医療や福祉の現場で長年培った経験や専門知識を、柔軟な形で社会に役立てたいと考える看護師にとって、独立や起業も一つの選択肢です。病院や施設での勤務にとどまらず、自らのスタイルでサービスを提供することで、働き方にも幅が生まれます。
訪問看護ステーションの開業から、健康指導、カウンセリング、育児・介護支援、教育コンテンツの提供まで、看護師のスキルを生かせるビジネスにはさまざまな可能性があります。この記事では、起業の具体的な例や準備のステップ、便利なツールまで、実践的な情報をわかりやすくまとめています。
【この記事のポイント】
- 看護師の起業には、訪問看護や健康指導、カウンセリングなど多彩な選択肢がある
- 起業のメリットは自由度の高さや地域貢献、専門性を生かせることにある
- 一方で、法令遵守や経営・集客スキルの習得といった注意点も多い
- 起業形態は「個人事業主」と「法人」から選べ、目的に応じて選択が重要
- 請求・決済・予約管理に便利なSquareのツールが効率的にサポート
目次
- 看護師の起業・開業の代表的な例とは?
・訪問看護ステーションの開業
・健康・予防医療の指導サービス
・コーチング・カウンセリング
・育児・介護支援サービス
・教育・研修・コンテンツ販売 - 看護師が起業・開業するメリットと注意点
・メリット
・注意点 - 看護師起業・開業のステップと必要な準備
・ビジネスモデルを決める
・必要な資格・届出を確認
・開業資金を準備する
・資金調達と支援制度の活用 - 看護師ができる起業の種類
・個人事業主としての開業
・法人としての開業 - 看護師起業を支えるSquareの便利なサービス
・スマホから簡単に請求書を作成・送信できる「Square 請求書」
・持ち運び簡単な「Square ターミナル」
・事前決済やリマインダー送信もできる「Square 予約」 - まとめ
看護師の起業・開業の代表的な例とは?
医療や福祉の現場で豊富な経験を積んだ看護師は、その専門知識を生かしてさまざまな分野で起業・開業するチャンスがあります。ここでは、看護師としての資格や実務経験を生かした起業アイデアを五つ紹介します。
訪問看護ステーションの開業
訪問看護ステーションは、医師の指示のもとで看護師が利用者の自宅を訪問し、医療ケアや日常生活の支援を行うサービスです。看護師が独立して開業する最も代表的なスタイルの一つです。
保険制度との連携が必要なため、開業には法人の立ち上げ、人員の確保、指定申請など、さまざまな条件をクリアする必要がありますが、行政や地域、他の医療機関と協力体制を築きながら運営していく事業です。
💡ポイント:
- 医療・介護の複合的なニーズに対応できる
- 地域包括ケアの一翼を担う社会的意義がある
健康・予防医療の指導サービス

生活習慣病予防やセルフケアといった「未病」領域への関心が高まる中、看護師による健康指導やコンサルティングサービスも起業の一つのアイデアです。
オンラインでのセミナー開催や、個別相談、企業向けのヘルスケアプログラム提供など、スモールスタートが可能で柔軟な展開がしやすいのが特徴です。
💡ポイント:
- 医療資格を持つ安心感で信頼を獲得しやすい
- 企業の健康経営ニーズに対応できる
コーチング・カウンセリング
メンタルヘルスのケアやライフスタイルの見直しを支援する、コーチングやカウンセリングもニーズのある分野です。がん患者や慢性疾患を抱える人、介護に悩む家族など、対象者の幅は広く、専門性と共感力の両立が求められます。
心理カウンセラーやメンタルコーチなどの資格を取得し、看護師としての視点を加えることで独自性のあるサービスを構築することも可能です。
💡ポイント:
- オンラインでも展開しやすい
- 専門領域(育児、働き方、介護疲れなど)に特化も
育児・介護支援サービス
育児や介護の現場では、経験者や専門家によるアドバイスやサポートへのニーズが常にあります。乳幼児の発達や高齢者ケアに関する知識を生かし、家庭訪問型支援や相談業務、教室運営などで活躍できます。
ベビーシッターや訪問介護といった既存サービスとの差別化には、「医療的ケアが可能な専門職」という強みが生きてきます。
💡ポイント:
- 家族単位での継続利用も見込める
- 子育て経験と看護スキルの融合も可能
教育・研修・コンテンツ販売
看護師向けのスキルアップ講座、介護職・新人看護師向けの研修、あるいは一般向けの健康知識をわかりやすく伝える動画・記事・教材など、教育や情報発信の分野でも看護師は起業可能です。
自らの知識や経験をデジタルコンテンツとして形にすれば、時間や場所に縛られずにビジネスを展開できます。
💡ポイント:
- 自宅でも始められるローコスト起業
- SNS・YouTubeなどで集客・販売が可能
看護師が起業・開業するメリットと注意点
自由な働き方を実現できる一方で、医療・福祉分野ならではのハードルもあります。ここでは、看護師が起業・開業する際の主なメリットと注意点を紹介します。

メリット
時間や場所の自由度が高い
病院勤務とは異なり、自ら働き方を設計できるのが起業の大きな魅力です。訪問型のサービスやオンライン講座など、事業内容によっては勤務時間や活動エリアを自分でコントロールすることが可能です。
専門知識を強みにできる
看護師は医学的知識やケア技術、コミュニケーション能力を兼ね備えた専門職です。これらの知識・能力は、健康指導やカウンセリング、教育コンテンツなど、多くのビジネス分野で強みになります。
地域社会への貢献が実感できる
特に訪問看護や介護支援、育児相談などは、地域に根ざした事業になりやすく、「自分の仕事が誰かの役に立っている」という実感が得られやすいのも魅力の一つです。
注意点
法令の遵守が必要
医療や介護に関わるビジネスは、関係法令の確認と遵守が必須です。特に訪問看護や医療的ケアを伴うサービスでは、開業要件・保険制度・行政手続きなど、専門的な知識と入念な準備が必要になります。
経営スキルや集客の知識が必要
起業後は、単に「看護のプロ」であるだけでなく、「経営者」としての視点も必要になります。事業計画の立案や資金管理、集客、マーケティングも、しっかり学びながら進めていく必要があります。
人材確保・人間関係の課題もある
事業規模の拡大を目指す場合、スタッフの採用やチーム運営が課題になります。特に医療・介護業界では人材不足が課題になりやすく、人間関係の構築やマネジメント力も問われる場面もあります。
看護師起業・開業のステップと必要な準備
看護師としてのスキルや経験を生かして起業したいと考えたとき、まず気になるのが「何から始めればいいのか」というステップと準備事項です。ここでは、看護師が開業に向けて取り組むべき基本ステップを紹介します。
ビジネスモデルを決める

まず最初のステップは、自分がどんなサービスを提供するかを明確にすることです。「訪問看護を始めたいのか」「健康セミナーを開きたいのか」「育児支援をしたいのか」など、ターゲット層とサービス内容によって、必要な準備や法的手続きが大きく変わります。
💡考慮すべきポイント
- 提供するサービスの内容(医療系/教育系/予防系など)
- ターゲットとなる顧客層(高齢者、親子、企業 など)
- オンラインか対面か、またはその両方か
- 単独開業か、仲間と共同で始めるか
事業計画書の作成まではまだ早い段階でも、「誰のどんな課題を解決するサービスか」は、できるだけ具体的に言語化しておくとスムーズです。
必要な資格・届出を確認
看護師資格だけでは提供できないサービスや、別途届出が必要な事業も多いため、法令の確認と手続きは非常に重要です。
事業形態によっては、法人設立(株式会社、社団法人など)や、個人事業主としての開業届の提出も必要になります。税務署や自治体に相談しながら、必要書類の準備を進めましょう。
開業資金を準備する
事業の規模によりますが、開業にはある程度まとまった資金が必要になります。以下のような費用を想定し、ざっくりと見積もっておくことが重要です。
✏️主な初期費用例:
- オフィス・事業所の賃貸・設備費
- 医療機器や備品の購入費
- ホームページ制作・ロゴ・チラシなどの広報費
- 資格取得や研修、書籍購入などの学習費用
- スタッフを雇う場合の人件費
たとえば、訪問看護ステーションの場合は、500万~1,000万円規模の初期費用がかかることもあります。オンラインの講座やカウンセリングサービスなどは、数十万円からでもスタート可能です。
