飲食店が独自ウェブサイトを持つべき理由

お客様は、店選びの判断材料になる情報をできるだけ多く知りたいと思っています。

今回は、飲食店が独自のウェブサイトを持つことで得られる効果と、お客様がウェブサイトにどのような情報を求めているのかをご紹介します。

グルメ情報サイトの限界

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インターネットで外食先を探すお客様の多くは、グルメ情報サイトを利用しています。自分の好みや条件に合わせてお店を検索することができ、モバイルから利用できる専用アプリもあるので、その利便性が多くのユーザーを集めています。

グルメ情報サイトは、検索エンジンからもアクセス数を集めています。例えば、検索エンジンで「新橋 鍋料理 宴会」というように、飲食店の条件のみを入力しても、検索結果の上位に出てくる店舗情報を、ほとんどグルメ情報サイトが占めています。

しかし、ユーザー数が多く、何万軒もの情報が掲載されている分、グルメ情報サイトだけで自分のお店を選んでもらうのは難しいです。

掲載情報の制限

グルメ情報サイトに満足のいく情報を掲載することは容易いことではありません。モバイル端末から閲覧することも考慮し、限られたスペースに情報を載せなければなりません。

オプションとして、基本情報以外にも、お店からのコメントなどを挿入できる場合もあるようですが、ほとんどのユーザーは、お店選びの判断材料に基本情報と他ユーザーによる口コミを重視する傾向にあります。

デザインの制限

各飲食店のページには、同じテンプレートが適用されます。テキストと写真のレイアウトはサイト側によって決められるので、ページのデザインで個性を出すことは難しいでしょう。

情報コントロールの制限

主なグルメ情報サイトには、各ユーザーが飲食店の紹介ページに口コミを直接投稿できる機能があります。実際にお店に行った人の感想や撮影した写真は、お店探しで迷っているユーザーにとって参考にしやすい情報です。

しかし、口コミにはお店にプラスのイメージを与えるものもあればそうでないものもあります。店舗側は、掲載したい情報とそうでない情報のコントロールができません。必ずしも好意的ではない口コミが含まれる可能性もあります。

この他にも、グルメ情報サイトのデメリットとして、広告バナーが入る、クーポンが前面に出て安さアピールになってしまう、チェーン店に紛れて目立たない、情報量の差別化を図るにはお金がかかる、などが挙げられます。

お店の色を出してお客様にアピールする場として十分とは言えないでしょう。

独自ウェブサイトのメリット

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グルメ情報サイトだけでは難しいお店のアピールを実現できるのが、飲食店の独自のウェブサイトです。

サイトの運営者がお店側なので、情報量やレイアウトの制限がなく、他の媒体では語りきれなかったアピールポイントを好きに載せることができます。

お店に一度も来たことがない新規のお客様にとって、お店がウェブサイトを持っているということは、安心にも繋がります。情報サイトの店舗情報だけでは来店の決め手に欠ける場合も、お店が公式ウェブサイトを開設していると知れば、より詳しい情報を求めて、URLをクリックしてくれるかもしれません。

リピーター客にとっても、メリットがあります。既に印刷してしまったチラシや、運営会社が一元管理しているグルメ情報サイトの情報は、内容をすぐに変更することは困難です。しかし、飲食店に独自のウェブサイトがあれば、営業時間変更のお知らせなどの情報を、リアルタイムに更新することができます。

お客様は古い情報や問い合わせの手間に煩わされることなく、いつでもどこからでも最新情報を確認することができます。他のお客様にお店を紹介するときも、「ウェブサイトを見て」と紹介することが多いので、新規のお客様を見込むこともできます。

なんらかのきっかけで、「このお店、良さそう」という興味を持ってくれたお客様に、ウェブサイトを訪れてもらい、そこで一気に「このお店に行きたい!」と後押しするのが、独自のウェブサイトの効果なのです。

ウェブサイトに盛り込む内容

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最新情報

営業時間の変更、臨時休業、貸切予約など、常に最新の情報を更新するようにします。特に直接お店のウェブサイトに訪れるリピーター客は、この情報を頼りにしています。トップページなどに配置をして、目立つようにしましょう。年末年始の挨拶なども、ここに掲載するといいでしょう。

コンセプト

どのような想いでサービスを提供しているのか、お客様にどのような時間を過ごしてほしいのか、お店の歴史やこわだりを丁寧に伝えましょう。お店のファンを増やすチャンスです。

