店舗への集客方法の一つとして、ウェブサイトと合わせてInstagram(インスタグラム)を利用するケースが増えてきました。加えて、近年では集客だけでなく、Instagramに投稿から直接ショッピングができる機能を活用する店舗も増えています。本記事ではInstagramを集客に活用する方法を紹介します。

目次



Instagramで幅広い顧客層にリーチ

Instagramは、写真や動画を共有できるアプリで、ソーシャルメディアサービスFacebookによる買収後は同社がサービスを運用しています。Instagramは、写真や動画の投稿・共有が簡単にできることから人気となり、2017年にはInstagramで人目を引く被写体を表す「インスタ映え」が流行語大賞に選ばれました。2019年6月には月間アクティブアカウント数が3,300万を超えています。Instagramは女性ユーザーの方が多いといわれていますが、内訳としては女性が57%、男性が43%と、極端に女性ユーザーの方が多いというわけではなく、男性ユーザーも4割程度います。

参考:Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破(Facebook、2019年6月7日)

幅広い利用者に直観的に商品やサービスをアピールできることから、事業者がInstagramを集客に活用する動きが広がっています。特に飲食店、アパレル、ホテル、旅行といった写真や動画で視覚的にサービスの魅力を伝えられるビジネスでの集客に向いています。株式会社ジャストシステムが毎月行っている「モバイル&ソーシャルメディア月次定点調査」を見てみましょう。2019年6月度の調査では、流行のファッションを知る情報源としてInstagramがGoogleを抜いています。また、2020年6月度の調査によれば、Instagramのハッシュタグ検索で人気のある分野は、趣味、グルメ、観光・旅行の3分野だという結果が出ています。一方、Twitterで人気のあるハッシュタグ検索の分野は、趣味、ニュース・時事、芸能人・エンタメの3分野でした。

参考:
流行ファッション情報源として、「Instagram」が「Google」を抜く(2020年4月14日、株式会社ジャストシステム)
Instagramでハッシュタグ検索するのは、「趣味」と「グルメ」(2020年7月22日、株式会社ジャストシステム)

これまでInstagramについて「若い女性に人気のソーシャルメディア」というイメージを持っていた人もいるかもしれませんが、男性のユーザーも少なからずおり、前述の調査からは、興味・関心のある分野や、食や観光に関する情報を得るために利用している人が多くいることがわかります。事業内容がInstagramユーザー層と合わないと考え、これまでビジネスにInstagramを使ってこなかった人も、Instagramを集客に利用してみたくなったのではないでしょうか。

Instagramでの集客のポイント

Instagramには写真や動画を簡単に投稿できますが、ビジネスで集客につなげるためにはおさえておきたいポイントがあります。思いつきだけで投稿するのではなく、以下のポイントをおさえて戦略的に投稿しましょう。

コンセプトとターゲットの設定

ビジネス全般にもいえることですが、商品やサービスのコンセプトと集客したいターゲットを具体的に設定しましょう。年齢、性別、職業、どのような利用シーンでサービスや商品がお客様の役に立つのか、シナリオやペルソナを作って検討するのも一つの手です。たとえば、オフィス街にある飲食店では、「忙しい30代から50代の男性ビジネスマン」を対象に、「ボリュームと栄養のあるランチでお腹を満たしてパフォーマンスを上げたい」という要望を満たし、「事前に注文・支払いを済ませて店舗ではピックアップのみ」といった具合に細かくお客様や利用シーンを想定します。ランチメニューをアピールするのであれば、当日の通勤時間に合わせて投稿すれば、投稿を見た人がランチを買いに来てくれるかもしれません。このようにコンセプトと集客ターゲット、利用シーンを具体的に設定することで、内容がぶれずることなく、集客につながる投稿をできるようになります。

ビジネスプロフィールの設定

Instagramをビジネスに使う場合は、ビジネスプロフィールの設定は必須です。お客様が店舗に連絡したり、足を運んだりしやすいように電話番号や店舗の住所を掲載します。ビジネスプロフィールを設定すると、投稿がどのようにリーチし受けとめられたかが分かるInstagramインサイトにアクセスできるようになるだけでなく、お客様とのやりとりもスムーズになります。また、外部ツールを連携させて予約や事前支払いを受け付けることもできます。

これまで個人アカウントでInstagramに投稿してきて、すでに投稿がたまっている、フォロワーがいるといった場合も心配ありません。アカウントを一から作ってビジネスプロフィールを設定する必要はなく、既存のアカウントをビジネスプロフィールに切り替えられます。また、逆にビジネスプロフィールから個人アカウントへの切り替えもいつでもできます。

投稿内容(コンテンツ)

お客様や将来のお客様が見て楽しい、役に立つと思う投稿をするように心がけましょう。頻繁にビジネスと無関係な投稿をし、内容がぶれることが多いと、お客様離れにつながりかねません。以下のポイントを定期的にチェックしながら投稿することをお勧めします。

楽しい・役に立つ投稿ができているか

飲食店であれば人目を引く商品写真と合わせて、時々旬の食材やレシピを紹介する、お得な商品の情報を紹介する、といった投稿が考えられます。仕入れや調理にこだわりがあれば、仕入れの様子や厨房の様子を投稿してもよいでしょう。アパレルビジネスであれば、商品だけでなく、商品のコーディネートを紹介するのも一つの手です。商品やサービスの宣伝は集客につながりますが、長期的にお客様と関係築くような共感を呼ぶ投稿も大切にしてください。店舗のコンセプトと照らし合わせて適切に宣伝とそうでない投稿のバランスをとりましょう。

