学生の起業アイデアからヒントを得る!七つの成功例をご紹介

今回は、学生起業家たちの成功事例をもとに、起業に向けてのヒントを紹介します。

「学生起業家」とは文字通り、学生時代に起業する人のことを指します。有名な例を挙げると、Facebookの創始者マーク・ザッカーバーグ氏やマイクロソフトのビル・ゲイツ氏なども学生起業家として若くから活躍しています。

日本は諸外国と比較しても起業家の割合は決して高くありません。しかし、学生ならではのチャレンジ精神や柔軟な発想を生かしてビジネスをスタートする学生起業家もいて、彼らの行動力と想像力からは大いに学ぶべきものがあります。

学生起業の現状

まずは学生起業の現状について紹介します。

世界の学生と比較すると、起業を目指す日本の学生の割合は低いようです。世界50カ国、1,000以上の大学が参加した2016年のGUESSS(GLOBAL UNIVERSITY ENTREPRENEURIAL SPIRIT STUDENTS’ SURVEY)では、卒業5年後に起業家になることを希望する学生が全体平均では38.2%だったのに対して、日本は8.8%でした。他にも、起業家予備軍は全体平均が21.9%、日本は12.8%、既に起業している者の割合は全体が8.8%、日本の学生は1.3%でした。

参考:大学生の起業意識調査レポート -GUESSS2016 調査結果における日本のサンプル分析-(GUESSS Survey)

このような状況を打破すべく、教育機関でも起業を後押しするプログラムの導入が進んでいて、起業を目指す学生が活躍しやすい環境ができてきています。日本政策金融公庫では「高校生ビジネスプラン・グランプリ」を2013年度から開催しており、年々エントリー数も増加しています。

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学生起業の七つの成功例

BASE株式会社
鶴岡裕太氏が大学在学中に設立しました。ECサイト作成サービス「BASE」や決済アプリ「PAY ID」を展開しています。創業期には複数の投資家の支援を受けながら着実に成長を続け、2019年には時価総額約313億円規模で東証マザーズに上場を果たしました。

鶴岡氏の代表メッセージに記された創業のきっかけを引用します。

僕たちBASEは、2012年に大分県で小売店を営んでいる僕の母親が言った「ネットショップを作ってみたい。だけど、どれも難しくてよく分からない。」その一言から全てが始まりました。僕の母親でもインターネット上に自分のお店を持ちたいと思う時代なのに、多くの人々にとってはインターネット上に自分のお店をもつ、決済機能を持つ、その事がいまだにとても難しいことで、それは今まで大きな力を持った人たちだけの特権だったのかとその時に気がつくことができました。

家族や日常生活の中で見つけた課題を解決するという方向で成功したお手本のような事例です。

ナイル株式会社
高橋飛翔氏が東京大学在学中に設立。オンライン予備校事業を立ち上げたものの上手く行かず、苦戦するなかでSEO(検索エンジン最適化)サービスに特化して事業を急成長させました。2012年に「世の中のデファクトスタンダードになるものを作りたい」という気持ちで、スマートフォンアプリ発見サービス「Appliv」を立ち上げ、日本最大級のサービスへと成長を遂げています。

dely株式会社
堀江裕介氏が慶應義塾大学在学中の2014年に創業。レシピ動画「クラシル」の運営で成功しています。

最初はフードデリバリー事業でのスタートアップでしたが、2015年にメディア事業へと転換。レシピ動画のサービスは複数登場しており、その中でも後発に当たる存在でしたが、圧倒的スピードで認知を広げていきます。

日経キャリアに掲載された堀江氏のインタビューによると、当初フードデリバリー事業で起業を志したのは「初期コストが安いインターネットを活用したビジネスの中でも、デリバリーは当時、海外で大流行していましたし、国内で顕在化しつつある社会問題の解決にもつながる事業だと考えた」からだそうです。堀江氏はその後事業転換を行なっていますが、最初の起業のきっかけとして社会問題の解決を目指す学生起業家も多いです。

株式会社Progate
加藤將倫氏が、東京大学在学中の2014年に設立。オンラインプログラミング学習サービス「Progate」の開発と運営を行っています。2017年には第三者割当増資で1億円の資金調達に成功し、現在は日本だけでなくインド・米国にも展開しています。

株式会社DogHuggy
長塚翔吾氏が高校在学中の2015年に、わずか18歳の若さで設立。いわばペット版Airbnbとも言えるサービスで、旅行などで留守にする際に飼い犬の世話を依頼する先を探している飼い主と、犬の飼育経験があるホストをマッチングするサービスを展開しています。

動物が好きで、高校3年生まで獣医の道に進むしか考えていなかったものの、日本の動物福祉の遅れを知り「一刻も早く社会に出て現状を改善したい」と起業を決意したそうです。

株式会社ウツワ
ハヤカワ五味氏が多摩美術大学在学中の2015年に設立。バストの小さな女性向けランジェリーブランド「feast」をはじめ、女性向けの衣料品を企画販売しています。はじめは手作りの商品を販売しており、起業したいという気持ちはなかったそうですが、売り上げも大きくなったことから法人化。

従業員が増える中でさまざまなトラブルを乗り越えながら、経営者としての勉強を続け、2019年にはラフォーレ原宿への店舗出店を実現しました。

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学生が起業する際の注意点

学生が起業するときに注意したい点は以下のとおりです。

起業の目的をはっきりさせる
「起業したい」というのをゴールにするのではなく、「解決したい問題がある」「売りたいものがある」という点を目的にして起業しましょう。明確な目的がないと、資金調達や人材募集時に苦労する可能性があります。

リスクを背負いすぎない
事業が失敗する可能性ももちろんあります。もし失敗したと判断したら、すぐに撤退を検討したり、次のアイデアを生み出したりと、柔軟な判断と対応が重要です。

また、初期投資の段階で多額の費用が必要になる場合もあります。資金面で不安が大きいというのは学生起業のデメリットですが、最初から借金をしてスタートすると最悪の場合の取り返しがつかなくなります。もちろん最低限必要な経費はありますが、できる限りコストを抑えてビジネスを始めることでリスク回避をしましょう。

未成年は会社設立に注意
会社設立をする際の年齢制限はありませんが、未成年の場合は注意が必要です。会社設立時には印鑑証明書の提出が必要ですが、15歳未満はそもそも印鑑登録ができないので、親権者を法定代理人として手続きを進める必要があります。

また、15歳以上であれば未成年でも印鑑登録はできますが、発起人になるには親権者の同意が必要です。

学生起業家の成功から学ぶことは多い
諸外国と比べるとまだまだ少ない割合ではありますが、確実に若い世代の起業家は増えています。若い間にさまざまなチャレンジをすることで、若い視点を生かしたビジネスを創造でき、将来の選択肢も広げられます。

これから学生起業をしたいと考えている人、もう学生ではないけれど新しい事業を創出したいと考えている人にとっては、本記事で紹介した学生起業家の発想力とスピード感はヒントになるのではないでしょうか。

執筆は2019年12月13日時点の情報を参照しています。
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