経営者として知っておきたい、2025年問題の対応

急速に少子高齢化が進む日本では、2018年に高齢化率が28%に達しました。経済産業省によると、今後65歳以上の高齢者の増加は落ち着く一方で、現役世代の減少が加速すると予測されています。とりわけ、2025年には団塊世代が75歳以上の後期高齢者となり、日本は人口の4人に1人が75歳以上という、世界一の超高齢化社会に突入します。

今回は、2025年問題とは何か、経営者として知っておきたい2025年問題の対応について解説します。

参考:
統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-(総務省)
2050年までの経済社会の構造変化と政策課題について(平成30年9月 経済産業省)
2025年問題とは? 団塊の世代 75歳 負担増が問題(2014年2月5日 東京新聞)

2025年問題とは

alt text

2025年には、人口が多い団塊の世代が「支えられるべき」世代、つまり医療や介護、福祉サービスを受ける側に回ります。政府は、介護では2.3倍、医療では1.5倍の社会保障給付費の増大を見込んでいます。

参考:社会保障について(平成30年4月11日)(財務省)

団塊の世代は、1947年から1949年の3年間に生まれた世代を指します。この3年間の出生数は約806万人で、後に続く3年間の約648万人と比べるとおよそ1.25倍の数です。高度経済成長による労働力需要の増大と時期が重なったこともあり、長男以外は「金の卵」として大都市部へ集団就職するなど、戦後の日本経済を中心となって支えてきた世代です。

参考:人口動態総覧の年次推移(厚生労働省)

2018年度に要介護認定を受けた第1号被保険者のうち、前期高齢者(65歳~75歳未満)は75万人で12%であるのに対し、後期高齢者(75歳以上)は544万人と88%を占めています。また、60歳以上の男女を対象にした意識調査で「支えられるべき高齢者とは何歳以上か」という問いに対し「75歳以上」と答えた人が多いことからも、75歳以上の人口が増加すると同時に何らかの支援が必要になる人口も増加するといえるでしょう。

参考:
平成28年度 介護保険事業状況報告(厚生労働省)
平成26年度 高齢者の日常生活に関する意識調査結果(全体版)(内閣府)

企業にとっての2025年問題

alt text

企業にとっても2025年問題は無視できるものではなく、事業継承と労働力不足が大きな課題になると考えられます。

1, 事業継承問題

2025年には、中小企業経営者の高齢化と後継者不足により廃業に至る中小企業が急増すると予想されています。

帝国データバンクが2018年に行った全国社長年齢分析では、社長の平均年齢は59.5歳と過去最高を記録しました。1990年から毎年平均年齢は上がっており、経営者の高齢化が進んでいるのがわかります。

経済産業省は、2025年には平均的な引退年齢である70歳を超える中小企業経営者が約245万人にのぼると予測しています。しかし、そのうちの約半数である約127万人は、まだ後継者が決まっていません。また、後継者の不在によって廃業する中小企業の急増により、2025年までに約650万人の雇用と約22兆円のGDPが失われる恐れがあると指摘しています。

参考:
全国社長年齢分析(2018)(株式会社帝国データバンク)
中小企業・小規模事業者の生産性向上について(平成29年10月 経済産業省)

2, 労働力不足問題

2025年に団塊の世代が75歳を迎え引退に向かうことで、日本はさらなる労働力不足に陥ることが予測されています。

パーソル総合研究所の試算では、2025年までに経済成長率0.8%を維持するには583万人の労働力が不足するという結果が出ました。卸売・小売業では188万人、情報通信・サービス業では482万人が不足し、一方で製造業や政府サービスは労働力に余剰が生まれると予測しています。

労働力不足は事業継承問題とも密接に関係しています。たとえば、2017年の1月から12月の「人手不足」関連倒産は317件で、後継者不在による「後継者難」型が249件、労働力が確保できず事業継続が困難になったことによる「求人型」が35件と続いています。

参考:
労働市場の未来推計2025(パーソル総合研究所)
「人手不足」関連倒産(2017年 東京商工リサーチ)

オンラインで送信・管理が簡単にできる請求書

見積、請求、支払いを一つに

2025年に備えて企業ができること

事業継承と労働力不足問題について、どのように対応できるでしょうか。

1, 公的な支援を活用する

中小企業の事業継承や雇用の改善のために提供されている公的支援を活用しましょう。

政府は中小企業の事業継承に対してさまざまな支援を行なっています。その一つが、全国47都道府県に配置した「事業引継ぎ支援センター」です。個人への事業継承およびM&Aによる事業継承について常駐の専門家が相談にのり、必要に応じて士業などの専門家や民間の支援機関などにつなぎます。相談は無料ですが、士業や民間機関などへ実務を依頼する際は規定の費用などが発生することがあります。

参考:事業引継ぎポータルサイト(独立行政法人 中小企業基盤整備機構)

労働力不足についても、人材確保等支援助成金をはじめとする労働環境改善のための助成金制度や求人者へのアドバイスを行う「人材確保対策コーナー」の設置、コンサルティングの提供といったさまざまな施策を進めています。

参考:雇用・労働 人材確保対策(厚生労働省)

2, 介護離職を防ぐ

団塊の世代が医療や介護サービスによる支援が必要になり、家族を介護する従業員の急増が予想される2025年には、介護と働くことが両立できるようになっていることが大切です。団塊の世代の介護にあたるのは、管理職層など企業を中心的に支える世代です。後継者候補と考えていた管理職が介護のために退職せざるを得なくなることも起こるかもしれません。

介護を理由に離職する人の数は年間10万人程度いるとされ、また実際に介護離職した人のうち5割を超える人が「仕事を続けたかった」と考えていることがわかっています。

参考:仕事と介護の両立に関する労働者アンケート調査(厚生労働省)

具体的な介護離職を防ぐ方法については、「経営者として知っておきたい、介護離職を防止するには」の記事を参考にしてください。

3, 多様な働き方を受け入れる

テレワーク、フレックスタイム、時短制度などを導入して、従業員がライフスタイルにあわせて就労を継続できる環境を整備しましょう。また、経験のある高齢者の再雇用や外国人の雇用、労働時間を短縮し仕事を分かち合うワークシェアリングの導入なども、人材確保に効果的です。

4, 業務の効率化をはかる

ITを活用し、業務の効率化をはかることも有用です。たとえば、財務や会計などのバックオフィス業務は、会計ソフトやクラウド会計サービスなどを導入することで効率化をはかれます。

中でも、手間がかかる請求書まわりの業務にはSquareクラウド請求書が便利です。Squareのアカウントを作成し、お手持ちのスマートフォンやタブレットにSquareのPOSレジアプリをインストールすれば準備完了。これまで表計算ソフトなどを使って作成し、印刷、封入、郵送までを行なっていた請求作業が、メール一本で完結します。インターネットが使える環境であれば、いつでもどこでもアプリ上で請求書を作成し、メールで取引先に送ることができます。取引先がクレジットカードで支払いをしたときのカード決済手数料を除き、全て無料で使えます。

事業継承や労働力不足問題は、早めに適切な対策を立てることで回避できます。また、働き方の多様化や業務の効率化は、今いる従業員の負担を軽くし、モチベーションを向上させることにもつながるでしょう。2025年に向けて余裕をもって備えるために、公的な支援や便利なサービスの活用をおすすめします。

関連記事

経営者なら知っておきたい特例事業承継税制
職場のダイバーシティ(多様性)とは?

執筆は2019年3月26日時点の情報を参照しています。
当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。
Photography provided by, Unsplash, PAKUTASO