クレジットカード決済で行われる「オーソリ」はなぜ重要?

Square (スクエア), ブログ編集者

経営するうえで、自社の商品やサービスを購入してもらうための施策を考えるのも大切ですが、いざ消費者が購入を決めたときに、その売上額をきちんと回収することも重要なステップです。特にクレジットカード決済を受け付ける場合は、その場でお金の受け渡しがされる現金決済と異なり、売上金の振り込みが後日に行われるため「商品お渡し後、売り上げが確認できない」などのトラブルもなきにしもあらずです。

なぜこのようなトラブルが起きるのでしょうか。今回はその原因を理解するうえで、決済手続きの一貫である「オーソリ」の役割について解説します。万が一オーソリが承認されない場合、ビジネスオーナーがリスクを負う可能性もあるので、概念を理解しておきましょう。

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オーソリとは

お客様が商品の購入を決め、クレジットカードで決済をするとしましょう。

実店舗でお客様のクレジットカードを端末に通した場合にも、ECサイトでお客様がクレジットカード番号を入力した場合にも、行われるのが「信用承認」としても知られる「オーソリ(オーソリゼーション)」です。端的にいうと、クレジットカードの有効性を確認する手続きです。

オーソリでは有効性を確認するうえで、二つの工程を踏みます。

・商品を購入するための利用枠がクレジットカードにあるかを確認する
(クレジットカードの利用限度額を超えていないか、偽造されたカードを使用していないか、などの確認)
・支払い手続きの際に商品の決済額が差し引かれるよう、お客様のカード利用枠を確保する

お客様のカードに問題がないと判断され、オーソリが承認がされると今度は「オーゾリゼーションコード」が発行されます。オーソリゼーションコードとは、商品の購入額が指定の日にちにお客様の銀行口座から差し引かれるための予約番号のようなものです。このコードを取得した後、支払い手続きに進みます。

このように決済手続きを完了させるためには、(1)オーソリの承認と(2)支払い手続きの2ステップに大きく分かれます。

オーソリが行われる理由

そもそもなぜオーソリは行われるのでしょうか。

1. 不正利用を防止するため

オーソリは、お客様が偽造、または盗難されたカードを使用していないかを確認する役割を果たしています。日本クレジットカード協会が2019年に発表したクレジットカードの調査によると、不正利用による年間の被害額は2016年で142億円、2018年で235億円、と上昇傾向にあります。

しかしながらECサイト上での取引でオーソリが承認されたとしても、カード保有者がEC会員と一致しているとは限らないため、オーソリに加えて本人認証などのセキュリティー対策が必要となります。

参考:日本のクレジットカード統計 2018年版(一般社団法人 日本クレジットカード協会)

2. 利用限度額を超えていないかを確認するため

クレジットカードには限度額が設定されています。

クレジットカード決済では現金のようにその場で商品代金の受け渡しが発生しません。そのため、後日売り上げ処理が行なわれたときにきちんと事業者に売上金が支払われるよう、お客様のクレジットカードに利用枠があるかをあらかじめ確認しなければいけません。そこでオーソリを通して、クレジットカード会社に限度額を超過していないかの確認をとります。合わせて支払いの遅延などのトラブルが発生していないかを確認するのも、オーソリの役割です。

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オーソリが行われるタイミング

オーソリのタイミングは、ビジネスに合わせて「自動」もしくは「手動」に設定ができます。

・自動オーソリ

担当者が操作をしなくても、機械的にオーソリを完了できるのが自動オーソリです。特徴として、クレジットカードの利用枠の確保が早く、待ち時間がほとんど発生しません。

お客様を待たせることなくスピーディーに決済の手続きを進められるのはビジネスオーナーにとって魅力的に聞こえますが、ECサイトで自動オーソリを選択する際には在庫状況に注意を払う必要があります

オーソリはあくまでもクレジットカードの有効性を確認する手続きなので、決済を受け付けたタイミングで万が一在庫が切れていたとしても、決済手続きが進められてしまいます。つまり在庫がないまま、お客様のクレジットカードの利用枠を確保してしまう恐れがあります。このような理由から、自動オーソリは在庫確保が確実であるビジネスに向いているといえるでしょう。

