2020年8月、のどかな東所沢の街に一軒のコーヒー焙煎所がオープンした。その名は「角川クラフト ROASTERY & CAFE」。JR武蔵野線の東所沢駅から歩くこと10分、東所沢中央通りを所沢方面に向かって進んでいくと、コーヒーのロゴが目に留まる。今は店頭でのテイクアウト販売とオンライン販売をメインに、ゆくゆくはカフェとしての営業も予定している。
角川クラフトで利用しているのは、Squareの決済リンク機能(※)とネットショップ作成機能。なぜオンライン販売をはじめようと思ったのだろうか。角川クラフト ROASTERY & CAFEの話を聞きながら、導入を決めた背景や、利用してみての感想を株式会社角川クラフト・取締役の河田聡さんに教えてもらった。
※決済リンク機能とは、たったの数ステップで商品の決済ページを作成できる機能です。作成後、発行されるリンクをブログやメール、ウェブサイトなどに載せてお客様に共有します。オンラインショップは複雑そうと感じる人におすすめの機能です。詳しい使い方はこちらでも紹介しています。
業種 | 飲食業 |
業態 | カフェ・焙煎所 |
利用しているサービス | Square リンク決済、Square オンラインビジネス |
導入を検討した理由 | 審査が早かったため |
Squareが役に立っている点 | ・在宅で勤務する社員にコーヒーを送ることができた ・社外のお客様にもコーヒーをお届けすることができた |
感染症でガラリと変わった状況
角川クラフト ROASTERY & CAFEがある埼玉県所沢市は、近年少しばかり景色がアップデートされたようだ。その背景には「みどりと文化と産業が調和した地域づくり」を目指して、株式会社KADOKAWAが所沢市と共同で進めてきた「COOL JAPAN FOREST構想」がある。
2020年11月には日本のポップカルチャーを詰め込んだ拠点施設、「ところざわサクラタウン」がグランドオープン。約4万m²の広大な敷地内には、建築家の隈研吾がデザイン監修を手がけた角川武蔵野ミュージアムをはじめ、eスポーツ大会やコンサートが開催できるイベントホール、アニメやゲーム好きに向けたホテル、ショップやレストラン、KADOKAWAの巨大オフィス「所沢キャンパス」などが肩を並べる。
ところざわサクラタウンの一部ではないものの、歩いて数分ほどの場所にある角川クラフト ROASTERY & CAFEもこの流れの中で誕生した。運営をしている株式会社角川クラフトはKADOKAWAの特例子会社で、焙煎所は障がい者雇用の一翼を担っている。
焙煎所を東所沢にかまえたのは、ところざわサクラタウンのオープンなどに伴い、たくさんの観光客が訪れることを見込んでいたから。ところが感染症の影響で人流は減少。所沢のオフィスには1,000人近い社員を迎えるはずだったが、それもほとんどが在宅勤務に切り替わった。
焙煎所では、感染状況を踏まえて店内の飲食スペースを自粛することに。オープンしてしばらくは近隣に住むお客様を中心に、コーヒー豆の販売やテイクアウト販売を進めることにした。
そんななか、KADOKAWAの社員から「自宅でも角川クラフトのコーヒーが飲みたい」という声が次々とあがりはじめた。焙煎所の立ち上げ・運営・採用を担当する河田さんは、すぐさまニーズに応えようとオンライン決済サービスを探しはじめ、たどり着いたのがSquareの決済リンク機能だった。
社員用のサイトにコーヒーが購入できる案内を掲示し、そこに購入画面に飛べる決済リンクを載せれば、社員は自宅から簡単に角川クラフトのコーヒーを手に入れられるようになる。そう目論んで早速Squareを導入してみると、まず審査のスピードに驚いたという。
「KADOKAWAは実にスピード感がある会社なんですよね。決めたらその場でやらないと気が済まない感じで。そういう意味でSquareのスピード感は最高でした。申し込んだらその日か翌日くらいには使える状態になりました。本当に感謝ですね」
▲株式会社角川クラフトの河田さん
店頭では20種類ほどのコーヒー豆を用意しているが、社員向けには松竹梅と3種類ほどに絞って提供することにし、それぞれの決済リンクを用意した。Squareなら商品名・商品価格・商品説明などを入力するだけで、すぐに決済リンクが作れる。人生ではじめてオンライン販売に挑戦した河田さんでも、簡単に作成できたという。
「リンクはあっという間にできました。最初は自分でも試しに決済をしてみましたが、何の問題もなかったですね。迷いなくできました」
ECサイト不要でオンライン販売が可能に
Square リンク決済なら会計リンクを作成しSNSやメールで共有するだけ。ECサイトがなくても誰でも簡単ににオンライン販売が可能です。
続いてネットショップも開設
案内を見て注文する社員が安定的に出てきたなかで、オンライン販売に力を入れたいという思いは高まり、今度はネットショップを立ち上げることに。Squareの管理画面を触っていくうちにネットショップも作れると気づいたのも、開設したきっかけの一つだった。商品登録や細かな設定など、決済リンクと比べると少し手のかかるネットショップの作成だが、Squareのネットショップ作成機能については「入門としてはとっつきやすいんじゃないかなと思います」と河田さん。
角川クラフト ROASTERY & CAFEのネットショップではコーヒーを淹れるときに使う道具から、店頭でも買えるスペシャルティコーヒーまで、コーヒーを楽しむためのアイテムが一通り揃っている。コーヒーは「豆のまま」か「中挽き」、量は「100g」か「200g」、訪問者が自由に選べるようにと、河田さんは試行錯誤を繰り返しながら、設定していったという。
商品登録やサイトの制作は河田さんが担当するなか、発送作業を進めるのは焙煎所で働くスタッフたち。
スタッフは随時パソコンから注文通知メールが届いているかを確認し、気づいた人からどんどん発送作業を進めていく。
Squareのネットショップや決済リンクなら、お客様が購入手続きを済ませたすぐあとに注文内容がメールで送られてくる。スタッフが毎回管理画面にログインして「注文は入っていないだろうか」などと確認する手間がないので、すぐに作業に着手することができている。
最近ではSEO対策に力を入れたり、Twitterで商品ページのリンクを共有したりしていることもあり、社外からの思い掛けない注文も入りはじめていると河田さんはうれしそうに話す。今後もオンライン販売にはどんどん力を注いでいくそうだ。
一人ひとりの個性を尊重する職場
冒頭でも少し触れたように、角川クラフト ROASTERY & CAFEは障がい者雇用の一翼を担っている。オープンからぽつぽつとメンバーを増やしていき、今では1日にだいたい5人から6人ほどのスタッフが働いている。中には長年自宅にこもりっきりだったが、角川クラフトへの入社をきっかけに社会復帰を果たしたスタッフもいるという。
働き方として、とくに役割は固まっておらず、スタッフはさまざまな作業に自主的に取り組む。ピッキング(いい豆と欠点豆を見分ける作業)、焙煎、ドリップバッグへの加工、発送にかかわる作業はもちろんのこと、来店客への販売、接客も行う。新作が届くと全員で味見をし、感想を交換しながら独自のブレンドを生み出すこともあるのだとか。
どんなときも作業は自分で探して、進めていく。「みんなが全体を見ながら、自分の得意な作業、貢献できる作業を見極めて、今日はこれやろう、と動いてくれていますね」と河田さん。
十人十色、それぞれ違って当たり前。一人ひとりの個性を尊重する職場が居心地のよさを生み出しているのか「やめる人が一人もいないんです」と河田さん。自分でコーヒー屋をはじめる目標を持つスタッフもいるそうで、次のキャリアにつながるような経験を提供できたらと河田さんは話す。
直近で目指しているのは、カフェスペースを再開させること。「地元の方に気軽に来ていただけるカフェは作っていきたいですね。溶け込むことがスタッフにとってもいいと思っています。まずは自分たちができることをきちんとこなして、届ける相手に喜んでもらう。そこを今後も続けていきたいです」
「リンクはあっという間にできました。最初は自分でも試しに決済をしてみましたが、何の問題もなかったですね。迷いなくできました」ー株式会社角川クラフト 取締役 河田聡さま
角川クラフト ROASTERY & CAFEがSquareで実現したこと
すぐにオンライン販売をはじめられた
KADOKAWAが新たなことをはじめるうえで大切にしているのはスピード感だと教えてくれた河田さん。Squareでは最短即日で審査結果が届くこともあり、角川クラフト ROASTERY & CAFEでももたつくことなくコーヒー豆のオンライン販売をはじめることができました。
手間をかけず、決済リンクが作れた
河田さんがオンライン販売に取り組むのははじめてのことでした。ところが迷う箇所はほとんどなく、画面の指示に従うだけで簡単に決済リンクを作ることができました。
多数のアイテムを販売するネットショップが作れた
角川クラフト ROASTERY & CAFEでは決済リンクの発行だけでなく、ネットショップの開設もSquareで実現することができました。最近では社外からの注文も少しずつ増えてきているようです。対面決済に利用できるキャッシュレス決済端末で知られるSquareですが、このようなオンライン決済機能も充実しています。ネットショップ作成機能についてはこちら、決済リンク機能についてはこちらをご確認ください。
Squareでは、オンライン決済機能に加えて、キャッシュレス決済端末やPOSレジなど、カフェの業務に役立つサービスや機能を多く提供しています。
この事例に登場したSquareのサービスは:
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記事に掲載されている店舗情報 (商品内容、価格、営業時間など) は2021年10月時点のものです。