YouTube広告は多種多様なビジネスの魅力を発信できるマーケティングツールです。年齢、地域、言語など、求めるターゲット属性にピンポイントで情報を届けられるのがYouTube広告の魅力といえます。YouTube広告の配信フォーマットの種類、課金方式、具体的な広告出稿の方法まで、初めてのYouTube広告配信に必要な情報をまとめました。
目次
- YouTube広告とは
- YouTube広告のメリット・デメリット
・メリット
・デメリット - YouTube広告の配信フォーマットは6種類
・1. インストリーム広告
・2. インフィード動画広告(旧TrueViewディスカバリー広告)
・3. バンパー広告
・4. アウトストリーム広告
・5. マストヘッド広告
・6. オーバーレイ広告 - YouTube広告を配信する際の費用・課金方式
・CPM(Cost Per Mille):インプレッション課金
・CPV(Cost Per View):動画視聴課金
・CPC(Cost Per Click):クリック課金
・CPD(Cost Per Day):日割単価課金 - YouTube広告の出稿方法
・事前準備
・1. YouTubeチャンネルに動画をアップロード
・2. Google 広告から動画キャンペーンを作る
・3. 予算・ターゲットを設定
・4. 配信する動画を入稿
・5. 審査に通ると配信開始 - Squareでコストを抑えて効率的にビジネス運営
・SquareのPOSレジシステム
・Squareのオンラインストアシステム
YouTube広告とは
動画プラットフォームでコンテンツを視聴するとバナーや動画などさまざまなタイプの広告を目にするように、動画広告市場は拡大中です。特に、YouTubeで配信するYouTube広告は、ビジネスにとってさまざまなメリットのあるツールといえます。
世界で20億人以上のユーザー数を持つYouTubeのは、若者からシニア世代まで利用者が幅広く、YouTube広告の配信も幅広い年齢層をターゲットに設定できることが特徴です。
YouTube広告は視覚と聴覚にうったえかけ、宣伝やブランディングのインパクトを増大させます。テレビCMのオンライン版ともいえますが、ユーザーをリンク先へ誘導できる特性はオンラインならではです。
昨今のデジタル化の波は、動画ユーザーの増加と相まって動画広告市場を活性化させており、YouTube広告の利用価値のさらなる高まりが予想されます。
YouTube広告のメリット・デメリット
YouTube広告は、大手企業から個人事業までさまざまなビジネスで利用できます。YouTube広告の配信に着手する前に、利用のメリットとデメリットを検討してみましょう。
メリット
YouTube広告には、主に以下の3点のメリットがあります。
- 幅広いユーザーにリーチできる
- ターゲティングや配信フォーマットの種類が豊富
- 効果検証ができる
YouTubeの利用者層の厚さにより、YouTube広告は幅広いユーザーにリーチできることが最大のメリットといえます。リーチしたいユーザーの年齢層などの属性を指定して広告を配信するうえで、母数となる全体のユーザー数の多さが大きな強みです。
また、ターゲティングや配信フォーマットの種類が豊富であることも特徴です。ターゲティングについては、ユーザーの地域、性別、年齢、視聴時間帯、曜日、好みの傾向などを細かく指定し、ピンポイントで「情報を届けたい相手」に向けて効率的に配信できます。YouTube広告には複数の種類があり、動画の長さや表示位置など、商材やブランドの特性、予算、目的などに応じてさまざまなフォーマットを利用可能です。
YouTube広告はただ出稿して終わりではなく、配信中や配信後に効果検証ができることも大きなメリットです。たとえば、立てた仮説に基づいてターゲットを設定して出稿したものの期待した反応が得られないという場合は、ターゲティングを調整し、反応を再度検証するといった試みもできます。効果検証によって広告価値の最大化を目指し、マーケティングの精度を高めていけるのが魅力です。
デメリット
YouTube広告の出稿を検討するなら、以下のデメリットも考えておきましょう。
- 広告をスキップする人が多い
- 動画作成に費用がかかる
- クリック率やコンバージョン率が低い
広告をスキップする人が多いことはYouTube広告の課題ですが、スキップ前の最初の5秒で「この商材は自分に関係がありそう」と視聴者に感じてもらうことができれば継続視聴されます。つまり、魅力的な動画作りや適切なターゲティングが肝要といえるでしょう。
さらに、動画広告は自作も可能ですが、高品質な動画を作るにはプロに依頼することになるため、動画作成に費用がかかることも理解しておく必要があります。ただしYouTube広告には動画以外にバナーなどの画像タイプもあり、予算と目的に応じた使い分けが可能です。
また、YouTube広告の特徴としてクリック率やコンバージョン率が低い傾向があります。そのため、YouTube広告の利用目的を明らかにし、目的と合致した配信フォーマットを選びましょう。
YouTube広告の配信フォーマットは6種類
YouTube広告には基本的に6種類の動画フォーマットがあり、いずれも自社ビジネスやブランドの認知アップに効果的です。
1. インストリーム広告
テレビCMのように視聴コンテンツの前後または途中に、同じ画面サイズで再生されるタイプのYouTube広告です。スキップ可またはスキップ不可の2タイプがあります。
スキップ可能なインストリーム広告は開始5秒後からスキップできるため、最初の5秒でユーザーを引きつける動画作りが必要です。
スキップ不可のインストリーム広告は15秒以下の動画に限定されますが、全編を見てもらえる価値は大きいでしょう。
2. インフィード動画広告(旧TrueViewディスカバリー広告)
パソコンであれば視聴コンテンツの右側のフィード内に表示されるYouTube広告です。スマートフォンの場合は視聴コンテンツの下側に表示されます。他の関連動画と並んで表示されるため、目につきやすく、ネガティブなイメージを生みにくいという利点もあります。
3. バンパー広告
視聴コンテンツの前後または途中に同じ画面サイズで再生され、スキップできないタイプのYouTube広告ですが、動画の長さが6秒間に限定されています。6秒という短さはユーザーのストレスになりにくく、短い動画にメッセージを凝縮してインパクトを与えられます。