・手動オーソリ

機械に任せるのではなく、担当者のタイミングで行われるのが、手動オーソリです。たとえば実店舗とECサイトの両方で在庫を共有しているなど、在庫が流動的な場合は、手動オーソリのほうが安心でしょう。

一方で、手動オーソリの難点は、お客様を少し待たせてしまうところでしょう。たとえば24時間いつでも注文が受けられるECサイトでは、営業時間外に注文を受けた場合、オーソリ作業が翌営業日になることも考えられます。

一方で実店舗の場合は基本的に「クレジットカードを決済端末に通す」という手作業が生じるため、オーソリは手動で行われます。

以上を踏まえて、在庫確保が確実である場合は「自動オーソリ」、在庫確保が流動的である場合は「手動オーソリ」が向いている、と考えられます。

オーソリが承認されない理由とは

ここではオーソリが承認されない理由を見ていきましょう。なかでもよくある三つの理由をカバーします。

1. 入力したカード番号や暗証番号に誤りがある

クレジットカードでECサイトの商品を購入する場合、クレジットカード番号や有効期限などのカード情報を入力します。クレジットカード会社は、ここに入力された情報を基に照会するので、正しい情報が入力されていなければ確認がとれません。

入力に誤りがある場合には、基本的に購入画面に進んだ後、エラーが表示されます。実店舗での決済でも、暗証番号の入力に誤りがあるとオーソリは承認されません。

2. 利用限度額を超えている

商品の購入に使用したクレジットカードが利用限度額を超えている場合、利用枠の確保ができないため、オーソリは承認されません。

3. カードに問題がある

何らかの理由で使用ができなくなっているカードは、オーソリの承認が降りません。例として以下が挙げられます。

・盗難や紛失の届け出があったカード
・退会手続きがされているカード
・有効期限が切れているカード

店舗の決済端末でエラーが出た場合は、基本的にエラーの理由を示す「エラーコード」が表示されます。表示されたコードを「エラーコード一覧表」と照らし合わせると、おおまかな理由が解明できるので、その場で対処が可能かを判断し、機会損失を防ぎましょう。

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売上金が回収できないことも!?オーソリの承認をしないと起きること

支払いの手続きを進めるうえで必ず必要となるのが、オーソリの承認後に発行されるオーソリゼーションコードです。自動オーソリの場合は機械的にコードが発行されるので取得漏れの心配はありませんが、手動オーソリの場合、オーソリの承認に漏れがないよう管理を徹底しなければいけません。

オーソリコードを取得していないとクレジットカード会社は支払いを承認してくれません。冒頭の「商品お渡し後、売り上げが確認できていない」といったトラブルも起きかねないので、十分に注意しましょう。

オーソリとチャージバックの関係性

もう一点覚えておかなければいけないのは、オーソリだけではチャージバックは防げないという点です。

チャージバックとは、お客様が何らかの理由でカードの請求を取り消したいときに、カード会社に支払いの異議を申し立てる行為を指します。

カード保有者がチャージバックをする一般的な理由をおさらいしましょう。

・「支払った覚えがない」(クレジットカードの盗難や情報漏えいによる不正利用の疑い)
・「支払いを完了したにも関わらず、商品が送られてこない、サービスを受け取っていない」
・「商品が破損していた」「サービスの内容が異なった」

チャージバックが認められた場合、発送した商品は返品されず、売上金の回収もできないことになるので、ビジネスオーナーとしてはできる限り避けたいシチュエーションです。

オーソリは売上金を回収するうえで欠かせない工程ですが、決済を受け付けたカードが不正利用されているかまでは完璧には確認できません。そのため、不正利用によるチャージバックのリスクを防ぐためには、本人認証を行う「3Dセキュア」など不正利用対策も合わせて取り入れておくと安心でしょう。チャージバックを防ぐ具体的な方法はこちらでも紹介しているので、不正利用を防ぐためにもご確認ください。

ECサイトや実店舗でクレジットカード決済を受け付ける場合は、自社ビジネスに適切なタイミングでオーソリを行うのはもちろんのこと、決済額を確実に回収するためにも、オーソリの役割を理解しておきましょう。

執筆は2019年9月2日時点の情報を参照しています。
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