美容室の物件選びのポイント

美容室として成功するためには、お客様に喜ばれるスタイルを作り上げる技術やセンスが必要です。しかし、技術やセンスがあっても、必ず経営が上手くいくわけではありません。競争が激しいともいえる美容業界で成功するためには、「ライバルに1歩差をつけること」が重要だと考えられます。

他の美容室よりサービスを向上させることや、クレジットカード決済やインターネットでの予約受付システムの導入などにより、お客様の利便性を高めることも大切です。また、宣伝や堅実な経営戦略を練ることも必要です。

良い物件を選ぶことも、成功するための重要な要素です。今回は、美容室を経営する人のために、良い物件選びのポイントを紹介します。

美容室の現状

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美容室を取り巻く現実は非常に厳しいもののようです。

厚生労働省の「美容業概要」によると、全国の美容所の数は2015年3月末の時点で23万7,525施設となっています。また、美容師の数は全国で49万人を超えています。美容所、美容室の数ともに前年より増加していました。

また、多くの経営者が「客数の減少」を経営上の問題のひとつに挙げているなど、美容室を取り巻く現状は厳しいと考えられるでしょう。

参考:美容業概要(厚生労働省)

たとえば、他の業界の数字と比較してみましょう。

コンビニエンスストア業界を例にとります。外出すれば頻繁にコンビニエンスストアを目にする人も多いでしょう。 一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会の調査によると、2018年4月の段階で、主要なコンビニエンスストアの店舗数は全国で約55,465店です。美容室よりコンビニエンスストアの方が、店舗数が少ないことがわかります。

参考:コンビニエンスストア統計データ(一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会)

店数で単純に比較すると、ヘアサロンはコンビニエンスストアより約5倍厳しい現実が待ち受けていることになります。だからこそ、経営や宣伝、お客様の利便性、そして技術やセンスなどの総合面において「ライバルに1歩差をつけること」がひとつの鍵になります。ライバルに差をつけるためには、物件選びに気をつけることもポイントのひとつです。

美容室の物件選びのヒント

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物件は、ある事業にとっては良い物件でも、ある事業にとってはあまり望ましくない物件があるなど、何に使うかによって選び方は異なります。

また、同じ接客業でも、野菜を販売するお店と美容室では、物件に求めるニーズが変わってきます。

美容室の物件選びのポイントを2点紹介します。

ターゲットを決める

物件を選ぶ際には、まずターゲットと、ターゲットのニーズについてよく考える必要があります。たとえば、30代や40代のある程度収入があり、ファッションに関心が高い女性がターゲットなら、その年代の女性がどんな生活を送っていて、どんなニーズを持っているかを考察することがより良い物件選びにつながります。

「行き掛けの駄賃」ということばがあります。「行き掛けの駄賃(ゆきがけのだちん)」とは、「何かの用のついでに別の用事をすること」です。

たとえば、30代や40代の働いている女性の場合。会社の帰りに足を運んでもらうことを狙って、オフィス街からのアクセスの良い物件選びをすることが考えられます。金曜の仕事帰りにヘアサロンに寄って週末の外出に備えるという行動パターンを考えて、プレミアムフライデーの集客に力を入れることもできます。また、仕事の後にリフレッシュしてから帰りたい女性のオアシスになるよう、「ドライヘッドスパ30分コース」など気軽に体験できるメニューを提供することも効果が期待できるでしょう。

オフィス街や繁華街の近くなどターゲットの「行き掛けの駄賃」を見据えた物件を選ぶことも効果が見込めるのではないでしょうか。

「マーケティングに欠かせない、ペルソナの設定とは」の記事もぜひ参考にしてみてください。

「取捨選択」

美容室に利用できる物件には、中古から新築まで色々なタイプがあります。土地を購入していちから物件を建てる方法もあれば、ショッピングモールにテナントとして入る方法もあります。また、中古物件を活用する方法もあります。

中古物件の中には居抜き物件というタイプがあります。居抜き物件とは、過去に同業種の店舗として利用されており、設備が残されている物件のことです。歯科医院やコンビニエンスストア、居酒屋などでも居抜き物件がよく使われているようです。

居抜き物件を利用することで、初期費用を抑えることができます。ただ、過去に店舗として使われていた中古物件を利用する場合は、設備やレイアウトをそのまま使うのではなく、自分のお店にカスタマイズすることが大切です。

たとえば、全面ガラス張りの居抜き物件はデザイン性や美しさというメリットがある反面、施術しているところが通行人から丸見えになってしまうというデメリットがあります。席と席の間隔が狭ければ、隣のお客様と美容師の話が聞こえてしまいます。外観や内装、設備を確認して冷静に判断することがリスク軽減の鍵になります。

必要なものを選び、不要なものを捨てる「取捨選択(しゅしゃせんたく))を意識しましょう。

お客様に選ばれる美容室になるために、物件選びにこだわってみてはいかがでしょうか。

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執筆は2018年6月8日時点の情報を参照しています。
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