更新頻度は適切か

適切なコンテンツを投稿していても、投稿があまりに頻繁だと、お客様にうるさく感じられてしまうかもしれません。頻度の目安として、日に一回から二回、多くても三回程度を限度に投稿するようにしましょう。逆に投稿が少なすぎてもお客様の目にとまらず、集客につながりません。ソーシャルメディアでの投稿が苦手で投稿の間隔が開いてしまいがちという人は、定期的に投稿するようにカレンダーやタスク管理アプリでアラートを設定したり、投稿内容をストックしておいたりするとよいでしょう。

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ハッシュタグをつけているか

Instagramの投稿には本文に「#」で始まるハッシュタグを含めることができます。ハッシュタグをつけると、同じタグでつながる他の投稿から、自分の投稿に導線を引くことができます。ビジネスランチを提供する飲食店であれば、ランチメニューの投稿に「#ビジネスランチ」とハッシュタグをつけたり、「#〇〇市」と地名を入れたりすることで、より多くのユーザーに投稿をアピールできるようになります。また、店舗名をハッシュタグにすると、店舗の投稿とお客様の投稿を集めることもできます。ただし、ハッシュタグの数には制限があり、ハッシュタグがつきすぎている投稿は敬遠される可能性もあり、注意が必要です。利用者数が多すぎず少なすぎないハッシュタグ、集客につながるハッシュタグを見極めて、厳選したハッシュタグをつけるようにしましょう。どのようなハッシュタグをつけていいかわからないという場合は、競合店や類似のビジネスで使われているハッシュタグを参考にするとよいでしょう。

コメントでのコミュニケーションができているか

Instagramに投稿すると、投稿に対してコメントがつくことがあります。コメントの内容は、投稿に対する印象から商品やサービスに対する質問までさまざまです。また、お客様が自社の商品やサービスについて投稿しているのを見かけて、コメントしたくなることもあるでしょう。コメントを書いたり返信したりするには時間がかかりますが、お客様と関係を構築するためのコミュニケーションです。ていねいな対応からファンがつき、集客につながる可能性も十分あります。

フォロー・シェア

フォローついては、フォローされたら必ずお返しにフォローするというのではなく、独自の方針でフォローするとよいでしょう。お客様からフォローされたらフォローするビジネスアカウントがある一方で、関連するビジネスやリスペクトしているビジネスのみフォローしているビジネスアカウントもあります。

Instagramで投稿をシェアすることは「リポスト」と呼ばれます。リポストは公式機能ではなく、リポスト機能のあるアプリで行います。リポストの利用方法として、飲食店であればお客様がとった商品の写真をリポストしたり、アパレルビジネスであればお客様のコーディネート写真をリポストしたりすることが考えられます。リポストすることで、第三者の視点から自社の商品やサービスがどのように見えているか伝え、リポストした投稿の投稿者にはある種の感謝を伝えることができます。

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Instagramのメリット

集客のポイントを紹介しましたが、Instagramでの日々の投稿やコミュニケーションはとても手軽です。実際に投稿してみるとわかりますが、スマートフォンで写真や動画を撮って、短いコメントとハッシュタグを書いて、投稿するのみです。この手軽さがInstagramのメリットの一つです。

また、他のソーシャルメディアにもいえることですが、Instagramでは双方向のコミュニケーションが可能です。さらにビジネスプロフィールを設定すると、お客様との直接のコミュニケーションがよりスムーズになります。

Instagramがビジネスに利用されるようになり、ビジネス向けの外部ツールが提供されるようになりました。これらのツールを利用すると、プロフィールに「料理を注文する」といったボタンが表示され、クリックしたユーザーにはデリバリーサービスの情報が表示されます。このボタンをスタンプとして24時間限定の短い動画「ストーリーズ」に入れて投稿することもできます。

Instagramのデメリット

幅広い層のユーザーに手軽に商品やサービスをアピールできるInstagramですが、デメリットも存在します。

まず、視覚的にアピールしにくい商品やサービスはInstagramでの集客に向かないかもしれません。たとえば金融やIT関連のビジネスの場合、飲食店などに比べて、詳しく商品やサービスについて文章で伝える必要があることが多く、Instagramで商品やサービスの魅力を視覚的に伝えるのは容易ではありません。このようなビジネスの場合、社内の雰囲気を伝えて間接的な集客につなげるといったInstagramの利用方法が考えられます。また、画像作成の手間はかかりますが、キャンペーンのアピールにInstagramを活用している事例が見られます。

Instagramの傾向として、ビジネス色が強い投稿は敬遠される可能性があります。ビジネスの内容によっては直観に訴える楽しい投稿、共感を呼ぶ投稿は難しいかもしれませんが、Instagramを集客に利用する場合には、Instagramユーザーが好むような投稿をする必要があります。もう一つ、Instagramの傾向として、Instagramでは他のソーシャルメディアと比べてフォロワーが増えにくいといわれています。フォロワーを増やすには単発のインスタ映えする投稿だけでなく、「どのような店舗なのだろう?」「フォローするとおもしろい情報、お得な情報が得られるかもしれない」と思わせるのが重要です。フォロワーが伸び悩んでいる、短期間にフォロワーを増やしたいといった場合には、フォローキャンペーンをする、インフルエンサーに店舗を取り上げてもらうといった施策も検討の余地があるかもしれません。

Instagramを集客に利用するにあたって、おさえておきたいポイントは少なくありませんが、自分のビジネスがInstagramでの集客に向くのか検討し、向いているようであれば、Instagramを活用しない手はありません。Instagramを使った集客はスマートフォンとインターネットさえあれば今すぐにでも始められます。

はじめのうちはミスや改善事項がたくさん出てくるかもしれませんが、すぐにその手軽さと効果を実感できるはずです。

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執筆は2021年5月5日時点の情報を参照しています。
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