはお客様から見える部分です。それは、商品をどのように見せるか、レビューの書き込み機能が必要かどうか、レスポンシブデザインに対応するかどうか、などの部分です。販売する商品やターゲットによって、必要な機能が異なってきます。
もうひとつが、ECサイトを管理する上で必要な部分です。売り上げ金額や在庫数、ECサイトを訪れた人数といった、ECサイトを運営するために、必要なデータを把握する機能です。もし、実店舗があるなら、店舗で使用しているデータと統合し、全ての販売チャネルの情報を一元化させることで、常にビジネスの全体の動きが把握できるようになります。
ECサイトでの決済を楽に
ECサイトを作る準備がある程度整ったら、次は決済システムの選択です。Squareを実店舗で利用しているなら、オンラインで決済を受け付けるのも、全てのチャネルのデータを統合させるのも簡単です。加えて、WooCommerceとSquareの連携は無料です。
オンラインでSquareを使うメリット:
1. シンプルな料金体系
ECサイトでのクレジットカード決済手数料は3.6%です。
※利用できるカードブランドは、Visa、Mastercard、American Express、JCB、Diners Club、Discoverです。手数料について詳しくはこちらからご確認ください。
2. 入金の早さ
クレジットカード決済代金は最短で翌営業日に銀行口座に振り込まれます。
3. 業務の効率化
ひとつのプラットフォームで、実店舗とECサイトの両方の在庫管理が可能です。
4. 安全な決済
業界最先端のセキュリティ技術で加盟店とお客様の安全を保護しています。
メリーランドにあるCandles Off Mainを経営するMichael Waldonは、「売上の多くを占めるオンラインでの販売ですが、在庫管理には莫大な労力がかかっていました。Squareの在庫管理機能は本当に助かっています。よくある表計算ソフトを使った管理と違って、オフィスからでも、スマートフォンからでも、家からでも、どこでも在庫状況を把握できます。どこからでも在庫を管理できるのはビジネスには欠かせないことで、Squareは私に必要な機能を提供してくれました」と、感想を述べています。
SquareとWooCommerceの連携
SquareとWooCommerceの連携については、以下のサイトで手順をご確認ください。
この記事は2018年2月8日に公開されたブログ記事「Building an Omnichannel Business with WooCommerce and Square」から、翻訳・編集しています。執筆は2018年3月30日時点の情報を参照しています。2023年4月28日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash