飲食店や小売店を経営していく中で、「いつか2店舗目を出店したい」と考えている経営者もいるのではないでしょうか。2店舗目の出店は売上増加が見込めるほか、ブランド力や知名度アップも期待できます。
しかし、いつがベストなタイミングなのか悩んでいる人もいるかもしれません。今回は、2店舗目の出店タイミングについて解説します。
2店舗目を出店するタイミングは?
ヒト(お店をマネジメントする人材)、モノ(立地や設備など)、カネ(資金および金融機関との信頼関係)の三つが揃ったときが理想的なタイミングだと考えられます。
1店舗目を繁盛させ、新規店舗を任せられるスタッフが育ち、ちょうどいい立地や空き店舗が見つかれば、新規出店がスムーズに進む可能性があります。しかし、好条件が揃っていたとしても、場合によっては失敗するリスクも十分考えられます。そのため、事前にさまざまな点について考慮する必要があります。
2店舗目を出店する前に考慮すべき点
出店前に考えるべきポイントについて、以下で詳しく見ていきましょう。
資金の準備および運用方法
2店舗目を出店すれば、家賃や光熱費などの経費がその分増加します。業績が悪化した場合などには、増えた支出が経営の大きな負担になり得ます。経営の圧迫というリスクに対応するためにも、1店舗目で利益を出し、相応の資金を用意しておく必要があります。まず、イニシャルコストの回収に何年かかるのかを計算し、具体的な支出や利益を算出した上で、そのレベルに合った初期投資をすることが大切です。
また、手元の現金のみでやりくりしている場合、何らかの理由で資金が底をついてしまうリスクも考えられます。資金ショートにならないよう、金融機関から融資を受けることも検討しましょう。税理士など、お金のプロに相談できる環境を事前に整えておくのも良い方法です。
1店舗目が繁盛した理由の分析
店舗経営が成功するのには理由があります。立地や客層、店舗の広さ、値段やメニュー、接客対応、動線など、お店の繁盛につながる要因にはいろいろなものが考えられます。2店舗目は、1店舗目とは立地や人材が異なります。
最初がうまくいったからといって、2店舗目を単純に1店舗目のコピーにしてしまうと、思ったように客足が伸びない可能性があります。現在のお店の経営状況や環境を分析した上で、次の店舗について検討することが大切です。
スタッフの育成状況
店舗が増えれば、経営者がすべてを把握して仕切ることは難しいと考えられます。そのため、必然的に信頼するスタッフに新しいお店を運営してもらうことになります。
スタッフがお店を任せられるレベルまで育っているかどうかは、出店を決める際の大切なポイントといえます。なお、店舗数が増えれば、その分必要な人手も増えるため、人材不足になりやすいと考えられます。従業員の不足は、サービスの質の低下につながるため、人材育成をしっかり行うことが必要といえます。
新規店舗の立地
新しいお店を出す場所についても、実際に確認してから検討しましょう。1店舗目と場所が近ければ、経営者として管理がしやすくなるほか、仕入れや配送のコストを抑えられることが期待できます。1店舗目が満席になっても、2店舗目を案内できることも考えられます。
離れた場所に出店する場合は、知名度向上やブランディングにつながります。しかし、地域色や客層が異なることで、1店舗目と同じコンセプトでは売り上げが期待するほど伸びない可能性も考えられます。
1店舗目をしっかり活用できているか
中には、「事業規模を大きくして収益を上げたい」「新しい事業をしたい」という目的を持っている経営者もいるかもしれません。そのような目的の場合、必ずしも2店舗目の出店だけが方法ではないことも知っておきましょう。
具体的には、1店舗目をしっかり活用するということです。
たとえば、
・営業時間の変更や延長
・出張やデリバリーサービスを始める
・店舗を会議やイベント用のスペースとしてレンタルする
・閉店時間帯は、別の事業者に利用してもらう
など、収益アップや新規事業につなげる方法として、いろいろなアイデアが考えられます。
2店舗目出店よりもコストが安く済む可能性がありますので、目的を達成するための違う手段として、一度検討してみるのもよいでしょう。
経営者としての動機・理念の確認
2店舗目の出店には、多くのコストがかかります。そのため、失敗すれば1店舗目の経営にも大きく影響するリスクがあります。今一度、経営者として「なぜ2店舗目を出店したいのか」「仕事を自分以外の人間に任せられるか」「経営者として責任を背負えるか」などを考えましょう。
まずいのは、「1店舗目が失敗したから2店舗目で一発逆転をねらいたい」という動機です。なぜ最初がダメだったのか、その理由を分析しないまま2店舗目を出店しても、うまくいかない可能性のほうが高いと考えられます。もしこのような動機であれば、新規出店そのものについて再検討することも必要です。
Square導入のご相談は営業チームに
Squareサービスの導入を検討中のお客さまに、営業チームが導入から利用開始までサポートします。イベントでの利用や、複数店舗での一括導入など、お気軽にご相談ください。
2店舗目出店を成功させるために準備すること
新規出店の成功のために、何を準備すればよいのかを説明します。
出店に必要な資金関係
出店に必要なお金については、十分に用意しておきましょう。初期投資を行う際は、事前に運用計画や支出計画を検討しておき、過剰にお金を費やすことがないように注意しましょう。また、資金繰りの悪化といったケースを想定して、可能な限り金融機関と良い関係を築いておくことも大切です。
マニュアルを作成する
経営者がいなくても店舗を経営できるようにするため、人材育成のほか、業務内容のマニュアル化を行いましょう。配置されたスタッフが異なれば、どうしても仕事の進め方に違いが出てきてしまいます。業務の進め方やトラブルへの対処方法などについて、全店舗共通のマニュアルを作成することで業務がスムーズになり、サービスの質を保つことが期待できます。もちろん、マネジメントがきちんとできる人材を育てることも忘れずに行いましょう。
情報管理の一元化
2店舗目ができるということは、経営者が把握すべき店舗の情報が2倍になるということです。店舗ごとの特徴を掴み、現場にいなくても実態を把握する方法として、POSシステムの導入などによる情報管理の一元化が考えられます。
たとえばSquare POSレジはiOSとAndroidの両方で使える無料のアプリです。POSだけでなく、売り上げ分析や在庫管理といった機能が無料で利用できる他に、従業員の出退勤や個々人の売り上げを把握できるスタッフ管理機能(一部有料)もあります。
情報を一元化して管理することで、収益の比較や、売れる商品の動向といった分析がしやすくなることが期待できます。
人材や資金などの状態を把握した上で、2店舗目を出すタイミングを考えることで、失敗のリスクを減らすことが期待できます。うまく成功につなげ、ビジネス拡大や収益アップを目指しましょう。
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執筆は2019年1月8日時点の情報を参照しています。
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