4. アウトストリーム広告
YouTubeと提携するパートナーサイトやアプリで配信するタイプの広告です。YouTube外で表示されるため、YouTubeを利用していない人にもリーチできます。
5. マストヘッド広告
YouTubeトップページの検索窓の直下という、非常に目に入りやすい位置に表示するタイプで、ブランドの認知拡大に効果的です。他のYouTube広告と異なり、正規の広告代理店を通して出稿します。
6. オーバーレイ広告
オーバーレイ広告は、YouTube広告の中で唯一の「静止画」タイプです。再生中の視聴コンテンツに重なるようにバナータイプの画像広告やテキスト広告を表示させます。パソコンのみでの表示ですが、動画作成の手間がありません。
YouTube広告を配信する際の費用・課金方式
YouTube広告の費用は基本的に入札形式で決定します。広告配信のタイミングごとに自動オークションが行われ、あらかじめ設定しておいた入札額のうち高い入札額のYouTube広告のほうが表示される仕組みです。
課金方式は、広告の表示ごと、クリックごとなどがあります。費用の仕組みをしっかり理解してからYouTube広告を出稿しましょう。
なお、YouTube広告の種類によっては、複数の課金方式から選択できるものもあります。
CPM(Cost Per Mille):インプレッション課金
CPMはインプレッション(表示)回数をベースとする課金方式です。CPMの場合、YouTube広告がユーザーに表示されるたびに1回とカウントされ、1,000回に達すると費用が発生します。比較的低コストで運用できるのがメリットです。「広告が表示される視聴コンテンツの再生1,000回ごとに課金」というCPMもあります。
以下のYouTube広告は、CPMの課金方式を利用可能です。
- インストリーム広告
- バンパー広告
- アウトストリーム広告
- マストヘッド広告
CPV(Cost Per View):動画視聴課金
CPVは広告動画が1回視聴されるごとに課金される方式で、条件を満たす視聴だけが課金対象です。以下のYouTube広告で利用されています。
- スキップ可能なインストリーム広告
(スキップされた場合や視聴時間が短かった場合は視聴回数にカウントされず、課金なし)
CPC(Cost Per Click):クリック課金
CPCは、広告をクリックした回数ごとに課金される方式で、興味を持ったユーザーの視聴の分のみコストが発生するので合理的です。
- インフィード広告
CPD(Cost Per Day):日割単価課金
CPDは1日1社限定で配信可能なYouTube広告の課金方式です。事前予約制で、1日数百万円と高額な費用がかかることもあります。
以下のYouTube広告はCDPの課金方式を選択できます。
- マストヘッド広告
YouTube広告の出稿方法
実際にYouTube広告の出稿作業を開始する前に、全体のフローを確認しておきましょう。
事前準備
まず、YouTubeの親会社であるGoogleの広告配信システム「Google 広告」に登録します。登録には「YouTube広告で宣伝したいウェブサイトのURL」と「支払い方法」の設定が必要です。次に、YouTube広告に掲載したい動画または静止画を用意します。
1. YouTubeチャンネルに動画をアップロード
Googleアカウントにログインした状態でYouTubeを開き、パソコン画面右上のビデオカメラのアイコン(作成)から、「動画をアップロード」をクリックします。動画ファイルを選んだら、必要事項を入力・選択し、最後に「公開」または「限定公開」を選択して保存すると公開されます。
2. Google 広告から動画キャンペーンを作る
Google 広告の初期設定画面、または管理画面の「新しいキャンペーンを作成」から作業を開始します。キャンペーン目標は「目標を指定せずにキャンペーンを作成する」を選んでおくとあとからカスタマイズできます。キャンペーンタイプは「動画」です。キャンペーンのサブタイプは、配信したいYouTube広告の種類に応じて選びます。
3. 予算・ターゲットを設定
続いて、自分が管理しやすいキャンペーン名を付けたら、広告予算の使い方を意味する「入札戦略」を決定します。広告の種類に応じて「上限広告視聴単価」か「目標インプレッション単価」を選びます。
同じページで、予算と日程、地域、言語の他、ターゲットとするユーザー属性やコンテンツのキーワードを設定します。
4. 配信する動画を入稿
YouTubeチャンネルにアップロードしておいた動画のURLを指定位置に貼り付け、動画フォーマットを選択します。「行動を促すフレーズ」は、動画広告内に表示させる「詳しく見る」「購入する」「今すぐ予約」などの言葉を指し、YouTube広告を見たユーザーに起こしてほしい行動を記載します。最後に入札金額を設定して「キャンペーンの作成」を押すと、YouTube広告の出稿手続きは完了です。
5. 審査に通ると配信開始
YouTube広告は、審査を通過しないと配信できません。GoogleやYouTubeが掲げるポリシーや要件にマッチすることが確認されると、配信が開始されます。
Squareでコストを抑えて効率的にビジネス運営
YouTube広告を配信する前に、自社のビジネスのターゲットは誰か、宣伝の目的は何かを考えておく必要があります。日頃から売上傾向や顧客情報などのデータを記録・分析しておくことで、ビジネスの加速に必要な要素を明らかにすることができます。
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Squareを導入して効率化を図りながら、日々の業務の中からビジネスの伸びしろを見出し、YouTube広告などを上手に利用して店舗やオンラインストアを成長させていきましょう。
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執筆は2023年2月6日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。
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