写真

初めて来店するお客様にとって、お店の雰囲気を事前に知ることができる写真は必須です。飲み会やデートなどの特定のシーンに合わせて飲食店を探すお客様もいらっしゃいます。店外観、内観、席、料理など、「お客様はどんな情報を求めているのか」を考えることが重要です。

予算に余裕があれば、プロのカメラマンに依頼するなどして、美味しそうな料理の写真や、店内の雰囲気が伝わってくる印象の良い写真を選んで掲載するようにしましょう。

メニュー

メニューは、ウェブサイトに掲載する情報の中核を占めています。来店前からメニューを見ることができれば、お店選びのための大きな判断材料になります。メニュー内容に更新があれば、最新情報で周知します。

アクセス

お店の所在地は正確に説明しなければなりません。手書きの地図や、過度に簡略化した地図では、お客様の来店意欲を下げてしまうこともあります。
住所は、コピーができるテキスト形式で記載し、地図アプリなどにそのまま貼り付けてもお店の位置が正しく表示されることを確認しておきましょう。

FAQと問い合わせ先

来店前のお客様の不安や疑問をなるべく解消しましょう。よくある質問と回答を記載します。

飲食店の場合、営業中は電話が繋がりにくくなる傾向があるので、電場番号に加えてメールアドレスも準備できると、問い合わせに答えられる幅も広がるでしょう。

求人情報

費用もスペースも制限がある求人広告とは異なり、独自のウェブサイト内であれば、好きなように求人することができます。求人側の想いが伝わるように工夫をします。既に働いている先輩スタッフのコメントなどを載せると効果的です。

その他にも、余裕があれば、予約フォームや問い合わせフォームを埋め込んだり、動画やBGMで演出に手を加えてみるのもお店の個性をアピールする手段の一つです。

ウェブサイト製作会社に依頼をする方法もありますが、近年では初心者でもかんたんにウェブサイトを作成できるサービスもあります。
重要なことは、見やすさとお店のアピールがしっかりされていることです。
新規のお客様にとってもリピーター客にとっても欲しい情報が充分に提供され、来店意欲が高まる魅力的なウェブサイト作りを意識しましょう。

訪問者を増やすために

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一人でも多くのお客様にお店のウェブサイトを訪れてもらうためには、どのような工夫ができるでしょうか。

広告経由

チラシ、フリーペーパー、グルメ情報サイトなどに掲載している店舗情報の一部にウェブサイトのURLを載せましょう。限られた広告スペースに書ききれない内容は「詳しくは公式ウェブサイトへ」の一文で補足します。

ソーシャルメディアの活用

ソーシャルメディアのアカウントページにもウェブサイトのURLを載せましょう。Facebook、Twitter、Instagramに投稿された料理やお店の写真をきっかけに、興味を持ったユーザーは、公式ウェブサイトにクリック一つで訪れることができます。

ちょっとした空き時間に気軽に更新ができるので、ソーシャルメディアユーザーをターゲットとした集客が見込めます。

お店のウェブサイトにも、ソーシャルメディアのアカウント情報を載せておけば、どちらも見てもらえます。

Google マイビジネスを利用して、Google検索やGoogleマップ上にお店の基本情報を載せることもできます。公式ウェブサイトへのリンクを貼るチャンスです。

ブログでファンを増やす

ウェブサイトや直接の接客からは知り得ない情報や、スタッフの趣味や想いを共有することができるブログを活用しましょう。ブログは、書き手個人の価値観を表現できる場です。「ブログを見てきました」といって実際に来店があった事例は珍しくありません。

公式ウェブサイトとブログとに相互リンクを貼っておきましょう。

続けていくことが大切

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独自のウェブサイトを作っても、訪問者が一気に増えるという期待はあまりできません。

さまざまなメディアをきっかけに、公式ウェブサイトにたどり着くまでに時間がかかることもあるでしょう。

しかし、情報量の多さと、いつでも最新の情報を確認できる飲食店のウェブサイトは、その効果を必ず発揮していきます。

前述した通り、お店の全てを知ることができるウェブサイトは、新規のお客様にとってはそのお店の魅力を知る手段となります。そして、飲食店に継続的な利益をもたらしてくれるリピーター客にとっては、好きなお店の情報を定期的に覗ける場所になります。

お客様にダイレクトにアピールができる手段の一つであるウェブサイト開設は、お店にとってネット上で存在感を増すチャンスにもなります。作りっぱなしにするのではなく、定期的な更新を心がけましょう。

参考:売上げアップを必ず導く集客法〜飲食店編

執筆は2017年2月6日時点の情報を参照しています。