資金調達と支援制度の活用
自己資金だけで賄えない場合は、融資や補助金・助成金の活用も検討しましょう。
✏️主な資金調達・支援制度:
- 日本政策金融公庫の「女性・若者・シニア起業家支援資金」
- 各自治体の創業支援制度・補助金
- 商工会議所の創業スクールや専門家への相談
- 厚生労働省・経済産業省が実施する助成金・補助金制度
看護師ができる起業の種類
起業する際には、まず「どの形態で事業を始めるか」を決める必要があります。大きく分けて「個人事業主」として始める方法と、「法人(合同会社・株式会社)」として開業する方法の二つがあります。事業の規模や内容、将来の展望に応じて最適な形を選びましょう。
個人事業主としての開業
比較的気軽に始められるのが「個人事業主」としての開業です。開業届を税務署に提出するだけでスタートでき、健康指導、セミナー開催、カウンセリング業など、小規模なサービスに向いています。
法人としての開業
本格的な事業展開を目指す場合は、法人を設立して開業する選択肢もあります。訪問看護ステーションなど、法人格が求められる場合もあり、信頼性や事業拡大の観点から法人化が有利になるケースもあります。
看護師起業を支えるSquareの便利なサービス
看護師として起業・開業する際は、医療や福祉の知識だけでなく、スムーズな運営を支えるツール選びも成功のカギになります。そこで活用したいのが、Squareの各種ビジネス向けサービスです。
Squareは、起業初期でも導入しやすい料金体系と、使いやすさを兼ね備えたオールインワンのビジネス支援ツールを提供しています。ここでは、特におすすめの三つのサービスを紹介します。
スマホから簡単に請求書を作成・送信できる「Square 請求書」
健康指導、カウンセリングなど、顧客ごとに料金が発生するビジネスでは、請求書の発行が欠かせません。Square 請求書を使えば、スマートフォンやパソコンからわずか数ステップでクレジットカード決済機能付きの請求書を作成・送信できます。
💡こんな人におすすめ:
- 健康相談やセミナーの費用を請求書払いにしたい
- オンラインで全国の利用者にサービスを提供している
- 請求業務を紙ではなくすべてデジタルで完結させたい

持ち運び簡単な「Square ターミナル」
訪問先やレンタルスペースなどで対面でサービスを提供する場合、現金の受け渡しや口座振込のやり取りは手間が多くなりがちです。Square ターミナルなら、持ち運びしやすい一体型端末でその場で各種キャッシュレス決済による支払いが可能。レシートの印刷もできます。
💡こんな人におすすめ:
- 出張型サービスで現地決済を取り入れたい
- イベントなどで対面販売も行っている
- 現金管理の手間やミスを減らしたい
事前決済やリマインダー送信もできる「Square 予約」
オンラインカウンセリングや健康セミナー、個別指導といった予約制のサービスに最適なのが、Square 予約です。無料で予約ページを作成でき、事前決済やリマインダー送信まで行えるため、業務効率が大幅にアップします。
💡こんな人におすすめ:
- 健康相談やカウンセリングを時間枠で提供している
- 自分1人でスケジュール管理まで対応するのが大変
- 利用者とのやり取りを効率化したい
まとめ
看護師としての専門知識や現場経験は、社会に求められている多くの課題を解決できる、強力な「ビジネスの武器」になります。とはいえ、起業は専門職としてのスキルだけでは成り立たず、法的知識や資金、経営視点も欠かせません。
まずは小さく始めて、必要なスキルやツールを少しずつ整えていくことで、看護師ならではの強みを生かした起業が現実になります。Squareのようなサポートツールを活用しながら、あなたらしい起業スタイルを一歩ずつ形にしてみてはいかがでしょうか。
Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。
執筆は2025年7月30日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash

