【商いのコト】プログラミング教育で世界を変える ー CodeCampKIDS(コードキャンプキッズ)

成功も失敗も、すべては学びにつながる。ビジネスオーナーが日々の体験から語る生の声をお届けする「商いのコト」。

つなぐ加盟店 vol. 38 CodeCampKIDS 斎藤幸輔さん

自分の進路や価値観に大きく関わった人物や出来事について、考えたことはあるだろうか。今に至るまでの選択を振り返ることで、自分の根底にある価値観に影響を与えた人物・出来事の姿が浮かび上がってくる。

今回は、小学生・中学生向けに良質なプログラミング教育を提供するCodeCampKIDS 事業統括責任者・斎藤幸輔(さいとうこうすけ)さんにお話を伺った。

斎藤さんがプログラミング教育に興味を持ったきっかけには、どのような影響があったのだろうか。

後編はこちら

“教育”に興味を持ったきっかけ

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▲写真提供:CodeCampKIDS

斎藤さんは高校時代、サッカー部に所属していた。自分の感情を表に出すことはあまりなく、闘志を内に秘めるタイプだったと当時を振り返る。“教育”というものに興味を持つきっかけは、サッカー部の監督だった。

「監督は指導するとき、一人ひとりに対して『どうしたいのか』と問いかけ、部員の考えを尊重してくれる方でした。自分のことを認めてくれるのが嬉しかったですし、自分も他者の考えを引き出し尊重できる人間になりたいと思うようになりました。振り返ると、今の“自分で考えて、自分なりの正解を導く力を育てたい”という僕の教育に対する考え方は、監督の影響を大きく受けているかもしれません。ただ、当時は教育の道に進みたいという明確な気持ちはまだありませんでした。」

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▲写真提供:CodeCampKIDS

斎藤さんは高校卒業後、地元新潟を離れて東京の大学に進学した。そこで、夢を持った学生たちが多くいたことに驚いたという。

「意気揚々と上京してきた僕は、周囲を見てびっくりしました(笑)。特にやりたいことがないままに大学に進んだ自分とは違い、在学中に起業したり、弁護士や公認会計士などを目指して一生懸命勉強に励んだりしている人が結構いたので。自分も何かしなくてはと思い、将来の可能性を広げようと考えて教員の免許を取ったんです。教員の勉強をしたらいいお父さんになれるんじゃないかという思いもありました(笑)。」

教員免許を取得した斎藤さんは「人の育成」という軸で就職活動を行い、大学卒業後は採用コンサルティング会社に就職。その後転職で、大学職員として多くの学生と進路について話す機会を得た。学生と向き合うことで、教育現場の課題を明確に感じるようになったという。

「僕自身もそうだったので偉そうなことは言えないのですが、学生たちに志望理由を聞いても、『安定していそうだから』『福利厚生がしっかりしていそうだから』といった条件面が先立ち、自分のやりたいことと関連させて理由を答えられる人が少なかったんですよね。大学時代の自分も同じような状態でした。学生には、『将来やりたいこと』という“決まった答えのないことに向き合い、考える力”が足りない。自分がこの現状を変えたいと思うようになりました。」

プログラミング教育で「答えのない社会を生き抜く力」を育成する

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▲写真提供:CodeCampKIDS

これからの時代を担う子どもたちに“必要な教育”とは何か、“決まった答えのない問題に向き合う力”を育てるためにはどうすればよいか。

斎藤さんが導き出した方法は、“プログラミング”だった。新しい教育の必要性を感じていた頃、スタートアップのコミュニティの中で、学生も含めて年齢に関係なく、テクノロジーで世界を変えようとしている人と多く出会った。そこで、プログラミングの可能性に気がついたという。

「海外ではすでにテクノロジー教育が始まっていることは知っていました。まさか日本でも義務教育化されるとは思っていませんでしたが、ちょうどIT教育の重要性が議論され始めていたタイミングでした。」

“小学生や中学生でもアプリやウェブサービスを自由に作って世界を変えられる“
“年齢に関係なく新しいものを生み出せる”

「プログラミングという手段を用いて自分の作りたいものを作っている子どもたちは、まさに自分で考え、自分なりの答えを見つけようとしている。テクノロジーが世界を変えていく世の中でプログラミングは必須のスキルになる。僕はそのプログラミング教育の機会をもっとたくさんの子どもたちに提供したいと思うようになったんです。」

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斎藤さんはパソコン教室や英語教室を展開する会社でプログラミング教室の立ち上げに関わった後、2017年8月にオンラインで大人向けにプログラミング教育を提供するコードキャンプ 株式会社に入社。小中学生にプログラミング教育を提供するCodeCampKIDSの事業統括責任者という形で参画し、サービスの立ち上げを任されることになった。

「一斉に同じ授業をするのではなく、一人ひとりに合った授業を展開していくことを一つのコンセプトにしています。自分のペースで学びを深めながら、創造力や論理的思考力を身につけてもらえたら嬉しいですね。」

入社から2ヶ月後の、2017年10月に大崎校を開校。2020年度から小学校でプログラミング教育が義務化されるということもあって大きな注目を集め、開校時には多くの受講生が集まった。後編では、CodeCampKIDSのプログラムや将来の展望について紹介する。

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CodeCampKIDS(コードキャンプキッズ)について、詳しくは »CodeCampKIDS

2018年4月27日に開校する「CodeCampKIDS Online(コードキャンプキッズオンライン)」の詳細は » CodeCampKIDS Online

(つなぐ編集部)
写真:鈴木香那枝