スーパーとレストランの融合、グローサラントとは

グローサラントという言葉を聞いたことがありますか。欧米では一般的に知られている言葉のようですが、最近は日本で耳にした人もいるのではないでしょうか。

今回は、スーパーとレストランが融合したグローサラントについて紹介します。飲食業界や流通業界に関係ない方もアイデアのヒントになりますので、ぜひ参考にしてみてください。

グローサラントとは

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グローサラント(grocerant)とは、食料品店(grocery)とレストラン(restaurant)を意味する英単語を組み合わせた造語のことです。食料品店で売られている食材を使ってレストラン並みの料理を店舗内および敷地内で楽しむことができる新しい業態です。

購入したものを店内で食べるというと、イートインを思い浮かべる人もいるでしょう。イートイン(eat-in)は店内に並んだ惣菜を購入して店内で食べるのに留まる一方、グローサラントは店内で販売している鮮度の高い食材を使って出来たての食事を提供するので、お客様は新鮮で本格的な料理を買い物と同時に店内で楽しめます。また、「手軽に食事をする場所」としてテーブルと椅子を配置しただけのイートインとは異なり、グローサラントではレストランのようにお客様は「ゆっくりと食事を楽しむ」ことができます。

お客様にとっては、「実際に食べてみてから購入出来るのが嬉しい」「自炊は面倒だが、惣菜は少し味気ない」「食事の時間を大切にしたいけれど、一人でレストランに入るのは気がひける。グローサラントなら気軽に入れてゆっくり過ごせる」などのメリットがあるようです。

グローサラントのメリット

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グローサラントを経営するお店側にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

販売促進

お客様に売り場に並んでいる食材を実際料理として楽しんでもらうことは販売促進につながります。オンラインショッピングや食材宅配サービスとは違い、お客様は販売している食材を実際に食べてみることで安心して購入することができるでしょう。

また、こんなお客様もいるかもしれません。「黒豆とクリームチーズの組み合わせって意外に合う。クリームチーズだけを買う予定だったが、黒豆も併せて購入しよう」当初は購入するつもりがなかった食材も併せて購入する可能性もあります。お客様にさまざまな組み合わせを提案できると同時に、販売促進もできます。

効率的な在庫管理

「興味はあるけれど、どう調理すればよいか分からない」と食材の購入をためらうお客様もいるのではないでしょうか。そのような場合は、食材を使った料理教室を開催し、食材の活用方法や調理の仕方などをお客様にアドバイスします。食材だけでなく、調理器具の購入も促進できます。家庭でも調理できると分かれば、実際の購入につながるかもしれません。

売り上げが伸びない食材や在庫が余っている食材を料理教室で活かすこともできます。

レストランと食料品売り場を併せると、在庫管理が難しいと思う経営者もいるかもしれません。Square 在庫管理を使えば、リアルタイムで在庫状況を確認できます。ぜひ参考にしてみてください。

気をつけること

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お客様とお店の双方にメリットがあるグローサラントですが、気をつけなければならない点もあります。

誘導

「レストランで食べたから、買わなくてもいいか」と思うお客様もいるでしょう。レストランでの食事を楽しんでもらうことはサービスを提供する側にとっては喜ばしいことです。しかしながら、グローサラントの良さを活かすためには、レストランから食料品売り場へ誘導する工夫をしましょう。

たとえば、料理と一緒にレシピや食料品の売り場の位置がわかるカードを渡すことも効果があります。また、レストランで食事をしたお客様には食料品売り場で使える割引券をプレゼントしてもよいかもしれません。反対に、食料品売り場にいるお客様には調理しているところが目に入るようにすることでレストランで食事をしたくなるようにしましょう。

客層

どのようなお客様が来店するかを調べましょう。住宅街であれば小さな子ども連れのお客様も利用しやすいよう通路を広くとり、学生街などで一人で来店するお客様が多いのであればカウンター席を充実させましょう。高級感を演出するのであれば、家具や食器にこだわりホテルのラウンジのようにもできます。

グローサラント経営に興味がある方は、他の企業とのコラボレーションから始めることも一つの方法です。たとえば、現在カフェを経営している方なら、コラボレーションのパートナーとして食料品を取り扱うお店を探してみてはどうでしょうか。コラボレーションによって、飲食店と食料品店の融合に留まらない、新たなアイデアが生まれるかもしれません。

企業間コラボレーションのすすめの記事にもコラボレーションのメリットをまとめています。

食材もオンラインで購入できる時代だからこそ、消費者は実際に店舗に足を運び食材を吟味することに新鮮さを感じるかもしれません。新たなビジネス形態、グローサラント。ぜひ参考にしてみてください。

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執筆は2017年11月21日時点の情報を参照しています。
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